c0166264_22523936.jpg報道によると、サウスカロライナ州チャールストンの教会で6月17日夜、男が銃を乱射し、教会で聖書の学習会をしていた女性6人、男性3人の黒人9人が銃殺された。

18日逮捕された白人のディラン・ルーフ容疑者(21)は、「人種間の戦争を起こしたかった」などと述べている。犠牲となったのは、牧師、図書館司書、スピーチセラピストなど、地域の尊敬を集めている人たちだった。

19日、金曜日、チャールストンの法廷で、かけがえのない人たちを亡くした親族は心情を吐露した。そのビデオを見た。

ほとんどの親族たちは涙ながらに「あなたは私の最も愛する人を奪い、私は心から苦しんでいる。あなたのなした行為を悔い改めて下さい。しかし、神の加護があなたにありますように、あなたを許さなければならない」と語った。その深い自制心と寛容さに、こうべをたれるしかない。

一方、サウスカロライナ州は、初の女性知事ニッキー・ヘイリー。共和党。彼女は、ただちに「完全なるヘイト・クライムである」とし、裁判する前から「容疑者の死刑判決を」と述べた。余りに短絡的だ。共和党は、武器を所持する権利を認めた合衆国憲法修正第2条にたてに、オバマ大統領が唱える銃規制に反対している。

対して、民主党の次期大統領候補ヒラリー・クリントンは、事件の社会的背景をとりあげた。

「人種による深い分断が存在し続けている。アメリカは人種問題と長く闘い続けてきたがまだ終わっていない」として、背後の人種差別問題を指摘した。さらに安易に銃を保持できるアメリカの法制度を批判して「銃規制にとりくむ」と語った。

ヒラリー・クリントンは、以前にも、アメリカ社会の黒人の置かれている状況を、精神保健サービスにかける予算不足と関連づけて演説していた。ポイントのみ翻訳する。

「刑法の大改革をし、大勢の人が投獄されている状態を終わらせなければならない。保護観察や薬物転用プログラムなど更生施策を新設・充実させ、軽犯罪者を刑務所に入れずに、薬物治療、精神保健支援サービスなどの代替方法を広げるべきである。アメリカの刑務所や監獄は、今や精神保健施設となっている。精神保健サービスを提供する精神保健センターや病院に対する予算削減にストップをかけよう」

「アメリカの全黒人男性の3分の1が、収監容疑にあっている現実をおかしいと思わないか。150万人もの黒人男性が、刑務所に収監されたり、早や死をして、家族や近所から“いなくなっている”現実をおかしいと思わないか」

クリントンは、メリーランド州ボルチモアで逮捕・護送されたフレディ・グレイが不慮の死を遂げた事件(2015年4月)をとりあげて、アメリカ社会の黒人差別をこう述べている。

「アメリカで、黒人男性に対する残虐行為が頻繁に起きていることは、否定しえない事実だ」

「ボルチモアの6マイル(9キロ)しか離れていない、隣接する、あちらの町とこちらの町で、20歳も平均寿命が違うのだ」(黒人居住区と白人居住区のこと)

オバマ大統領を誕生させたアメリカ。その夜は、まだ明けない。ただ、アメリカの次期大統領に、民主党の人権派ヒラリー・クリントンが就任する可能性がある、そこに、望みをかけたい。なぜなら、彼女こそ、女性への偏見や蔑視と闘い続けてきた政治家だからだ。

Hillary Clinton After Charleston Shooting: Race Remains 'Deep Fault Line'
Charleston Church Shooting: Families of Victims Address Dylann Roof at Bond Hearing
Read: Hillary Clinton’s huge new speech on criminal justice reform
人間味あふれるノルウェーの刑務所
再犯率の最も少ない国の刑務所 追記
Norske fengsler skremmer ikke utenlandske kriminelle(動画:ホテルのシングルルームのような刑務所が映し出される)
Norske fengsler skremmer ikke utenlandske kriminelle
最も再犯率の少ない国ノルウェーで今
禁固21年判決とノルウェーの犯罪制度
再犯率の最も少ない国の刑務所
未来への提言「世界一囚人の少ない国からの報告」
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by bekokuma321 | 2015-06-21 23:15 | USA

マヤ・アンジェロウ逝去

c0166264_10372477.jpgマヤ・アンジェロウが亡くなった。享年86歳。

アメリカの詩人、作家、人権活動家。私も、若いころ、彼女の代表作”I Know Why the Caged Bird Sings”を読む機会を得た1人だ。アメリカ南部の貧しい家に産まれた少女の壮絶な一生。アメリカ社会の人種差別、女性差別を知る、珠玉の1冊だった。

日本では、矢島翠の手で、『歌え、翔べない鳥たちよ』として翻訳出版されている。

最近では、ネルソン・マンデラを追悼するビデオで、マヤ・アンジェロウの艶のある美しい声を聞くことができた。

マヤ・アンジェロウのスピーチがネットでたくさん見つかった。私の好きな言葉を私なりに訳しながら、偉大な黒人女性に、信州の一隅から愛と感謝をささげたい。

あ・り・が・と・う、マヤ・アンジェロウ!

