■憲法9条と24条

今、戦争といえばシリアや北朝鮮を思い浮かべるが、戦場は、私たちの足元にもある。

宣戦布告のない戦争――女性に対する戦争――について考えてみたい。つまり、憲法9条を、憲法24条の光をあてて見てみたい。

戦争には、侵略、殺戮、暴行、強盗、強姦、強制がつきものだ。これらは、他を圧倒的に支配している状況の中で起こる。だから、支配する関係ではなく共存関係、主従関係ではなく対等な関係をつくりあげない限り、戦争への道を免れることは不可能だ。

男性と女性の関係を考えてみる。女性を抑圧し、強制し、暴行し、強姦する男性はあとを絶たない。ここには、一般的に考えている戦争と同じ支配と服従の構造、対立構造がある。「相手をねじふせて、従わせてやろう」という構造だ。

そう考えると、日本の多くの男性と女性は戦争状態なのだ。しかし、支配されていると思わない人、強制されていると感じない人には、戦争状態ではなく平和だと映る。だから、支配する側の人々にとっての平和ということならば、支配されても支配されていると感じない人、戦争状態だと感じない人をできるだけ多く作ればいい。

戦後の男女平等の憲法、教育基本法のおかげで、他人に指図されずに自分で自分の人生を決めたいと考える女性が増えてきた。「夫がなんといおうと私は私」という女性が多くなった。見よ、原発反対、改憲反対の女性の多さを。

私の両親の時代とは大きく異なって、女性も経済的に自立できる世の中になってきたからだ。(続きは左下Moreをクリック)

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by bekokuma321 | 2013-05-03 10:56 | その他

c0166264_1832269.jpg敬愛するベアテ・シロタ・ゴードンさんが亡くなった。心からお悔やみ申し上げる。

昨年、元最高裁判事泉徳治さんの講演を聞きに行った。彼は、憲法に言及した。私は、主催した「なくそう戸籍と婚外子差別・交流会」機関誌に、その講演の感想を寄稿し、ベアテ・シロタ・ゴードンさんについて触れた。

いま、ベアテ・シロタ・ゴードンさんに出会った20年ほど前を思い出しながら、彼女の信念だった女性の権利獲得のため、これから私に何ができるだろうか、と考えている。「なくそう戸籍と婚外子差別・交流会」機関誌から、ベアテさんについての拙文を抜粋・引用する。


■(泉徳治さんの講演は)期待にたがわず充実した内容だった。時にはホワイトボードに図を描きながら、時には親しみやすい個人名をあげて、わかりやすく説いた。

まず明治民法に「婚外子は、婚内子の半分しか相続分がない」と書かれていると言った。つまり、相続差別の撤廃を求める運動は、114年間にわたる積年の差別に対して異議をとなえてきたことになる、というのだ。

第二次大戦後、新しい憲法ができた。その14条には、「人種、信条、性別、社会的身分又は門地」によって差別してはならないとある。24条には、婚姻における両性の平等を保障すると書かれている。この平等条項を書いた人は、当時22歳のベアテ・シロタ・ゴードンであると泉さんは言った。GHQ憲法草案制定会議のただ一人の女性だ。

ベアテさんは、1993年以来、全国各地で講演をしている。著著や映画も数多く、泉さんも言うように、憲法に関心のある人なら知らない人はいない。それがあってか、泉さんはあまり詳しく話さなかったので、少しつけ加えたい。

実は、憲法草案を書いたのは自分であることを彼女が初めて公に話したのは、1993年5月4日のこと。

その数カ月前、アメリカの大学にいた友人の横田啓子さんからのファックスで、ベアテさんと私の交流が始まった。

ベアテさんの来日を知った私は周囲に話を持ちかけ、講演会を企画した。主催はベアテ・シロタ来日記念講演実行委員会、連絡先は私の事務所にした。当時、ベアテさんのことを知る人はほとんどおらず、協力者を募るのは大変だった。

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講演会は大成功。小さな会場は満員だった。彼女は、流暢な日本語で、「24条は一般的な規定ですが、私は、もっと具体的な社会福祉的条文を書いたのです」と、驚くべき事実を話してくれた。彼女が書いた草案の一つは、こうだった。

