c0166264_20595590.jpg2017年7月、小冊子「法律を女性と男性のために――ジェンダーに敏感な法制度ガイドブック」が刊行された。

発行はOSCE(欧州安全保障協力機構)。OSCEは欧州、中央アジア、北米の57カ国からなる安全保障組織。ハードな安全保障だけでなく、人権・基本的自由の尊重に至るまで包含しており、選挙監視、男女平等、メディアの自由についても活動する。

女性が国会議員の25%程度まで増えた国々が多く、ジェンダーに敏感な法制度をどう作るかに焦点が移ったのだろう。刊行にあたって、副代表カタジーナ・ガルダプアーザKatarzyna Gardapkhadzeは強調する。

「安全で正義に満ちた社会をめざすなら、ジェンダーを主流化する政策を優先させなければならない。そのためにジェンダーに基づいた分析をすること、国会議員の長期的な思考と日々の仕事に、ジェンダーに敏感な方策が確実に含めることが肝要である」

さて、女性議員がほとんどいないと、こうなるという見本のような議会運営が日本の先の国会で起きた。

ほぼ全野党が猛反対するなか、共謀罪が強行採決された。が、その一方、政党などに女性議員増を促す法案は成立を阻まれた。法案が提案されるはずの「内閣委員会」が開かれなかったのだ。国会の会期が終盤になって、共謀罪法案や森友・加計問題への与党対応に憤った野党が抵抗したからだ。やむをえなかったのはわかる。しかし、女性議員増法案は与党から野党まで歩み寄って作った全会一致の法案だった。タイミングを見て迅速に内閣委員会にかけられたはずだ。なんという理不尽!

衆院の女性議員は9%しかいない――世界193カ国中164番目。この男性偏重構造を変えなければこんな理不尽はまた起きる。

c0166264_2143648.jpgガイドブック「法律を女性と男性のために」の活用には、女性議員をもっと増やさなくては話にならない。

同OSCEから6年前に刊行された「立法府の男女平等――6つの行動計画」が日本にはより役に立つ。6つを和訳するとーー。

1 憲法で議員候補の男女平等を保障
2 選挙制度を比例代表制にし、できるだけ多数定数の選挙区に
3 クオータ制の合法化
4 政党の内規男女平等候補選定を規定
5 政党・メディア・市民団体が先頭にたって女性の訓練や助成金
6 議会ルールを女性が働きやすい環境に改善

日本にもっとも大事なのは、「2 選挙制度を比例代表制にし、できるだけ多数の選挙区に」であろう。本書には、比例代表制選挙がもっとも女性議員を増やせると書かれている。加盟57カ国のうち54カ国の選挙制度を比べたら、2000年も2010年も、比例代表制選挙の国の女性議員が多かった。棒グラフを作ってみた。

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図表にはないが、2000年13カ国で行われていた小選挙区制が2010年には8カ国に減って、逆に、比例代表制をとる国が29か国から35カ国に増えていた。注目にあたいする。

Gender Equality in Elected Office: A Six-Step Action Plan
OSCE
選挙制度は政治を根本から変えた(ニュージーランド)
比例代表制は女性や弱者が当選しやすい
国会議員年収も政党交付金も世界最高額
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by bekokuma321 | 2017-07-17 21:26 | ヨーロッパ

7月3日、フランス大統領エマニュエル・マクロンは、ベルサイユ宮殿で上下両院に対して初の演説をした。  

報道を読んで私が最も驚かされたのは、「国会議員を3分の1に減らす」と言ったことよりも、選挙を今の小選挙区制から「比例代表制」に変えると言ったことだ(注)。

「次回の国会議員選挙から比例代表制の服用を与える」との表現からすると、北欧型の純粋比例代表制ではなくドイツ型の比例代表併用制をとるのだろうか。次の選挙から、とはものすごいスピードだ。

マクロンは国会議員選挙最中から、比例代表制の推進を公言していたと報道されているが、中身は3日の演説でも明らかにされていない。ただ、「国民の代表をどう選ぶかは我国の未完の課題であるが、みなさんとともに断固としてやりぬきたい」と、強い覚悟を示した。

さらに3日の演説で、マクロンは、国会議員を減らす代わりに、市民の請願署名の権利を定めた法律を改正して、市民からの直接署名が国会の議題として審議されるようにするとも語った。

