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日本が、細川内閣時代“政治改革”の熱狂のもと、小選挙区制選挙に変えたころ、「小選挙区制は公平でない」と捨てた国がある。ニュージーランドだ。


1996年、ニュージーランドは、小選挙区制を廃棄処分して小選挙区比例代表併用制に変えた。併用制は基本的に比例代表制である。日本の小選挙区比例代表並立制は小選挙区制が基本であり、言葉は似ているが中身はまったく異なる。


今秋、ニュージーランドは国政選挙を迎える。選挙制度は小選挙区比例代表併用制だ。小選挙区制時代は、イギリスのように2大政党以外は絶望的だったが、制度改正によって、小政党から当選できるようになった。活躍めざましいのは緑の党。いま14議席だが、さらに伸びそうだという。


緑の党共同代表の国会議員メティリア・テュレイMetiria Tureiが、いかに選挙制度が政治を変えたか、を語る。イギリスの運動体「選挙変革ソサイアティ」サイトに載った英文記事をかいつまんで和訳する。

「小選挙区制のころは、国民党と労働党しか政権をになう可能性はゼロ。しかも40%以下の票しか獲得してなかったのに、です。一方、他の小政党は15%から25%の支持を得ても議席にはつながりませんでした」


「そこで80年代から国民の意思が票に反映せず死に票になってしまう、と猛烈な不満が国中にわきおこりました。労働党が選挙改革に乗り出し、その後の国民投票につながりました。1992年の国民投票は、選挙制度を変えるか否か。次に1993年は、変えるとしたらどんな選挙制度か、というものでした。緑の党は、選挙制度変革イエスに向かって、その議論に勝とう、という姿勢で臨みました。その議論に勝ったら、かならず比例代表制が選ばれる、と考えたのです」


「こうして比例制中心の併用制に変えることができました。1996年の初の選挙。緑の党は他と政党連合Allianceを組んで立候補し、議席を得ました。2大政党以外の小政党から当選は初めての事件で、大喜び。その後、緑の党は、連合から独立して、1999年の選挙で5%以上を獲得。7人の議員を誕生させました」


「併用制選挙での大きな変化は女性です。初の併用制選挙で、20%だった女性が、一夜で、30%になったのです。さらに、マオリ党の議員は倍増。マオリ党議員はわずか3人でした。それが併用制になったとたん7人です。併用制選挙が続いた結果、常に7人から11人のマオリ女性が国会に選ばれるようになったのです」


「まだ問題はあります。比例候補者以外では女性は40%に過ぎません。政党は小選挙区に男性を候補としがちなのです。社会の性差別が残っており、男性のほうが当選しやすいためです。多様性を期待するなら、小選挙区制ではなく比例代表制です。要するに、比例代表制のほうが、より公平な選挙制度だといえます」


「緑の党から聾者の議員が出ています。わが国ではじめてのことです。でも、まだ車椅子の議員は出ていません。まだまだ壁が厚いということです。でも、聾の国会議員Mojo Matherは、過去2年間で、ハンディを持つ人たちのためにものすごい業績を上げています」


「比例代表制は万能薬ではありません。でも、人々にチャンスを与えます。閉じられていたドアを開けます」


小選挙区制の国で、比例代表制を求めている運動を続ける人に対して、彼女は次のようにアドバイスする。


「公平性が大事だと考える人々を止むことなく励まし続けることです。『あなたの1票は、無視されてはいけない票なのです』とね」


How PR ‘completely transformed’ New Zealand politics: Metiria Turei, Green Party co-leader
小選挙区制の日本、比例代表制のノルウェー
比例代表制は女性や弱者が当選しやすい
北極に最も近いバルドー市も女性議員は約4割

【写真はメティリア・テュレイ国会議員。Facebookより】












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by bekokuma321 | 2017-04-13 16:33 | アジア・アフリカ

c0166264_1116543.jpg大学1年になる親戚の男の子が、「18歳になったので今年から選挙権があるんだけど、よくわからないから結局棄権してしまった」と言ったのが気になっていました。

