100、女73

先日、厚生労働省から発表された、日本の男女賃金格差だ。その差27。この歴然たる格差を、厚生労働省は、いったい全体、いつまでどのような方策で解消しようとしているのか。その具体策はまったく見えない。マスコミも追求したようには見えない。マスコミにも男女賃金格差があるから、強く追求できないのだろう。

しかも、「10073」という数字は、女性労働者の5、6割を占める、非常勤や派遣など非正規で働く人たちの賃金は含まれていないのだから、多くの働く女性の実感とは異なる。

さて同じころ、イギリスの国会で、政府は男女賃金格差を是正する具体策を講じていないと、痛烈な政府批判がなされた。

イギリスの男女賃金格差は、男100、女80.8だ。

この賃金格差を批判したのは、「女性と平等委員会The Women and Equalities Committee」の委員長マリア・ミラー。国会内に、「女性と平等委員会」と名づけられた常設委員会がつくられていて、「女性と平等省」が、ちゃんと仕事をしているか否かを調査するのだというから、このこと自体驚きだ。いや、「女性と平等省」という省すら日本にはない。

ともかく、マリア・ミラー委員長は、政府は委員会の提案をやってないじゃないか、とこう批判する。

「①フレキシブルワーク(定時に縛られない柔軟な働き方)を増やすこと ②女性が担っている子どもやお年寄りの世話という無報酬労働を男性とわけあうこと ③40歳以上の女性の復職への支援体制をつくることーーーわれわれが提起した、これらの重要な課題の解決に向けての実行なしには男女賃金格差はなくならない」

このような政府に対する酷評は、きっと野党・労働党の議員だろう、と思ってしまうが、違った。委員長は保守党の女性議員だった。批判された相手側は、「女性と平等省」の大臣ジャスティン・グリーンニング。もちろん女性だ。



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      ▲20年以上も前、男性よ家事育児をもっとしようという政策を打ち出したデンマーク政府パンフレット。メッテ・ドレイヤ―の作品


MPs attack ministers' lack of action on gender pay gap
世界の男女賃金格差縮まらず (OECD加盟国中、日本の男女賃金格差は最下位ランク)



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by bekokuma321 | 2017-02-24 22:37 | ヨーロッパ

「貧富の格差は過去に例のないほど広がり、男女の所得には著しい格差がある」

なんともいや~な報告だ。これは、5月21日、OECDが、最新レポート『一緒に:なぜ平等は多くの人に利益をもたらすか』で公表した加盟34 カ国の実態である。

格差の大きな国はチリ、メキシコ、トルコ、アメリカ、イスラエル。小さな国は、デンマーク、スロベニア、スロバキア、ノルウェー。

男女賃金格差の大きな国は、韓国、エストニア、日本。小さな国は、ニュージーランド、ベルギー、ルクセンブルグ、ギリシャ、ノルウェー。下表を参照。

どの国をお手本にしたらいいかの指針となりそうだ。

OECDはいう。

「臨時的職やパート・タイム職があふれ出し、それが不平等を増やしている」

「貧困を減らすには、労働の質の向上と男女格差解消がカギである」

日本の政治が何をなすべきかは明らか。しかし、派遣法改悪案など安倍政権の政策は、貧富格差と男女賃金格差を縮めるどころか、逆に広げるに違いない。

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▲男女賃金格差の国際比較。左から格差の小さい国が並ぶ。日本(JPN)は右から3番目。最も格差が大きい国のひとつ。

In It Together: Why Less Inequality Benefits All
世界で母親がもっともハッピーな国ノルウェー
貧乏は性差別だ♪
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by bekokuma321 | 2015-05-22 01:22 | その他

男女賃金格差100対37 

中川正春男女共同参画大臣の出した参考資料「賃金総額男女比の国際比較」

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◆「女性の活躍による経済活性化に向けて」平成24年5月22日内閣府特命担当大臣(男女共同参画)中川正春
http://www.npu.go.jp/policy/policy09/pdf/20120522/shiryo3.pdf
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by bekokuma321 | 2012-05-24 21:15 | その他

c0166264_0541977.jpg5歳と9歳の娘たちと茶とらの猫と、楽しそうに遊ぶパパ。その後ろでパソコンに向かうママ。

ノルウェーでは、4組の夫婦のうち1組は、妻のほうが夫より収入が多い。まだ、まだママが多くの稼ぐ家は、珍しい。その珍しい家庭の写真だ。

妻は大手会社の広報部長で、とても忙しい。夫は教員でフルタイムの80%勤務だ。彼女のほうが彼より5倍給料が高い。よって、彼が家の義務が多く、子どものお送りむかえと、世話、それに夕食の支度はほぼ彼がする。