また、「社会的出身によって牢獄に縛られてるかのごとき頑迷固陋なフランスの不平等を終わらせる」。なんとも、しびれる表現だ。

彼の政治信条は「右でも左でもない」であるという。が、彼は北欧政治に影響を受けているとの文章を読んだことがある。初の大統領演説で比例代表制への移行を述べたことは、その一端を示唆しているようだ。

北欧諸国は国会も地方議会も比例代表制だ。ノルウェーでは19世紀から20世紀初めに、小選挙区制選挙から比例代表制に変わった。民意を反映してない小選挙区制的投票をボイコットした一地方の反乱から始まり、国の制度も変わった。

比例代表制は、女性や少数派の意思が票に反映されるフェアな選挙制度とされている。

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▲パリのセーヌ川から見たフランス国会議事堂となっているブルボン宮殿。マクロンは慣行を破ってここではなくべルサイユ宮殿で演説した。

Emmanuel Macron vows to transform France in Versailles speech
Macron seeks to cut number of France MPs by a third
マクロン勢力躍進で仏国会の女性38%
フランスは選挙もセクシー
フランスの政党交付金は男女平等化資金に
男女ペア候補がつくるフランスの男女平等議会
フランス議会は男女半々(パリテ)へ-イヴェット・ルーディさんに聞く-
選挙制度は政治を根本から変えた(ニュージーランド)
豊田真由子議員の暴言暴行と選挙制度


【注】フランスの選挙は1区1人選出の小選挙区制。しかし、第1回目の投票での上位候補者による決戦投票がある。つまり、有効得票の50%超で、かつ登録有権者の25%以上の得票を得た候補がいないときは、登録有権者の12.5%以上とった候補者たちによる再投票となる。小選挙区2回投票制(Two-round system)。
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by bekokuma321 | 2017-07-04 13:15 | ヨーロッパ

6月15日、共謀罪が、委員会採決をすっとばして本会議で可決された。この腹立たしさをどうしてくれよう。

次の選挙で共謀罪に賛成票を投じた議員を減らせたら少しは癒されるだろう、が、その選挙制度は私たちの民意を反映しない小選挙区制ときている。衆院選で、自民党に投票した人は、2012年43%、2014年48%。過半数に満たない。しかるに、その議席は、2012年79%、2014年76%だ(注)。

6月8日に選挙があった、小選挙区制の母国イギリスはどうか。

保守党は、330議席から318議席に議席を減らし、労働党は229議席から262議席に増やしたが、政権交代とはならなかった。ハング・パーラメント(宙ぶらりん国会)と呼ぶらしいが、「小選挙制は強靭な安定政権をつくる」という説は嘘ではないか、と思える。

投票日の朝、「さあ投票に行こう。だが、このグロテスクな選挙制度は改革を必要としている」と題した刺激的論説がガーディアン紙に載った。

筆者は専属コラムニスト ポリー・トインビー(Polly Toynbee)。彼女はのっけから「選挙に関わった人たちは、戸別訪問で、『投票しても変わらない』とか『政治には関心ない』と言われただろう。実際、その声は当たっている」とキッパリ。

そして、小選挙区制選挙に致命的欠陥があることをあげる。

「2015年の総選挙では保守党が7ポイントリードしたが、保守党から労働党に639票移れば、労働党が6議席増え、ハング・パーラメントになっていた。わずか639票だ!」と、選挙改革協会(electoral reform society)の調査結果を紹介。

次に、「前回、有権者の多くは、勝者となった候補者の票数に無駄に票を上積みしたか、落選候補へ入れた」とし、「票の74%が無駄に投票された。その無駄は2200万票」とはじき出した。2200万票の無駄を出す選挙ーーこれはグロテスクだ。

小選挙制は死に票が多いのが欠点だ。日本でも死に票の多さは指摘されてきたが、その死に票だけでなく、1票でも多ければ当選なのだから勝者への上積み票も無駄な票である、と彼女はいう。なるほど、なるほど。

加えて、当選者の多くは「当確」候補者であり、中には民主主義が誕生した時代から「当確」と言われる政党の候補者もいた。1945年から一度も変化がない選挙区が保守党103議席、労働党67議席もある、という。これでは、「投票しても変わらない」。

そのうえで、彼女は、「小選挙区制から比例代表制に変えれば、1人1人の票が無駄になることはない」と結論づける。

北欧の選挙制度を取材してきた私は、この主張がよくわかる。彼女のいう「選挙区から6人当選とすると、比例制選挙なら、支持政党議員を1人は国会に送ることができる」を、私はノルウェーで何度も見てきた。

