FEM-NEWS読書会をしたい

c0166264_2359426.jpg三井マリ子さんが主宰するこの「FEM-NEWS」は、議論百出となる政治的テーマに関する国際的情報を、詳細にリアルタイムで提供しているだけでなく、かなり過去まで遡ったリンクを貼ってあり、読み応えのあるものです。

これを議論のネタにする討論会をあちこちでできたら、と強く思います。

さいたま市で開かれた「夏のマダン」(写真上)で、在日韓国人のかたたちに、あなたが紹介していたように「ノルウェーは3年在住なら地方参政権獲得」、「物事を決める場にはクオータ制」、「国会議員選挙も地方議会選挙も比例代表制」、「地方議会も議院内閣制(フォルマンスカープ)」などは、日本でもっと真剣に議論すべきです。

c0166264_003339.jpgさきほど「フォルマンスカープ」で検索したら、すでに「北欧福祉社会は地方自治体がつくる」に解説してあることがわかりました。2011年10月22日に広報しています。これは、小さな自治体の老人ホーム訪問記(写真右)で、地方自治体が中央政府から独立して福祉政策を遂行しているという、素晴らしい報告です。

フォルマンスカープ同様、北欧福祉についても一人でも多くの人に知ってほしいです。

さて、「地方参政権の問題も含めて、選挙制度改革への関心を高めるには、どうしたらいいか」と三井さんは悩んでいるようですが、私の答えはただ一つです。あなたの人脈を通じて、全国の地方議員たちやその支援者に、FEM-NEWS読書会を開催してもらい、敢えて議論百出のテーマを選んで討論をしあうことではないでしょうか。

理解して賛同してくれる議員が出てきたら、「審議会委員の団体推薦リストは男女一名ずつとする」という条例(「男女ペア推薦の法律」:明石書店『ママは大臣パパ育児』p112)を議員提案で議会に出してもらうのです。それが通れば、行政側は、男女半々の委員を採用しやすくなります。

FEM-NEWSウオッチャーの私が相棒となって、全国の「読書会」にボランティアで飛び歩きます。「如何にしたら世直しができるか」の具体案を提示し、その筋道を伝えることで、参加者のなかから「三井マリ子メソッドの伝い手」が生まれ出てくるはずです。

読書会の呼びかけは、「FEM-NEWS」の末尾にその情報を載せさえすればいい。「パリテ」を目指す三井さんの闘いには、たくさんの人々が集い、「伝え手」になりたい人々もたくさん出てくると思います。

田口房雄(緑の党 Greens Japan 会員)
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by bekokuma321 | 2016-09-03 00:06 | ノルウェー

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■9月10日(土)13時 東京ボランティアセンター会議室C
「7月の参議院選挙を振り返る」 講師 阪上順夫
(東京学芸大学名誉教授、『現代選挙制度論』ほか著書多数。選挙検定協会TFE代表)  

■10月22日(土)18時 東京ボランティアセンター会議室B
「選挙の制度が変われば、政治が変わる」 講師 田中久雄
「変えよう選挙制度の会」主宰、選挙市民審議会メンバー)

■11月12日(土)18時 東京ボランティアセンター会議室B
「高校生が議員になれる国ノルウェーの選挙制度」講師 三井マリ子
(女性政策研究家、『ノルウェーを変えた髭のノラ』ほか著書多数。元都議)  

■11月25日(金)18時半 日比谷図書文化館4Fスタジオ・プラス小ホール
映画『不思議なクニの憲法』  この会のみ入場料1000円(前売)

会 場: 映画を除くすべて、東京ボランティア・市民活動センター  JR飯田橋駅西口。飯田橋セントラルプラザ庁舎棟10階  地図

問合せ:選挙検定協会TFE 〒145-0065 大田区東雪谷2-28-6草野気付  TEL:090-3960-0158(阪上)  選挙検定協会ホームページ
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by bekokuma321 | 2016-08-15 12:49 | その他