そんな時、三井マリ子さんの「高校生が議員になれる国ノルウェーの選挙」に参加しました。

まず、高校生議員が生まれる背景を知りたかったのですが、何と小学生から授業の中で実際の政治に触れ、政党への政策アンケートを小学生自身が作成したり、高校では立候補者を学校に招いて選挙討論会も実施されるという。やはり高校生が議員に立候補するまでには積み重ねがあったのだと実感しました。

ノルウェー公職選挙法では、18歳から投票できるだけではなく、立候補もできるとのことですが、「18歳になったら、原則として誰もが立候補する覚悟をする」という言葉が印象的でした。

投票ができるようになった日本の18歳も、もっと選挙や政治を身近なものにしていくことが必要だと思いました。ただ、落選確実と思って立候補したら当選してしまったというノルウェーの女子高生、1期やって政治家は向かないと2度と立候補しなかったようですが、彼女は任期中、どんな仕事ぶりだったのかを知りたい気がしました。

もう一つ驚いたのは、ノルウェーなど北欧諸国では、基本的に地方議員はボランティアであるということです。ボランティアだから、様々な職業の方が議員を務め、女性議員が3分の2を占める議会も出てきているのだろうという気がしました。

日本ではお金がなければ選挙にも出られないし、政治とお金の事件は後を絶ちません。比例代表制という民意が反映する選挙制度で、候補者は選挙にお金をかける必要がまったくないから、高校生も立候補し、当選できるのでしょう。

そんなノルウェーの議会も100年前は男性がほとんどだったことが、当時の写真からわかりました。まだまだ課題は山積ですが、日本でももっと女性議員が増え、過半数を超えるような時代が来るのを期待したいものです。

近江 真理(元都立高校教員)

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小選挙区制の日本、比例代表制のノルウェー
選挙制度しだいでは高校生が議員になれる
ノルウェーの2013年国政選挙
スクール・エレクション

■ノルウェー王国大使館「ノルウェーの地方選挙レポート 2011」
第1回 「女のクーデター」再び -平等・反差別オンブッドは語る
第2回 選挙運動を担うソーシャル・パートナー
第3回 女性参政権100周年から子ども参政権へ
第4回 北部ノルウェーを支えるサーメの女性たち


【写真上:高橋三栄子撮影、下:三井マリ子作成PPTデータより】
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by bekokuma321 | 2016-11-26 11:29 | ノルウェー

久しぶりに三井マリ子さんの講演「高校生が議員になれる国ノルウェーの選挙」を聞いた。政党交付金にまつわる厳しい裁判を終えた三井さんは、すっかり変貌していた。

「政党交付金や選挙制度について勉強しましたから、今はよくわかります」と、苦悩の衆院選体験を笑って語り、タフさが戻ったかのようだった。

衆院選とその選挙にまつわる裁判を闘った三井さんは、講演の冒頭で「1 小選挙区制は悪い制度である」と、石川真澄と阪上順夫の本から引用した。そして、「2 比例代表制は民意を反映する」と言った(左下Moreをクリックして末尾PPTを参照)。この2点を証明するかのように比例代表制をとる「ノルウェーの選挙制度」が紹介された。

c0166264_20443766.jpg講演の最後のほうで、ノルウェーの小さな自治体「オーモット市」の議員一同がアップされた。100年ほど前のものだという。女性は端っこにただ一人。男性は一様に黒っぽいスーツにネクタイ姿。年齢も似たり寄ったりの高齢層。表情さえ似たり寄ったりの強面だった


c0166264_20482020.jpg次に映されたのは、100年経った、同じ「オーモット市」の現在の議員一同だった。その前列は、女性で占められ、男性は後ろの列に並んでいる。多様な年齢層。服装もカーディガンにパンタロンの女性あり、ワンピース姿の女性あり。男性もセーターあり、ワイシャツ姿あり、ジャケットあり、といった具合だ。年齢、性別、服装、のどれをとっても一色におさまらない。このオーモット市は地方選挙後、女性の当選割合68%である、と大きく報道されたとか。
 
北欧諸国のみならず、ヨーロッパの多くの国々では、地方議員は無報酬のボランティアが多いと三井さんは言った。報酬はないが、住民からの強い信頼と尊敬の念を得て働くのだという。