そうなると、生活保護受給者の厳しさに同情しない保守党議員しかいないとか、相続税を減らしたい富裕家族の困りごとをとりあげない労働党議員しかいないということもなくなる。

それに、小選挙区制よりずっとらくに女性や社会的弱者の代表を増やせる。比例制選挙では、有権者は個人を選ぶのではなく政党を選ぶのだから、政党は印象をよくするため、男性だらけより男女バランスを考えたリストを作成するだろう。それにブラック企業も真っ青というような選挙運動は無用だから、ハンディをかかえる人たちも立候補できる。

これらは、国会にも地方議会にも、右から左まで多様な政党の代表がいて、4割ほど女性議員が占める北欧諸国ーー比例代表制ーーがちゃんと実証している。

比例代表制による多様な民意の反映が生み出した福祉と平等の国々を、FEM-NEWSは何度も紹介してきた。だが、何と言っても、小選挙区制の母国イギリスの小選挙区制否定論は傾聴に値する。


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▲ノルウェーのソール・トロンデラーグ県トロンハイム市。同県は国会議員10人の選挙区。労働党、保守党、進歩党、中央党、左派社会党の5党から国会議員が出ている。


This new parliament provides a clear opportunity for electoral reform
First Past the Post’s Third Strike
Scotland’s multi-party system can never be represented by First Past the Post
Five things we have learned from the election
Go out and vote today, but know this – our grotesque system needs reform
Election 2017: Record number of female MPs
Election 2017: A big Conservative win could see fewer women in parliament
Diversity deserts: 7.5m people can’t vote for a woman this election
小選挙区制が生んだ共謀罪
選挙制度は政治を根本から変えた(ニュージーランド)
あざやかな歴史
比例を切るな!
安保法案の成立は小選挙区制のせいである
イギリス6割が選挙制度改革に賛成
小選挙区制は女性の声を捨て去る
比例代表制は女性や弱者が当選しやすい
比例制選挙がいい

【注】日本国憲法には、イの一番に「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し」と書かれている。これだけ民意とかけはなれた結果を産む小選挙区制は「正当」な選挙ではなく、現国会議員は「正当に選挙された代表」とは言えない。
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by bekokuma321 | 2017-06-15 21:56 | ヨーロッパ


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日本が、細川内閣時代“政治改革”の熱狂のもと、小選挙区制選挙に変えたころ、「小選挙区制は公平でない」と捨てた国がある。ニュージーランドだ。


1996年、ニュージーランドは、小選挙区制を廃棄処分して小選挙区比例代表併用制に変えた。併用制は基本的に比例代表制である。日本の小選挙区比例代表並立制は小選挙区制が基本であり、言葉は似ているが中身はまったく異なる。


今秋、ニュージーランドは国政選挙を迎える。選挙制度は小選挙区比例代表併用制だ。小選挙区制時代は、イギリスのように2大政党以外は絶望的だったが、制度改正によって、小政党から当選できるようになった。活躍めざましいのは緑の党。いま14議席だが、さらに伸びそうだという。


緑の党共同代表の国会議員メティリア・テュレイMetiria Tureiが、いかに選挙制度が政治を変えたか、を語る。イギリスの運動体「選挙変革ソサイアティ」サイトに載った英文記事をかいつまんで和訳する。

「小選挙区制のころは、国民党と労働党しか政権をになう可能性はゼロ。しかも40%以下の票しか獲得してなかったのに、です。一方、他の小政党は15%から25%の支持を得ても議席にはつながりませんでした」


「そこで80年代から国民の意思が票に反映せず死に票になってしまう、と猛烈な不満が国中にわきおこりました。労働党が選挙改革に乗り出し、その後の国民投票につながりました。1992年の国民投票は、選挙制度を変えるか否か。次に1993年は、変えるとしたらどんな選挙制度か、というものでした。緑の党は、選挙制度変革イエスに向かって、その議論に勝とう、という姿勢で臨みました。その議論に勝ったら、かならず比例代表制が選ばれる、と考えたのです」


「こうして比例制中心の併用制に変えることができました。1996年の初の選挙。緑の党は他と政党連合Allianceを組んで立候補し、議席を得ました。2大政党以外の小政党から当選は初めての事件で、大喜び。その後、緑の党は、連合から独立して、1999年の選挙で5%以上を獲得。7人の議員を誕生させました」