参院選終盤だ。女性参政権行使70周年の今年、参院女性候補は96人。389人中24.6%にすぎない。東京選挙区は31人中女性7人、わずか22%だ。

日本の議会の男女比は9対1である。国際比較の基準となる衆院9.5%(45人)で比べると、世界191カ国のなかでボツワナと同じ155位だ。女性が10%以下しかいない国は、先進国では日本のみ。

衆議院だけではない。身近な議会と称される地方議会も、女性はきわめて少ない。都道府県議会8.8%、市区町村議会11.8%だ。国際比較は難しいが、地方議会に女性が1割しかいない先進国は、そうそうないだろう。

その日本の全議会のなかで、もっとも女性議員の多い議会、それが、今、選挙真っ最中の参議院だ。女性議員は15.7%(38人)。衆議院における女性の極端な少なさを思うと、参議院の90%を女性が占めてもいい。それだけ日本の政治は、女性の経験や実績を必要としている。パターナリズム(父権主義)大好き安倍政権を変えられるのも、女性の連帯以外にない。

参院が、他と比べて女性が多いのは、選挙制度と深い関係がある。衆院は小選挙区中心の選挙であり、地方議会はいわゆる大選挙区制(小選挙区制と同じ多数制:注)だ。参議院だけは、改選数の約4割が比例代表制で選ばれることになっているからだ。

比例代表制は、19世紀後半、イギリスのジョン・スチュワート・ミルや、ベルギーの数学者ヴィクトル・ドントなどが、さかんに唱えた。それまでの小選挙区制は、民意を反映しない不公平な選挙制度だと批判が大きくなっていた。私の好きなノルウェーは、1920年、それまでの小選挙区制から比例代表制に変えた。

もういちど、女性参政権にもどる。戦後の1946年4月、私たちの祖母や母たちは、生まれて初めて投票所に足を運んだ。その選挙に立候補した女性79人。うち39人が当選した。当選率約50%! 驚きだ。

佐藤(三木)きよ子は大阪1区で当選。「大阪の女性の動きは鈍かったといい『女性たちの目を覚ましてやる』と立候補した」と今朝の朝日新聞に載っていた。秋田からトップ当選した和崎ハルは、市川房枝を師と仰ぐ婦選運動家。字を読めない書けない人たちに向かって驚くべき戦術を考えた。「ハルのハは、おじぎするときの手の格好です。その右手をちょんと跳ねるとルになります」と、ジェスチャーをして演説したのだそうだ。

戦後直後の女たちは、食べることだけで精いっぱい。政治的に鈍かったのは当たり前である。それなのに、39人という女性の当選。この記録的数字は、2005年まで半世紀の間、一度も破られていない。

そこには、大選挙区の連記制という選挙制度の存在があった。1人が2,3人を書くことができたため「1人は女性を」意識が働いたからだと、言われている。次の選挙からは、中選挙区制の1人1票に変えられて、当選者は15人にガクンと減った。

選挙制度が、いかに女性議員増に重要かの証である。

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▲戦後、秋田市で開かれた東北婦選大会。前列中央に市川房枝、その右後に和崎ハル。秋田県横手市の本郷郁さんより1996年ごろ三井マリ子に贈られた。

参院選2016年と女性
和崎ハル_1 武塙三山
和崎ハル_2 武塙三山
和崎ハル_3 武塙三山
和崎ハル_4 武塙三山
和崎ハル_5 武塙三山
普通のおばちゃんの三井裁判傍聴記_佐々木厚子
女性と選挙
2014衆院選 比例制に変えるしかない
参院選で女性躍進ならず

【注:小選挙区制とは選挙区から当選者1人を出す選挙制度。最強者以外に投じた票はすべて死に票となる。大選挙区制とは2人以上の当選者を出す選挙制度で死に票がやや少なくなる。中選挙区制は衆院選が小選挙区制に変えられた以前の選挙制度だが、大選挙区制の亜流といえる。これら多数制選挙の欠点を克服するために誕生したのが比例代表制。政党ごとの獲得票にしたがって各政党の当選者数を決める方法。勝ち負けというより、大政党は大政党なりに小政党は小政党なりに当選者が出る。北欧諸国やヨーロッパの多くの国々は比例代表制選挙。参院選の1人区32選挙区は小選挙区制であり、複数区は大選挙区制】
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by bekokuma321 | 2016-07-08 17:49 | その他

