2011年 08月 13日
枯れ葉剤除去開始に松井やよりを偲ぶ
13日付け朝日新聞によると、アメリカがベトナム戦争で使った枯れ葉剤の汚染除去作業が今年始まった。ベトナム戦争は、1960年から75年まで。アメリカが枯れ葉剤を使用したのは1961年から。半世紀たっての、後始末開始だ。
「枯れ葉剤」は、農薬を装った毒薬。その表現からは想像もつかない猛毒のダイオキシが含まれる。以下、朝日新聞記事より。
「ベトナム政府によると、対象地域は米軍基地があった同国中部のダナン空港周辺の約29ヘクタール。費用の約3200万ドル(約24億円)を米国が援助し、2013年までの除去を目指す。全国に28カ所あるとされる高濃度汚染地域の除去には20年かかるともいわれる」
「がんや障害児の出産などの被害は2世代、3世代にわたる。支援団体によると今も約300万人のベトナム人に何らかの症状があるという。」
1980年代、女性解放運動の中で朝日新聞記者だった松井やよりさんと出会う機会があった。松井さんが中心になって運動していた「アジアの女たちの会」の会員となり、アジア女性の解放運動の末席にいたこともある。
松井さんの優れた著書で、アメリカが使った枯れ葉剤の被害や後遺症を知った。心身に重い障がいのある子どもたちや病院の看護師を苦悩が伝わるフェミニストの視点に立ったルポに、私は強い衝撃を受けた。