「併用制選挙での大きな変化は女性です。初の併用制選挙で、20%だった女性が、一夜で、30%になったのです。さらに、マオリ党の議員は倍増。マオリ党議員はわずか3人でした。それが併用制になったとたん7人です。併用制選挙が続いた結果、常に7人から11人のマオリ女性が国会に選ばれるようになったのです」


「まだ問題はあります。比例候補者以外では女性は40%に過ぎません。政党は小選挙区に男性を候補としがちなのです。社会の性差別が残っており、男性のほうが当選しやすいためです。多様性を期待するなら、小選挙区制ではなく比例代表制です。要するに、比例代表制のほうが、より公平な選挙制度だといえます」


「緑の党から聾者の議員が出ています。わが国ではじめてのことです。でも、まだ車椅子の議員は出ていません。まだまだ壁が厚いということです。でも、聾の国会議員Mojo Matherは、過去2年間で、ハンディを持つ人たちのためにものすごい業績を上げています」


「比例代表制は万能薬ではありません。でも、人々にチャンスを与えます。閉じられていたドアを開けます」


小選挙区制の国で、比例代表制を求めている運動を続ける人に対して、彼女は次のようにアドバイスする。


「公平性が大事だと考える人々を止むことなく励まし続けることです。『あなたの1票は、無視されてはいけない票なのです』とね」


How PR ‘completely transformed’ New Zealand politics: Metiria Turei, Green Party co-leader
小選挙区制の日本、比例代表制のノルウェー
比例代表制は女性や弱者が当選しやすい
北極に最も近いバルドー市も女性議員は約4割

【写真はメティリア・テュレイ国会議員。Facebookより】












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by bekokuma321 | 2017-04-13 16:33 | アジア・アフリカ

c0166264_1116543.jpg大学1年になる親戚の男の子が、「18歳になったので今年から選挙権があるんだけど、よくわからないから結局棄権してしまった」と言ったのが気になっていました。

そんな時、三井マリ子さんの「高校生が議員になれる国ノルウェーの選挙」に参加しました。

まず、高校生議員が生まれる背景を知りたかったのですが、何と小学生から授業の中で実際の政治に触れ、政党への政策アンケートを小学生自身が作成したり、高校では立候補者を学校に招いて選挙討論会も実施されるという。やはり高校生が議員に立候補するまでには積み重ねがあったのだと実感しました。

ノルウェー公職選挙法では、18歳から投票できるだけではなく、立候補もできるとのことですが、「18歳になったら、原則として誰もが立候補する覚悟をする」という言葉が印象的でした。

投票ができるようになった日本の18歳も、もっと選挙や政治を身近なものにしていくことが必要だと思いました。ただ、落選確実と思って立候補したら当選してしまったというノルウェーの女子高生、1期やって政治家は向かないと2度と立候補しなかったようですが、彼女は任期中、どんな仕事ぶりだったのかを知りたい気がしました。

もう一つ驚いたのは、ノルウェーなど北欧諸国では、基本的に地方議員はボランティアであるということです。ボランティアだから、様々な職業の方が議員を務め、女性議員が3分の2を占める議会も出てきているのだろうという気がしました。

日本ではお金がなければ選挙にも出られないし、政治とお金の事件は後を絶ちません。比例代表制という民意が反映する選挙制度で、候補者は選挙にお金をかける必要がまったくないから、高校生も立候補し、当選できるのでしょう。

そんなノルウェーの議会も100年前は男性がほとんどだったことが、当時の写真からわかりました。まだまだ課題は山積ですが、日本でももっと女性議員が増え、過半数を超えるような時代が来るのを期待したいものです。

近江 真理(元都立高校教員)

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小選挙区制の日本、比例代表制のノルウェー
選挙制度しだいでは高校生が議員になれる
ノルウェーの2013年国政選挙
スクール・エレクション

■ノルウェー王国大使館「ノルウェーの地方選挙レポート 2011」
第1回 「女のクーデター」再び -平等・反差別オンブッドは語る
第2回 選挙運動を担うソーシャル・パートナー
第3回 女性参政権100周年から子ども参政権へ
第4回 北部ノルウェーを支えるサーメの女性たち


【写真上:高橋三栄子撮影、下:三井マリ子作成PPTデータより】
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by bekokuma321 | 2016-11-26 11:29 | ノルウェー

