2011年 08月 15日
首都オスロ市長候補の半分は女性
8月13日、ノルウェー地方議会議員の選挙運動が全国でいっせいにスタートした。これまで、テロの犠牲者77人を悼んで自粛されていた。投票日は9月12日なので、1か月間の選挙戦となる。日本と比べると長いが、いつもは8月初めからなので、いつもより短い。
首都オスロの現市長は、第1党の保守党から出ている。第2党は進歩党。しかし、テロ事件で国民の同情を強く集めた労働党が支持を伸ばしており、変わるかもしれない。
労働党が勝つと、市長は女性のリーベ・リーベル=モーン(Libe Rieber-Mohn)となる。「移民の子ももっと保育園に」が政策だ。20代からオスロ市議会議員をし、後、労働党の政策アドバイザーや事務次官などを歴任。2児の母親でもある。労働党に限らず、市長候補の半数以上が女性だ(BBC写真)。
ノルウェーに首長選挙はない。4年に1回改選される市議会議員の際、各市の政党の候補リストの1番目に登載される人が市長候補となる。「わが党は、彼/彼女が市長となって執行します」ということを示す、党のシンボルでもある。
今回は、地方選挙であっても、テロ事件が影響を及ぼすことは確実だ。テロの犠牲者のほとんどは、労働党青年部に属する政治活動家だった。殺害した犯人は、イスラム教徒嫌いの極右キリスト教徒で、労働党の移民政策を非難。犯行を「民主主義への挑戦」ととらえた首相は、事件後よりいっそうの民主主義をと訴えてきた。
国会議事堂前の広場は、人々がランチを食べたり、おしゃべりをしたりする場所だ。また、政治的デモがよく行われる場でもある。13日の報道によると、通りすがりの市民たちは、上方、しかも背後から(事件があったというのに)市長候補たちを見下ろして、歌と演説を聞いていた。
また、13日、ノルウェー国営放送NRKは、「あなたの政党はこれだ」というクイズをスタートした。Valogmatという。
暮らしの中の問題への賛否で、各人がどの政党の政策により近いかがわかるという。以前にあった国政選挙用の地方版だ。
ネットのNRKサイトから、自分の選挙権のある自治体名を入れる。クリックすると、やさしい言葉で政策が出てくる。たとえば、「市の合併は促進すべきだ」という地方自治に関する問題・・・。「政府は父母の育児休業期間を決めるべきではない」というような国政に関わるテーマもある。質問数は21。
それに、「まったくもって反対」、「ほぼ反対」、「賛成でも反対でもない」「賛成」という回答が用意されている。さらに、そのテーマがあなた自身にとって、「重要ではない」、「あまり重要ではない」、「非常に重要だ」なのか。
自分にあてはまるところに、印をつけて、次に進む。最後に、その自治体の政党の中から、「あなたに最適な政党は●●です」となる。クイズ感覚で、楽しみながらやれるところがいい。
「どの政党に投票しなさい」と決めるあげるのではなく、「あなたにもっとも近い政党はこれでしょうという参考にしてください」と、NRKはいう。
■Harmonious start for Norway elections
http://www.bbc.co.uk/news/world-europe-14519770
(全党代表が集まっての討論会があちこちで開かれる。私が見てきた限り、政治討論会の始めには、政党間の融合と連帯をはかるような歌が流される)
■NRK Valgomat
http://www.nrk.no/valg2011/valgomat/