c0166264_125889.jpg2015年11月30日、秋田で、政党交付金をめぐる裁判の最後の報告会をした。

ちょうど1年前の今日だ。

裁判長の強い要請を受け入れて、私は和解をした。足かけ3年、自宅のある長野から秋田に通った。その距離4万余キロ。地球一周だった。そんな裁判を支えた弁護団や友人たちが集ってくれた。

私が提訴したのは、国民の税金でつくられた「政党交付金」が、選挙に手慣れた人たちの手で、不当な使われ方をしている、と、わかったからだ。

裁判長は、私の言い分をほぼ認め、被告側の行為を「不適切行為」とした。被告は私に詫びたため、不本意だったが和解に応じた。

政党交付金は、その後、やれ、ワインだ、うちわだ、カレンダーだ、SMバーだ、キャバクラだ、と騒がれた大臣や議員が大きく報道された。

ワインは小渕優子経済産業大臣、うちわは松島みどり法務大臣、カレンダーは御法川のぶひで議員、SMバーは、小渕大臣が辞任した後に就任した宮沢洋一経済産業大臣。キャバクラは、東京都板橋区から出た太田順子さんの選対を務めた民主党区議会議員たち。

そうそう、舛添都知事事件もあった。彼は政党交付金を美術品や自宅内の事務所家賃に使っていた。先月は、民主党(現民進党)富山県連が、組織ぐるみで政党交付金を不正に使用し、その額「少なくとも計4525万3468円」と報道があった。最近では、政党交付金を含む政治資金を使って高級ホテルでグルメ三昧の国会議員がズラリと報道されている(注1)。

私の場合、ことの始めは、民主党支持率が最低を更新していた2012年秋。秋田3区の民主党国会議員が離党し、そのポストが空いた。2カ月にわたる要請を受けて、私は秋田移住を決意した。そして解散総選挙。落選は覚悟のうえだった私は、落選後、再挑戦する意思を表明した。

ところが選挙後5日目の夜、5人が自宅(兼事務所)にあがり込んで、「あなたがいると票が減る、出て行くように」と追い出し宣告。さらに「あなたやあなたの友人たちは選挙違反をした。家宅捜査だ、連座制だ」と脅した(後、選挙違反は事実無根と判明:注2)。収支報告を見せてほしいという私の要請には、だんまりを決め込んだ。

裁判でわかった(注3)のだが、被告側は、私の政治活動に使うべき「政党交付金」を十分に使わずに、「基金」として貯めこんでいた。

どうしてそんなことがやれたか。

それはこうだ。衆議院議員候補は政党支部長に就任する→支部長名義の口座をつくる→党本部から政党交付金が口座に送金される→口座の通帳やハンコを一手に握る議員秘書が勝手に出し入れする。

政党交付金は、全国民が1人250円を出し合った血税だ。「政党の健全な活動」のためと、1994年創設された。「民意をひどく歪めた政党の勢力分布をつくってしまう、非常に悪い制度」(石川真澄)である小選挙区制と抱き合わせで導入された。年間320億円、世界一高額だという。

20年経って、「結果として、政党の活力が奪われました」と言ったのは、細川内閣で、その制度設計に関わった成田憲彦さんだ(朝日 2015.10.17)。

政党交付金は小選挙区制とは相いれない。政党中心の比例代表制選挙ならわかる。それに「政党活動の自由」を盾に、何に使ってもいいとされているのだから、選挙にたけた人たちの手で、候補者の選挙マシーンに流されたり、「私腹肥やし」にされるだけだ。

女性や少数派の民意が反映されない小選挙区制、政党活動を停滞させる政党交付金制。これは、絶対、絶対、間違っている! 

