タグ:髭のノラ ( 26 ) タグの人気記事

c0166264_2228698.jpg『髭のノラ』(三井マリ子著、明石書店刊)を読んだ。リズム感のよい読みやすい文章で、ノルウェーの女性史や現状が語られている。しかも、おしゃれにユーモアを混じえて、私たちの胸に訴えかける。

今でこそノルウェーは、世界1、2の男女平等の国だ。しかし、ノルウェーも、かつてはそうではなかった。『鬚のノラ』には、1970年代、妊娠中絶の合法化の運動を続けていた女性に対してこんな罵声が飛んでいたことが書かれている。

 「毒蛇女め」
 「今晩、お前を眠らせないようにしてやるぞ」 
 「お前は説教しているつもりだろうが、お前などは悪魔の誘惑者だ!」

日本でも、男ばかりで物事を決める不自然さや気持ち悪さを感じている女性は、今までもたくさんいたし、現在もいる。一方、いまだに「何で男女平等が大切なのか」って聞く人がいる。

だから、常に男女平等の重要性を声に出し続けなければいけない。

とはいえ、男女平等や女性の地位向上を言いづけることは難しい。ましてや本にして出版できる人はなかなかいない。私は、今回、三井マリ子さんの書いた『見わたせば あらッ 男ばかり』、『セクハラ110番』、『ママは大臣パパ育児』など、だいぶ前の本も再読した。三井さんの男女平等に懸ける想いと行動力、造詣の深さに脱帽した。

c0166264_20523796.jpgさて、女性参政権獲得から70年、女性差撤廃条約批准から30年、国連の北京女性会議から20年。先輩の女たちの血と涙と汗の歴史を振り返るたびに、「私たちはこのままで良いの?」と思う。

私の住む山口県の平生町(ひらおちょう)でも、やっと、この9月議会で女性議員の出産時の取り扱いを改善する文言がもりこまれた。これまでは、出産して休んでも病欠だったのだ。物事を男性で決めてきた典型的例だ。

平生町の人口は1万3000人。議会は12人だが、女性はわずか3人で、私はその女性議員の1人だ。ときどき、いまだに「議員イコール男性の健常者」なのだ、と感じる。

いろんな立場の女性がそれぞれの場所で異議申し立てをしなければならない。足を踏まれている女性の痛さを男たちに伝えて、目を覚ました男たちと一緒に男女平等の未来を作っていこうよ。

フレー フレー、ファイト ファイト 女たち!

細田 留美子 (山口県平生町議北京JAC山口代表) 

(北京JAC山口は、1995年の国連女性会議で採択された「北京行動綱領」を国内政策、地域政策で実現するために学習し、持続的に政策提言することを目的とするNGO)

【写真下:岩国市の会議で、北京JAC山口代表として挨拶する細田瑠美子町議。撮影:FEM-NEWS】

ノラの国の130年後: 書評『ノルウェーを変えた髭のノラ』
男女平等は継続して闘いぬくこと:『ノルウェーを変えた髭のノラ』を読んで
『髭のノラ』を読んで
新潟日報「ノルウェー政界の男女平等:クオータ制が後押し」
書評 『ノルウェーを変えた髭のノラ』
女性たちの闘いに感動しました
[PR]
by bekokuma321 | 2015-09-28 21:04 | ノルウェー

c0166264_2228698.jpg 『ノルウェーを変えた髭のノラ』(明石書店)を読み終えた。よくぞここまで一つひとつ自分の足で歩きながら調べ上げたものか、と心から感心した.

私は元々唐突な物言いの性質なのだが,辛口の批判は何処を押しても出てこない。筆者はノルウェー語も読解できるようだとわかって、素晴らしい、の一言だ。

毎日、少しずつ読んだ。読んでる最中は本来こうあるべきだと心から賛同しながら夢中でのめり込んでいる自分がいた。

しかし、本を閉じた時に、目の前の繰り広げられる日本の現実に向き合い、その落差にドーッと落ち込んでしまった。その繰り返しの日々だった。この気持ちは一体どこからくるものなのか暫く考えた。

解ったことはノルウェー社会と日本のそれがあまりに差があるということがまずある。しかし、それ以上に、実際に筆者が取材した人々(ノルウェーでは普通の人でも,日本で考えると普通ではないのでは)と,読者である私自身の力の差が歴然としすぎているという点だ。

つまり、少しずつ、例え自分なりのゆっくりとしたペースでも,日本の中で男女平等問題にかかわっていきたいと思う人には,いざとなるとどういった動きをとればよいのか,手も足も出ないというのが正直なところではないか、と思えるのだ。

