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北欧は安心安全の子育て・介護で知られています。こうした豊かな福祉は女性の政界進出と深く結びついています。9月統一地方選のあった北欧ノルウェーの映像を見ながら、民主主義の最も進んだ社会への道筋を考えてみませんか。どなたもお気軽にどうぞ。

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批判精神を養うことが学校教育の柱(ノルウェー)

民主主義を鍛える開票作業(ノルウェー)

「市民の代表は市民より上にあってはいけない」(ノルウェー)

民主主義を学ぶスクールエレクション終わる(ノルウェー)

無報酬でも地方議員候補が多い理由(ノルウェー)

民主主義度ノルウェー1位、日本22位



# by bekokuma321 | 2019-09-17 23:08 | 北欧

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「批判精神を養うこと」――ノルウェー全ての学校教育の基本のキだと聞いた。


では、生徒たちはどんな授業を受けているのだろうか。


地方選挙の投票日前の93日、オスロのエドワード・ムンク高校の社会科を見学した。突然の申し出を受けてくれた教員のアウドゥン・グルナーヘッゲ(Audun Gruner-Hegge)に心から感謝しつつ、概要を報告する。


授業時間は1215分から1445分まで2時間半。参観した両日とも、生徒は15歳と16歳の高校1年生。


生徒たちは、前週に政党の概要を学んだという。クラスは34人のグループごとに分かれて座っていた。それぞれが政党1つを選んで、政党の目的、選挙の公約、ソーシャルメディアから知りうる特徴などを調査するのだという。4年に一度の統一地方選が教材だった。


グループ調査活動の前に、教員のアウドゥンは、ノルウェーの著名な政治学者の理論を白板に書いて伝えた。生徒たちは、ラップトップパソコンを使って、オスロ市行政組織や政党のホームページなどの情報を検索しながら話し合っている。生徒が挙手すると、教員のアウドゥンはただちにそのそばに行って何やら話す。


2時間半のほとんどを、生徒による調査活動とグループ内の話し合いに使って、授業は終了した。


教員アウドゥンは「今日、グループ発表に進みたかったけど、みな、調査に時間がかかっていたので、発表は来週です。よろしかったら、ここ、222B教室に同じ曜日の同じ時間にいらして下さい」と私に言った。


そこで10日、222B教室を再訪問。生徒たちは、自分たちが作成したパワーポイントを駆使して、グループごとに発表していた(写真上)。始業時間に遅れたため、全グループではないが、いくつかを観察できた。


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その一つキリスト教民主党を選んだグループは、「私たちの選んだ政党は、漠然としていて、政策が明快ではないと感じられた。ホームページやフェイスブックなどソーシャルメディアによる市民への広報を調査したところ、若者に訴えるものがないと考えます」などと言った。


政党をどう選んだのか、そのグループのハーパに聞いたら、こう言った(写真左上)。


「グループごとの希望を尊重はしますが、重ならないように意見を出し合って決めます。選択する政党は、支持政党ではなく、調査したい政党です。むしろ私たちは支持できないと考えていた政党を選び、その政治的立場をもっと知りたいと思いました」


では、なぜキリスト教民主党を選んだか。


「キリスト教民主党は妊娠中絶に反対している政党です。私たちは、妊娠中絶は個人の自由選択に任せるべきだと考え、法律による規制に反対です。なぜ妊娠中絶に反対するのか、についてキリスト教民主党の主張や立場を知りたかったので、この政党を選びました」


発表を終えたグループには、皆、惜しみない拍手を送っていた。私は、妊娠中絶の権利で政党を批判的にとらえるハーパーのグループに、心の中で拍手を送った。


教員アウドゥンは私に「別に討論の時間もあります。今回は討論ではありません。調査した結果を皆の前で発表することが目的です」と言った。


教科書は机上に置いたまま、ほとんどだれもページをめくらない(写真下)。教科書は使わないのか。アウドゥンは私の疑問に答えた。


「ええ、あまり使いません。教科書は事実を書いている参考書です。もっとも大事なことは、事実を知ることではなく、生徒たちの参加です。生徒自身の力で調査しながら、生徒自身で結論を導くプロセス(過程)を大切にしています」