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【注1】自民党有力国会議員の場合、収入にはパーティなどで集めた政治資金がはいっているため、全てが「政党交付金」からの支出とは言えない。
【注2】逆に、判明したのは、民主党秋田の幹部らが、ポスター張りをしていないのにしたことにして領収書偽造して、選挙費用を横領着服した事実だった。
【注3】衆院選・裁判をきっかけにできた、女性と選挙・政治を考えるサイトさみどりの会ホームページには裁判情報が掲載されている。
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by bekokuma321 | 2016-11-30 02:03 | 秋田

c0166264_0231454.jpg「政治とカネ」で、甘利大臣が辞任しました。大臣室で50万円を忍ばせた菓子折りを受け取ったという記者会見を聞いて、「越後屋、そちも悪よの~」「いやいやお代官さまほどでは」という時代劇を思い出したのは私だけではなかったようです。

「政治とカネ」は後を絶ちませんね。その政治とカネにかかわって三井マリ子さんが起こした裁判は、昨年11月、 和解で終わりました。マリ子さんは、衆院選で政党交付金が奇妙に使われていることを知って、それを明らかにするために提訴していました。

ちょうど1年前ですが、マリ子さんが意見陳述をした裁判を傍聴しました。そのなかに、こんな言葉がありました。

「政党交付金の間違った使い方を明らかにすることは、いまわしくも稀有な体験を積んでしまった私の義務だと思っております。 厳正なる審判をお願いいたします。」

こう言っていたマリ子さんですから、政党交付金に関するうやむやな結果に、さぞ残念だったことでしょう。でも、新しい年を迎えて、マリ子さんは、経験にもとづいた事実をホームページで連載するに至ったと聞きました。

政党交付金は、私も含めた国民全員がひとり250円を出した税金です。政治腐敗の温床といわれる企業団体献金を廃止するかわりに、公金の導入が決まったそうです。でも、甘利大臣が「(50万円を)適正に処理しておくようにと秘書に渡した」と弁明していたように、企業団体献金は禁止されていません。政治家は企業団体献金と政党交付金を二重取りしているのです。まったく許せません。

政党交付金は国民の税金なのに、不透明に使われていても、ほとんど国民は知りません。知るすべがないのです。

連載を通して、知っているようで知らない部分にスポットがあてられ、わかりにくかったこともわかるのではないかと心から期待しています。

大倉 由紀子(さみどりの会)

さみどりの会
連載「衆院秋田3区の政党交付金」
秋田政党交付金裁判、和解
「どうする政党交付金」
許されない政党交付金の貯めこみ
普通のおばちゃんが考える「政党交付金、基金、国庫返還」
秋田政党交付金裁判――背景には女性蔑視がある
政党交付金国庫返還と三井裁判
政党交付金裁判
ためこんで翌年一気に使う「政党交付金」
政党交付金のあきれた使い方と裁判
「政党交付金は選挙に使えない」!?
井戸塀政治家から政党交付金どっぷり政治家へ
政党交付金のうまみを熟知していて追い出した
普通のおばちゃんが考える「政党交付金」
政党交付金440万余円、国庫返還へ
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by bekokuma321 | 2016-02-07 00:50 | 秋田

c0166264_14281349.jpg「陳述書2」(2015年6月21日 原告三井マリ子)を読ませていただきました。

正直言って、読み終えるのが大変辛い中身でした。思い出せば、一昨年の10月、大学時代のクラス会であなたは体調が悪そうで、いつもの元気はつらつとしたあなたとは全く違っていました。その原因がこれだったのですね。

選挙に絡むカネ、そのカネの使途の悪質さにただただ驚き、あきれるばかりでした。読んでは休み、また、もう一度読み戻しては休み・・・とても一気に読めるものではありませんでした。

正確に記すためにと、思い出したくない嫌なことをひとつひとつ記憶をたどりながら、あちこちに出向いては調査をして、これだけの文書をまとめあげた、あなたの根気・努力は計り知れないものがあったと思います。

政党交付金とは そもそも国民全員から一人当たり250円を取った税金が原資です。それが、自分が全く支持しない政党に交付されて、その政党から各地の政党支部にわたり、その支部の政治家によって使われています。健全な民主政治に資するためにできた制度だそうですが、少なくとも政党交付金を使う政治家は、目的以外には使うべきではありませんし、その使い道を明快に報告すべきです。当然使い残しがあったら、国に返納すべきです。

