共謀罪に対する国民の疑問や怒りを代弁した野党議員の質問にまともに応えず、自・公・維は、強行採決した。野党質問は単なる“通過儀礼”のようだ。自・公・維に所属する議員の数が圧倒的に多いからだ。

しかし、この議席は、得票33%で議席61%を獲得となった自民党から明らかなように(2014年衆院選)、私たちの投じた票に比例してはいない。民意を反映しない議員の「数」で、民意をしばることになる深刻な法律を決めたのである。

c0166264_15493424.jpgその上、何度も繰り返すが、人口の半分以上を占める女性がわずか1割以下しか衆院にはいない。

日本の女性割合は、世界194カ国中164位である(2017年5月、IPU)。国連から幾度も是正勧告を受けてきた。政府ですら、「党員・役員に占める女性割合や、衆議院議員及び参議院議員の選挙における女性候補者の割合、地方公共団体の議会の選挙における女性候補者の割合が高まるよう」にという文書を政党に向けて出した。しかし、1強しか当選しない小選挙区制での女性当選は難しく、9%だ。この「極端な男性偏重の場での法律は無効!」と叫びたいくらいだ。

共謀罪と似ているといわれるのが治安維持法だ。この法律があった戦前の日本女性はどうだったか。

何しろ女性には投票する権利も、立候補する権利もなかった。権利がないのだから義務もないのならしかたがない。が、全く違った。女性たちは、「皇道精神および日本婦道の奨励」をする大日本婦人会という組織の下、天皇の赤子を産み育てて兵士として送りだす戦争支援義務を徹底して負わされた(若桑みどり『戦争がつくる女性像』、写真)。

女性による社会主義団体「赤瀾会」は、憲兵隊によって拉致虐殺された伊藤野枝に代表されるように、会員たちが検挙・投獄されたりの迫害を受けて、創設後、数年間で消滅せざるをえなかった。反体制とも言えない矯風会の機関誌『婦人新報』さえ、「ページ数が減らされ、のちに発行部数を半減して会員には回覧で読むように乞うたのだが、ついに紙の配給の割当が受けられなくなり、出版統制のため休刊のやむなきに至った」(久布白落実『廃娼ひとすじ』)。

戦前の日本女性には、人権など、かけらほども存在しなかった。

日本女性が、表現の自由、思想信条の自由、政治参加の自由を獲得したのは、戦後の憲法によってである。「人類の多年にわたる自由獲得の成果」(憲法97条)なのだ。

その自由をしばることとなる共謀罪を、まともな質疑もせずに強行採決とは。その道筋をつくることになったのは、小選挙区制という選挙制度による”歪んだ多数制”だ。承服してはならない、とあらためて思う。

「魔女狩り」と「共謀罪」
小林多喜二から共謀罪を思う
安保法案の成立は小選挙区制のせいである
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by bekokuma321 | 2017-05-27 16:08 | その他

あけましておめでとうございます。

FEM-NEWSは、世界中から届く女たちのニュースを和訳して届けるブログです。編集責任者は三井マリ子です。

2017年のロゴ写真は、ノルウェーの画家クリスチャン・クローグ(1852-1925)による絵「アルバーティン」の一部にしてみました。少女アルバーティンが、性病検査のために警察官に促されて医務室に入ろうとしている瞬間が描かれています。

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 ▲「アルバーティン」(1887年)。画面を占める派手な衣装の女性たちは売買春婦

作家でもあったクローグは同時に「アルバーティン」という同名の小説を表し、女性が貧しさゆえに売春婦とならざるえない社会を告発しました。アルバーティンは、貧しいお針子である母を助けて朝から晩まで働きますが、金はすべて病気の弟の薬代に。ある日、警察官に騙され酒を飲まされて強姦されたアルバーティンは、売春婦の道に入っていきます。

本は、道徳心を損なうからと発禁処分。それに怒ったジャーナリストは大衆の前でその内容を伝え、新聞では売春問題について大論争が展開されます。それが絵画の人気を高めることとなり、公娼制廃止は国を揺るがす大きな運動に発展していきます。首相は、ほどなく公娼制廃止に踏み切ったとされています。