彼はいう。「彼女の給料がいいことは、全然気になりません。彼女はよく働き、僕は自由な時間がある。それが、子どもにとっても、妻にとってもいいことなのです」

とはいえ、ノルウェーですら、こうした夫婦は少ない。一般的には女性は公務員で、男性は私企業で勤務しているので、女性のほうが賃金が低いのが普通だという。

ノルウェーの男女賃金格差は、男100、女85。

左上のグラフは、年収50万クローネ以上の人たちの伸び。青が男性、ピンクが女性。女性もどんどん伸びていることに注目。

■Mor jobber overtid, far leker med barna
http://www.aftenposten.no/okonomi/Mor-jobber-overtid_-far-leker-med-barna-6771371.html
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by bekokuma321 | 2012-02-28 01:00 | ノルウェー

c0166264_1853897.jpg日経新聞によると、30歳未満の女性の可処分所得が男性より高くなった。女性の月額は21万8100円、男性を2600円上回り、日本の歴史上、初めて男女が逆転したことになる。データは、総務省の2009年の単身世帯を対象にした調査による。

その背景には、男性が多く働く製造業において、雇用や賃金に下向き圧力がかかっているのに対して、女性が多く働く医療・介護などの分野で、雇用や賃金が上向き傾向という産業構造の変化がある、と分析する。

しかし、さきごろ発表された、世界のジェンダー・ギャップ調査によると、日本は、総合順位94位である。さらにその中の経済分野を見ると、世界134カ国中101位である。

その理由は、同一労働同一賃金になっていないこと、年間の総収入の男女格差が大きいことにある。

今回の若い男女間の平等化傾向が、全世代に波及することが必要だ。それには、30代以降、結婚出産をしても仕事を続けられる職場環境、さらに育児休業普及と保育園待機児童の解消などが、急務である。政府の優先政治課題にすべきだ。

【可処分所得とは、所得から税金や社会保障費を引いたもので、その人が自由に使えるお金のこと】

http://hiroseto.exblog.jp/13417383/
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819481E3E1E2E1908DE3E1E3E2E0E2E3E29F9FEAE2E2E2
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by bekokuma321 | 2010-10-14 18:54 | その他

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9月30日付ニュースによると、欧州連合EUは、男女同一価値労働同一賃金に向けてキャンペーンを開始した。題して「賃金格差をなくそう!」。

上はキャンペーン写真のひとつ。貯金箱の大きさで格差を一目でわからせている点がミソ。それと、「ボク、男でよかった、ヒヒヒ」、という声が聞こえてきそうな男性の表情も笑える。

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特別サイトはこちら
◆Pay gap in EU
http://ec.europa.eu/social/main.jsp?catId=685&langId=en

加盟27カ国の男女賃金格差の平均値が並び、どの国が賃金において格差が大きいか一目瞭然。各国ごとの男女賃金に関する詳細もワン・クリックでわかる。

リーフレット、パワーポイント、ポスタ―も、EU加盟国すべての言語で作られている。ちょっと見るだけでも参考になる。

左は、英語圏向けキャンペーンポスター。年代ごとに4種類ある。女性は赤ちゃんからお年寄りまであらゆる年代で差別されていることが浮かび上がってくる。上から和訳すると、

「男の子と女の子で機会は平等ですかーー賃金格差をなくそう」

「私たちの仕事は同じ価値があるとされていますか――賃金格差をなくそう」

「子どもは仕事の邪魔ですかーー賃金格差をなくそう」

「同じ仕事、同じ年金ですかーー賃金格差をなくそう」



キャンペーンをしたところで、各国の雇用主が、女性と男性で賃金に差をつけるのは恥べきことだと認識し、解消しなくては掛け声に終わる。とはいえ、しないよりはずっとまし。こうした女性差別解消向けキャンぺ―ンに取り組むべきは、わが日本政府のはずだ。しかし日本政府がこうしたわかりやすいキャンペーンをしたなどという話は、これまで聞いたこともない。
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by bekokuma321 | 2010-10-03 23:08 | ヨーロッパ