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by bekokuma321 | 2016-11-16 21:30 | ノルウェー

c0166264_2044360.png北欧の小さな国アイスランドが、男女平等で大きなジャンプを果たした。

10月29日の国会議員選挙で、女性は、全63議席中30議席を占め、48%となった。あと2議席増えたら、男女数逆転だ。といっても、アイスランドは女性議員の多い国で、前回の26議席から4議席増えただけの話(注)。

首相だった進歩党のグンロイグソンは、パナマ文書で脱税疑惑を報道されて、国民の怒りをかった。ところが、彼は首相を辞任したものの、のうのうと進歩党党首として候補者リスト1番に。

怒った選挙民は、投票で、この怒りをあらわした。グンロイグソン率いる進歩党にそっぽをむいた結果、進歩党の議席を前回の18から8に激減させた。政権第1党が、なんと第4党に転落してしまった。

アイスランドは比例代表制選挙で、有権者は支持政党のリストを選んで投票箱に入れるのだが、その際、政党の決めた候補者リストを有権者が変更できる。今回、進歩党候補者リストのトップだった党首グンロイグソンの名前を削除した有権者が多かったため、彼のランクは下がった、という。

男女平等を求め、不正に怒るアイスランド国民に幸あれ!

Amost 18 Percent Crossed out Sigmundur’s Name
The Tiny Nation of Iceland Is Crushing the U.S. in Electing Female Politicians
Women Win 30 Seats In Iceland's Parliament — More Than Any Party
アイスランド10月24日「女性が休む日」を決行
男女平等ランキング:アイスランド1位、日本111位
Why Iceland is the best place in the world to be a woman
アイスランドが、今年も世界一平和な国
アイスランド女性がいっせいに休んだ日
百田氏よ、恥を知れ!
日本142カ国の中で104位
女性の雇用率の高い国は
男女格差、世界136カ国中105位
1位アイスランド、98位日本
アイスランドが違法ノルウェー人に市民権

【注:比例代表制選挙は、日本のような候補者を選ぶ投票ではなく、政党を選ぶ。政党は、候補者名を載せたリストを前もって公表する。リストの上位に載った候補者は当選確率が高いので、1番、2番・・・に誰を載せるかが重要となる。北欧諸国の政党は、上位に女性を載せるため、結果として女性の当選率が高くなる。参考「イラク移民の少女が国会議員有力候補になれる国」

【写真:新聞「スカートの巻き起こす風」。アイスランド女性党から1990年代に発行された】
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by bekokuma321 | 2016-11-04 20:57 | 北欧

来年はノルウェー国会議員選挙がある。それに向けて、今秋、県の政党は候補者リスト原案を固める。

最大の選挙区はオスロで、19議席ある。そのなかで最も票をとる政党は労働党。そのオスロ労働党がやっと候補者(原案)を決めたようだ。

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ノルウェー国会

オスロの国会議員定数19をめぐって8,9政党がしのぎを削る。比例代表制なので政党の獲得率に比例して議席数が決まるのだが、労働党はだいたい6議席をとっているので、6番目までは「安全地帯 safe seat」だ(注)。

そのオスロ労働党1番から6番まで、誰になるのか、さまざまな憶測が飛んでいた。というのも、首相だったイエンス・ストルテンベルグの引退に加え、ベテラン女性議員マリット・ニーバックが引退し、パキスタン系の女性国会議員ハディア・タジク(労働党副党首)が地方に移籍することになり、新人の入り込む余地が多いからだ。

ノルウェーのメディアや友人らの話によると、前首相に代わる1番は、党首ヨーナス・ガール・ストーレ(元外務大臣)と動かない。問題は、女性国会議員2人の空席を誰が埋めるからしい。少数派の女性を探しているのだという。

そして、今日、メディアでオスロ労働党の候補者リスト案が公表された。6番目までを見ると、性別は、男→女→男→女→男→女の順番となっていた。

1位ヨーナス・ガール・ストーレ(党首、前外相)は予想通りだった。2位マリアンヌ・マッテンシェン(国会議員)、3位ヤン・ブーリル(国会議員)、4位シーリ・ゲ・ストーレセン(国会議員)、5位エスプン・バース・アイダ(前外務大臣)、6位サイネブ・アル=サマライ(弁護士)だ。

