c0166264_22573811.jpg10月10日は、世界精神保健デーだ。この日、ノルウェーはオスロの国立劇場で、「オープンネス賞Openness Award」の授賞式を大々的に催す。マスコミも大きく報道する。

この賞は、大変な努力の末に勇気をふるって自らの病気を公にして、精神病へのステグマ払拭に貢献した人に与えられるものだという。入賞すると、入賞者の希望にそって1万クローネを寄付する権利と記念品が与えられる。

今年のオープンネス賞は、ポップ歌手アグネッタ・ヨンスン(Agnete Johnsen、22歳)が受賞した。

アグネッタ・ヨンスンは、今春、ユーロヴィジョンにノルウェー代表で出場して、「アイスブレイカー」を歌った。しかし、ファイナルには出場できず、最優秀賞は逃した。「ひどい精神的病いに悩まされて、体も心もボロボロで歌どころではなかった」と語っている。

報道によると、14歳のときから、ひどい欝(うつ)の症状が出始め、高校を2度中退せざるをえなかった。テレビ番組を降板したこともあり、その際も欝や他の精神病に苦しんでいることを明かしたという。

アグネッタ・ヨンスンは、ユーロヴィジョン後、仕事も記者会見もすべてをキャンセルしており、10月10日も本人は授賞式に出られなかった。「オープンネス賞」の受諾スピーチは代読された。それによると、「両親は、私たち子どもに、自らの否定的側面や苦しい日々について話していいのだと教えてくれた。そんな親に感謝したい」と述べた。

アグネッタは、ノルウェーの先住民族サーミである。1万クローネは、彼女の自宅近くの「ヴァドソー(Vadsø)若者センター」に寄付する予定だという。 Vadsøは北部フィンマルク県の自治体で、北緯70度という厳寒の地にある。

精神病に対する偏見はどこにもある。だからこそ、WHOは世界精神保健デーを設けたのだろう。精神病への偏見を少しでもなくそうと、国ぐるみで工夫しているノルウェーの姿勢に打たれる。

ところで、わが日本政府は、いったい何をしてきたのだろう。

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▲Vadsøの港。2011年、ノルウェーの平等政策が本物かを確かめたくて、最も過酷な地と考えられるVadsøを取材した。ルポ「極北の町を見捨てない国」参照。


Agnete Johnsen (22) er vinner av Åpenhetsprisen 2016
Ailing Eurovision singer wins prize
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by bekokuma321 | 2016-10-28 23:21 | ノルウェー

BBCによる。

「7月22日の襲撃事件の実行犯アンナス・B・ブライヴィックは、妄想性統合失調症paranoid schizophreniaにあった。

2度の襲撃時、彼の精神は異常だった。さらに、13回にわたる調査時も精神が冒されている状態だった。彼は、己の妄想の世界に住み、その中で、彼の妄想が彼の考えと行動を引き起こした」

11月29日、ノルウェー法医学審議会から提出された243ページにわたる報告書は、以上のように結論づけた。

襲撃で77人が死亡した。ほとんどは10代の政治活動家で、半数は女性だった。ウトヤ島での労働党青年部恒例の夏合宿での突然の事件だった。負傷者は151人に上る。

逮捕されたブレイヴィックは、殺人を認め、イスラム化するヨーロッパを守るために必要だったと述べている。彼が精神の病だとなると、監獄ではなく精神病院でケアされることになる。

http://www.bbc.co.uk/news/world-15936276
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by bekokuma321 | 2011-11-30 01:19 | ノルウェー