「世界で最も豊かな6カ国―アメリカ、中国、日本、ドイツ、フランス、イギリス―は、
世界経済の6割を占める。
しかし、これらの国々は、世界の難民のわずか9%しか受け入れていない。
それに対して、難民の大半を受け入れているのは貧しい国々だ。
豊かな国は、暴力や紛争に見舞われて国を逃れざるをえない人たちに、もっと
手をさしのべることができるはずである、いや、手をさしのべきである」(Oxfam)

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7月18日、世界に記者発表されたオックスファムOxfamの報告書前文だ。オックスファムとは、世界90カ国以上で活動する国際協力団体。

6カ国の受け入れ難民数は、アメリカ559370、中国301729、 日本16305、ドイツ736740、英国168937、フランス336183、合計211万9264人。

恥ずかしい経済大国6カ国中、もっとも恥ずかしい国はわが日本。わずか1万6305人である(↑)。

何が「おもてなしの国ニッポン」だ。私たちの働いて納めた税金はいったい何に使われているのか。政党交付金(まるまる税金)は、20年間で、6千300億円超---高級料亭、SMバー、キャバクラだのに使った政治家がたくさんいたなぁ。ついつい、こう言いたい衝動にかられてしまう。

難民のほとんどは、女子どもである。国際協調のうえからも、人道支援のうえからも、紛争解決のうえからも、この国の政治が絶望的であることを示している。

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Oxfamによると、貧困にあえぐ国々の難民受け入れ数は、南ア1217708、レバノン1535662、パキスタン1567604、パレスチナ占領区2051096、トルコ2753760、ヨルダン2806414、合計1193万2244人(↑)。

パレスチナ占領区だけで、世界の経済大国6か国すべての受け入れ数よりはるかに多い。どう考えてもおかしい。

A poor welcome from the world wealthy_pdf(Oxfam Media Briefing)

【図は、Oxfam報告書にもとづいてFEM-NEWS作成】
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by bekokuma321 | 2016-07-18 15:47 | 紛争・大災害

シリアから逃れてきた難民は、現在、483万7134人。

その4分の3は、女性と子どもである。

UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)による。

STORIES FROM SYRIAN REFUGEES
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by bekokuma321 | 2016-07-02 11:04 | 中東

強姦被害男性の感情

1人のノルウェー男性が、ソマリアからの亡命申請者(男性)に強姦された。加害者は何年かの受刑後、国外追放された。それを知った被害者の男性は罪悪感を抱いている、というニュースが届いた。

私のノルウェー語の知識はまったく不十分であり、正確でない部分があるだろうことをお断りしたうえで、彼の言葉の一部を訳して紹介したい。彼の主な言い分は、

「加害者はノルウェーの地をニ度と踏めなくなった。命がけで逃亡したソマリアに強制送還され、何をされるかわからない。彼は、犯した犯罪への罰を償うべきだと思う。しかし、この世は、あまりに不公平だ。彼の行為は、戦争や略奪が続く社会(ソマリア)の産物であり、それが彼を犯罪に走らせた。僕は、被害にあったのち、長い間、苦しんだが、彼のように救いを求めている人たちに、これまでと同様、救いの手を差し伸べたい」

NRK(ノルウェー放送協会)によると、被害者はヘテロセクシャルのカールステン・N・ハウケン(1988年生)で、難民救済の運動家、フェミニスト。市議会議員候補(左派社会党)にもなった。加害者はソマリアからの難民男性。

ハウケンは、強姦被害者の心情について、
「被害を受けたあと、無だった。何年間も、うつ状態で、孤独でした」と述べる。

さらに、「男性が、強姦されたとは?」「僕は、女性差別や民族差別の嫌いな人間。その人間がソマリア人男性から強姦されたとは?」――彼は、気が変になりそうで、そうした問いから逃げることばかり考えていて、アルコールやマリファナに手を出したという。

事件後、数年たって、強姦被害者が集まって話し合うグループ・セラピーに行き、被害者たちの話を聞いて、自分の被害はまだましなほうだということに非常にショックを受けた。多くの被害者は、被害を受けたことを家族にも友人にも誰にも言っていない、ということも知った。

事件が起きた後、警察の適切な対応で、彼はオスロの緊急救命室の強姦受付センターに、連れていかれて、丁寧で配慮の行き届いた聞き取りをされ、セラピストからのケアを受けた、とも述べている。父親が迎えに来てくれた。その後の捜査も、一人の警察官がずっと担当していたという。

強姦加害者は、しばらくして別件で逮捕されて、DNAや指紋照合などにより強姦罪で4年半の刑に。ソマリアに強制送還されると聞いたとき、どれだけ安心したか、車の中で涙が止まらないほど、彼が自分から離れていなくなることがうれしかったと語る。

