2011年 09月 25日
ノルウェー地方選:女性市長5人に1人
しかし、ノルウェー国営放送NRKは報道する。「全市長のわずか20%しか女性市長はいません。5人に1人です」。
「5人に1人しか女性市長がいない」と問題にすること自体、日本から来た私には新鮮だ。正式には、10月末だがほぼ変わらないだろうという。20%という数は、全市長の23%が女性だった2007年の地方選挙に比べ、かなり見劣りする。ノルウェーで、なぜ、女性市長が増えなかったのか。いくつかの市を取材した。
女性議員47%――ほぼ半数―――まで激増させたフィンマルク県カウトケイノ市に足を延ばした。
「こういう女性は多いはずです」と彼女は言う。彼女の言葉とおり、副大臣をした経験のある保守党の女性議員も私にこう語った。「私は、高校の校長職を今年から委嘱されました。この仕事に慣れるまで、市長職は避けたいと考え、断りました」と、答えた。
オスロ近郊のオーモット市は、9月23日時点で、労働党が市長職を握る可能性が高い。その市長は本来なら、今回ダントツの票を獲得したモ―ナ・ストランMona Strandだ。夫と離婚後、娘をひとりで育てるシングルマザー。大学に勤務しながら長年、市議会議員を務めてきた。スキー、ジョギング、音楽鑑賞が趣味だ。
彼女は、リストの2番目だった。「とても市長はできない」と度重なる説得を固辞してきた。そのため、オーモット市労働党は、リストのトップに24歳の男性をたてた。当然、人気者のモーナに票が集中。しかし、「オスロ大学で政治学の博士号をとるために、フルタイムの市長は無理なのです。月に数回しかない市議でしたら、これまで通りやれます」
かくして候補者リストの1番、すなわち市長候補は男性がまだ多い。家事育児が、男性より女性の肩に多くかかっていること、女性は男性よりも家族や友人とのかかわりに喜びを見出し大切にしたいと考えていることが、背景にあるのではないだろうか。
しかし、数多くの政党の男性たちは、女性を市長や議員にしたいと考え、実際、説得していることが、取材でわかった。ノルウェー男性は、確実に変わってきている。
写真上:カラショーク市の現市長(左)と新市長Anne Torill Eriksen Balto。壁には19世紀からの市長の写真が(カラショーク市役所市議会室)
写真中:8番からトップに躍り出たインガール市議(カウトケイノ市のインガ―ルが営む店舗前)
写真下:選挙運動中のモ―ナ・ストラン市議。「私は労働党リストの2番目です」と背番号で示す(オーモット市市役所前)
http://www.nrk.no/nyheter/distrikt/rogaland/1.7780626
ここまで書いてたら、サウジアラビアで女性の参政権が認められたニュースがはいってきた。万歳!