久しぶりに三井マリ子さんの講演「高校生が議員になれる国ノルウェーの選挙」を聞いた。政党交付金にまつわる厳しい裁判を終えた三井さんは、すっかり変貌していた。

「政党交付金や選挙制度について勉強しましたから、今はよくわかります」と、苦悩の衆院選体験を笑って語り、タフさが戻ったかのようだった。

衆院選とその選挙にまつわる裁判を闘った三井さんは、講演の冒頭で「1 小選挙区制は悪い制度である」と、石川真澄と阪上順夫の本から引用した。そして、「2 比例代表制は民意を反映する」と言った(左下Moreをクリックして末尾PPTを参照)。この2点を証明するかのように比例代表制をとる「ノルウェーの選挙制度」が紹介された。

c0166264_20443766.jpg講演の最後のほうで、ノルウェーの小さな自治体「オーモット市」の議員一同がアップされた。100年ほど前のものだという。女性は端っこにただ一人。男性は一様に黒っぽいスーツにネクタイ姿。年齢も似たり寄ったりの高齢層。表情さえ似たり寄ったりの強面だった


c0166264_20482020.jpg次に映されたのは、100年経った、同じ「オーモット市」の現在の議員一同だった。その前列は、女性で占められ、男性は後ろの列に並んでいる。多様な年齢層。服装もカーディガンにパンタロンの女性あり、ワンピース姿の女性あり。男性もセーターあり、ワイシャツ姿あり、ジャケットあり、といった具合だ。年齢、性別、服装、のどれをとっても一色におさまらない。このオーモット市は地方選挙後、女性の当選割合68%である、と大きく報道されたとか。
 
北欧諸国のみならず、ヨーロッパの多くの国々では、地方議員は無報酬のボランティアが多いと三井さんは言った。報酬はないが、住民からの強い信頼と尊敬の念を得て働くのだという。

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by bekokuma321 | 2016-11-16 21:30 | ノルウェー

c0166264_2044360.png北欧の小さな国アイスランドが、男女平等で大きなジャンプを果たした。

10月29日の国会議員選挙で、女性は、全63議席中30議席を占め、48%となった。あと2議席増えたら、男女数逆転だ。といっても、アイスランドは女性議員の多い国で、前回の26議席から4議席増えただけの話(注)。

首相だった進歩党のグンロイグソンは、パナマ文書で脱税疑惑を報道されて、国民の怒りをかった。ところが、彼は首相を辞任したものの、のうのうと進歩党党首として候補者リスト1番に。

怒った選挙民は、投票で、この怒りをあらわした。グンロイグソン率いる進歩党にそっぽをむいた結果、進歩党の議席を前回の18から8に激減させた。政権第1党が、なんと第4党に転落してしまった。

アイスランドは比例代表制選挙で、有権者は支持政党のリストを選んで投票箱に入れるのだが、その際、政党の決めた候補者リストを有権者が変更できる。今回、進歩党候補者リストのトップだった党首グンロイグソンの名前を削除した有権者が多かったため、彼のランクは下がった、という。

男女平等を求め、不正に怒るアイスランド国民に幸あれ!

Amost 18 Percent Crossed out Sigmundur’s Name
The Tiny Nation of Iceland Is Crushing the U.S. in Electing Female Politicians
Women Win 30 Seats In Iceland's Parliament — More Than Any Party
アイスランド10月24日「女性が休む日」を決行
男女平等ランキング:アイスランド1位、日本111位
Why Iceland is the best place in the world to be a woman
アイスランドが、今年も世界一平和な国
アイスランド女性がいっせいに休んだ日
百田氏よ、恥を知れ!
日本142カ国の中で104位
女性の雇用率の高い国は
男女格差、世界136カ国中105位
1位アイスランド、98位日本
アイスランドが違法ノルウェー人に市民権

【注:比例代表制選挙は、日本のような候補者を選ぶ投票ではなく、政党を選ぶ。政党は、候補者名を載せたリストを前もって公表する。リストの上位に載った候補者は当選確率が高いので、1番、2番・・・に誰を載せるかが重要となる。北欧諸国の政党は、上位に女性を載せるため、結果として女性の当選率が高くなる。参考「イラク移民の少女が国会議員有力候補になれる国」

【写真:新聞「スカートの巻き起こす風」。アイスランド女性党から1990年代に発行された】
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by bekokuma321 | 2016-11-04 20:57 | 北欧