選挙における清廉性プロジェクト(Electoral Integrity Project, EIP)による、今年の選挙レポートは、

1位 デンマーク
2位 フィンランド
3位 ノルウェー
4位 スウェーデン
5位 コスタリカ

公平な投票に関して、①報道における公平さ、②選挙運動の資金、③社会的制約などを、調査して数字化したもの。アイスランドは10位とトップ5にはいらなかったものの、北欧諸国は軒並み、上位を独占した。ドイツ6位、オランダ8位。日本は29位だった。

議会制の母国イギリスが39位とふるわない。その理由のひとつが、民意を反映しない小選挙区制にある、と代表のPippa Norrisが分析する。日本も、その小選挙区制を採用しているが、イギリスより10ランク上位なのは、どこに原因があるのだろうか。

昨年の1位はノルウェーだった。

The Electoral Integrity Project’s "The Year in Elections 2015"
UK scores worst in electoral integrity in Western Europe. Here’s why.
Electoral Integrity Project

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【写真上:オスロの国政選挙投票風景。上が投票ブース。中にはいるとすっぽりとカーテンで覆われる。手前にあるのが投票箱。有権者は支持する政党リスト1枚を入れた封筒を投票箱に入れる。
写真下:事前投票所。「ここで事前投票ができます」と書かれた大きな看板。車いすやベビーカ―が入れるようスロープが設営されている。選挙運動期間の制限なし。投票日は憲法で決められた9月第2月曜日。事前投票期間が2か月半もあり、勤務地の近くでも投票ができる】
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by bekokuma321 | 2016-03-20 22:40 | 北欧

c0166264_2120437.jpg全国フェミニスト議員連盟は、2月15日、政府に対して「政治分野の男女平等に向けて選挙制度改革を求める」要望書を手渡した。

全国フェミニスト議員連盟代表(写真)によると、内閣府・男女共同参画局推進課では、「男女共同参画局では、政治分野における女性参画を推進しており、各政党に対しても女性参画を要望している」と、通り一遍の
答えだった。

総務省・自治行政局選挙部選挙課では「法改正について意見を言える立場ではないが、部局内で要望書について情報共有する。要望書(8)の自書式投票の廃止は、自治体において条例で対応でき、既に記号式を取り入れている自治体がいくつかある」と、これまた、男女平等の推進などどこ吹く風という対応だった。

要望書は以下。

「政治分野の男女平等に向けて、選挙制度改革を求めます」

2016 年 2月15日

内閣総理大臣  安倍晋三 様
総務大臣    高市早苗 様
一億総活躍大臣 加藤勝信 様

今から70年前の1946年4月10日、日本の女性は、初めて参政権を行使する事ができました。この選挙で、衆議院466人中39人の女性議員が誕生しました。

現在、衆議院の女性は475人中45人にすぎず、わずか9.5%です。これは、世界平均の22.8%にはるかに及ばず、世界190カ国中155番目の地位に甘んじています(IPU 2015.12.1)。同じく昨年の調査によると、地方議会は11.6%(県議会8.8%、市区議会13.6%、町村議会8.7%)です。男性議員のみの、いわゆる「女性ゼロ議会」は2割に上ります。

この歪んだ事態を変革すべく、全国フェミニスト議員連盟は、1992年の創立以来20余年、政治分野の男女平等を求めて運動してきました。

その経験と国連規約ならびに諸外国比較から鑑みて、日本の選挙には制度的欠陥があると考えます。1人でも多く女性議員を誕生させ、国会・地方議会の女性を民主主義の目標の50%に近づけるよう、選挙制度改革を強く要請します。