さらに、この本には、他の著書のさらなるデータでもってノルウェーの事情を伝えており、私のように平等問題に関心のある人に対する「行動手ほどきマニュアル本」では必ずしもないらしいことだ。その点を私は求めすぎていた。

本当に日本の女性は動きづらい。子育て中は子供を学校に通わせているだけではなく,結局教育は子供と共に走り貫かなくてはこの日本社会では生き残っていけない。一人親だったので,なおさらだった。一人親だからこれしかできなかったとは自分で言い訳はしないと心に決めての20余年だったので、本当に死に物狂いだった。

とはいえ、自分の両親が近くに居てくれたので,これでも日本の多くの働く女性の中では恵まれたほうだ。

子育てが終わってホッとすると,今度は親の介護。これが,私自身の現実だ。だから,平等問題に強い関心があっても,実際の行動に結びつかないのが多くの日本女性の現状だ。

せめてもの抵抗で,息子はノルウェーのO-fagや男女平等の本などを参考にしたりしながら育てたため,とても平等意識のつよい人になったと思う.

この本を読んで,またHDIの高いノルウェー,オーストラリアに友人が多いことで,子育て後の50代を前向きに生きていけそうな気がしてきた。

原 三枝子
[PR]
by bekokuma321 | 2012-08-13 18:43 | ノルウェー

c0166264_2228698.jpg 榊原裕美さんの書評「ノラの国の130年後」を紹介する。

榊原さんはスウェーデン研究者。スウェーデンの労働組合と女性雇用を長年研究し、文書や講演で発表しつづける。社会的弱者の視点をはずさない姿勢と、誰にもわかりやすい表現にファンが多い。

この書評は、『ノルウェーを変えた髭のノラ』(明石書店)について書かれたもので、『女性労働問題研究』誌に掲載された。

◆◆◆◆◆ ノラの国の130年後 ◆◆◆◆◆

奇妙なタイトルと、女性の顔の鼻の下に一本線を引いた写真の表紙の本である。ノラは、日本でも有名な戯曲、ノルウェー人イプセンの戯曲「人形の家」の主人公で、たいていの読者はご存知だろう。

弁護士の夫にかわいがられた妻ノラは、自分で判断して夫の窮状を救おうとするが、それを知った夫にののしられる。自分は愛されてはいたが一人の人間として尊重されていたわけではなかったと知り、夫と子どもを捨てて家を出て行くというストーリーの一八七九年の作品だ。日本では、その三二年後の一九一一年、松井須磨子が演じ、日本の演劇史に残る作品としてよく知られている。

同じ年、平塚らいてうが中心になって「青鞜」が発刊される。この後、いわゆる堕胎論争、母性保護論争などへと連なるが、日本のフェミニズムの収穫として、単に参政権など政治的な平等を求めたとされる第一波フェミニズムの枠に収まりきれない現在にも通じる豊かな内容を展開した。らいてうはスウェーデンの女性思想家エレン・ケイに大きな影響を受けており、この時期、日本のフェミニズムは意外にも北欧との関連があったようだ。

家出から一三〇年がたったノラの国ノルウェーで、二〇〇九年の夏、町のあちこちに張られていたのがその写真のポスターだ。その下にはこんな言葉が入っている。「一筆で賃金格差を減らせますよ」つまり髭をつけて男になれば、というわけだ。女であるだけで、格差があることへの皮肉である。

(つづきは、左下Moreをクリック)

More
[PR]
by bekokuma321 | 2012-07-17 14:40 | ノルウェー

ひげをつけた女たち

c0166264_11372018.jpg「ひげ」をつけて女性の声をあげる運動は、ノルウェーだけではなさそうだ。今朝、フランスからフェミニストたちのつけひげ運動のニュースが届いた。

あらゆる分野を男性が支配していることへの怒りを示すため、フランスのフェミニストたちは、バッグの中からつけひげ(あごひげ)を取り出して、つける。運動体の名前は、そのものずばり「ひげ」。

かつて、フランスの男性たちはあごひげを生やすのが一般的だった。しかし19世紀で、ひげの時代は終わった。しかしながら21世紀の今も、男性支配は終わってないではないか。こんな皮肉だという。

ノルウェーは、こうだった。2009年の統一地方選挙前、くちひげをつけた女性のアップ写真のポスターが出回った。そこには、「ひと筆で男女格差をなくせます」と書かれていた。さらに女性たちは、鼻の下に黒いインクでひげを書いて、町をデモした。ひげは男性の象徴。男性になったら、賃金があがるのか、という皮肉をこめたメッセージだった。この大胆かつ愉快な直接行動は、『ノルウェーを変えた髭のノラ』(明石書店)に詳しい。