感心したのは、6位にサイネブ・アル=サマライをすべりこませたことだ。

彼女は、典型的少数派イラク系ノルウェー人だ。7歳のとき、ノルウェーにやってきたイラク移民の家庭に育ったという。現在は弁護士として活躍し、オスロ市議会代理議員に選ばれている。ハディア・タジク(労働党副党首)もそうだが、サイネブ・アル=サマライは、移民家庭の子どもであっても最高レベルの教育を受けてきた。これは、ノルウェーでは教育費が小学校から大学院まで無料であるからだろう。

そして、繰り返しになるが、政党中心の比例代表制選挙だからこそ、彼女のような女性が国会議員の有力候補になれるのである。


Espen Barth Eide gjør comeback i norsk politikk
あざやかな歴史
何と爽やかなノルウェーの選挙!
民主主義度1位ノルウェー、23位日本
小選挙区制は女性の声を捨て去る
2014衆院選 比例制に変えるしかない
比例代表制は女性や弱者が当選しやすい
比例制選挙がいい

【注】政党は、候補者リストにできるだけ多くの候補者名を載せ、広範囲の集票を期待する。2013年の国政選挙で、オスロ労働党の候補者リストは25人(定数19+6)だった。男13人 (52.0%) 、女12 (48.0%) とクオータ制を守っている。 最高齢74 歳、 最年少20 歳、平均45歳と年代も広い。日本の実態からすると議員は市民の代表という基本を堅持しているように見える。しかし、ノルウェーの新聞には、政治家や政党関係の職業が多く、一般市民の代表とはいえないと厳しく批判した記事もあった。
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オスロ労働党が10月末に公表したオスロ選挙区の候補者リスト原案。7番から25番までは割愛。意見があれば1ヶ月以内に出せる。その後、「候補者選定委員会」で議論・決定され、年内には2017年秋の国政選挙候補が確定する
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by bekokuma321 | 2016-11-02 18:38 | ノルウェー

比例区、またまた削減

衆院の定数が削減された。確実に女性議員減につながる比例区削減も強行された。

衆院で審議はわずか3日間だった。参議院での結果は、あまりにも小さな記事だったため見逃しそうだった。

選挙法は憲法に等しいくらい大切な制度だ。それが、こんなに暗いやり方で、とおってしまうとは。

女性議員増を求めて20余年の全国フェミニスト議員連盟は、衆院での決定を受けて、抗議文を送った。連戦連敗ではあるが、絶対にあきらめずに、声をあげ続けよう。


■■女性議員減につながる比例区削減をした定数削減衆院委可決への抗議■■
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2016 年 5月10日

衆議員議長  大島理森 様
参議院議長  山崎正明 様
内閣総理大臣  安倍晋三 様
総務大臣    高市早苗 様
一億総活躍大臣 加藤勝信 様
                
2016年4月27日、衆議院の選挙制度改革を審議する衆議院特別委員会は、衆議院定数を、「小選挙区6減、比例区4減」とする法案を可決しました。翌28日、衆院本会議を通過したことによって、衆議院は465議席となり、人口が現在の半分だった1925年の466議席より少なくなりました。

しかも、女性候補者当選率の高い比例区の定数を減らして、“女性の声の反映する政治”を求める国際社会の潮流に背を向けました。比例枠削減を含む本法案の可決は、女性や社会的弱者の民意を切る改革であることを指摘し、ここに強く抗議をします。
 
日本の女性が初めて参政権を行使した1946年、衆議院において466人中女性は39人で8.4%、現在は475人中45人で9.5%。70年間でわずか1%増でしかありません。

背景には、日本の選挙制度を含む社会システムが、女性議員増を阻んできた事実があります。

国連女性差別撤廃委員会は、かねてから日本政府に対して「クオータを含む暫定特別措置を通じて、政治的公的活動における女性参画増加のための努力」を求めてきました。クオータ制は、比例代表制と親和性があり、比例代表制選挙をとる北欧をはじめ世界各国において絶大な効果をあげています。

