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お国がらで、当選を祝う風景もずいぶん違う。

日本では、候補者の選挙事務所で、当選した候補者と支援者がバンザーイと叫んだあとで当選者が「みなさまのおかげで…」と頭を深々と下げる。「ただの人」から「先生」に変わる瞬間とも言われる。候補者個人の事務所なので、集まる人もそれほど多くない。政党の中央本部では、当選者の名前にバラの花をつけて祝うイベントが行われる。

さてノルウェー。

9月11日、投票が終わった日の夜は、政党ごとの大パーティ(Valgvake)でにぎわっていた。オスロの場合、大勢が集まりやすい広い会場を借り切って、8時頃から夜遅くまで続けられる。数百人で押すな押すなの党もある。夕食を済ませた人がほとんどで、食べ物は出ないが、バーで好きな飲み物を買う(注)。

どの政党パーティにも欠かせないのは、TV開票速報を見るための巨大スクリーンと、取材陣がつめる部屋だ。NRK(日本のNHK)から民間メディア、地方メディア、ソーシャルメディアなどなど。

会場にはTVスタジオと化したような装置が設営準備され、大勢の記者がつめる。政党幹部が開票速報を受けて感想を述べる。ハイライトはトリ(党首)の登場だ。党首はスピーチで党員や支援者をひとつにする。そのスピーチはライブで全国放映され、お茶の間に届く。進歩党党首は、あふれる涙を抑えきれなかった。それぞれ党首は、この政党パーティで一席ぶった後、国会議事堂での記者会見に向かう。

比例代表制選挙なので、一人一人の当落にそれほど一喜一憂しない。政党として、前回の選挙よりどれだけ票を増やしたか、が泣き笑いの分かれ目だ。「〇〇選挙区で獲得票が〇%増えた」と報道されるたびに「ヤッター!」と歓声があがる。サッカー観戦のようだ。

どの党よりも票を増やしたのは、野党の中央党だ(最下の棒グラフ参照)。中央党のパーティではスクリーンに映る各地の朗報に「ヤッター!」の声と拍手が続く。とはいうものの、現連立政権のほうがやや多く、政権交代は夢と消えそうだ。「これで地方自治体の合併が進み、地方の民主主義が遠のく」と幹部はぼやいた。複雑な表情のパーティだった。

比例代表制選挙は、政党への支持を広げることーーそれが選挙運動だ。候補者リストに候補者数を多数載せなくてはならず、候補になることが支援でもある。候補者と運動家に大きな垣根はない。そもそも、首相の保守党党首は「アーナ」、労働党党首は「ヨーナス」だ。首相であろうと、友人のようにファーストネームで呼ぶ。議員を「先生」と呼ぶ国とは違いすぎる。なるほど、選挙パーティは、討論会、戸別訪問、ビラ配り、電話かけで頑張った運動家たち(候補者も含む)の慰労会のように見えたのも当然である。

比例代表選挙と小選挙区選挙。民意をできるだけ反映する比例代表制、民意が反映しない小選挙区制。制度の違いは、「投票日の夜」にも顕著だった。

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 ▲労働党のパーティ会場にはいろうとする人たち

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▲左派社会党のパーティは、だれでも参加自由でインフォーマル。2階にもテーブル席があり、ほかに音響装置

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▲緑の党のパーティ会場の一室に集まって働く党内プレス担当者たち。外部メディアは別室

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▲中央党のパーティ会場では副党首(中央)が歌を披露。うしろの巨大スクリーンには開票速報。地方の農業者を主とする政党ゆえオスロの獲得票は少ない

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主要紙VGの出した選挙結果。労働党(赤いバラ)は今回も第1党だ。しかし票を減らした。結果、労働党中心の「赤・緑リーグ」は「保守中道リーグ」に勝てなかった


【注】政党の「投票の夜」パーティでは簡単な食べ物も出ることが多く、これも自費だというコメントが政党関係者から来た。高い会場費は政党が全額支払うため参加者が入場料を払うことはない。政党独自の積立金であり、政党交付金はこうしたパーティには使われないということである(2017 .9.13.2300 追記)


【ノルウェー2017年選挙のルポ】
国会議員選挙結果、女性41.4%(ノルウェー)
真夜中の国会記者会見(ノルウェー)
選挙の夜は寝ずの番(ノルウェー)
ミニ政党がカギを握る政権交代(ノルウェー)
高校生が全て担うスクール・エレクション(ノルウェー)
オスロの街並みに溶け込む選挙(ノルウェー)
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石油の新採掘か漁業・環境保護か(ノルウェー)
決闘の場はトロムソ図書館(ノルウェー)
育休候補、大学生候補が国会議員になれる国(ノルウェー)
ペン、リップクリームにコンドーム、etc(ノルウェー)
スクール・エレクションは民主主義の学校(ノルウェー)
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by bekokuma321 | 2017-09-13 06:29 | ノルウェー

