「原子炉の安全装置は最高レベルといわれながら、大地震(ロシアの尺度で9バール、その約1,5分の一が日本の震度に相当する)の前には取るに足らない子供服のように役立たなかった。」

ノーベル文学賞を受賞したスヴェトラーナ・アレクシエーヴィチが書いた「チェルノブイリから福島へ」の一部だ。福島原発事故のニュースに知った彼女は、絶対安全だと言っていた安全装置を、役立たない子ども服のようだと表現している。

アレクシエーヴィチは、かつて北海道の泊原発を訪れていた。その時の様子を彼女はこう書いている。

「空飛ぶ物体が地上に降り立ったかのような非の打ち所のない美しい形。カモメの翼のように純白だった。原子力発電所で働いている人たちは世界の創造者のデミウルゴスのようにそこに君臨していた。」

全文は、沼野恭子研究室「被災地へ 届け ロシアの声 (17)スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ」で読むことができる。

ノーベル賞がなかったら、沼野恭子研究室ブログに立ち寄り、この貴重な文章に接することはなかっただろう。

ブログには紹介者「三浦みどりさん」と書かれていた。三浦みどりは、スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチの『戦争は女の顔をしていない』(群像社)の翻訳者であり、アンナ・ポリトコフスカヤの『チェチェン やめられない戦争』の翻訳者である。2012年12月逝去。

Svetlana Alexievich
Voices from Chernobyl The Oral History of a Nuclear Disaster
アンナ・ポリトコフスカヤ賞
男性偏重政治が原発政策にもたらす弊害
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by bekokuma321 | 2015-10-10 08:04 | 紛争・大災害