■La Barbe: France's bearded feminists
http://www.bbc.co.uk/news/magazine-18497881
http://www.facebook.com/pages/La-Barbe-groupe-daction-f%C3%A9ministe/149218445123550
[PR]
by bekokuma321 | 2012-07-02 11:32 | ヨーロッパ

c0166264_10162261.jpg5月下旬に訪れたオスロは、初夏を思わせる陽気だった。

待ちに待ったノルウェー訪問をした私を迎えてくれたのは、春闘だった。私の目の前で、賃上げのためにストライキをしている人たちがビラを配っていた。

「賃金闘争は女性の地位も上げることにもつながります。春闘は、私たちの権利にかかわるのです」

行政・改革・教会副大臣のTone Toftenさんが言った。政治のメインストリームにある人が、女性の地位向上を強調していた。

c0166264_10202514.jpgノルウェーに発つ前に読んだ『ノルウェーを変えた髭のノラ』(明石書店) に紹介されていた不断の闘いを続けるノルウェーの女性たちの姿を実際に見て、私は興奮した。

どこかの国とは雲泥の差だ。震災があったから女性の地位向上なんて後回し。男性も大変なのに男女平等なんて言っていられない等々、私は、被災地で耳にタコができるくらい聞いてきた。

それに日本では、労働者のストライキをネガティブにとらえる人が多い。しかし、働く人たち、女性の地位向上に敏感なノルウェーでは、ストライキによって市民生活に不自由が増えても、市民から「がんばれ!」とエールが送られることが多いという。

2012年4月現在、被災沿岸市町村のうち復興計画を策定済か策定予定の自治体は43。そのうち最終決定するために設置された委員会を設置している38市町村の委員の合計751人中、女性はたった84人で、11.1%にすぎない。女性委員ゼロが9市町村もあるという。

2010年出版の『ノルウェーを変えた髭のノラ』によれば、ノルウェーでは公的機関の女性率40%はほぼ達成し、今や、会社の取締役にクオータ制が導入されている。三井さんが『見わたせばあらッ男ばかり』を出版したのは1988年。それから四半世紀ほどが経っているのに、日本では、いまだに見渡せば男ばかりだ。お寒い限りの現状にため息が出る。

だが、地殻変動は少しずつ起きている。「かーちゃんたち、ねーちゃんたちがまずは立ち上がらなくっちゃ」と女たちが笑いながらネットワークを活かして復興を進めている。『ノルウェーを変えた髭のノラ』に書かれていた、女性が髭を書いて賃金格差解消を訴えたノルウェーのポスターに通じるユーモアだと、私は思う。

願わくば、ノルウェーのように、怒りをストライキに変えて闘う勇気と持続力を!

仙台市議会議員 ひぐちのりこ(写真上も筆者)
http://nohiguchi.jugem.jp/


参考
■ノルウェーの公務員のスト
http://frihet.exblog.jp/18010734/
[PR]
by bekokuma321 | 2012-07-02 10:03 | ノルウェー

『ノルウェーを変えた髭のノラ』(明石書店)の感想文が、駒場高校の元生徒から届きました。

c0166264_2228698.jpg

Dear Ms. Mitsui,

Hi. I have just finished reading your book.
I had been regarding Norway as impeccably
the world's most successful egalitarian society,
so I was a little surprised to know that it had
only been realised decades after WWII,
through consistent and sometimes desperate
efforts to win the national consensus.
As for Japan, we still have long, long way to go.
It somehow makes me bewildered, but probably
what's important here is not to give up.

Thanks and best regards,

Nobuyuki Hirato
[PR]
by bekokuma321 | 2012-03-17 08:09 | ノルウェー

『髭のノラ』を読んで

c0166264_2228698.jpg震災直後の幕張で行われた講演会で『髭のノラ』を購入した松尾です。ようやく読了しました。

こうやって感想を書いて送れることが、うれしいです。  

三井さんの描く男女平等社会は、男女の違いなく個性が尊重され、どんな立場の人の意見も尊重される社会だなと思いました。

私は以前、放送大学の事務職をしていましたが直属の上司からセクハラを受けました。フィリピンバーに連れて行かれました。20年弱前の出来事です。当時の私は腸が煮えくり返り、次の日に辞表をたたきつけました。 お役所にただよっていた男尊女卑の雰囲気は、いやーな思い出です。

本の最終章にある三井さんの苦闘には頭が下がります。そして、元気づけられます。

『髭のノラ』は、読んでいてわくわくしました。おもしろかったです。 是非、ノルウェーのような社会を実現させたいと思います。ノルウェー視察旅行決まりましたら、是非ご一緒させてくださいね!