ノルウェーの国政選挙は3日を残すだけとなった。

メディアは「ハラハラドキドキの選挙ドラマ」と大見出しであおっている(主要紙「ダグブラデート」)。

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比例代表選挙のノルウェーでは、国民は政党を選ぶ。政党に集まった票に比例してその政党から何人当選するかが決まる。議席は169。

「比例代表制は、勝負をつけるのではなく、票数の多い少ない、を正確に議席に反映させる。つまり多数派と少数派の双方がその大きさに比例して代表される」――三宅一郎の弁だ。小選挙区制は邪悪だと言いきった、石川真澄(元朝日新聞記者)の本に見つけた。

日本の小選挙区制では、最も票をとった人のみが当選し、それ以外の候補に入れた人の票はことごとく死票となってしまう。当選する可能性があるのは、せいぜい2番目に大きい政党の候補ぐらいだ。

昔、ノルウェーも小選挙制選挙だった(名称は別)。小選挙区制は不平等であると、ノルウェーが比例選挙に変えたのは20世紀初めだ。

ノルウェーの選挙の取材を続けてきて、この比例代表制の長所が、今回ほど発揮される選挙はないのではないかと思う。

世論調査によると、保守中道政権が続くのか、それとも左派中道政権に変わるのか、大接戦(Uavgjortウーアブヨルト)で、169議席の色分けを決める最大のカギは、少数派政党なのだ。

現政権が続投する可能性を見よう。今と同じ保守党・進歩党の2党連立なら70数人。閣外協力をしているキリスト教民主党・自由党を含めると85人前後。この85という数字は全169議席の過半数であり、続投かなと思える。が、どうも違うらしい。キリスト教民主党は政策の違いから「進歩党とは組まない」と公言しているからだ。進歩党は極右と言われる政党で、強硬な難民政策をとる。

すると、政権交代か。労働党・中央党・左派社会党の3党なら75人前後と過半数には遠い。しかし、緑の党がはいると80議席を確実に超える。緑の党は国会に1議席しかないものの、オスロをはじめ地方議会に躍進。さらに、ここにきて、新油田採掘問題で支持を増やしている。もうひとつ、進歩党とは組まないというキリスト教民主党が、左派中道リーグにはいるシナリオもある。こうなると、90議席を超える。

こんなわけで、有権者も熱くなっている。自分の1票が、政治のかじ取りをだれにするかを決めるかもしれないのだ。「いつもの支持政党はやめて、今回はミニ政党に入れようかな」ーーこんな”戦略的投票者”が多いらしいのもうなずける。

さきほど4時過ぎ、事前投票所に行ってみた。投票所の前から延々100人以上が待っていた。どんどん増えてきて、受け付け締め切りの夜7時まで終わるのだろうかとハラハラ、ドキドキする。

真剣な顔をして、じっと並ぶ姿が印象的だった。

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道路まで続く投票を待つ人たちの長蛇の列。看板「ここで事前に投票できます」が右に見える

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▲公園の中に設けられた事前投票所。「もうじき私の番だ」と待つ人たち

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▲オスロ選挙区には20ほどの政党が立候補。投票ブースには候補者リストが政党別に並ぶ。ほとんどの政党はクオータ制をとっていて男女交互に候補者を並べるので当選者に男性偏重はない

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 ▲パスポートか運転免許証などIDを見せて承認されたら、投票用紙を投票箱に入れる

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【2017年国政選挙に向けて各政党の政策を比べるなら Stortingvalget2017
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by bekokuma321 | 2017-09-09 16:39 | ノルウェー

スクール・エレクションは、ノルウェー全土の高校で行われる“模擬投票”だ。でも、模擬投票という日本語からは想像できないほど重要な意義を持つ。

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スクール・エレクションは、一般投票日の1週間前に全土の高校で行われる。投票が終わるとただちに学校ごとに各政党の獲得票が集計されて、さらに全土の合計が出される。それを「待ってました」とばかりメディアはいっせいに報道する。それによって、政党関係者はもちろん、大人たちも、若者がどの政党をどの程度支持しているかを把握できる、これ以上ない選挙予測となる。

c0166264_0265260.jpgまた、スクール・エレクションの政党討論会は、生徒会主催とはいえ、各党の主要候補者が出席する。

たとえば、先日のエルブルム高校の政党討論会には、ヘードマルク県の保守党1番目の候補(写真左)、労働党2番目の候補(写真右下)が出席していた。

保守党候補は、現首相の顔を描いたシャツを着て熱弁をふるい、労働党候補は、シンボルの真っ赤なシャツを身に着けて堂々たる態度で聴衆をひきつけた。

c0166264_029237.jpgヘードマルク県の議員定数は7人。過去の選挙から見ると、7人のうちわけは、労働党3人、保守党1人、中央党1人、進歩党1人、左派社会党1人だ。よほどの事がない限り、この傾向は動かない。つまり、高校生の目の前にいるスピーカーの少なくとも2人は9月から国会議員なのだ。高校生が真剣なのもわかる気がする(一番上の写真参照)。