被告参議院議員側は、まず三井マリ子さんを民主党の政党支部支部長にして、三井マリ子さんの名で銀行口座をつくりました。その口座に民主党本部から政党交付金を送金させるためです。その政党交付金の目的は、当然ながら三井さんの総選挙に向けた政治活動でした。

その時、銀行に行った人(参議院議員秘書)は、三井さんの委任状もなしに、それどころか三井さん本人になりすまして口座を開設していたことなどが、裁判の証拠書類から明らかにされています。さらに選挙が終わった後、三井支部長から収支報告や残金がいくらかを求められても、全く説明せず、コピーすら見せないという不誠実さは、到底許されないと思います。

つぎに被告側は、ある方法をとれば、政党交付金を使い残しても、国に返還せずに後で使えることを知っていました

それは、「基金口座」を開設して、そこに使い残した政党交付金を移すという方法です。国会議員かその秘書でなかったら、こんな奥の手を知っているはずはなく、私は、「陳述書2」で初めて知りました。

被告側は、毎年、この方法で、自分が代表する政党支部に来た政党交付金 の残金を「基金口座」にためこんでいました。手慣れていた被告側は(自分の政党交付金ならまだしも)、三井支部長の政党交付金を残して、「基金口座」に移したのです。そのうえで、三井支部長を秋田から追い出しました。

このようなことは絶対許されない、と強く思います。

被告に何度も懇願され長野から秋田まで移り住み、本気で選挙に立ち上がったあなたの陰で、このようなことが行われていたとは、本当に気の毒で心が痛みます。読んでいて私は本当に胃が重苦しくなったり、息苦しくもなりました。

大学時代のあなたは本当に「パッション」にあふれ、その言動には目を見張るものがありました。社会に出てからの活動も「さすが」と感心させられて来ました。それだから生まれ故郷の秋田の女性のためという強い使命感と、政治を変えなくてはという信念から決断したのでしょう。そして、どんなに必死にあなたが選挙に打ち込んだか 友人の私には想像できるのです。

被告らのしたことは 世のために真摯に頑張ろうとした者への裏切り行為です。選挙に引っ張り出そうとした時の熱心な口ぶり、カネにまつわる様々なごまかし、手続き上の嘘偽り、選挙後5日目の追い出し宣告、情報の秘匿・・・・理解しがたいさまざまな事実について、被告らは、反論があるのでしたら具体的証拠で反論してほしいです。その上で、真相がすべて解明されるべきと思います。

「陳述書2」の最後にある次の文章、その通りであると確信し、強く支持します。 

「被告らは、私への背任行為をなし、私の人格権を侵害しただけではありません。『民主政治の健全な発展』『政党政治の健全な発達』のために誕生した政党交付金を、その設立趣旨から著しく逸脱して使いました。政党交付金は、全国民ひとりひとりが、税金250円を出して賄っています。被告らは、私を欺くことで、秋田3区の住民、そして全国民を欺いたといえます。」

三井マリ子さん、あきらめず最後までやり抜いてください。私にできることがあれば連絡してください。

2015年9月25日

佐藤 美登里(さみどりの会 *)

【写真:雪の晴れ間に「女性が子育て・介護しつつ働き続けられる職場を」と訴える三井候補。2012年12月豪雪の秋田3区で】

(*)2012年暮れ、2カ月にわたる立候補要請を受けて、三井マリ子さんは秋田移住して衆院選に出た。落選後、松浦大悟議員らに不明朗な会計処理をされ心身ともに損害を受けたと提訴した。さみどりの会は三井裁判を支援する会の愛称。「産むならば 世界を産めよ ものの芽の 燃え立つ森の さみどりのなか」という阿木津英の歌がある。女性は子どもだけでなく、世界を産み出すのだという意味だ。三井さんは、選挙演説に引用しては「私は新しい秋田を産み出したいのです」と結んでいた。選挙・裁判をきっかけにできた、女性と選挙・政治を考えるサイトさみどりの会ホームページには裁判関係の情報が掲載されている。
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by bekokuma321 | 2015-10-09 15:49 | 秋田

