2017年秋、北欧アイスランドで国政選挙があった。

アイスランドを含む北欧はすべて比例代表制選挙なので、いくつかの政党が交渉を重ねて連立政権をつくるのが普通だ。

今回は、第二党となった「左派緑の党」党首であるフェミニストのカトリーン・ヤコブスドッティルが首相に選ばれた。

首相は、「男女賃金格差禁止法」を今年2018年1月1日から施行した。なんと素早いこと! しかも男女同一賃金であることを証明できない25人以上の会社・公共機関には1日6万円近くの罰金が科されるのだという。

罰則のない理念法しか作れない日本とは大違いだ。「2022年に男女同一賃金の完成」が目標らしい。

この「左派緑の党」の前身は「女性党」だ。女性党があったころ、首都レイキャビクまで飛んで、女性党事務所を訪問した。そのとき私の目を射抜いたのが、このポスター。

ポスターのアイスランド語は何と言っているのだろう。「叫ぶ芸術:ポスターに見る世界の女たち」(I 女のしんぶん)をどうぞ。

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# by bekokuma321 | 2018-04-18 19:00 | 北欧

ショッキングなニュースが、スウェーデンから届いた。ノーベル文学賞を選考するスウェーデン・アカデミー初の女性事務局長サラ・ダニウスが、先ごろ辞任した。実は更迭のようだ。

世界に伝播し、女たちからの訴えが堰をきったように流れ出した#MeToo運動。ストックホルム在住のビアネール多美子さんの記事などによると、スウェーデンはとりわけすさまじかったと伝えられているが、それと関連する。

男女平等先進国の、しかもノーベル賞選考機関という権威の塊のようなところでさえ、女性が尊重されていない。男尊女卑の根深さにがくぜんとした。

サラ・ダニウスは、事務局長の座を去ったが、黙ってはいなかった。アカデミーの女性蔑視、なれ合い、身勝手さと闘ってきたことを文書で明らかにしたのだ。彼女の毅然たる表現に、心から敬意を表する。私も見習いたい。

「スウェーデン・アカデミーは、女性を貶める古臭い力関係や言葉に対してはっきり対峙する力であるべきだ」

「倫理は、最上壇に置かれるべきであり、ものごとを決める際、対立や守秘義務に関しては厳格なルールに従うべきである。犯罪や窃盗行為は起訴されるべきであり、法的執行機関に報告されるべきものである」

「相続したものを守るために傲慢になってはいけないし、広い世界から距離を置いてはならない」

「党派的傾向は、現代には不要である」

「伝統がすべて保存に値するわけではない」

ことの発端は、アカデミーのメンバーである作家Katarina Frostensonの夫が、セクハラを繰りかえしていたと、女性18人が#MeToo運動で告発したことだ。アカデミーは、セクハラ疑惑男性の妻の留任を決めた。ところが、別のメンバー3人が、抗議の辞職に至った。こうした対応をめぐって、アカデミーに批判が寄せられていたのだという。

辞職した事務局長サラ・ダニウスのトレードマークは、ボータイブラウス。彼女の無念の辞職後、何人もの女性たちが(数人の男性も)ボータイブラウスをまとって、サラ・ダニウスへの支持を表明している。なんとも後味の悪い事件だが、女性同士の連帯の強さに、救いを感じた。


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 ▲2018年2月10日号のI女のしんぶんに報道された、スウェーデンの#MeToo運動。ビアネール多美子さんによる記事

'Not all traditions are worth preserving': ousted Swedish Academy head Sara Danius
Swedish Academy's first female head ousted after #MeToo scandal
De visar sitt stöd för Sara Danius med knytblus
セクハラやめろ!(スウェーデン)
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# by bekokuma321 | 2018-04-17 21:13 | 北欧

財務省福田淳一事務次官は、女性の記者に対してセクシャルハラスメントを繰返していたことがメディアで報じられた。

週刊新潮編集部が公開した録音テープによると、彼が二言目には、卑劣で卑猥で野蛮な言葉を使っては女性記者に言いよっている。被害者が断っても、まったく無視。またしつこく「胸触っていい?」「手しばっていい?」などと繰りかえす。