■I will have been as present as possible, and as courageous as possible、and not a bore.

私は、あらん限りの力でここに存在しようとした、勇敢であろうとした、私は退屈な人間ではなかった

■Courage is the most important of all the virtues because without courage, you can't practice any other virtue consistently.

勇気こそ最高の美徳である。勇気がなかったら、他の行いを続けることなどできない

■You may encounter many defeats, but you must not be defeated. Please remember that your difficulties do not define you. They simply strengthen your ability to overcome.

数えきれないほどの敗北に出会っても、あなたがそれに負けてはいけない。苦難によってあなたが決まることなどない、苦難は挑戦するあなたをさらに強くする

■Life is not measured by the number of breaths we take, but by the moments that take our breath away."

人生は何回息をしたかで決まらない、何回感動したかで決まる。



Maya Angelou, writer and poet, dies at age 86
Maya Angelou 'the brightest light' says Barack Obama
His Day is Done
シャーリー・チザム、切手に
ト二・モリスン、アメリカ大統領選挙をかたる
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by bekokuma321 | 2014-05-29 11:00 | USA

c0166264_1510882.jpg「彼女は、コンゴに帰って働くべきだ。彼女は、オランウータンのようだ」――こんな露骨で低劣であきれかえる発言を、女性の大臣に浴びせた男性がいる。

イタリアのロベルト・カルデロリ(Roberto Calderoli)。大臣もしたことのある、北部同盟党(Lega Nord)の国会議員だ。

暴言を浴びせられた女性は、イタリア史上初の黒人の女性大臣セシル・キィェンジェ(Cecile Kyenge)だ。彼女は、移民問題を扱う省の大臣で、眼科医。コンゴ生まれの彼女は、イタリア留学後、イタリア人と結婚した。

4月も「彼女は、立派な主婦には見えるが、大臣には見えない」などとあくどい言葉をあびせられた。

キィェンジェ大臣は、こうした人種差別攻撃に対し、「私にとどめをさすことなどできません」と、果敢にやり返したという。その強さに心から敬服する。しかし、彼女個人のファイトバックだけでは、また繰り返される。

日本にも、卒倒しそうな差別発言をはく右派政治家がいるが、イタリアの右派政治家も相当なものだ。

めげるな、セシル!

http://www.guardian.co.uk/world/2013/jul/14/italian-senator-roberto-calderoli-cecile-kyenge?CMP=EMCNEWEML6619I2
◆イタリア黒人女性大臣、差別にさらされる
http://frihet.exblog.jp/20334907/
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by bekokuma321 | 2013-07-15 17:42 | ヨーロッパ

c0166264_14151648.jpgト二・モリスン(81歳)が、アメリカ大統領選挙について、秀逸な言葉を発している。編集者で作家。アメリカ黒人初のノーベル文学賞受賞者。

彼女の言葉をBBCのメディアから和訳すると――

「政治の季節、選挙キャンペーンになると、アメリカを襲ってきた癌、つまりレイシズム(黒人差別)が、立ち現われるのです」

「治癒に向かわせるのは、時間と世代です」

「現代の若者は、昔の私たちの世代と違って、レイシズムについての話を聞きたくないし、話もしたくないようです。彼・彼女たちをとりまく文化――歌、詩、ダンスすべてアフロアメリカンが湧き出ています」

「だから若者は、不快ではない、怖くないのです。黒人が指導していることに恐怖を抱いている昔の世代とは文化が異なります…バカな黒人は手なずけられます。でも、本当に賢い黒人はこわかったのです」

「オバマが大統領選挙に勝利して、カンザスにいた彼の母親と祖母、二人とも白人ですが、もしも彼女たちが生きていて、ホワイトハウスを訪れたり住んだりしたら、どうだったでしょうか。どういう言葉が発せられたでしょうか」

◆Nobel laureate Morrison on race in contemporary America
http://www.bbc.co.uk/news/world-radio-and-tv-19827316
◆Can Google Predict the Impact of Racism on a Presidential Election?http://www.theatlantic.com/politics/archive/2012/06/can-google-predict-the-impact-of-racism-on-a-presidential-election/258322/

■男女平等主義者オバマ 初の黒人大統領の陰に4人の女性ありhttp://janjan.voicejapan.org/world/0811/0811070987/1.php
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by bekokuma321 | 2012-10-07 14:19 | USA