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北朝鮮総書記の死で思い出す北朝鮮市民の顔

北朝鮮のトップ金正日(キム・ジョンイル)総書記が亡くなり、北朝鮮問題に関する報道が飛び交う。三男である金正恩(キム・ジョンウン)氏の後継を焦点に、いったいこの国のかじ取りはどうなり、日本はどう対処すべきかなど…不安材料ばかりだ。

私は、北朝鮮で数時間をすごしたときに見た、北朝鮮の人たちの姿を思い出している。あの時、お土産に買った朝鮮ニンジンのお菓子が、私の戸棚に今もある。

2008年の秋だった。六カ国協議が話題になっていた頃に開かれた、「北東アジア女性平和会議」の最終日。会議参加者は、一日かけて北朝鮮のトラサン駅に向かった。

トラサン駅は、朝鮮半島の南北分断の象徴的な場所。京義線南側の最終駅で、そこは非武装地帯に指定されている。韓国の資本が導入された北朝鮮のケソン工業地区がすぐ近くにある。プラットホームには、ピョンヤンへ205km、ソウルへ56kmという巨大な標識が掲げられていた。でも、ピョンヤンに行く線路は依然としてまだ作られていない。

私たち一行は、朝5時に起きて観光バスに乗り、北朝鮮ケソン工業地区に向かった。このつかの間の北朝鮮視察を終えての最終地がトラサン駅だった。

バスの窓から垣間見えた北朝鮮の人たちの住居、衣服、表情、動作は、エネルギーあふれるソウルの人たちと同じ民族とは思えないように感じられた。

全体的に非常に小柄だ。それに土気色の顔色の人が多かった。市民と思われる人たちの近くにはかならず軍服を着た監視役がピタリとついていて、その数、どちらが多いかわからないほどだった。

胸がしめつけられるような光景だった。

この「北東アジア女性平和会議」は、平和な社会の構築には、女性の声が欠かせないと、企画され開催された。女性版の六カ国協議だった。ロシア、アメリカ、日本、中国、韓国、北朝鮮の6カ国から民間の女性たちが集まると聞き、私は全国フェミニスト議員連盟を代表して出席した。しかし、到着後、北朝鮮代表は不参加になったと知らされた。しかも、この国際会議は、当初、北朝鮮の金剛山で開催予定だったが、「南北朝鮮の不安定な政治情勢下」では無理な話で、会場もソウルに変更になったと聞いた。

今、北朝鮮の国民が金正日(キム・ジョンイル)総書記の死に号泣する映像が流されている。どこかで見た光景だ。第二次大戦直後、皇居前で無数の日本人がひざまずき号泣していた、あの写真だ。


■初の「女性六カ国協議」韓国で開催
http://janjan.voicejapan.org/world/0809/0809086640/1.php
by bekokuma321 | 2011-12-29 09:57 | アジア・アフリカ