しかるに、日本では、小選挙区比例代表並立制の当初原案は、比例区250でしたが、1994年200に削減して成立。2000年180とさらに削減。それが、女性参政権70周年という記念すべき本年、176に切り捨てられることになりました。

女性議員の割合が世界190カ国中155位(衆院)の最下位ブロックの日本でこそ、女性や社会的弱者が当選しやすい比例代表制への抜本的変革が求められています。にもかかわらず、小選挙区制を維持したまま、比例枠を減らすという選挙制度関連法の改正案が可決されたことは、時計の針を逆に回すことです。

最後に、「選挙制度」という重要法案が、女性1人のみの委員会で審議されたこと、女性市民の声を参考人として聴取するどころか、市民への周知徹底が全くなされないままたった3日間の審議で結論を出したことに異議を申し述べ、委員の猛省を求めるとともに、参議院においては上記の点に考慮し、慎重な審議がなされることを強く求めます。                          

全国フェミニスト議員連盟
共同代表 会津 素子(千葉県成田市議会議員)/ 皆川りうこ(東京都国分寺市議会議員)
事務局 小磯妙子 (神奈川県茅ヶ崎市議会議員)  
神奈川県茅ヶ崎市鶴が台14-5-202

【写真:70年前、衆院に当選した39人の女性のひとり「和崎ハル」。秋田からの初の女性国会議員。当時の選挙は大選挙区の連記制だったから女性が今よりも当選しやすかったといわれている】

「身を切る改革」どころか「民意を切る改革」
小選挙区制は女性の声を捨て去る
 比例代表制は女性や弱者が当選しやすい 
女子差別撤廃委員会への政府回答のお粗末さ
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by bekokuma321 | 2016-05-24 00:29 | その他

c0166264_222117.jpg台湾の総統選は初の女性総統当選に終わった。同時にあった国会にあたる立法院議員113人を決める選挙はどうだったか。

台湾は日本と同様、中選挙区制から小選挙区比例代表並立制に変わったとされている。しかし、日本と全く違う点がある。

それは、比例代表制34議席を選ぶ政党の候補者名簿は、男女半々でなければならないとされていることだ。これは、50%クオータ制だ。原住民枠が6議席、別に設けられていることも初めて知った。平等性を感じさせられる。

世界の国会における女性割合を調査比較しているIPUには、残念ながら台湾の情報は公開されていない。国連加盟国ではないからだろう。しかし、いくつかの報道によると、選挙前、すでに国会議員の約3割が女性だった。

まだ、選挙結果に女性数が出ていないが、台湾の最高決定機関に女性がどの程度増えるか楽しみだ。


List of members of the ninth Legislative Yuan
Taiwan presidential race showcases women's increasing role
Online Press Kit
A brief introduction of the 2012 presidential and eighth legislative elections
台湾初の女性総統の影に
女性議員増めざして制度改善を
小選挙区制は女性の声を捨て去る
比例代表制は女性や弱者が当選しやすい
女性の衆議院議員は1割に満たず
政治は男のものではない
日本の女性国会議員、189カ国中163位
比例区削減案に反対します!
日本の男女平等度、世界101位
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by bekokuma321 | 2016-01-18 10:25 | アジア・アフリカ

c0166264_2295729.jpg朝日新聞は、英国総選挙結果を「進む分極化 内憂外患」と題して、国民の政党支持が多党化していると分析している(2015.5.9、ヨーロッパ総局長梅原季哉)

連立を組んできた自由党の大敗北。それに、反緊縮財政、核軍備撤廃を掲げるスコットランド国民党SNPの大躍進が理由らしい。

そういえばSNPのシンボルといえるマイリ・ブラック(20歳)は「緊縮財政による貧困化反対、核軍備への歳出反対」と、力強く当選スピーチをした(写真)。拍手!