私は昨秋、オスロの国立美術館でこの絵の前に立ちました。現在もいる、おびただしい数の「アルバ―ティン」のことを思いながら・・・。

1928年、私と同じ場所に立って、この絵を鑑賞した日本女性がいました。久布白落実(1882-1972)です。当時の日本は公娼制が野放しでした。女性には参政権がありませんでした。そんな社会を変えようと、久布白は運動していました。そんな彼女が、ノルウェーの公娼制は1枚の絵に触発された市民たちの運動によって崩れ去ったことを知ったのです。

帰国した彼女は、女性参政権運動にのめりこみます。秋田市民1000人を前に「第1回 公娼廃止大演説会」で講演。翌1929年再び秋田入りして、秋田県初の女性参政権を要求する講演会で「公娼問題よりとき伏して、婦人参政権の必要なることを力説」します。彼女から影響を受けた人の中に、女性運動家和崎ハルがいました。後にハルは、戦後初の女性代議士39人の1人となります。

c0166264_9555847.jpg私が、ノルウェーのクオータ制を初めて日本に紹介したのは1980年代です。女性を政策決定の場に増やして、男女平等社会にしたいと思ってのことでした。

その後、ノルウェーの政治・福祉制度に関する書籍を刊行し、講演もしてきました。今も、女性やマイノリティを議会に増やさない限り民主政治はないと思っています。

ただ衆院選を経験した私は、「小選挙区制はクオータ制という種をまく土壌にふさわしくない」と確信できます。ここにメスを入れなければ、と考えるようになりました。そのモデルは、100年ほど前、小選挙区制から比例代表制に変えた国、ノルウェーです。

さて私は、東京都立高校教員を経て東京都議会議員(2期)。法政大学講師から大阪府豊中市男女共同参画推進センター初代館長、福井県武生市初代男女平等オンブッド(オンブズマンのこと)などの職を経てきました。そのかたわら、NGO「全国フェミニスト議員連盟」を中心に女性運動を続けてきました。お茶の水女子大学を卒業した後、フルブライト奨学金をいただいて、アメリカのコロンビア大学でMAを修了しました(家族・地域教育学)。

東京都議時代、東京都労働局にセクシャルハラスメント防止施策を初めて実施させました。当時、ILOから発行されたセクシャルハラスメントをなくすための政策についての国際調査報告書によると、日本で初めて、唯一の公的制度でした。東京都のセクシャルハラスメント政策は、全国の自治体に影響を与え、次いで国のほうも関心を持つようになりました。『セクハラ110番』(集英社)に詳述されています。

著書は
『バックラッシュの生贄――フェミニスト館長解雇事件』(共編著、旬報社)
『ノルウェーを変えた髭のノラーー男女平等社会はこうしてできた』(明石書店)
『女たちのパワーブック』(ノルウェー労働党女性局編)(共訳、かもがわ出版)
『ママは大臣 パパ育児ーーヨーロッパを揺るがす男女平等の政治』(明石書店)
『男を消せ!--ノルウェーを変えた女のクーデター』(毎日新聞社)
『セクハラ110番』(集英社)
など多数。

記事についてのご質問・意見や、講演・執筆のご依頼は、mariko-m(a)qa2.so-net.ne.jp までお気
軽にどうぞ。(a)をアットマークに変えてください。

2017年のある日の、あるひとときのあなたに、FEM-NEWSがお役に立てたら、うれしく思います。
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by bekokuma321 | 2017-01-03 23:19 | FEM-NEWSについて

c0166264_125889.jpg2015年11月30日、秋田で、政党交付金をめぐる裁判の最後の報告会をした。

ちょうど1年前の今日だ。

裁判長の強い要請を受け入れて、私は和解をした。足かけ3年、自宅のある長野から秋田に通った。その距離4万余キロ。地球一周だった。そんな裁判を支えた弁護団や友人たちが集ってくれた。