衆院選秋田3区

全く盛り上がりに欠けた選挙でしたね。争点は見えず(見えないようにしたのでしょうね)、野党は追及するテーマがあやふやで選挙に突入し、そのまま終わってしまいました。わが家の有権者の半分は国民の義務と権利を放棄してしまいました。なさけない。

政治資金を、観劇会やらワインやらベビー服に私物化してやり玉に挙がった人も当選しました。禊が済んだと思った方もいるのでしょうね。これで、現政権に都合のよい国会運営がさらに進み、国民は置き去りにされてしまうことでしょう。

と、ここまで書いたら、小渕優子元大臣の事務所のパソコンのハードデスクが捜査前に破壊されていた、というニュースがはいりました。証拠隠滅をしようとしたのでしょう。捜査前といえば10月ですから警察はわかっていて選挙が終わるまで公表しなかったのですね。

c0166264_18184236.jpgこうして小渕さんだけではなく、あの大臣も、あの国会議員も当選しました。許されません。国会議員は特別公務員です。私たちの税金から給与が出ています。

ネットで調べたら、1人の国会議員に月約130万円が支払われています。これに加えてボーナス(期末手当)が約635万円出ますので、基本の年収は2200万円ほどです。それに文書通信交通費が月100万円で年1200万円。これは非課税の上、領収書を出さなくてもいいのです。さらに1人の議員につけられる公設秘書3人分の給与が年約1800万円出ます。

国会議員1 人に年5200万円が支払われていることになります。少なく見積もって。

その上、今、問題となっている「政党交付金」も国会議員の懐に入ります。各政党(共産党を除く)を通じて国会議員に回るのです。政党に属している国会議員は、年間1000万円から3000万円程度が、議員の代表する各県の総支部に出ています。

政治家には、庶民とはまったくかけ離れた巨額のおカネがはいっているのですね。

政治家は、このような政治家のおカネのほとんどは国民の税金で賄われていることを認識して仕事をしてほしいと心から願っています。

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今回は、前回2012年と同様に、突然の解散でした。秋田に引っ越してほどなく解散され、準備もできずに何もわからないままに選挙にはいった三井マリ子さんの選挙を思い出しました。

三井さんは落選後にいろいろ不審を抱き、法廷で結論を得ようと提訴しました。まだ係争中です。三井さんの闘いのおかげで、秋田県内の選挙屋さんたちは政治とカネに疑念を持たれることは避けようとしたのではないでしょうか。

我が秋田3区の民主党は、前回公認で闘った三井さんに代わる候補者を立てられませんでした。共産は女性を出しましたが、当然、自民と維新の草刈り場となってしまいました。そして予想した候補者が当選しました。秋田1区では、出口調査の結果、安倍総理より早く、開票時間の20時過ぎに全国1番に当確とでました。

秋田3区は豪雪地帯です。三井さんの選挙があった2012年の冬もそうでしたが、今年も雪がすごい。医師が大雪のため病院に来れないという話を聞いたばかりです。

横手市では毎朝10時半から流雪溝が動くので、雪投げをしなければなりません。1月16日の裁判の日も大雪だと雪投げのため動けないことがあるかもしれません。とにもかくにも1月16日には雪が余り降らないでね、と願っています。

大倉 由紀子 さみどりの会(*)
【写真上:2014年衆院選、写真下:2012年衆院選】

(*)2012年の衆院選で落選した三井候補は、松浦大悟議員らに不明朗な会計処理をされ心身ともに損害を受けたと提訴した。さみどりの会は三井裁判を支援する会の愛称。「産むならば 世界を産めよ ものの芽の 燃え立つ森の さみどりのなか」という阿木津英の歌がある。女性は子どもだけでなく、世界を産み出すのだという意味だ。三井さんは、選挙演説に引用しては「私は新しい秋田を産み出したいのです」と結んでいた。「さみどりの会」の由来だ。裁判報道は左下のMoreをクリック。
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by bekokuma321 | 2014-12-19 18:21 | 秋田