2011年 02月 09日
ウィキリークスのアサンジ強姦事件
性的関係による違法行為で逮捕状を出したのは、スウェーデンの幹部検察官マリアンヌ・ニューMarianne Ny(女性)。最新の報道によると、このマリアンヌ・ニューに対する誹謗中傷が問題となっている。
2月7日ガーディアンによると、スウェーデンの元高裁判事のブリータ・サンドバーグ=ウェイトマンBrita Sundberg-Weitman(女性)は、検察官マリアンヌ・ニューに対して「彼女は過激なフェミニストだ。男性に対して悪意を持っている」などという偏見に満ちたコメントをした。
アサンジに対する違法な性的関係という犯罪は、相手の女性との合意なしに避妊具(コンドーム)をつけなかったため、また別の女性に対しては重いからだを押しつけて性交渉に及んだということだという。スウェーデンの強姦罪はきわめて厳しく、性交渉をする際、相手の合意に反して避妊具をつけなかったり、酒に酔ったり、眠っていて、意識がもうろうとしている相手とセックスをしたら、「強姦罪」となる。EU加盟国の強姦件数で、スウェーデンがトップであるというのも、ここに一因がある。
日本をはじめ多くの国で、「コンドームをつけてと言っても、彼はつけてくれなかった」は日常茶飯事だ。コンドームをつけなかったことで強姦罪で起訴されるなどとは、予想だにできない男性が多いはずだ。
一方、アサンジは、スウェーデン側からの強姦容疑を「相手の女性と合意の上だった」と強く否認している。
こうした背景は、彼の逮捕は政治的謀略だ、という見方を加速する。真相は今後あきらかになるだろう。ともかく、超有名なアサンジ事件のおかげで、世界が、男女平等国スウェーデンの強姦罪(刑法6条)を知ることになったのは、いいことだ。
しかし、「過激なフェミニスト」というレッテル貼りを21世紀の今どき、スウェーデンでなぜ、と驚きあきれた。こういう人格攻撃が世に出ること自体、スウェーデンをはじめ世界の男女平等は道半ばなのだと思う。
http://www.nrk.no/nyheter/verden/1.7498776
http://www.guardian.co.uk/media/2011/feb/07/julian-assange-prosecutor
http://www.guardian.co.uk/world/2011/feb/08/pass-notes-radical-feminist
http://mainichi.jp/select/world/europe/news/20110118k0000e030012000c.html