残念ながら、期待していた2人の女性候補には会えなかった。

1人は、労働党1番目の現国会議員アネッテ・トレッテバルグステューエン(36歳)。もう1人は中央党2番目のエミリー・エンガー・メール(24歳)。

c0166264_150530.jpgアネッテ(写真左)は来日して講演をしたことがあり、日本人にもなじみのある政治家だ。彼女は、同性愛を公表しており、同性愛者の権利擁護が主な活動のひとつ。同性愛の男ともだちの精子でセックスせずに妊娠したことを公表し、この夏、出産した。現在、育児休暇中のため、「選挙活動をいっさいしていないようです」と聞いた。

選挙運動をせずに、家で子どもの面倒を見ていても、リストの1番目彼女は、この9月、確実に国会議員となる。とはいえ、へードマルク労働党が彼女に全く不満がないとはいえないようだ。政党党首は選挙の全国的顔、一方、選挙区の政党の顔は候補者リスト1番目の候補が担うのが普通だからだ。

c0166264_1522877.jpg中央党のエミリー(写真右の女性)は、中央党党首(ヘードマルク中央党1番目、写真の男性)に代わって、ヘードマルク県中を回っているという。党首はメディア出演などで超多忙であり、選挙区に手が回らないのだ。彼女は、現役の大学生。オスロ大学法学部で勉学を続ける傍ら、ヘードマルク中央党青年部副部長として頭角を現してリストの2番に登載された。中央党の人気上昇が続くと、2人当選の可能性がある。すると、史上最も若い国会議員の誕生となる。

アネッテとエミリー。どちらも、比例代表制選挙でなければ、ありえない話だ。

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 ▲ノルウェーの投票用紙。20以上の政党が候補者リストを出す。そのリストが投票用紙となる。

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by bekokuma321 | 2017-08-30 00:54 | ノルウェー

「ヨナスよ、大惨事 だーーそう、最悪だ!」

8月14日月曜日、ノルウェー公共放送NRKは、こんな見出しで世論調査を伝えた。大惨事とは、ヨナス・ガーレ・ストーレ率いるノルウェー労働党の支持率がガックリ下がったことを指している。

労働党は27.1%だった(下グラフ、左から3番目)。対する保守党は23.8%(上グラフ、右から2番目)。労働党は、保守党を上回っているが、7月に比べて5.9%も下げたと報道されている。

ノルウェーは9月11日に投票日を控えて、選挙のニュースが多い。日本の変な選挙制度を変えたいと思ってる人には役立つと考え、また紹介する。

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    ▲NRKの結果。赤党から進歩党へと、極左から極右までほぼ政策に従って並んでいる

ノルウェーの選挙は比例代表制だから、議席数は政党の支持率にほぼ比例する。最新世論調査によると、労働党は、前内閣で連立を組んだ中央党(上グラフ、左から4番目)と左派社会党(同、左から2番目)の議席を合わせても多数派をつくれない。先月まで新政権は労働党中心になりそうだと言われていたが、あやしくなってきた

いまノルウェーは保守中道連立政権だ。保守党と進歩党(同、最右)という2党を、ミニ政党のキリスト教民主党(同、右から4番目)と自由党(同、右から3番目)2党が閣外協力をする。このままなら保守連立政権の続投かと思うが、キリスト教民主党党首は、進歩党(最右派)の政策とは相いれないと公言しており、どうもはっきりしない。

比例代表選挙は、政党を選ぶ選挙だ。政党らしさを決めるのは政策で、たとえば保守党の公約は減税だ。福祉・教育に私企業の参入を進めようとしている。それに反対するのが社会民主主義の労働党だ。ストーレ党首は、減税は非現実的だと保守党党首のアーナ・ソールバルグ首相をこきおろす。連立相手の進歩党は、難民の受け入れに厳しく、左派はなお一層強く批判をする。

さらに現政権は、行政の効率化と称して地方自治体の合併を推進してきた。それに猛反対してきたのが労働党の連立政党である中央党(以前の農民党)だ。政権をとったら合併政策をもとにもどそうとしている。

というわけで、保守党中心の保守中道政権になるか、労働党中心の左派中道政権になるか、まだわからない。

ノルウェーは政党を決める選挙だから、選挙運動の目玉は党首討論会だ。

第1回党首討論会は、8月14日夜、オスロ南方の港町アーレンダールであった。同市恒例の夏祭りに合わせて、9党代表が市内の文化会館に集合し、党首討論会に臨んだ。こちらは、いかにうまく議論できたかを競うもので、結果が数字であらわされる。プレスルームに陣取った多数の関係者が大スクリーンに映し出される討論会を見て採点するらしい。14日は、ミニ政党の左派社会党党首が最高点だった。