おりしも、衆議院議長のもとに設置された第三者機関「衆議院選挙制度に関する調査会」(座長・佐々木毅)は、改革案を衆議院議長に答申しました。そのメインは、475議席(小選挙区295、比例代表180)から10議席(小選挙区6、比例区4)を削減すること、選挙制度は現行の小選挙区比例代表並立制を維持すること、となっています。

この機に、以下のことを要望いたします。

1)「定数削減」は撤回すること。諸外国と比較しても、日本の人口比の議員数は多いとは言えず、上記調査会でも「議員数を減らす理由はない」との意見が委員から出されていたのであり、このまま定数を削減することは、「身を切る改革」どころか「民意を切る改革」である。

2)衆院選の比例枠を増やすこと。2014年12月の衆院選で自民党は得票33%で、議席61%を獲得したことから明らかなように、小選挙区制を中心とした現行選挙制度は、民意を反映していない制度である。民意を反映しない現行の小選挙区比例代表並立制にメスを入れること。少なくとも小選挙区比例代表並立制導入時の細川首相案である小選挙区・比例区半々、すなわち比例区を237議席にすべきである。

3)衆院選における比例区の候補者は、男女別のリストにすること。比例区の当選は小選挙区の惜敗率によるが、男女別に数えることとし、惜敗率の高い男女それぞれから選ばれるようにすべきである。

4)政党に男女平等原則を明言させること。政党交付金を交付される政党には、政党綱領に、男女平等原則ならびに党内のあらゆる決定の場における女性を50%(最低でも30%)とする条項を明記するよう、政党に働きかけること。

5)政党交付金の算定にあたり、政党の男女比を勘案すること。政党交付金を政党が申請する際、候補者における男女比、ならびに議員における男女比が6割から4割の間にいなければ、その政党の正当交付金は減額される、とする。減額率は別途定める。

6)国政選挙は比例代表制に移行させること。国内外ほぼすべての調査で、比例代表選挙の方が民意を反映しやすく、女性や社会的弱者の当選につながりやすいことが証明されている。民意を反映する比例代表制は世界の潮流であり、それへの移行を検討すること。

7)供託金制度を変更すること。世界で最も高額といわれる供託金を減額して、社会的弱者である女性の立候補へのハードルを低くすること。

8)「自書式投票の廃止」を検討すること。世襲候補減を促し、新人候補(女性は新人が多い)の当選促進の助けとするために、世界で日本だけという調査もある「自書式投票の廃止」の検討をすべきである。

以上

全国フェミニスト議員連盟
共同代表 会津素子(千葉県成田市議会議員)/皆川りうこ(東京都国分寺市議会議員)
事務局 小磯妙子 (神奈川県茅ヶ崎市議会議員)  

台湾の選挙比例枠は男女半々制
比例を切るな!
女性議員増めざして制度改善を
安保法案の成立は小選挙区制のせいである
フランスの政党交付金は男女平等化資金に
小選挙区制は女性の声を捨て去る
日本の女性議員率、世界189カ国中161位
比例代表制は女性や弱者が当選しやすい
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by bekokuma321 | 2016-02-19 21:30 | その他

c0166264_9441666.jpgサウジアラビア史上初めて女性の参政権が行使された。

先日の地方選で、約1000人の女性が立候補し、20人近くが当選する見込みだという。

英ガーディアンなどの報道によると、選挙があることも知らない女性も多く、投票に行く女性が極端に少ないと予想されていた。しかも、宗教団体には、女性が政治に関与することは「悪魔に扉を開くことだ」と、強い反対を唱える人もいた。専門家は、「歴史的なこと。女性の当選者がたった1人でも、十分です」などと選挙前に語っていた。

こうしたことを考えると、大の大の大快挙だ。

さて、そのサウジアラビアだが、国会は5人に1人が女性議員であることは、余り知られていない。

衆議院にあたるサウジアラビア国会には、全議員150人のうち女性は30人、約19.87%にのぼる(上左の円グラフ)。IPUによる世界ランクで、100位以内にはいっている。

c0166264_9452499.jpg他方、日本の衆議院は、475人のうち女性議員はわずか45人、9.47%にすぎない。IPUの調査では、150位から160位の間だ。