しかし、同時に、前述したような罪の意識から逃れられない、複雑な心境を語る。

彼の告白を読んで、私は、性暴力・強姦を受けた人間の誰にも言えない苦悩に少しだけ近づくことができたような気がする。「男は感情を外に出すものではない」という通念が残るこの社会で、男性が性被害の感情を外に出すことは、どういうことかについても、考えさせられた。

そして、カールステン・N・ハウケンのような男性を育ててきたノルウェー社会を、心から素敵だ、と思った。

Jeg ble voldtatt av en mann(I was raped by a man)

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▲オスロのヴィーゲラン公園
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by bekokuma321 | 2016-05-05 23:55 | ノルウェー

c0166264_22323373.jpg昨年、少なくとも10人の少女が、ノルウェーの婚姻年齢以下で“夫”と共に、ノルウェーに難民としてやってきた。

少なくとも61人の子どもが結婚をして、ノルウェーに難民申請をした。そのうち10人は16歳未満。少女49人、少年2人は16歳と17歳。18歳未満の2人の少女は妊娠している。主に、シリア、アフガニスタン、イラクからやってきた。11歳の少女もいる。

以上は、NRK(ノルウェー国営放送)の最新ニュース。ノルウェー難民局と、ノルウェー子ども・家族省の調査結果を公表したものだ。

当局は、性的虐待、性暴力、性的強要にあたらないかどうか真剣に調査中だという。当局には、こうした子どもたちを支援して、強制された状況におかれることのないよう保護する責務がある。ノルウェー国内のことなので、刑事事件にあたる可能性も秘めている。

昨年11月には、14歳の少女が、彼女の夫とされている23歳の男性と、18カ月になる息子を連れて、国境を超えてノルウェーにやってきた。現在、2人は別居させられて、夫の方は警察の調査を受けているという。

当然ながら、ノルウェーではノルウェーの法律が適用されるからだ。つまり、ノルウェーでは性的同意の可能年齢は16歳である。16歳未満の少女はいかなる場合でも、夫から引き離される。つまり、2人は別居となる。

一方、ノルウェーの市民運動団体Save the Childrenの見解は異なる、とNRKは報道している。

Save the Childrenによると、2人の別居が、少女(妻)にとってかならずしもベストでない場合がある。何がベストなのか、個々の子どもたちのケースに則して調査しなければならないと考えている。貧困、戦争、紛争こそが、子どもの結婚を世界中に増やしている元凶だ、と語っている。

ウーン、私は余りにも実態を知らなさすぎる。コメントするのは難しい。ただ、この実態を私たちは直視すべきだ。こう考えて、要訳・紹介した。

11 arig asylsoker var gift da hun kom til norge
Malmö vil nekte barnebruder å bo sammen med mannen
諸外国における成年年齢等の調査結果 pdf
Child marriage around the world by Girls Not Brides
シリア難民の少女の児童婚急増中
アフガニスタン:児童婚をやめて−子ども時代を取り戻した少女
18歳未満で結婚させられる少女、アフリカで1,700万人
児童婚_unicef
難民、ノルウェーと日本

【写真:Fatime Mernissi『ヴェールよさらばーーイスラム女性の反逆』の表紙をアレンジした】
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by bekokuma321 | 2016-02-02 23:21 | ノルウェー

難民、ノルウェーと日本

「難民 世界と私たち」ー朝日新聞(1月24日)ーを読んだ。

戦争の記憶、餓死寸前の漂流生活、海賊の襲撃・・・心身ともボロボロの難民たちは、たどり着いた日本でさらなる苦難に。

お世話をした精神保健福祉士の言葉がつきささる。

「3カ月の日本語教育で自立させ、精神に不調を感じた時のサポート態勢もない。年金や介護保険の周知も足りず、高齢になってから生活に困る人もいる」

ボートピープルの親を持つ女子大生の話にも胸がつまる。やっと奨学金で大学進学をはたした後、留学の際、パスポートがないため苦労した。日本国籍をとるには、20歳以上で自分や親族のお金で生計を立てられることという厳しい条件があるため、無国籍状態だったらしい。