来年はノルウェー国会議員選挙がある。それに向けて、今秋、県の政党は候補者リスト原案を固める。

最大の選挙区はオスロで、19議席ある。そのなかで最も票をとる政党は労働党。そのオスロ労働党がやっと候補者(原案)を決めたようだ。

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ノルウェー国会

オスロの国会議員定数19をめぐって8,9政党がしのぎを削る。比例代表制なので政党の獲得率に比例して議席数が決まるのだが、労働党はだいたい6議席をとっているので、6番目までは「安全地帯 safe seat」だ(注)。

そのオスロ労働党1番から6番まで、誰になるのか、さまざまな憶測が飛んでいた。というのも、首相だったイエンス・ストルテンベルグの引退に加え、ベテラン女性議員マリット・ニーバックが引退し、パキスタン系の女性国会議員ハディア・タジク(労働党副党首)が地方に移籍することになり、新人の入り込む余地が多いからだ。

ノルウェーのメディアや友人らの話によると、前首相に代わる1番は、党首ヨーナス・ガール・ストーレ(元外務大臣)と動かない。問題は、女性国会議員2人の空席を誰が埋めるからしい。少数派の女性を探しているのだという。

そして、今日、メディアでオスロ労働党の候補者リスト案が公表された。6番目までを見ると、性別は、男→女→男→女→男→女の順番となっていた。

1位ヨーナス・ガール・ストーレ(党首、前外相)は予想通りだった。2位マリアンヌ・マッテンシェン(国会議員)、3位ヤン・ブーリル(国会議員)、4位シーリ・ゲ・ストーレセン(国会議員)、5位エスプン・バース・アイダ(前外務大臣)、6位サイネブ・アル=サマライ(弁護士)だ。

感心したのは、6位にサイネブ・アル=サマライをすべりこませたことだ。

彼女は、典型的少数派イラク系ノルウェー人だ。7歳のとき、ノルウェーにやってきたイラク移民の家庭に育ったという。現在は弁護士として活躍し、オスロ市議会代理議員に選ばれている。ハディア・タジク(労働党副党首)もそうだが、サイネブ・アル=サマライは、移民家庭の子どもであっても最高レベルの教育を受けてきた。これは、ノルウェーでは教育費が小学校から大学院まで無料であるからだろう。

そして、繰り返しになるが、政党中心の比例代表制選挙だからこそ、彼女のような女性が国会議員の有力候補になれるのである。


Espen Barth Eide gjør comeback i norsk politikk
あざやかな歴史
何と爽やかなノルウェーの選挙!
民主主義度1位ノルウェー、23位日本
小選挙区制は女性の声を捨て去る
2014衆院選 比例制に変えるしかない
比例代表制は女性や弱者が当選しやすい
比例制選挙がいい

【注】政党は、候補者リストにできるだけ多くの候補者名を載せ、広範囲の集票を期待する。2013年の国政選挙で、オスロ労働党の候補者リストは25人(定数19+6)だった。男13人 (52.0%) 、女12 (48.0%) とクオータ制を守っている。 最高齢74 歳、 最年少20 歳、平均45歳と年代も広い。日本の実態からすると議員は市民の代表という基本を堅持しているように見える。しかし、ノルウェーの新聞には、政治家や政党関係の職業が多く、一般市民の代表とはいえないと厳しく批判した記事もあった。
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オスロ労働党が10月末に公表したオスロ選挙区の候補者リスト原案。7番から25番までは割愛。意見があれば1ヶ月以内に出せる。その後、「候補者選定委員会」で議論・決定され、年内には2017年秋の国政選挙候補が確定する
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by bekokuma321 | 2016-11-02 18:38 | ノルウェー

比例区、またまた削減

衆院の定数が削減された。確実に女性議員減につながる比例区削減も強行された。

衆院で審議はわずか3日間だった。参議院での結果は、あまりにも小さな記事だったため見逃しそうだった。

選挙法は憲法に等しいくらい大切な制度だ。それが、こんなに暗いやり方で、とおってしまうとは。

女性議員増を求めて20余年の全国フェミニスト議員連盟は、衆院での決定を受けて、抗議文を送った。連戦連敗ではあるが、絶対にあきらめずに、声をあげ続けよう。


■■女性議員減につながる比例区削減をした定数削減衆院委可決への抗議■■
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2016 年 5月10日