右の円グラフは日本の衆議院の男女比である。左上のサウジアラビアの円グラフと比べると、日本は、サウジアラビアよりはるかに女性議員の割合が低い。これでは、日本は、サウジアラビアの女性の置かれている位置や後進性をストレートに批判などできない。

とはいえ、サウジアラビア国会の議員は、選挙ではなく任命制であることだ。とても民主主義とはいえない。

それに対して、女性が参政権を得て70年を経た日本。投票する権利も、立候補する権利も保障されている。しかし、この、女性議員のすさまじいまでの少なさ。日本だって、とても民主主義とはいえない。日本の選挙制度には重大な欠陥があると言える。サウジアラビアの女性参政権から考えるべきは、日本の選挙のありかただなぁ・・・。

Saudi Arabia elects up to 17 female councillors in historic election
Saudi Arabia elections: ‘It will be enough even if one woman wins’
Two disqualified as first Saudi women begin campaign for election
Lagarde calls King Abdullah ‘advocate of women’ - despite ban on driving
ipu
比例を切るな!
地方議会選挙を終えて思う「日本の選挙って変だ」
小選挙区制は女性の声を捨て去る
比例代表制は女性や弱者が当選しやすい
女性の衆議院議員は1割に満たず
政治は男のものではない
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by bekokuma321 | 2015-12-14 10:09 | 中東

難民受け入れと政治

c0166264_18405767.jpg「日本は紛争地域に対する金銭的援助には寛容さを示してきましたが、難民を何人受け入れるかについては何の約束もしていません。スペース的にも資源的にももっとすることはあり、日本がとりうる政策ではないはずです。世界平和を唱える国としての理想を汚さないでください」

「日本は、ノルウェーや他のヨーロッパ諸国がしているように、難民に手をさしのべる責務を持っています」

上は、ノルウェー平和会議代表のヘッダ・B・ランジェミュル(写真)からFEM-NEWSに届いたメッセージだ。原文は左下のMoreに掲載。

彼女のメッセージから日本についての部分だけ和訳した。昨年、日本で5000人が難民申請をして認められたのは11人だったそうだが、彼女の弁は核心をついている。

押し寄せるシリアなどからの難民。EUに加盟していないものの、国連重視の政策をとるノルウェーは、難民受け入れに寛容な姿勢を示してきた。とはいえ、今は難民受け入れ反対を標榜する政党・進歩党が重要ポジションを占める連立政権だ。地方議会にも進歩党議員は多い。

この政治の流れを変えようと、今夏、「難民の皆さんノルウェーにようこそ」というフェイスブックが誕生した。その担い手がノルウェー平和会議などの市民運動だ。

ネットだけではない。難民支援キャンペーンは、街頭で討論会やビラまきをした。ノルウェー全土に難民支援センターをつくった。多くの人々が食べ物や衣類を持ちより、寄付金を出した。居宅を提供する家族もあった。

彼女は強調する。

「2015年は、ヨーロッパの国境に苦しみもだえる膨大な人々を産み出しました」

「国境は、これまでと同じやりかたで語ることはできなくなったのです。世界は狭くなりました。その狭い世界に住む私たちは、一緒にわかちあって生きなければならないのです」

9月12日は、オスロのノルウェー国会前や他の市の中心部で集会を開き、「ノルウェーは、難民8000人以上を受入れるべきだ」と唱えた。政党の代表に、8000人以上の難民受け入れ数を国会に反映させる約束をさせた。そして、9月14日行われた統一地方選では、難民に厳しい政策をとる進歩党が大幅に支持を減らした。

日本でも東北大震災など震災や自然災害のたびに、たくさんのボランティアが動き、助け合ってきた。だが、この大勢の市民の力がノルウェーのように国会や地方議会に直接むすびつくことは少ない。議員が民意を代表していないからだ。その背景にあるのは、”民意圧殺装置”と言われる小選挙区制選挙だろう。