党首は党の顔だから超多忙なのは日本もノルウェーも同じだ。が、ノルウェーの議員候補者に日本のようなブラック企業真っ青という忙しさはない。妊娠中で体をいたわる女性候補でも、候補者リストの上位に登載されていれば、当選はできる。緑の党スポークスパーソン(この党は党首をこう呼ぶ。男女2人いる)は12月に出産を控えた女性で、彼女は「当選したら育児休業にはいる」と言っていた。

国会議員も労働者だから、他の労働者に保障されている病欠や休暇をごく自然にとる。でも、国会議員の職務は? 全然、大丈夫! 彼女が留守の間は、緑の党の次点候補が「代理議員」としてただちに国会議員職を引き受ける。ここも比例代表制のいいところだ。

どの政党に入れたらいいかわからない人にはValgomatがある。ゲーム感覚で楽しめる。しかもネットですぐできる。賛否が分かれそうな政策が並んでいて、順番に賛否の印をつけていくと、最後に「あなたは◎政党に近いです」と決めてくれる。先日やってみたら「あなたはキリスト教民主党に近いです」。思わずノルウェーの友人に話したら、彼女は「私もやってみたら、赤党ですって」。

日本だと、候補者は自分の名前を書いた巨大な看板をつけた選挙事務所を設ける。ところが、比例代表制の国では、候補者に選挙事務所はいらない。いるのは、政党のPRコーナーのみ。首都オスロは小屋が並び、選挙区によってはテントが張られる。テントはどの政党も似たようなサイズだが、政党の色で区別がつく(上のグラフの色)。党員が通り過ぎる人たちと政策論議を交わす。小屋やテントの前に置かれたテーブルには、チラシやバッジなど選挙グッズに加えて、キャンデーやクッキー、ニンジンなどおやつも置いてある。

先日、徳島県で、高級ハムが候補者から何百人もの有権者宅に宅配されたという話を聞いてきたばかりだ。ノルウェーの選挙小屋や選挙テントで置いているのは、子どもが駄菓子屋で買える10円そこそこのもの。票を金で買おうなどといういじましさとは全く次元が違う。

子どもと言えば、ノルウェーの中学高校では、校内に全党の候補者が招かれて政策論議が行われ、本番さながらの模擬投票もある。スクールエレクションという。

日本では、1票でも多く票をとった1人のみが当選する。しかも、候補者名を手書きしなければならないという世界に類を見ない変な投票方法だ。だから候補者は、名前と顔を覚えてもらうために、顔と名前が目立つポスターを選挙区中にはりまくる。顔と名前の印刷されたうちわ、ワイン、カレンダーなどを配った人もいる。候補者は宣伝カーによる連呼や、人の集まる場所に立っては連呼をしまくる。1票で落ちるかもしれない。熾烈な戦いが続く。

さらに変なのは、日本は、他国で最も当たり前の戸別訪問を禁止していることだ。さらにもっと変なのは、禁止されているにも関わらず、現職議員なら「議会報告を届けに来ました」とか言って戸別訪問をしても誰にも咎められないことだ。

こういうわけだから、日本の選挙で、候補者の政策はほとんど重視されない。「世話になった親父さんの後継ぎだから」「◎◎先生に頼まれたから」「TVでよく見るから」と1票を入れる。2011年3月11日の東北大震災後の選挙でさえ、原発政策が争点にならなかった。

私たちに代わって国の土台を決める代表を選ぶのが選挙だ。小選挙中心の日本の選挙と、比例代表制のノルウェー。どちらがいいか、答えは明らかだ。

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▲ノルウェーの投票所。他人に見られないように四方を囲まれたブースで支持政党用紙1枚をとって、投票箱にいれる

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 ▲ノルウェーの街頭での選挙運動。右側に居並ぶカラフルなテントが各政党の選挙テント

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  ▲投票日が近い週末の選挙運動はまるでお祭り騒ぎ。子どもも、中高生もたくさん参加する



Poll of polls
Norstat for NRK 15. august 2017
Katastrofemåling for Jonas: – Ja, det er dårlig!
Right Wing Group’s Stand Removed from Political Festival in Norway
平等・公平・同権に満ちた選挙制度(ノルウェー)
ノルウェーの選挙は政党の政策を選ぶ選挙
民主主義コンテスト 世界1はノルウェー、日本は20位
イラク移民の少女が国会議員有力候補になれる国
来年9月の選挙候補者が決まるノルウェーの秋
選挙における清廉性プロジェクト
スクール・エレクション終わる
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by bekokuma321 | 2017-08-19 00:23 | ノルウェー

c0166264_20595590.jpg2017年7月、小冊子「法律を女性と男性のために――ジェンダーに敏感な法制度ガイドブック」が刊行された。

発行はOSCE(欧州安全保障協力機構)。OSCEは欧州、中央アジア、北米の57カ国からなる安全保障組織。ハードな安全保障だけでなく、人権・基本的自由の尊重に至るまで包含しており、選挙監視、男女平等、メディアの自由についても活動する。