今、伊藤悦子さんのご縁で「市民ネットワークわかば」の広報をやってます。自分の足元から活動していきたいと思います。まずは他人の意見の傾聴と、多くの人の前で意見を述べられるようになることが私の課題です。

三井さんの他の著作も読もうと思ってます。

2012年1月19日

松尾 由美
(市民ネットワークちばhttp://www.chibanet.jp/wakaba/
[PR]
by bekokuma321 | 2012-01-21 17:49 | ノルウェー

今年の「男女共同参画白書」は、昨年の「男女共同参画基本計画」同様、クオータ制について書いている。昨年と違うことは、今年は、クオータ制を報道した記事が多いことだ。

クオータ制が書き込まれたことと実行には天地ほどの開きがある。書き込まれただけでニュースとなる日本の女性政策の貧しさに、怒りを覚える。

クオータ制は、物事を決定する場に、ただちに女性何%、男性何%と割り当てることである。70年代、世界に先駆けてノルウェーの政党が綱領に導入し、実行した。80年代になると、ノルウェー政府は、男女平等法を改正してクオータ制を法で定めた。2000年代になり、政界への女性参画がほぼ達成し、今、経済界がクオータ制の洗礼を受けている。

正確に知りたい方は、『ノルウェーを変えた髭のノラ』(明石書店) に詳しい。第1章が、クオータ制について書かれている。もくじは……

c0166264_18585616.jpg『ノルウェーを変えた髭のノラ』
第1章 クオータ制は男女平等社会へのエンジン
1 女性40%内閣の衝撃
■18人の大臣の中に女性が7人も
■アファーマティブ・アクションとクオータ

2 ブルントラント首相と会見
■男女平等の秘密を探しに
■一方の性が40%を下回ってはならない
■白い小さなバッジ
■保守中道内閣でも女性は40%以上
■女性問題は政治的問題である(Personal is Political)
■クリスティン・ハルヴォシェンとの対談
■男女平等法の40%は政党を拘束するか
■ブルントラント首相と対談
■クオータは必要不可欠な制度だった
■「彼女を捨ててしまえ!」
■労働党のクオータ導入時の議論
■1814年のノルウェー憲法制定国会
■女性たちの訓練

3 世界で初めてクオータを実行した女性
■50%クオータ制を定めた80歳の闘女
■「クオータ制を入れないなら党首をしない」
■世界の最底辺女性グループ
(1)高齢女性
(2)シングルマザー
(3)社会福祉現場の女性
(4)失業中や退職後の女性
(5)暴力を受けた女性
(6)僻地の女性
(7)社会から逸脱した女性
(8)移民・難民女性
■ベリット・オース以前
■国会の50%を女性にする憲法改正案
■傍聴席は満員、議員席はガラガラ
■わらの女
■「男を消せ!」運動から発展

4 クオータを必要とした政治的土壌
■1974年にクオータ制を導入した自由党
■ノルウェー初の育休男性議員
■自由党初の女性の党首
■国連女性の地位委員会
■輝く星 ギーナ・クロ―グ
■女性の選挙権獲得協会
■「女性参政権は家庭を崩壊させる」
■スウェーデンからの独立運動
■自由党なくして女性参政権は成立しなかった
[PR]
by bekokuma321 | 2011-06-29 19:06 | ノルウェー

内野光子ブログ

内野光子ブログに、『ノルウェーを変えた髭のノラ』(明石書店)についての記事があった。わかりやすいと評してくださっていた。筆者冥利につきる。

内野光子評のさわりを引用する。

c0166264_2228698.jpg【この本の分かりやすさは、先駆的な女性への著者自らのインタビューを通して、男女平等への歴史や女性政策が綴られているからではないかと思う。

ノルウェー最初の女性首相ブルントラント、当時の民主社会党で、党内の決定機関は50%を女性にすること、クオータ制を初めて導入した党首ベリオット・オース、女性初の南極点単独踏破の探検家リブ・アーネセンらの体験が歴史となっていく行程を解き明かす。

また、著者のたゆまない行動力にも感服、とくに最終章「100年遅れを挽回するには」では、三井さん自身の教師、都議会議員時代の体験や実践には説得力があった。1980年代後半から90年代にかけてのことである。】(内野光子ブログより)

■内野光子ブログ
ノルウェーとデンマーク、日本との違いは何か
http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2010/04/post-c1a4.html
[PR]
by bekokuma321 | 2011-01-17 02:33 | ノルウェー

ノルウェー王国大使館からの案内です。クリックするとサイズが大きくなり読みやすいです。






■ノルウェー王国大使館ホームページhttp://www.norway.or.jp/
『ノルウェーを変えた髭のノラ』(三井マリ子著、明石書店、2010年)最新刊!
[PR]
by bekokuma321 | 2011-01-05 11:20 | ノルウェー