小さな差は本当はデカイ

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ノルウェーの主要紙アフテンポステンは、男女の賃金格差を、なかなかおもしろく報道している。

まず、タイトルが新鮮だ。「小さな差は本当はデカイ」という意味のノルウェー語Den lille forskjellen er ganske stor が大きな字体でせまる。次に目にはいるのはド迫力のイラスト。若い男女が、アイスクリームを持っている。男性のアイスクリームは、女性のよりちょっと小さい。男性は困ったなという顔を見せ、女性はニコニコ顔(図)。

しかし、記事の中身は、イラストとは全く逆。

昨年の平均賃金は男性が100に対して女性が85(現金にすると438400クローネで、女性372700)。そのせいか、男性は、将来の経済的見通しについて、女性よりはるかに明るいと、アンケート調査をもとに述べる。

結果、女性のほうが銀行の預金利子に関心があり、食べ物の値段が自分の経済に影響があると心配している・・・。

私は、この記事を読んで、わずか15の差が、実はいろいろな差を生むのだなあ、とあらためて考えた。そして、どうしても日本の賃金格差に向かう。

ノルウェーの100対85は、フルタイムだけでなくパートも含めた数字だ。日本は、フルタイムだけで男性100に対して女性66だ。パートを含めると100対50前後となる。

日本なら見出しは、どうするか。「大きな差は本当にどうしようもなく超デカイ」? イラストはどう描く?

■イラストだけでも見ごたえがある男女賃金格差の記事http://www.aftenposten.no/pengenedine/article3564270.ece
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by bekokuma321 | 2010-03-15 22:52 | ノルウェー

看護師を尊敬せよ!

c0166264_12515998.jpg「看護師を尊敬せよ」。こんな見出しが、9月2日、ノルウェーの大手新聞アフテンポステンに踊った。ノルウェー語ではVerdsett sykepleierne。

記事は、看護師の賃金をあげよという内容。看護師は命をあずかる重要な仕事だ。しかし、賃金は他職に比べ低い。看護師という仕事の価値が低く見られているからだという。

看護師に限らず、女性が多いケアの職場は、仕事の価値が低く見られている。これでは、お年寄りのケアサービスが必要な高齢化社会をのりきれない。さらに男女平等法や、女性差別撤廃条約がうたう「男女賃金格差解消」に違反している。こう、改善を求めている。

闘いの中心は、ノルウェー看護協会だ。先日、看護協会は、政権与党の政党党首と、野党第一党党首に直接会って、改善の約束までさせた。

政党が熱心なのは、9月14日に国政選挙を控えているからだ。看護協会は、多くの女性たち、関心を寄せる男性たちの力を得て、総選挙の争点にした。街中にキャンペーンポスターをはった。「一筆で男女賃金格差を減らせます」(写真)

■ノルウェーの国政選挙の詳細はインターネット新聞(日本語)
http://janjan.voicejapan.org/world/0908/0908178849/1.php

■9月2日アフテンポステン紙(ノルウェー語)http://www.aftenposten.no/meninger/leder/article3247539.ece
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by bekokuma321 | 2009-09-03 12:39 | ノルウェー

c0166264_211452.jpg9月14日に国政選挙を迎えるノルウェーでは、「男女同一価値労働同一賃金」が選挙の最大の争点になりそうな雲行きです。

ノルウェーの男女賃金格差は100対85。日本は100対66。日本に比べればはるかに男女平等が進んでいるとは言え、ノルウェー女性から見ればまだまだ許しがたい賃金格差です。

これを国政選挙で一挙に縮めようとしています。どうやって? その方法は女性差別のおかしさを広めることです。まずは街中に、怪しげな笑みを浮かべた女性のポスター貼りまくります。なぜか女性は髭をつけています。

つづきはインターネット新聞を(↓)。

■ノルウェー総選挙は「男女賃金格差の解消」が最大の争点
---ノルウェー女性の賃金は同国男性の85%、日本女性は66%!
http://janjan.voicejapan.org/world/0908/0908178849/1.php
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by bekokuma321 | 2009-08-19 13:37 | ノルウェー