女性が国会議員の25%程度まで増えた国々が多く、ジェンダーに敏感な法制度をどう作るかに焦点が移ったのだろう。刊行にあたって、副代表カタジーナ・ガルダプアーザKatarzyna Gardapkhadzeは強調する。

「安全で正義に満ちた社会をめざすなら、ジェンダーを主流化する政策を優先させなければならない。そのためにジェンダーに基づいた分析をすること、国会議員の長期的な思考と日々の仕事に、ジェンダーに敏感な方策が確実に含めることが肝要である」

さて、女性議員がほとんどいないと、こうなるという見本のような議会運営が日本の先の国会で起きた。

ほぼ全野党が猛反対するなか、共謀罪が強行採決された。が、その一方、政党などに女性議員増を促す法案は成立を阻まれた。法案が提案されるはずの「内閣委員会」が開かれなかったのだ。国会の会期が終盤になって、共謀罪法案や森友・加計問題への与党対応に憤った野党が抵抗したからだ。やむをえなかったのはわかる。しかし、女性議員増法案は与党から野党まで歩み寄って作った全会一致の法案だった。タイミングを見て迅速に内閣委員会にかけられたはずだ。なんという理不尽!

衆院の女性議員は9%しかいない――世界193カ国中164番目。この男性偏重構造を変えなければこんな理不尽はまた起きる。

c0166264_2143648.jpgガイドブック「法律を女性と男性のために」の活用には、女性議員をもっと増やさなくては話にならない。

同OSCEから6年前に刊行された「立法府の男女平等――6つの行動計画」が日本にはより役に立つ。6つを和訳するとーー。

1 憲法で議員候補の男女平等を保障
2 選挙制度を比例代表制にし、できるだけ多数定数の選挙区に
3 クオータ制の合法化
4 政党の内規男女平等候補選定を規定
5 政党・メディア・市民団体が先頭にたって女性の訓練や助成金
6 議会ルールを女性が働きやすい環境に改善

日本にもっとも大事なのは、「2 選挙制度を比例代表制にし、できるだけ多数の選挙区に」であろう。本書には、比例代表制選挙がもっとも女性議員を増やせると書かれている。加盟57カ国のうち54カ国の選挙制度を比べたら、2000年も2010年も、比例代表制選挙の国の女性議員が多かった。棒グラフを作ってみた。

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図表にはないが、2000年13カ国で行われていた小選挙区制が2010年には8カ国に減って、逆に、比例代表制をとる国が29か国から35カ国に増えていた。注目にあたいする。

Gender Equality in Elected Office: A Six-Step Action Plan
OSCE
選挙制度は政治を根本から変えた(ニュージーランド)
比例代表制は女性や弱者が当選しやすい
国会議員年収も政党交付金も世界最高額
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by bekokuma321 | 2017-07-17 21:26 | ヨーロッパ

7月3日、フランス大統領エマニュエル・マクロンは、ベルサイユ宮殿で上下両院に対して初の演説をした。  

報道を読んで私が最も驚かされたのは、「国会議員を3分の1に減らす」と言ったことよりも、選挙を今の小選挙区制から「比例代表制」に変えると言ったことだ(注)。

「次回の国会議員選挙から比例代表制の服用を与える」との表現からすると、北欧型の純粋比例代表制ではなくドイツ型の比例代表併用制をとるのだろうか。次の選挙から、とはものすごいスピードだ。

マクロンは国会議員選挙最中から、比例代表制の推進を公言していたと報道されているが、中身は3日の演説でも明らかにされていない。ただ、「国民の代表をどう選ぶかは我国の未完の課題であるが、みなさんとともに断固としてやりぬきたい」と、強い覚悟を示した。

さらに3日の演説で、マクロンは、国会議員を減らす代わりに、市民の請願署名の権利を定めた法律を改正して、市民からの直接署名が国会の議題として審議されるようにするとも語った。

また、「社会的出身によって牢獄に縛られてるかのごとき頑迷固陋なフランスの不平等を終わらせる」。なんとも、しびれる表現だ。

彼の政治信条は「右でも左でもない」であるという。が、彼は北欧政治に影響を受けているとの文章を読んだことがある。初の大統領演説で比例代表制への移行を述べたことは、その一端を示唆しているようだ。

北欧諸国は国会も地方議会も比例代表制だ。ノルウェーでは19世紀から20世紀初めに、小選挙区制選挙から比例代表制に変わった。民意を反映してない小選挙区制的投票をボイコットした一地方の反乱から始まり、国の制度も変わった。