聞いてるだけで、鳥肌がたつ。こんな男性を相手に仕事をしなければならない環境に置かれた女性記者の辛さ。想像を絶する。

福田淳一事務次官は、財務省で働く人たち約7万人余りのトップに君臨する。支配構造の頂点にいる人間が、立場の弱い人間相手に、「これくらいどおってことない」とたかをくくっては性的言動を繰り返す。これはセクハラの典型だ。

本来なら、こんな事態に至るまで注意を怠った側である麻生財務大臣の責任を明らかにするべきだ。ところが、こんな報道があった後にあっても、麻生財務大臣は、自分の部下である福田淳一事務次官のセクハラ言動を調査もせず、処分もしないと言っているらしい。

こうした加害者を罰しない職場環境が、さらなるセクハラ被害を生む。怒髪天をつく思いだ。

私もセクハラを受けた経験があるが、セクハラは、働く女性の誇りや自尊心を深く傷つける重大な人権侵害であり、女性から働く意欲を奪う労働権の侵害である。確信を持って言える。

私が議員時代、同じ会派の男性議員は私にセクハラを繰り返した。大勢の幹部職員がいる常任委員会の席上でも卑劣な言葉を投げつけられた。ある時は、議会の廊下で身体を触られた。

しかし私の受けた嫌がらせは、私の手元に寄せられた膨大なセクシュアルハラスメントの事例に比べると些細なものだった。たとえば、大学教授から言い寄られて断ったとたんに職場を配転させられた非常勤職員、女性がたった一人の電気工事会社で日常的にわいせつな話を聞かされて我慢の限界を超えたので抗議したら即解雇された社員、仕事の打ち上げで飲み会に行って気分が悪くなったままホテルに連れ込まれ強姦されたあげく解雇された社員……。

あれから4半世紀。「女性活躍」などという空疎な言葉が日本に舞っている。女性に本当に活躍してほしいなら、働く女性の誇りや自尊心を傷つける人権侵害であり、女性の労働意欲を阻害する最大の要因のひとつ「セクシャルハラスメント」を根絶することだ。そう、福田事務次官はただちに公職を辞すべきだ。同時にその指導監督責任を怠った麻生大臣も、辞任すべきだ。

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   財務省ホームページ

【財務省のホーム―ページから財務省に意見を寄せられるので、上記をですます調にして送信した。財務省へ意見・要望を送るにはこちら
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# by bekokuma321 | 2018-04-13 17:06 | その他

ニュージーランドは、人口470万の島国だ。国王はイギリスの国王がかねる。選挙もイギリスと同じ小選挙区制だったが、日本がイギリスを真似て小選挙区制に変えた頃、比例併用制に変えた。ニュージーランド国民が「小選挙区制は不公平だ」と抗議をしてきたからだと言われている。

ニュージーランドは、比例中心に変えた結果「政治がガラリと変わった」。緑の党の国会議員の発言を翻訳してFEM-NEWSに紹介したとおりだ。そして今、首相は6月から6週間の産休にはいることに象徴されるように、「女性に優しい政治」がかなえられつつある。

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4月20日(金)夜、飯田橋で、こんなニュージーランドの報告を含む国際シンポジウムが開かれる。それに先立って、講師のひとりテサ・バースティーグ(ニュージーランド大使館一等書記官)にインタビューした。

テサ・バースティーグは、比例併用制の選挙制度に変わった結果、いかに女性やマイノリティが当選しやすくなったかについて、20日の国際シンポジウムでスピーチする。

「ニュージーランドの有権者は支持政党を選びます。政党は前もって候補者リストを作りますが、女性やマイノリティの声を政策決定に入れるべきだと考えたら、ジャスト・ドー・イット(Just do it.)。つまり、政党が女性やマイノリティをリストに登載すればいいだけ。ほかのことを考慮しなくていいのです」