加えて、反EUを掲げる右派の英国独立党UKIPの高得票を理由に上げている。UKIPは、わずか1人しか当選してないのだから影響力があるとも思えないのに・・・。こう思いながら、得票率をよく見ながら図表を作成してみた。左の数字は議席数、右は得票率。

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なるほど、UKIPの票は、保守党、労働党についで第3位だ。全国的に幅広い支持を集めている。それなのに、緑の党と同じくわずか1議席しかとれなかった(個人的にはホッとした)。

さらに注目すべきは、スコットランド国民党。56人もの当選者を出して第3党に踊り出たが、その得票率は、なんと5%に満たない。自由党など7.9 %もとったのに、議席は8議席。5%以下のスコットランド国民党の7 分の1 だ。誰が見ても国民ひとりひとりが投じる1票に、議席が比例していないとわかる。

朝日は、最後に「単純小選挙区の下でのニ大政党制は、民意をすくい取る仕組みとして機能不全を起こしているのだ」としめている。

同じく朝日の石川真澄も、以前こう書いていた。

「英国では小選挙区制のもとでの『ニ党制』も、それによる『政権交代』も、ともに確実に過去の神話になりつつある。そして、そこから選挙制度そのものを見直そうという機運が強まってきているのも当然といえば当然の成り行きである」 (石川真澄著 岩波ブックレット『小選挙区制と政治改革』)

その上にたって、石川は、日本の小選挙区制移行を厳しく批判した。

「小選挙区制の『本家』と思われている英国はその弊害に気づき、見直しに動いている。ちょうどその時期に、日本はその小選挙区制を採用するのが『政治改革』だと思い込み、与野党が全力で実現に向けて走っている。珍妙な風景といわなければならない」

発刊は20年以上前の1993年。日本に小選挙区比例代表並立制が実行されてなかった頃だ。

1996年から、日本では、その小選挙区ウンニャラの選挙が実行され始め、その後何度か続いて・・・・

今や、有権者の3割しか改憲に賛成する人はいないのに、「衆院議員の8割以上」が改憲賛成、と化してしまった(2015.5.3 朝日)。

国会は、民意を反映していないどころか、民意と反対の場になった、と言いたいくらいだ。

英国下院、女性が30%に
イギリス6割が選挙制度改革に賛成 
小選挙区制は女性の声を捨て去る
比例代表制は女性や弱者が当選しやすい
女性の衆議院議員は1割に満たず
政治は男のものではない
日本の女性国会議員、189カ国中163位


[追記:選挙改革協会の副事務局長は、英選挙結果を受けて、「民意が議席に反映しない歪んだ選挙、信じがたいほど不公平な選挙である」と発表した。「74%が比例代表制を支持するとの世論調査があるが、さらに増えるだろう」とも。出典はHuff Post Politics 2015年5月11日。Thursday's Skewed Election Result Shows We Need to #MakeSeatsMatchVotes]
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by bekokuma321 | 2015-05-09 22:15 | ヨーロッパ

c0166264_23164564.jpgいかに女性議員が日本に少ないか。このテーマを日本のメディアが報道するようになって、うれしい。

今朝の朝日は、家庭との両立が壁、と多くの女性衆議院議員が応えている、と報道していた。

女性議員の少なさには、そうした意識の問題や慣習のしばりもあるだろう。しかし、日本の政界における女性の少なさの最大要因は選挙制度にある、と思う。

女性議員を増やすには、小選挙区制から比例制に変えることだ。少なくとも、現行の小選挙区比例並立制の比例部分の数を増やすことだ、と思う。

もうじきイギリスの総選挙がある。

有力政党のなかに3人女性党首がいて、討論会では女性の存在も目立つ。労働党は、ピンク色のバスを特注して女性有権者に投票を呼び掛けた。しかし、選挙の争点に女性問題はよく見えない。賃金差別撤廃、DV・セクハラなど女性への暴力根絶、高齢女性の年金の低さ解消など・・・は優先課題に登っていない。

こんな実態に業を煮やしたのか、先日、BBCの人気女性コメディアンSandi Toksvigが「女性平等党 The Womens Equality Party」を創設すると発表した。2020年をめどに、国会に打って出るという。女性は多数派であり、女性の課題を解決することは、女性だけのためでなく、男性のためでもある、と主張する。