比例代表制は、女性や少数派の意思が票に反映されるフェアな選挙制度とされている。

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▲パリのセーヌ川から見たフランス国会議事堂となっているブルボン宮殿。マクロンは慣行を破ってここではなくべルサイユ宮殿で演説した。

Emmanuel Macron vows to transform France in Versailles speech
Macron seeks to cut number of France MPs by a third
マクロン勢力躍進で仏国会の女性38%
フランスは選挙もセクシー
フランスの政党交付金は男女平等化資金に
男女ペア候補がつくるフランスの男女平等議会
フランス議会は男女半々(パリテ)へ-イヴェット・ルーディさんに聞く-
選挙制度は政治を根本から変えた(ニュージーランド)
豊田真由子議員の暴言暴行と選挙制度


【注】フランスの選挙は1区1人選出の小選挙区制。しかし、第1回目の投票での上位候補者による決戦投票がある。つまり、有効得票の50%超で、かつ登録有権者の25%以上の得票を得た候補がいないときは、登録有権者の12.5%以上とった候補者たちによる再投票となる。小選挙区2回投票制(Two-round system)。
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by bekokuma321 | 2017-07-04 13:15 | ヨーロッパ

6月15日、共謀罪が、委員会採決をすっとばして本会議で可決された。この腹立たしさをどうしてくれよう。

次の選挙で共謀罪に賛成票を投じた議員を減らせたら少しは癒されるだろう、が、その選挙制度は私たちの民意を反映しない小選挙区制ときている。衆院選で、自民党に投票した人は、2012年43%、2014年48%。過半数に満たない。しかるに、その議席は、2012年79%、2014年76%だ(注)。

6月8日に選挙があった、小選挙区制の母国イギリスはどうか。

保守党は、330議席から318議席に議席を減らし、労働党は229議席から262議席に増やしたが、政権交代とはならなかった。ハング・パーラメント(宙ぶらりん国会)と呼ぶらしいが、「小選挙制は強靭な安定政権をつくる」という説は嘘ではないか、と思える。

投票日の朝、「さあ投票に行こう。だが、このグロテスクな選挙制度は改革を必要としている」と題した刺激的論説がガーディアン紙に載った。

筆者は専属コラムニスト ポリー・トインビー(Polly Toynbee)。彼女はのっけから「選挙に関わった人たちは、戸別訪問で、『投票しても変わらない』とか『政治には関心ない』と言われただろう。実際、その声は当たっている」とキッパリ。

そして、小選挙区制選挙に致命的欠陥があることをあげる。

「2015年の総選挙では保守党が7ポイントリードしたが、保守党から労働党に639票移れば、労働党が6議席増え、ハング・パーラメントになっていた。わずか639票だ!」と、選挙改革協会(electoral reform society)の調査結果を紹介。

次に、「前回、有権者の多くは、勝者となった候補者の票数に無駄に票を上積みしたか、落選候補へ入れた」とし、「票の74%が無駄に投票された。その無駄は2200万票」とはじき出した。2200万票の無駄を出す選挙ーーこれはグロテスクだ。

小選挙制は死に票が多いのが欠点だ。日本でも死に票の多さは指摘されてきたが、その死に票だけでなく、1票でも多ければ当選なのだから勝者への上積み票も無駄な票である、と彼女はいう。なるほど、なるほど。

加えて、当選者の多くは「当確」候補者であり、中には民主主義が誕生した時代から「当確」と言われる政党の候補者もいた。1945年から一度も変化がない選挙区が保守党103議席、労働党67議席もある、という。これでは、「投票しても変わらない」。

そのうえで、彼女は、「小選挙区制から比例代表制に変えれば、1人1人の票が無駄になることはない」と結論づける。

北欧の選挙制度を取材してきた私は、この主張がよくわかる。彼女のいう「選挙区から6人当選とすると、比例制選挙なら、支持政党議員を1人は国会に送ることができる」を、私はノルウェーで何度も見てきた。

そうなると、生活保護受給者の厳しさに同情しない保守党議員しかいないとか、相続税を減らしたい富裕家族の困りごとをとりあげない労働党議員しかいないということもなくなる。

それに、小選挙区制よりずっとらくに女性や社会的弱者の代表を増やせる。比例制選挙では、有権者は個人を選ぶのではなく政党を選ぶのだから、政党は印象をよくするため、男性だらけより男女バランスを考えたリストを作成するだろう。それにブラック企業も真っ青というような選挙運動は無用だから、ハンディをかかえる人たちも立候補できる。

これらは、国会にも地方議会にも、右から左まで多様な政党の代表がいて、4割ほど女性議員が占める北欧諸国ーー比例代表制ーーがちゃんと実証している。

比例代表制による多様な民意の反映が生み出した福祉と平等の国々を、FEM-NEWSは何度も紹介してきた。だが、何と言っても、小選挙区制の母国イギリスの小選挙区制否定論は傾聴に値する。