難民問題
Norske velgeres engasjement gjenspeiles ikke i høstens lokalvalg!
tilflukt hjem(home for refugees)
Tilflukt
Har ventet på flyktningstrømmen i 30 år_Thorvald Stoltenberg

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by bekokuma321 | 2015-10-05 18:57 | ノルウェー

c0166264_403797.jpg地方選が終わった。

日本の投票は、有権者は投票所に行って、支持する候補者氏名を書いて、その紙を投票箱に入れるという方法をとる。

この、手書きで候補者の名前を書くという当たり前の方法を、他の国の人々に言うと、みな仰天する。「だから日本の候補者は、自分の名前の書いたたすきをつけているのです」、と納得してもらえるまでなんと手間暇かかることよ。

c0166264_1352015.jpgどうも手書きで候補者の氏名を書く方式をとるのは、日本独特のようだ。

しかし、ここは日本。

勝つためには、立候補者は自分の氏名をできるだけ多くの人に書いてもらわなければならない。だから候補者にとって何よりも大事な選挙運動は、自分の名前を覚えてもらうことだ。

c0166264_443116.jpgまともな人間ならこんなバカバカしいことを朝から晩までやって議会の議席を得るなんて、恥ずかしくて穴があったらはいりたくなるだろう。でも、それが日本の選挙だ。だから、工夫しながら、名前と顔を覚えてもらうためにひたすら1週間がんばるしかない(町村は5日)。

全国フェミニスト議員連盟で男女平等社会をつくろうとしてきた仲間たちの多くは、駅頭で、公園で、団地の前で、政策を訴える工夫をしていた。

c0166264_1364130.jpgでも、このように政策をスピーチする候補は数えるほど。だいたいは、選挙カーのスピーカーで名前を流したり、人前で名前を書いた旗を何本も立てたり(選挙違反だろう)、大勢がズラリと並んで大声で候補者名を連呼したりするだけだ。

c0166264_5205415.jpgこれまたおかしなことだが、選挙中、日本では、政策ビラは配れない、戸別訪問で支援をお願いすることもできない、政策討論会もできない。しかも選挙期間は1週間しかない。

名前を書くのが選挙だから、政策なんていらないといわんばかりだ。

政策で支持者をつかんでいる現職以外は、日本の場合、政策で当選なんてありえない話なのだ。

マイクを握って訴える女性候補者を見ながら、「身近な問題を政治課題にのせてきた実績のある人たちが、そのチラシをまけないのは、どんなにか悔しいだろう」と思った。

c0166264_4163614.jpgさて、さて、日本の地方自治体には女性議員は数えるほどしかいない。つまり、私が応援した前議員たちは、議会のマイノリティだ。

全国フェミニスト議員連盟を創設して20年以上、女性議員増の運動をしてきた。だが、一向に増えない。

c0166264_12561373.jpgやっとマスコミが女性議員の少ないことの弊害や、女性議員の存在によってよくなったことを取り上げるようになった。

しかし、政党助成金という巨額の公費を受け取っていながら、政党には女性候補を増やすための実効ある具体策に欠けていた。女性が輝くなどとふれこむ政府、選挙管理委員会、総務省など関係機関は、指をくわえてみているだけだった。

c0166264_133367.jpg女性議員は女性候補が増えないと増えるはずもない。候補者さがしの段階で女性を増やす何か具体的な方法があったはずだ。啓発活動でもいい。「もっと女性候補を」とキャンペーンぐらいはるべきだった。

私が取材を続けているノルウェーでの地方選は2011年秋にあったが、女性議員は38%だった。

政党別では、左派社会党は51%、労働党は44%が女性だった。ノルウェーでは、ほとんどの政党は候補者を決めるときに一方の性を4割から6割になるように決めていて、それをクオータ制という。クオータ制に反対する政党もあるため、結果は、40%を割ってしまった。