小学生から政党の若者部のメンバーにはいる子どもたちがいるノルウェー。クラスからあがった要求項目を全校のものとして、生徒会代表が学校当局と交渉して実現させたりするノルウェー。スクールエレクションでは、高校・生徒会が政党代表を学校に招いて討論会を開くノルウェー。


ノルウェーの人たちの強い政治的思考、批判精神のカギは、自主性と自己表現に重きを置く学校教育にありそうだ。


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# by bekokuma321 | 2019-09-12 06:49 | ノルウェー

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ノルウェー地方選が終わった。投票率は64.5%。首都オスロは67.5%をマークした。ノルウェーも、地方選は投票率約8割の国政選に比べてかなり低い。しかも年々投票率が下がっていた。が、今年は違った。


比例代表制選挙なので「死に票」は出ない。一人ひとりの声が、大政党は大政党なりに小政党は小政党なりに議会に反映される。それをこの目で見たかった。ノルウェー地方自治省主催「選挙観察プログラム」に参加した。


投票時間がもうすぐ終わる9日夜9時前、オスロのベッケラーゲ(Bekkelaget)小学校に到着した。夜9時、学校のドアが閉じられた。同時に投票所となっていた体育館の片付けが始まり、開票作業所に早変わりした。


テーブルが2つ作られ、それぞれに集計係が座った。「募集に応じてくれた市民たちです。何度もやったことのあるベテランから初体験の新人までさまざまな市民がいます。全員が訓練を受けています。オスロでは多少バイト代を支払っていますが、まったくのボランティアのところもあるようです」と開票責任者が言った。2つテーブルがあるのは、座るテーブルを変えて、異なった目で票を2回調べるからだという。


投票箱から投票用紙がドサリと移される(写真上)。積まれた投票用紙を、まず、表紙に押印されているかを確かめる。印鑑がなければ無効だが、ノルウェーでは無効票はほとんどないという。この学校でも「無効票は1枚もありません」。


次に政党ごとに票を分ける作業に進む。21もある政党の候補者リスト(=投票用紙)に加えて支持政党なしの用紙もある。しばらくして、積み上げられた投票用紙の山の高さで、この選挙区の投票傾向がわかってくる。保守党の山がどんどん高くなっていく。「ここの選挙区は、富裕家族が多いところなので、いつも保守党が強いのです」と責任者が言った。


9時半ごろ、手元のスマホにメディアから政党の予想獲得率が入ってきた。「正確にはまだですが、事前投票の結果予想もあるので、予想は当たります」と、案内役の自治省職員は言った。


積みあがった政党ごとの票の山を1枚1枚数える作業が始まる。みな真剣だ。休憩もとらず、黙々と数えている。1時間以上経過しただろうか。


「誰が議員に当選したかは、この開票所では決まりません。オスロの場合、各投票所の投票用紙はオスロ市(オスロは県でもある)に送られて、そこで、投票用紙がスキャンされます。個人の加算票がスキャナーで読み取られます。それから、政党ごとに候補者の順位が決まります」と、開票責任者が説明した。


比例代表制では、政党ごとの獲得票に従って、その政党が議会に何%議員を送れるかが決まる。選挙区では、政党ごとの票の数を正確に数えるだけだという。


ノルウェーでは、投票用紙の候補者名の右にある空欄にバツ印をつけると、その候補者の票が増える。また、投票用紙の右下の欄に、他党からの候補者名を書くことができ、書かれた候補者は加算される。そのややこしい作業は「ここではなく、オスロ市役所のスキャン作業で」なのだそうだ。この個人票を加えた政党ごとの候補者リストの順番が決まるのは、今週末または来週に持ち越すかもしれないと言われている(注)。