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▲ノルウェーのソール・トロンデラーグ県トロンハイム市。同県は国会議員10人の選挙区。労働党、保守党、進歩党、中央党、左派社会党の5党から国会議員が出ている。


This new parliament provides a clear opportunity for electoral reform
First Past the Post’s Third Strike
Scotland’s multi-party system can never be represented by First Past the Post
Five things we have learned from the election
Go out and vote today, but know this – our grotesque system needs reform
Election 2017: Record number of female MPs
Election 2017: A big Conservative win could see fewer women in parliament
Diversity deserts: 7.5m people can’t vote for a woman this election
小選挙区制が生んだ共謀罪
選挙制度は政治を根本から変えた(ニュージーランド)
あざやかな歴史
比例を切るな!
安保法案の成立は小選挙区制のせいである
イギリス6割が選挙制度改革に賛成
小選挙区制は女性の声を捨て去る
比例代表制は女性や弱者が当選しやすい
比例制選挙がいい

【注】日本国憲法には、イの一番に「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し」と書かれている。これだけ民意とかけはなれた結果を産む小選挙区制は「正当」な選挙ではなく、現国会議員は「正当に選挙された代表」とは言えない。
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by bekokuma321 | 2017-06-15 21:56 | ヨーロッパ


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日本が、細川内閣時代“政治改革”の熱狂のもと、小選挙区制選挙に変えたころ、「小選挙区制は公平でない」と捨てた国がある。ニュージーランドだ。


1996年、ニュージーランドは、小選挙区制を廃棄処分して小選挙区比例代表併用制に変えた。併用制は基本的に比例代表制である。日本の小選挙区比例代表並立制は小選挙区制が基本であり、言葉は似ているが中身はまったく異なる。


今秋、ニュージーランドは国政選挙を迎える。選挙制度は小選挙区比例代表併用制だ。小選挙区制時代は、イギリスのように2大政党以外は絶望的だったが、制度改正によって、小政党から当選できるようになった。活躍めざましいのは緑の党。いま14議席だが、さらに伸びそうだという。


緑の党共同代表の国会議員メティリア・テュレイMetiria Tureiが、いかに選挙制度が政治を変えたか、を語る。イギリスの運動体「選挙変革ソサイアティ」サイトに載った英文記事をかいつまんで和訳する。

「小選挙区制のころは、国民党と労働党しか政権をになう可能性はゼロ。しかも40%以下の票しか獲得してなかったのに、です。一方、他の小政党は15%から25%の支持を得ても議席にはつながりませんでした」


「そこで80年代から国民の意思が票に反映せず死に票になってしまう、と猛烈な不満が国中にわきおこりました。労働党が選挙改革に乗り出し、その後の国民投票につながりました。1992年の国民投票は、選挙制度を変えるか否か。次に1993年は、変えるとしたらどんな選挙制度か、というものでした。緑の党は、選挙制度変革イエスに向かって、その議論に勝とう、という姿勢で臨みました。その議論に勝ったら、かならず比例代表制が選ばれる、と考えたのです」


「こうして比例制中心の併用制に変えることができました。1996年の初の選挙。緑の党は他と政党連合Allianceを組んで立候補し、議席を得ました。2大政党以外の小政党から当選は初めての事件で、大喜び。その後、緑の党は、連合から独立して、1999年の選挙で5%以上を獲得。7人の議員を誕生させました」


「併用制選挙での大きな変化は女性です。初の併用制選挙で、20%だった女性が、一夜で、30%になったのです。さらに、マオリ党の議員は倍増。マオリ党議員はわずか3人でした。それが併用制になったとたん7人です。併用制選挙が続いた結果、常に7人から11人のマオリ女性が国会に選ばれるようになったのです」


「まだ問題はあります。比例候補者以外では女性は40%に過ぎません。政党は小選挙区に男性を候補としがちなのです。社会の性差別が残っており、男性のほうが当選しやすいためです。多様性を期待するなら、小選挙区制ではなく比例代表制です。要するに、比例代表制のほうが、より公平な選挙制度だといえます」


「緑の党から聾者の議員が出ています。わが国ではじめてのことです。でも、まだ車椅子の議員は出ていません。まだまだ壁が厚いということです。でも、聾の国会議員Mojo Matherは、過去2年間で、ハンディを持つ人たちのためにものすごい業績を上げています」


「比例代表制は万能薬ではありません。でも、人々にチャンスを与えます。閉じられていたドアを開けます」


小選挙区制の国で、比例代表制を求めている運動を続ける人に対して、彼女は次のようにアドバイスする。


「公平性が大事だと考える人々を止むことなく励まし続けることです。『あなたの1票は、無視されてはいけない票なのです』とね」


How PR ‘completely transformed’ New Zealand politics: Metiria Turei, Green Party co-leader
小選挙区制の日本、比例代表制のノルウェー
比例代表制は女性や弱者が当選しやすい
北極に最も近いバルドー市も女性議員は約4割