私が提訴したのは、国民の税金でつくられた「政党交付金」が、選挙に手慣れた人たちの手で、不当な使われ方をしている、と、わかったからだ。

裁判長は、私の言い分をほぼ認め、被告側の行為を「不適切行為」とした。被告は私に詫びたため、不本意だったが和解に応じた。

政党交付金は、その後、やれ、ワインだ、うちわだ、カレンダーだ、SMバーだ、キャバクラだ、と騒がれた大臣や議員が大きく報道された。

ワインは小渕優子経済産業大臣、うちわは松島みどり法務大臣、カレンダーは御法川のぶひで議員、SMバーは、小渕大臣が辞任した後に就任した宮沢洋一経済産業大臣。キャバクラは、東京都板橋区から出た太田順子さんの選対を務めた民主党区議会議員たち。

そうそう、舛添都知事事件もあった。彼は政党交付金を美術品や自宅内の事務所家賃に使っていた。先月は、民主党(現民進党)富山県連が、組織ぐるみで政党交付金を不正に使用し、その額「少なくとも計4525万3468円」と報道があった。最近では、政党交付金を含む政治資金を使って高級ホテルでグルメ三昧の国会議員がズラリと報道されている(注1)。

私の場合、ことの始めは、民主党支持率が最低を更新していた2012年秋。秋田3区の民主党国会議員が離党し、そのポストが空いた。2カ月にわたる要請を受けて、私は秋田移住を決意した。そして解散総選挙。落選は覚悟のうえだった私は、落選後、再挑戦する意思を表明した。

ところが選挙後5日目の夜、5人が自宅(兼事務所)にあがり込んで、「あなたがいると票が減る、出て行くように」と追い出し宣告。さらに「あなたやあなたの友人たちは選挙違反をした。家宅捜査だ、連座制だ」と脅した(後、事実無根と判明:注2)。収支報告を見せてほしいという私の要請には、だんまりを決め込んだ。

裁判でわかった(注3)のだが、被告側は、私の政治活動に使うべき「政党交付金」を十分に使わずに、「基金」として貯めこんでいた。

どうしてそんなことがやれたか。

それはこうだ。衆議院議員候補は政党支部長に就任する→支部長名義の口座をつくる→党本部から政党交付金が口座に送金される→口座の通帳やハンコを一手に握る議員秘書が勝手に出し入れする。

政党交付金は、全国民が1人250円を出し合った血税だ。「政党の健全な活動」のためと、1994年創設された。「民意をひどく歪めた政党の勢力分布をつくってしまう、非常に悪い制度」(石川真澄)である小選挙区制と抱き合わせで導入された。年間320億円、世界一高額だという。

20年経って、「結果として、政党の活力が奪われました」と言ったのは、細川内閣で、その制度設計に関わった成田憲彦さんだ(朝日 2015.10.17)。

政党交付金は小選挙区制とは相いれない。政党中心の比例代表制選挙ならわかる。それに「政党活動の自由」を盾に、何に使ってもいいとされているのだから、選挙にたけた人たちの手で、候補者の選挙マシーンに流されたり、「私腹肥やし」にされるだけだ。

女性や少数派の民意が反映されない小選挙区制、政党活動を停滞させる政党交付金制。これは、絶対、絶対、間違っている! 

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【注1】自民党有力国会議員の場合、収入にはパーティなどで集めた政治資金がはいっているため、全てが「政党交付金」からの支出とは言えない。
【注2】逆に、判明したのは、民主党秋田の幹部らが、ポスター張りをしていないのにしたことにして領収書偽造して、選挙費用を横領着服した事実だった。
【注3】衆院選・裁判をきっかけにできた、女性と選挙・政治を考えるサイトさみどりの会ホームページには裁判情報が掲載されている。
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by bekokuma321 | 2016-11-30 02:03 | 秋田