こういう「難民鎖国」の実情を読みながら、ノルウェーを思った。

昨秋のノルウェー地方選挙のとき、当選者に移民・難民のノルウェー人が多いなと感じて、報道を調べた。

すると、オスロの副市長に就任した女性カムサイニ・グナラナム(27歳)はスリランカからの移民だった。10代でオスロ市議になって、今回は3期目。

緑の党のラン・マリエ・ングェン・バルグ市議は、オスロ市環境局のコミッショナーのポストについた。いわば環境大臣にあたる。彼女は、ベトナム移民の娘だった。オスロ大学で開発学を専攻し、ベトナムやアフリカに留学した。彼女の父親の話も感銘深い。14歳のころベトナムからノルウェーに1人で移住。ベトナム戦争で下半身に障がいを受けた彼をノルウェー家族はボランティアで育てあげた。彼はオスロ大学卒業後、専門職につき、現在は安定した年金暮らし。今、彼はアフガニスタンの子どもたちを親代わりになって助けている。

もうひとり、緑の党のショアイブ・スルタン市議は、オスロ市長になるのではないかと取りざたされた。そうなったら初のイスラム教徒市長の誕生だったからだ。彼も移民の息子だった。

日本となんという違いだろう。

とはいえ、ノルウェーも今、難民の多さに頭をかかえる。現政権は、難民受け入れを厳しくしようとしている。とくに昨年来、北部フィンマルク県にロシアの国境を超えてくる難民が急増したため、ロシアへの強制送還の動きもある。フィンマルクは冬は零下30度になる厳寒の地。やっとたどり着いたシリアの難民が、雪の中を追い返されるニュースに、「連帯と平等の国」は黙ってはいない。

難民政策の変更はノルウェー国民に賛否両論があり、政治家は持論を展開し、人権擁護団体は鋭い批判の声をあげ続ける。日々、この問題について政治論争が続けられているようだ。

話を日本に戻す。日本では難民と認定された人は昨年わずか11人、という報道が忘れられない。これでは国際化も、多様性もあったものじゃない。

1歩でも前に進むにはどうしたらいいのか。ひとつは、地方選挙権の拡充ではないだろうか。ノルウェーでは外国人でも3年間そこに住んでいたら地方選挙権が得られる。投票する権利だけでなく、立候補もできる権利だ。日本でも、外国人に選挙権を広げなくては在日外国人の人権は後回しにされ続けると思う。

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▲北極圏の町ヴァドソー(フィンマルク県)。ロシアのムルマンスクが近く、ロシアを超えて難民がたどり着く

Norway tightens asylum rules as anti-migrant sentiment strengthens
Asylsøkere kan nå bevege seg fritt i Finnmark
Et parti i moralsk krise
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by bekokuma321 | 2016-01-27 00:50 | ノルウェー

難民受け入れと政治

c0166264_18405767.jpg「日本は紛争地域に対する金銭的援助には寛容さを示してきましたが、難民を何人受け入れるかについては何の約束もしていません。スペース的にも資源的にももっとすることはあり、日本がとりうる政策ではないはずです。世界平和を唱える国としての理想を汚さないでください」

「日本は、ノルウェーや他のヨーロッパ諸国がしているように、難民に手をさしのべる責務を持っています」

上は、ノルウェー平和会議代表のヘッダ・B・ランジェミュル(写真)からFEM-NEWSに届いたメッセージだ。原文は左下のMoreに掲載。

彼女のメッセージから日本についての部分だけ和訳した。昨年、日本で5000人が難民申請をして認められたのは11人だったそうだが、彼女の弁は核心をついている。

押し寄せるシリアなどからの難民。EUに加盟していないものの、国連重視の政策をとるノルウェーは、難民受け入れに寛容な姿勢を示してきた。とはいえ、今は難民受け入れ反対を標榜する政党・進歩党が重要ポジションを占める連立政権だ。地方議会にも進歩党議員は多い。

この政治の流れを変えようと、今夏、「難民の皆さんノルウェーにようこそ」というフェイスブックが誕生した。その担い手がノルウェー平和会議などの市民運動だ。

ネットだけではない。難民支援キャンペーンは、街頭で討論会やビラまきをした。ノルウェー全土に難民支援センターをつくった。多くの人々が食べ物や衣類を持ちより、寄付金を出した。居宅を提供する家族もあった。

彼女は強調する。

「2015年は、ヨーロッパの国境に苦しみもだえる膨大な人々を産み出しました」

「国境は、これまでと同じやりかたで語ることはできなくなったのです。世界は狭くなりました。その狭い世界に住む私たちは、一緒にわかちあって生きなければならないのです」

9月12日は、オスロのノルウェー国会前や他の市の中心部で集会を開き、「ノルウェーは、難民8000人以上を受入れるべきだ」と唱えた。政党の代表に、8000人以上の難民受け入れ数を国会に反映させる約束をさせた。そして、9月14日行われた統一地方選では、難民に厳しい政策をとる進歩党が大幅に支持を減らした。