【写真はメティリア・テュレイ国会議員。Facebookより】












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by bekokuma321 | 2017-04-13 16:33 | アジア・アフリカ

c0166264_1116543.jpg大学1年になる親戚の男の子が、「18歳になったので今年から選挙権があるんだけど、よくわからないから結局棄権してしまった」と言ったのが気になっていました。

そんな時、三井マリ子さんの「高校生が議員になれる国ノルウェーの選挙」に参加しました。

まず、高校生議員が生まれる背景を知りたかったのですが、何と小学生から授業の中で実際の政治に触れ、政党への政策アンケートを小学生自身が作成したり、高校では立候補者を学校に招いて選挙討論会も実施されるという。やはり高校生が議員に立候補するまでには積み重ねがあったのだと実感しました。

ノルウェー公職選挙法では、18歳から投票できるだけではなく、立候補もできるとのことですが、「18歳になったら、原則として誰もが立候補する覚悟をする」という言葉が印象的でした。

投票ができるようになった日本の18歳も、もっと選挙や政治を身近なものにしていくことが必要だと思いました。ただ、落選確実と思って立候補したら当選してしまったというノルウェーの女子高生、1期やって政治家は向かないと2度と立候補しなかったようですが、彼女は任期中、どんな仕事ぶりだったのかを知りたい気がしました。

もう一つ驚いたのは、ノルウェーなど北欧諸国では、基本的に地方議員はボランティアであるということです。ボランティアだから、様々な職業の方が議員を務め、女性議員が3分の2を占める議会も出てきているのだろうという気がしました。

日本ではお金がなければ選挙にも出られないし、政治とお金の事件は後を絶ちません。比例代表制という民意が反映する選挙制度で、候補者は選挙にお金をかける必要がまったくないから、高校生も立候補し、当選できるのでしょう。

そんなノルウェーの議会も100年前は男性がほとんどだったことが、当時の写真からわかりました。まだまだ課題は山積ですが、日本でももっと女性議員が増え、過半数を超えるような時代が来るのを期待したいものです。

近江 真理(元都立高校教員)

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小選挙区制の日本、比例代表制のノルウェー
選挙制度しだいでは高校生が議員になれる
ノルウェーの2013年国政選挙
スクール・エレクション

■ノルウェー王国大使館「ノルウェーの地方選挙レポート 2011」
第1回 「女のクーデター」再び -平等・反差別オンブッドは語る
第2回 選挙運動を担うソーシャル・パートナー
第3回 女性参政権100周年から子ども参政権へ
第4回 北部ノルウェーを支えるサーメの女性たち


【写真上:高橋三栄子撮影、下:三井マリ子作成PPTデータより】
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by bekokuma321 | 2016-11-26 11:29 | ノルウェー

久しぶりに三井マリ子さんの講演「高校生が議員になれる国ノルウェーの選挙」を聞いた。政党交付金にまつわる厳しい裁判を終えた三井さんは、すっかり変貌していた。

「政党交付金や選挙制度について勉強しましたから、今はよくわかります」と、苦悩の衆院選体験を笑って語り、タフさが戻ったかのようだった。

衆院選とその選挙にまつわる裁判を闘った三井さんは、講演の冒頭で「1 小選挙区制は悪い制度である」と、石川真澄と阪上順夫の本から引用した。そして、「2 比例代表制は民意を反映する」と言った(左下Moreをクリックして末尾PPTを参照)。この2点を証明するかのように比例代表制をとる「ノルウェーの選挙制度」が紹介された。

c0166264_20443766.jpg講演の最後のほうで、ノルウェーの小さな自治体「オーモット市」の議員一同がアップされた。100年ほど前のものだという。女性は端っこにただ一人。男性は一様に黒っぽいスーツにネクタイ姿。年齢も似たり寄ったりの高齢層。表情さえ似たり寄ったりの強面だった


c0166264_20482020.jpg次に映されたのは、100年経った、同じ「オーモット市」の現在の議員一同だった。その前列は、女性で占められ、男性は後ろの列に並んでいる。多様な年齢層。服装もカーディガンにパンタロンの女性あり、ワンピース姿の女性あり。男性もセーターあり、ワイシャツ姿あり、ジャケットあり、といった具合だ。年齢、性別、服装、のどれをとっても一色におさまらない。このオーモット市は地方選挙後、女性の当選割合68%である、と大きく報道されたとか。
 
北欧諸国のみならず、ヨーロッパの多くの国々では、地方議員は無報酬のボランティアが多いと三井さんは言った。報酬はないが、住民からの強い信頼と尊敬の念を得て働くのだという。

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by bekokuma321 | 2016-11-16 21:30 | ノルウェー