「首相が6週間の育休にはいる、その間は、連立を組むニュージーランド・ファースト党党首(マオリ族)が首相代行をします。首相の育休は、首相も働く女性だ、ということにつきます。他の女性労働者と同じ権利を行使するというだけです。首相ですから重責を担ってますが、彼女のパートナーの共同育児・家事も万全です。首相はこう言ってますーー『大変でないとはいえませんが、他の多くの働く女性たちも、出産・育児をしながら働き続けてきたのです。私だけじゃありません』」

議員と市民が限りなく近いのである。熊本市議の子連れ議場入り事件を思い出した私は、それを話した。彼女はよく知っていた。

「おもしろい話があります。昨年の国政選挙後に新しく当選した女性議員が、3か月の赤ちゃんを連れて議場にはいりました。その時、赤ちゃんを議長に預けた瞬間がありました。赤ちゃんを膝に抱いた議長席の議長は、大ニュースになりました。20日の国際シンポジウムでは、その画像をお見せできるかもしれません」

「女性やマイノリティ議員の増加は、まずは選挙制度が比例併用制に変わったことによります。でもそれだけではない。政党です。政党が、候補者リストに女性やマイノリティを載せることに自覚を持ってとりくんでいる、ということなのです」

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国際シンポジウム 選挙を変えれば暮らしが変わる (コクチーズの案内)
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# by bekokuma321 | 2018-04-13 12:47 | アジア・アフリカ

4月11日、衆院内閣委員会で「政治分野における男女共同参画推進法案」が可決された。今国会での成立は確実だろう。

「政治分野における男女共同参画推進法案」には、衆議院をはじめ参議院や地方議会の選挙の際、政党に候補者の男女比率を「できる限り均等」とするようにと明記されている。女性の候補者数と男性の候補者数をできるだけ同じにするよう、政党に対して法律で求めたことは、遅きに失したとはいえ、意義深い。

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しかし罰則はない。残念だが、政党が女性候補者を増やさなくても痛くもかゆくもない。ここで重要なのは女性党員や支持者の力だ。選挙に先立つ候補者選定過程で「候補者を男女半々にしないのは違法だ」とどれだけ強く求めていけるかだ。

有権者も、女性候補者を増やさないような政党にはノーをつきつけよう。そうでなくては、せっかくの法も絵にかいたモチになる。

内閣委員会の中継(Youtube、上の画像をクリック)によると、中川正春議員(無所属の会)のあいさつに続き、畑野君枝議員(共産)が発言。「できる限り同数は、と、できる限り均等は、法的には同義であることが確認されて、今回の法案となった」と念を押した。「均等は同数ではない」などと女性に席を譲りたくない人たちが詭弁を弄したら、これを使おう。

さらに、畑野議員は、以前、内閣府男女共同参画会議がとりまとめた女性議員増と選挙制度の関係に触れた。

「小選挙区制よりも中選挙区、大選挙区、比例代表制のほうが多様な民意が反映されやすく、女性議員の割合が高くなる」と、報告書から引用して、小選挙区制の見直しを訴えた(内閣府報告書の当該部分は、左下More参照)。


衆院内閣委員会 政治分野における男女共同参画推進法案起草案採決 2018年4月11日(Youtube)
余りに低い都道府県議会の女性率
2017衆院選 微動だにしない男性偏重政治
2017衆院選の政党別・性別候補者
女性議員増「比例代表制&多数定数選挙区で」
選挙制度は政治を根本から変えた(ニュージーランド)
推進法成立を求める国会議事堂前マーチ
来年こそ「政界への女性推進法」を
「身を切る改革」どころか「民意を切る改革」(全国フェミニスト議員連盟要望書)
政治分野、行政分野、雇用分野及び科学 技術・学術分野におけるポジティブ・ ア ク シ ョ ン の 推 進 方 策(PDF文書)

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# by bekokuma321 | 2018-04-12 07:53