衆議員議長  大島理森 様
参議院議長  山崎正明 様
内閣総理大臣  安倍晋三 様
総務大臣    高市早苗 様
一億総活躍大臣 加藤勝信 様
                
2016年4月27日、衆議院の選挙制度改革を審議する衆議院特別委員会は、衆議院定数を、「小選挙区6減、比例区4減」とする法案を可決しました。翌28日、衆院本会議を通過したことによって、衆議院は465議席となり、人口が現在の半分だった1925年の466議席より少なくなりました。

しかも、女性候補者当選率の高い比例区の定数を減らして、“女性の声の反映する政治”を求める国際社会の潮流に背を向けました。比例枠削減を含む本法案の可決は、女性や社会的弱者の民意を切る改革であることを指摘し、ここに強く抗議をします。
 
日本の女性が初めて参政権を行使した1946年、衆議院において466人中女性は39人で8.4%、現在は475人中45人で9.5%。70年間でわずか1%増でしかありません。

背景には、日本の選挙制度を含む社会システムが、女性議員増を阻んできた事実があります。

国連女性差別撤廃委員会は、かねてから日本政府に対して「クオータを含む暫定特別措置を通じて、政治的公的活動における女性参画増加のための努力」を求めてきました。クオータ制は、比例代表制と親和性があり、比例代表制選挙をとる北欧をはじめ世界各国において絶大な効果をあげています。

しかるに、日本では、小選挙区比例代表並立制の当初原案は、比例区250でしたが、1994年200に削減して成立。2000年180とさらに削減。それが、女性参政権70周年という記念すべき本年、176に切り捨てられることになりました。

女性議員の割合が世界190カ国中155位(衆院)の最下位ブロックの日本でこそ、女性や社会的弱者が当選しやすい比例代表制への抜本的変革が求められています。にもかかわらず、小選挙区制を維持したまま、比例枠を減らすという選挙制度関連法の改正案が可決されたことは、時計の針を逆に回すことです。

最後に、「選挙制度」という重要法案が、女性1人のみの委員会で審議されたこと、女性市民の声を参考人として聴取するどころか、市民への周知徹底が全くなされないままたった3日間の審議で結論を出したことに異議を申し述べ、委員の猛省を求めるとともに、参議院においては上記の点に考慮し、慎重な審議がなされることを強く求めます。                          

全国フェミニスト議員連盟
共同代表 会津 素子(千葉県成田市議会議員)/ 皆川りうこ(東京都国分寺市議会議員)
事務局 小磯妙子 (神奈川県茅ヶ崎市議会議員)  
神奈川県茅ヶ崎市鶴が台14-5-202

【写真:70年前、衆院に当選した39人の女性のひとり「和崎ハル」。秋田からの初の女性国会議員。当時の選挙は大選挙区の連記制だったから女性が今よりも当選しやすかったといわれている】

「身を切る改革」どころか「民意を切る改革」
小選挙区制は女性の声を捨て去る
 比例代表制は女性や弱者が当選しやすい 
女子差別撤廃委員会への政府回答のお粗末さ
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by bekokuma321 | 2016-05-24 00:29 | その他

c0166264_222117.jpg台湾の総統選は初の女性総統当選に終わった。同時にあった国会にあたる立法院議員113人を決める選挙はどうだったか。

台湾は日本と同様、中選挙区制から小選挙区比例代表並立制に変わったとされている。しかし、日本と全く違う点がある。

それは、比例代表制34議席を選ぶ政党の候補者名簿は、男女半々でなければならないとされていることだ。これは、50%クオータ制だ。原住民枠が6議席、別に設けられていることも初めて知った。平等性を感じさせられる。

世界の国会における女性割合を調査比較しているIPUには、残念ながら台湾の情報は公開されていない。国連加盟国ではないからだろう。しかし、いくつかの報道によると、選挙前、すでに国会議員の約3割が女性だった。

まだ、選挙結果に女性数が出ていないが、台湾の最高決定機関に女性がどの程度増えるか楽しみだ。


List of members of the ninth Legislative Yuan
Taiwan presidential race showcases women's increasing role
Online Press Kit
A brief introduction of the 2012 presidential and eighth legislative elections
台湾初の女性総統の影に
女性議員増めざして制度改善を
小選挙区制は女性の声を捨て去る
比例代表制は女性や弱者が当選しやすい
女性の衆議院議員は1割に満たず
政治は男のものではない
日本の女性国会議員、189カ国中163位
比例区削減案に反対します!
日本の男女平等度、世界101位
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by bekokuma321 | 2016-01-18 10:25 | アジア・アフリカ