市長は20%が女性、つまり5人に1人が女性首長だった。

こうした差異をつくる根本は、選挙制度にあると思う。ノルウェーをはじめヨーロッパの多くの国々は、国も地方も比例代表制選挙なのだ。

日本は、国会が小選挙区制で、地方議会は複数当選者を出すいわゆる中選挙区制だ。中選挙区制は小選挙区制よりは小政党や無所属に有利だと言われるが、基本的には最も得票の多い人から順番に当選する小選挙区制の変形に近い。

c0166264_448032.jpg比例制の選挙は、支持する政党の候補者リストを選び、それを投票箱に入れる。その獲得票に応じて政党の当選者数が決まっていく。

だから、票を最も多く獲得した政党はそれなりに、票の獲得率が少ない政党はそれなりに、当選者が出る。よって、どんなに小さな町にも、さまざまな政党から議員が出ている。それに政党は候補者を決める段階で、クオータ制にもとづいて少なくとも4割は女性にしているので、4割ほど女性議員が誕生する。

c0166264_4485830.jpg政党に入れるだけだと、政党任せになり候補者の顔が見えないのでどうも・・・という人のためにつけ加えると、ノルウェーでは、有権者は政党の決めた候補者の順番を変えたりできる。

候補者名が書かれたリスト(投票用紙)の左側に設けられた空欄にバツ印をつけてその候補者に1票を加算する方法と、用紙の空欄に他党の候補者名を書き足す方法の2種類が設けられている。

これによって、女性や障がい者など、まだ議会に少ないグループの候補者にバツ印をつけると、その候補を上位に押し上げて当選させる可能性が高まるのだ。

多様な声をすいあげて議会に届ける代弁者を選ぶ、それが選挙だ。

なのに、日本では、誰がどんな政策を持っているかを知らせることを禁じている。

日本の地方選挙に多い無所属候補のほとんどは、隠れ自民だそうだ。その結果、「オール与党議会」も多いと聞く。もちろん「オール男性議会」は数知れずある。

選挙のたびに、「日本の選挙制度は変だ」と怒りを覚える。

世界一民主的な国
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小選挙区制は女性の声を捨て去る
比例代表制は女性や弱者が当選しやすい
女性の衆議院議員は1割に満たず
政治は男のものではない


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by bekokuma321 | 2015-04-26 05:06 | ノルウェー

88.57%の人が「女性議員、いたほうがいい」と応えている。

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朝日が、ネットで「女性と政治」のアンケートをした、2月25日現在の結果である。

政党はこの結果をよく見てほしい。そして、統一地方選や国会議員選挙に女性をできるだけ多く立候補させるべきだ。それが民意の反映であり、政党を強くすることにもつながる。

現状はどうか。国会も地方も、女性議員はほぼ1割前後しかいない。女性議員が1人もいない「女性ゼロ議会」が2割以上もある。日本の政界は、「一強多弱」である以上に、「男強女弱」である。

その最大の理由は、民意の反映しない小選挙区制という選挙制度にある。最も多く票をとったたった1人しか当選せず、他の候補に入れた票がすべて死に票となる制度だからだ。

それに対して、国内外ほぼすべての調査は、比例制のほうが民意を反映しやすく、女性や社会的弱者の当選につながりやすいことを証明している。

しかるに、国会ですすめられている選挙制度改革は、比例制枠を少なくしそうらしい。

これでは、女性の当選はさらに遠のくのは火を見るより明らかだ。するとどうなるか。当然ながら政党は当選率の高い人を候補にしたい。つまり、政党は公認・推薦候補に女性を増やそうとしないか、もしくは、女性候補を当選しそうもない選挙区に”あて馬”としてすえるだけだろう。

選挙制度を改革するというなら、比例制をもっと増やすべきだ。

マスコミも政界の「一強多弱」だけでなく、「男強女弱」にもっとメスを入れてほしい。

朝日新聞 女が生きる・男が生きる「地方政治の壁」編:第7シリーズ
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by bekokuma321 | 2015-02-25 09:56 | その他