9日深夜のテレビによると、ノルウェー全体では、第1党労働党、第2党保守党。だが、両党ともかなり票を減らした。第3党は中央党(前農業党)で、大躍進だ。政府の自治体合併政策への反対の声を集めたようだ。


オスロ市では緑の党が大躍進。地球温暖化への危機から若者を中心に支持が伸びた。オスロ緑の党代表のチャーミングな笑顔が、テレビ画面いっぱいに広がっていた。ベトナム系ノルウェー人 だ。


テレビを見ながら、深夜過ぎまで開票作業を続けていた生真面目な顔、顔、顔が浮かんできた。こうした普通の市民一人ひとりの政治参加が民主主義を鍛えているのだ、とわかったような気がした。


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【注:メディアは、選挙後、政党がどのくらい票をとったか、前回に比べてどのくらい伸ばしたか、または下がったかを報道する。もっとも大事なのは政党の獲得率であり、だれが当選したかは、重要ではないとまでは言えないが、次のステージになる。9月11日夜現在、知人の候補者4人に当落を尋ねたが、トップに登載された1人を除いて3人とも「まだわからない」という答えだった】


# by bekokuma321 | 2019-09-10 18:32 | ノルウェー

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ノルウェーの全有権者のスマホに、数日前、投票を促すショートメッセージが届いた。「私も受け取った」と言うオスロの友人から、メッセ―ジを見せてもらった(写真左)。


「こんにちは。99日の投票日を思い出していただくためのものです。民主主義はあなたの声を必要としています。選挙に参加することを忘れないでください! 詳しくはvalg.noをどうぞ。 お元気で。ノルウェー選挙総局」(訳FEM-NEWS


ともだちからのショートメッセージみたいだ。でも送ったのは、政府の自治省の傘下にある「ノルウェー選挙総局」である。この組織は選挙に関する情報を流して市民の投票しやすくする目的で、2016年創設された。


「国政選挙の投票率は約80%です。それに対し、地方選挙は約60%で年々下がっています。例外はウトヤ島の無差別襲撃事件があった2011年です。夏に事件があり、秋が統一地方選でした。若者を中心に民主主義をとりもどそうという声が全土にあがりました」と、選挙の専門家は説明する


だから、投票率をあげるためさまざまな工夫をしているのだという。その涙ぐましいまでの努力のひとつがショートメッセージなのだろう。「民主主義はあなたの声を必要としています」は、いかにもノルウェーらしい。



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▲9月8日(日)の昼、国会議事堂前では、「風車増設反対」の市民が大勢集まって集会をしていた。今の選挙の争点のひとつだ。


# by bekokuma321 | 2019-09-09 04:52 | ノルウェー


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ノルウェーでは、9日の投票日が近くなるにつれて街角に投票権を使おうというポスターが増え、TVでは、党首討論や重要課題についての政治討論会がさかんに流される。


昨日はオスロの友人が、「今日ね、投票の権利を使おうというショートメッセージが来てたわ」と言った。


メッセージは選挙の責任省からのもので、ノルウェー中の有権者に送られた。そのほか、移民や移民の家族には郵送で同じような内容の手紙が送られたという。ノルウェー初の試みらしい。


ノルウェーでは、ノルウェー国籍がないと国政選挙に参加できないが、国籍がなくても3年住んでいると地方選挙への参加が認められている。日本とは大違いだ。とはいえ、移民などマイノリティの人たちの投票率は低い。2015年の地方選では40%程度だったと報道されている。


事前投票は1か月以上前から、住民票のある所でなくても、たとえば職場の近くでもできる。だから、最後の金曜日にあたる96日は、投票を待つ人の長い列が続く投票所もあった(写真上)。


地方選の投票率は、国政選挙より低い。それを少しでも高めようという政府の熱心なこと。今回は何パーセントになるのか、楽しみだ。



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▲緑の党(左)と保守党(首相)の党首討論(TVから撮影)


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 ▲地方自治大臣(左)を交えてサーメの権利と地方自治についての討論会(TVから撮影)

# by bekokuma321 | 2019-09-08 06:43 | ノルウェー