北欧では、いち早く「フェミニスト党」ができて、同様の主張で、支持を伸ばしている。

その北欧諸国の政界の女性進出の高さは、他に追随を許さない。スウェーデン、ノルウェー、フィンランドは、内閣の半数が女性であり、国会議員の50%から40%は女性だ。

北欧諸国は、どこも比例代表制選挙だ。国会も地方議会も比例代表制で選挙がなされる。2000人の小さな自治体でも、大きな政党はそれなりに、小さな政党はそれなりに議員を出し、女性議員は4割程度を占める。

今朝、イギリスの市民団体「選挙改革協会」からメールが届いた。

「あと2日で、小選挙区制が、完全に時代遅れであることがはっきりする」と冒頭で述べる。

日本は、1990年代半ば、中選挙制から小選挙区比例代表並立制に選挙制度を変えた。基本は小選挙区制だ。小選挙区制の母国はイギリス。そのイギリスで、「小選挙区制は時代遅れ」の声がどんどん大きくなっているのだ。

選挙改革協会によると、比例代表制という公平な選挙制度の支持者は、今回、全体の4分の3に上ったという。

「今日、インデペンダント紙は、第1面トップで、私たちの代表を選ぶもっといい制度を指示する人が圧倒的に多いと報道する」と紹介している。

なぜイギリス国民は小選挙区制に不満なのか。

「票と議席がマッチしない選挙制度に不満をもつ人が増えている」からだという。選挙改革協会は、「今こそ変革の時だ」と唱える。

イギリスでは、「10人に1人が、木曜日、戦術的投票をする」。すなわち、最も支持する候補者ではなくその次の候補者、または3番目の候補者に投票する。気に入らない候補者を落とすためにそうせざるをえないのだという。

ここには、「幻滅への処方箋」しかないという。

すなわち、イギリスでは、木曜日の総選挙を待つまでもなく、「368議席もの多数の議席はすでに決まっている」。その選挙区で当選者を出せないことが確実な政党は、「その選挙区を捨て去って、接戦区に集中する」。だから、選挙に関心など持てるはずがない。そうした有権者は2700万人にのぼるらしい。

最も票をとったひと1人だけが当選する小選挙区制は、多様な意見を持つ人々の代表を選ぶ方法ではない。とりうる制度は、政党の得票に応じて議席が配分される比例代表制だ。

c0166264_21214277.jpgイギリスでは日本のようにしょっちゅう解散・総選挙とはならないらしい。供託金も日本の300万円に対し、7万円程度だ。キャンペーンも戸別訪問が主で、朝から晩までの名前の連呼はない。投票も、候補者名を書くのではなく、政党のシンボルマークにチェックを入れるだけ。なるほど、日本の選挙よりは楽そうだ。それでも、最強の勝者ひとりを選ぶ選挙キャンペーンは、女性には過酷に違いない。

北欧のように、「出産直後に選挙だったが、政党の候補者リストの上位に登載されていたので当選でした」というような女性などありえない。

20年以上前から「女性議員を増やそう」「クオータ制導入を」と運動している全国フェミニスト議員連盟という団体がある。私も、長年、仲間たちと頑張ってきた。国会議員に意見書を出したり、集会を開催したり・・・。女性が5割、4割を占める北欧の政治や選挙システムを調査して紹介もしてきた。

日本の女性の能力、判断力、指導力は男性に比較して決して劣ってはいないし、日本の女性たちが北欧諸国の女性に比べ、劣ってもいない。

問題は、やはり選挙制度だ。

We're on a roll
General Election 2015: Sixty per cent of people want voting reform, says survey
Our electoral system is absurd. Time to change it
Election 2015: Sandi Toksvig launches Women's Equality Party
General election 2015: a campaign full of women but not about them
a fair deal for women
Election 2015: General election FAQs
フランスの政党交付金は男女平等化資金に
小選挙区制は女性の声を捨て去る
比例代表制は女性や弱者が当選しやすい
女性の衆議院議員は1割に満たず
政治は男のものではない
日本の女性国会議員、189カ国中163位
男女平等なくして民主主義なし
女性議員を増やすために ~ノルウェー選挙に学ぶ~
原発事故から考える民主主義
男性偏重政治が原発政策にもたらす弊害
女性の約7割、原発NO!
比例区削減案に反対します!