「国家は、妊婦および育児にかかわる母親を、既婚、未婚を問わず保護し、必要な公的補助を与える義務を負う。非嫡出子は法的な差別を受けず、身体的、知的、社会的環境において、嫡出子と同じ権利と機会を与えられる」

ベアテ草案は、GHQから、「具体的なことは民法で。憲法は一般的なものに」と削除されてしまう。ベアテさんは、「民法を書くのは日本の男性ですから、もうダメ」と、泣きくずれたという。

一般的な平等条項は残ったものの、それすら日本側は削除してきた。

最終的に開かれた日米会議で、米側代表は、通訳をしていたベアテさんを起草者であると紹介した。そして「女性の権利に命をかけている、この女性を悲しませるつもりですか」と懇願した。日本側は譲歩し、14条と24条は復活した。

(以上、「なくそう戸籍と婚外子差別・交流会」機関誌192号より抜粋。同会についてはhttp://www.grn.janis.or.jp/~shogokun/

写真は、日本で初めて講演をするベアテ・シロタ・ゴードン(左)。司会は三井マリ子(右)。1993年5月4日、東京・飯田橋にて。
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by bekokuma321 | 2013-01-11 18:51 | その他

戦争といえば誰もがイラクや北朝鮮を思い浮かべますが、戦場は、私たちの足元にもあるのです。

今日、私は、みなさんと、女性への宣戦布告のない戦争について、考えてみたいと思います。つまり、憲法9条を24条の光をあててみてみたいのです。

戦争には、侵略、殺戮、暴行、強盗、強姦、強制がつきものです。これらは、他を圧倒的に支配している状況の中で起こります。支配する関係ではなく共存関係、主従関係ではなく対等な関係をつくりあげない限り、戦争を免れることは不可能なのです。

それでは、男性と女性の関係を考えてみましょう。女性を抑圧し、強制し、暴行し、強姦する男性はあとを絶ちません。ここには、一般的に考えている戦争と同じ支配と服従の構造、対立構造があります。つまり男性と女性は戦争状態なのです。しかし、支配されていると思わない人、強制されていると感じない人には、戦争状態ではなく平和だと映ることもあるでしょう。

ですから、支配する側の人々にとっての平和ということならば、支配されていると感じない人、戦争状態だと感じない人をできるだけ多く作ることがきわめて重要です。

戦後の男女平等の憲法、教育基本法のおかげで、「他人に指図されずに自分で自分の人生を決めたい」と考える女性たちが増えてきました。それには、経済的自立が不可欠です。しかし、それが、気に入らない勢力があります。

政府が男女共同参画社会基本法をつくり、地方自治体が男女共同参画条例をつくって、行政としても女性が男性と対等に生きられるしくみを手がけようとしている矢先、その勢力は、議会を中心にその牙をむき出しにしてきました。

私は、豊中市が作った男女平等を進めるセンターの館長をしていました。豊中市は人口40万人の大阪の典型的ベッドタウンで、市民運動が盛んなところです。2000年、全国公募で60人以上の候補者から選ばれた私が、3年7ヶ月後の2004年3月に首になりました。

この私の首切りの背後に、男女平等を忌み嫌う「右翼勢力」の存在がありました。伝統的な性別役割を固持し、社会的文化的につくり出された男女の特性を強調し、女性の地位向上、男女平等の推進を一網打尽に始末しようとする動きです。

衆参両院から地方議会まで、男女平等つぶしに執念を燃やす右派議員からの継続的な攻撃。これはほんとにすごい。世界でバックラッシュ(backlash 反動)と呼ばれる現象です。

多くの議会を男女平等攻撃勢力が支配するには、広範囲なオルグ活動、継続的なキャンペーン活動がなければ不可能です。全国にはりめぐらされた組織力とそれを支える資金も必要です。それに呼応する自治体の首長や行政幹部もいなければなりません。多くの議員に賛成してもらうためには、その自治体の住人が数多く参加していなくてはなりません。

これまでの調査によれば、その背後には、改憲を最終目的とする日本最大の右派集団と称される「日本会議」と、従軍慰安婦などが記述されている教科書は〝偏向〝だと攻撃する「新しい歴史教科書をつくる会」がいると考えられます。NHK番組に圧力をかけたとされる安部晋三、中川昭一両議員もお仲間です。

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by bekokuma321 | 2001-06-19 15:49 | その他