甘利大臣が辞任した。口利き収賄疑惑報道の結果の辞任だ。

昨夜、自分の信念が政権とあいいれないからと大臣のいすをけったフランスの司法大臣(女性)を紹介したが、雲泥の差だ。

記者会見でおもしろかったのは、小選挙区制について甘利大臣がこう言ったこと。

「良い人とだけ付き合ってたら選挙落ちちゃう、小選挙区制だから。来るものは拒まずってしないと当選しない」

小選挙区制だから、グレーゾーンとわかっていても拒めません、と白状したのだ。小選挙区制で勝ち抜くには、虎屋の羊羹に50万円入っていても、拒めないらしい。彼は、安倍政権の重要閣僚の有名人、しかも親の三バンを引き継いだ世襲議員、当選11回。その人にして、これだ。

小選挙区制は、阪上順夫学芸大学名誉教授によれば、
「まさに勝つか負けるか、食うか食われるかのきわめてシビアな選挙戦が繰り広げられる」(『小選挙区制が日本をもっと悪くする』)。

選挙にカネがかかるから政治が腐敗する。選挙にカネがかかるのは中選挙区制だからだ。こんな理屈で小選挙区制に変わったのは、20年前だった。それがまったくの間違いだったことは、無数の「政治とカネ」事件からよくわかる。

小選挙区制では、女性など社会的弱者の当選はきわめて厳しい。いや当選どころか、候補者となることさえ難しい。それは、こうした事件がよく証明している。

あ~あ、今夜は寝つきが悪い。

Japan's economy minister resigns over bribery allegations (甘利大臣の写真がすばらしい)
女性議員増めざして制度改善を
小選挙区制は女性の声を捨て去る
比例代表制は女性や弱者が当選しやすい
女性の衆議院議員は1割に満たず
政治は男のものではない
日本の女性国会議員、189カ国中163位
比例区削減案に反対します!
日本の男女平等度、世界101位
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by bekokuma321 | 2016-01-28 23:53 | その他

c0166264_23275177.jpg9月19日、安全保障関連法案が参議院本会議で可決された。

本会議は、怒号ともみ合いにまぎれて「採決」した特別委員会の結果を受けて行われた。衆院と違って記名投票で、賛成148票、反対90票。参議院議員242人の約6割が賛成した。

衆議院で可決されたのは2カ月前だった。記名投票ではなくなぜか起立採決だった。だから賛否は公式記録に残らないとか。新聞の集計では、賛成327人、退席136人、欠席7人、反対2人。衆議院議員475人の約7割が賛成した。

絶対におかしい。国会を一歩離れると、まったく様子が違うことは誰の目にも明らか。ほとんどの憲法学者は憲法違反だと断じ、国会の周りだけでなく、日本列島津々浦々で法案反対デモが行われ、ほぼすべての世論調査は反対が6割と示す。女性は7割に近い人が反対を表明している。

国会の外と中の、この大きなギャップ。

国会がこれほどまで国民の声を代弁しないのはなぜか。それは選挙のせいだ。小選挙区制という選挙制度は、民意を議席に反映しないのだ。最強の1人だけが当選し、他の候補者に入れた膨大な票はすべて死票となる。小選挙区制は「民意圧殺機能」を持つ制度だと言った人もいる(鷲野忠雄弁護士)。

私が立候補した2012年の衆院選では、自民党の得票は43%だった。にも関わらず、議席は79%を占めた。これを「作られた多数派」「虚構の上げ底政権」と命名したのは上脇博之教授だ。

参院も似ている。242人の半数ずつ改選なので141人を選ぶ選挙である。参議院議員の定数は31選挙区2人、10選挙区4人、3選挙区6人、2選挙区8人、1選挙区(東京)10人だ。半数ずつ改選なので、3分の1の選挙区は、最強の1人しか当選しない小選挙区である。参院選も小選挙区制選挙に限りなく近い。

20年以上前に、小選挙区制が導入されたら、今日のようになると、警告した本が手元にある。『小選挙区制が日本をもっと悪くする』(阪上順夫著)だ。阪上教授は言う。

「小選挙区制では、選挙戦が激化し、金権政治を生む。小政党、女性候補は不当に排除され、大政党が議席を独占する。投票率低下のなか、与党が圧倒的多数となり、提出法案は次々に可決されていく。有事立法は強行採決で可決し、防衛費が増え軍事化が進んでいく」