【写真上:選挙改革協会のメールより転載、写真下:英国の投票用紙。候補者名の横に所属政党のシンボル・マークがあり、その右の空欄に×をつける。日本のように有権者が候補者名を書くことはない。Politics in the UKより】
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by bekokuma321 | 2015-05-06 23:10 | ヨーロッパ

12月18日「小選挙区制は女性の声を捨て去る」における円グラフと表の一部を訂正いたします。

自民党の女性当選者は、小選挙区16人、比例区9人です。その数字を逆に記してしまいました。その結果、比例区当選者は実際より多くなりました。全国フェミニスト議員連盟の竹花郁子さんはじめ読者からのご指摘に心から感謝申し上げます。円グラフとそのもとの表の一部を訂正し、心からお詫びいたします。

小選挙区は女性を捨て去るシステムだという主張や根拠に間違いはないため、本文に訂正はありません。(2014.12.21 FEM-NEWS)

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比例区があってよかった。自民党以外のほとんどの政党は、比例区があったために女性の当選者を出すことができた。

小選挙区は、1票でも多く票を集めた人だけを当選させるシステムだ。それ人以外の候補者に入れた票は全部死票になる。1番を決めたら、2番以下はポイと捨て去るというわけだ。

だから、小選挙区制選挙は、民意を反映しないひどいシステムだ。

つくったばかりのグラフを見てほしい。もしも比例区がなかったら、公明党、共産党、維新の党は、女性議員をひとりも誕生させられなかったことを示す。小選挙区制では、多様な民意、とりわけ女性の声が見殺しにされてしまう。

1強多弱は非民主的だと批判する声は多い。なら、それを生み出す小選挙区制を批判すべきだろう。小選挙区制をなくして比例代表制選挙にするしかない。それなのに、国会には、比例区の数を削減したいといっている政党が多いという。自分で自分の首をしめるようなものだと、思う。

今回、衆院選に当選した男女比は91%対9%。女性は1割もいなかった。卒倒しそうなほど惨めな数だ。

しかし、この9%でさえ、もしも比例区がなかったら6%か7%に減っていただろう。女性の多くは、比例区があったおかげで、議席を確保できたのだ。

▼小選挙区全当選者のうち女性は6% (赤:女性、青:男性)
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▼比例区全当選者のうち女性は15% (赤:女性、青:男性)
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▼女性当選者45 人。そ6割は比例区で当選 (赤:比例区、青:小選挙区)
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▼自民党でも女性の4割は比例区で当選 (赤:比例区、青:小選挙区)
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▼民主党では当選した女性の78%が比例区で当選 (赤:比例区、青:小選挙区)
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▼維新・公明・共産の女性当選者はすべて比例区 (赤:比例区)
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日本の今の選挙制度は、「小選挙区比例代表並立制」と呼ばれる。小選挙区と比例区が互角のように聞こえるが、基本は小選挙制だ。

『この国の政治』(石川真澄著、旬報社刊)によると、ドイツでは、第二次大戦後、日本の選挙制度のような小選挙区比例代表並立制が、国会に2度提案され2度とも「否決された」。その理由は、「不公平な選挙制度だから」、だったという。小選挙区制は、「民意をひどく歪めた政党の勢力分布をつくってしまう、非常に悪い制度」(石川真澄)なのだ。多くの国々で比例代表制選挙なのもうなずける。

今回、自民党の比例代表得票率は33.1%にすぎなかった。投票率が53%と低かったが、それを加味すると、17%の人しか自民党を支持していない。そんな自民党が国会の議席の61%(475議席中291議席)を占めた。人口の半分を占める女性はわずか45人で10%にも満たなかった。なるほど、こりゃおかしい。石川真澄は正しい。

小選挙区制、反対! 女性にやさしい比例代表制、賛成!

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by bekokuma321 | 2014-12-18 12:28