7月の参院選は法の下の平等からして違憲だ。こんなスカーッとした判決が11月28日、広島高裁から出た。今後、全国47選挙区から次々に判決が出るらしい。朝日新聞などによる。

広島高裁は「投票価値の不平等は甚だ顕著だ。国会には選挙制度を抜本的に改革する責務があった」と無責任な国会を厳しく断じた。

選挙は民主主義の基本のキだ。その選挙の不平等をこれだけ司法から指摘されても、なお、なすすべのない日本の国会。どうしてそんな国会から国民のためになる政治が生まれよう。

しかし、1人1票の選挙が本当に平等かというとかならずしもそうとはいえないと私は思う。人口密度の低い過疎の県を代表する議員がいなくなる恐れがあるからだ。

ノルウェーやデンマークなど平等意識の高い北欧諸国は、比例代表制だ。比例代表制という選挙は、最も多くの票をとった1人しか当選しない小選挙区制より、はるかに平等原則に近い。比例代表制では、大政党は大政党なりに、小政党は小政党なりに当選者が出る。死に票が少ない。

そして、問題の選挙区の議席数は? 北欧諸国は、人口比だけでなく面積を加味して決めている。たとえばノルウェーは憲法がこう規定する(憲法だぞ!)。

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「各選挙区から選出される国会議員の数は、人口数と面積の割合をもとに換算される。1人が1ポイント、1平方キロメートルが1.8ポイント。この計算は8年ごとに数え直される」(ノルウェー憲法 第57条)

だから、首都オスロの候補は、極北の地フィンマルク県(上の写真)の倍以上とっても、当選におぼつかない。でも、そうしないと、国会はオスロ選出議員だらけになってしまう。地方自治が崩れてしまうだろう。今でもオスロは19議席、フィンマルクは5議席だ。

さらにその上で、北欧諸国にはアジャストメント議席というおもしろい制度がある。

ノルウェーの場合、国会の169議席は、19ある県と同じ区画の選挙区ごとに選ばれる。つまり19選挙区だ。投票が終わると、まず各選挙区で、その定数から1議席引いた数の当選者が選ばれる。残った1議席がアジャストメント議席だ。ノルウェーでは、平等化議席(utjevningsrepresentanter)と呼ぶ。

その平等化議席1をどの政党がとるか。その1議席は、選挙区で獲得した票を全国で合計し、その割合から計算して、各選挙区で選出議員数のもっとも少ない政党がもらうことになる。

言いかえると、平等化議席とは、カウント方法――修正サン・ラグ式――の関係で1議席もとれなかった政党のために、設けられた特別な議席だ。

当選者は、比例代表制だから、政党の候補者リストの上から順番に決まる。ほとんどの政党は、リストを決める際、男、女、男、女と男女交互に並べるクオータ制をとる。つまり、女性は全国で全体の4割ぐらい当選する。

c0166264_22461981.jpg世界には、こういうふうに工夫に工夫を重ねている国がたくさんある。それなのに、日本の選挙は何なんだ。

もっと言えば、平等に大きく反するのは、日本の悪名高き供託金だ。衆議院候補は300万円、納めなくてはならない。投票数の10%をとらなければ没収される。こんな高額のお金を払ってまで、選挙に出ようという女性や若者がどれだけいるか。これでは、2世、3世、売れっ子タレントしか選挙に出るチャンスはない。

そうそう、北欧の友人に供託金と言っても通じなかった。

そのほか・・・あれとかこれとか。でも、今夜は、これで、おやすみなさい。

【写真上:冬はマイナス50°まで下がる、極北の地フィンマルク】
【写真下:平等化議席のおかげで当選したヘードマルク県の左派社会党カーリン・アンデシェン議員、2007年の国会議員選挙】

◆比例代表制は女性や弱者が当選しやすい
http://frihet.exblog.jp/20789791/
◆世界一民主的な国
http://frihet.exblog.jp/19256560/
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by bekokuma321 | 2013-11-29 23:09 | ノルウェー