日本でも東北大震災など震災や自然災害のたびに、たくさんのボランティアが動き、助け合ってきた。だが、この大勢の市民の力がノルウェーのように国会や地方議会に直接むすびつくことは少ない。議員が民意を代表していないからだ。その背景にあるのは、”民意圧殺装置”と言われる小選挙区制選挙だろう。


難民問題
Norske velgeres engasjement gjenspeiles ikke i høstens lokalvalg!
tilflukt hjem(home for refugees)
Tilflukt
Har ventet på flyktningstrømmen i 30 år_Thorvald Stoltenberg

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by bekokuma321 | 2015-10-05 18:57 | ノルウェー

難民問題

EUは、難民12万人をEU加盟各国の国力に応じて受入れる、と決定した。加盟国はかならず守らなければならない割り当て制(クオータ Quota)である。

クオータといえば、女性を政界に増やすための最適の方策だった。法律や政党内規則で、議員候補者または議会の議席の50%~30%を女性に割り当てる。ノルウェーが世界に先駆けて実行した。

難民に話題を戻すと・・・。すでに未曾有の数の難民が入国しているギリシャ、イタリア、ハンガリーの3カ国は難民危機に陥っている。その負担軽減のためEUが緊急に決定した。当初は16万人だった。

チェコ、スロバキア、ハンガリー、ルーマニアの4カ国は、強制ではなく自主的にすべきだと、割り当て制に反対した。イギリスは、EUの難民クオータに最初から抜けた。独自に今年4000人、5年間で2万人を受け入れると表明している。

c0166264_222044.jpgEU加盟を拒否しているノルウェーとスイスだが、シェンゲン協定の下、難民受け入れを表明している。

さて、ノルウェー。

現在、保守中道連立政権だ。「進歩党」(極右と呼ぶメディアもある)は移民受け入れ反対派である。その影響かどうかは不明だが、難民受け入れ数が芳しくないと国連から批判されている。とはいうものの、ノルウェーから届くニュースから、受入れ体制が着々と進められていることがわかる。

政府は3年間で8000人を受け入れる見通しと発表した。ところが9月だけで2800人の難民がノルウェーにやってきた。移民局UDIよると、2万人がやって来そうだという。移民局の受付は難民であふれだしているという。

8月の時点で中継センターはどこも満員で全く余裕がなくなった。そこで移民局は、オスロ市に支援を求め、2400人分の食糧と宿泊施設の契約を結んだ。現在3400の緊急避難所を確保した。しかし、緊急避難所は、常駐できる宿泊所ではなく、そこに移るまで数日間滞在できる臨時の施設であり、さらなる準備が必要となる。政府は緊急予算を組んで対応することを決定した。

一方、ある記事によると、ロック歌手のボブ・ゲルドフ(Bob Geldof)は、「金持ちノルウェーがわずか8000人だなんて、ナンセンス」と批判した。彼は、恒例の「抵抗の祭(Protestfestivalen) 」に招待されて、ノルウェーに滞在しているらしい。

市民の動きも活発だ。9月14日の地方選挙では、難民問題も争点だった。「進歩党」は全国で得票率を減らした。12日(土)にはシリア難民をもっと受け入れるべきだと政府に迫る7000人のデモがあった。「平和センター」の代表Hedda Bryn Langemyrは、市民の強い圧力で政党や政府を動かしたい、と語る(写真)。

思い出すのは、ボスニア・ヘルツェゴビナ戦争の頃だ。1990年代半ば、私はノルウェーに滞在していた。戦争でウン百万人の難民が出たと言われても、日本人の私には他人事だった。ところが、ノルウェーの地方自治体の中学校を訪問したら、ボスニアから来た難民の子どもが教室でいっしょに勉強していた。また友人宅には、ボスニアから来た男性がアルバイトに来ていた。「祖国では歯科医です」と私に言った。スーパーに行ったら、明らかにイスラム教の外国人だとわかる女性が、じっと商品を手にとって見ていた。

難民を受け入れるということは、それまで遠い知らない国だと思っていた国の人が、突然一緒に働いたり、同じ教室で学んだり、隣で買い物をしたりすることだ、と身をもって知った。

そして、都会だけの話でなく、全国の自治体が、通訳の支援、生活の支援、子どもの世話、さらにノルウェー語訓練などのサービスを持っていなければならないことも知った。ノルウェー人にとっては当たり前のことらしかったが、私には新鮮だった。

【写真:シリア難民を受け入れようと訴えるHedda Bryn Langemyr。Facebookより】

8000 Syria refugees insufficient, Norway Peace Council says
the guardian_refugees
Markering foran Stortinget: #OmkampForSyria
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by bekokuma321 | 2015-09-23 22:47 | 紛争・大災害