9月19日、小選挙区制の悪の本質を、今日ほどはっきり見せた日はない。


安保法案に反対する
小選挙区制は女性の声を捨て去る
違憲判決から考える格差なき選挙
比例代表制は女性や弱者が当選しやすい
比例制選挙がいい
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by bekokuma321 | 2015-09-20 18:15

7月16日、衆院本会議で、安全保障関連法案が可決された。自民・公明、次世代の党に属する議員が賛成した。民主党、維新の党、共産党、社民党の議員は退席した。

これで戦地に自衛隊の派遣ができるようになる。

憲法学者は国会でそろって憲法違反だと断じた。世論調査でも法案に反対が多い。共同通信「反対」58・7%。毎日新聞「反対」58%。朝日新聞「反対」56%。性別で統計をとったら、女性にはもっと「反対」が多いはずだ(なぜかどの新聞も性別で「反対」をとらない)。

しかし、与党自民党は、専門家の批判も民意もどこ吹く風だ。女性の意見など歯牙にもかけない。

吐き気をもよおす、安倍政権の、この傲慢さはいったいどこから来るのか。

c0166264_1215735.jpg「小選挙区になって自民党候補どうしが争うことがなくなり、公認を受けたら集票は任せきりという議員も増えた。地盤を受け継ぎ、後援会長としか会わない2世や3世議員もいる」という小熊英二の意見に答えがある。

小選挙区制度が今日の事態をつくってしまった。もっとも多くの票をとった一人しか当選しないという小選挙区制だ。この小選挙区制という選挙では、民意は議席に反映しない。

「48%の得票率で76%の議席を占有できるという小選挙区制の“マジック”だった。いいかえると、自民党は、小選挙区に投票した人の、2人に1人弱の得票で、じつに衆議院の4分の3の議席を得たことになる。」(毎日新聞2015.1.5)

”マジック”という言葉でごまかされないぞ。半分以下の票しか得てないのに、8割近い議席をとるなんて絶対におかしい。まともじゃない。歪んでいる。

小選挙区制導入の前に、小選挙区制が導入されたら、今日のようになると、警告した本がある。『小選挙区制が日本をもっと悪くする』(阪上順夫著)。20年以上前に書かれた本だ。

小選挙区制では、選挙戦が激化し、金権政治を生む。小政党、女性候補は不当に排除され、大政党が議席を独占する。投票率低下のなか、与党が圧倒的多数となり、提出法案は次々に可決されていく。有事立法は強行採決で可決し、防衛費が増え軍事化が進んでいくーーと、阪上は書く。

そして、「これはもちろん架空の話である」と謙遜気味に付け加える。ところが、そのとおりになってしまった。

さきほど、危機にひんしている憲法を、そっと覗いたーー我が愛する憲法は「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し・・・」で始まっている。

すべての基本は、選挙で代表者を選ぶことにかかっている。だから、正当な選挙制度でなければならない。しかし、小選挙区制は、民意が議席に反映しない歪んだ選挙制度であり、信じがたいほど不公平な選挙制度である。

小選挙区制は正当でない。だから現議員は、正当に選挙された私たちの代表者ではない。

【写真は澤地久枝さんのアイデアに賛同した金子兜太さんが書いた。プリントして7月18日(土)午後1時、同じポスターをかかげて安保法案に反対の意思を示そう】
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by bekokuma321 | 2015-07-17 01:36 | その他

c0166264_2295729.jpg朝日新聞は、英国総選挙結果を「進む分極化 内憂外患」と題して、国民の政党支持が多党化していると分析している(2015.5.9、ヨーロッパ総局長梅原季哉)

連立を組んできた自由党の大敗北。それに、反緊縮財政、核軍備撤廃を掲げるスコットランド国民党SNPの大躍進が理由らしい。

そういえばSNPのシンボルといえるマイリ・ブラック(20歳)は「緊縮財政による貧困化反対、核軍備への歳出反対」と、力強く当選スピーチをした(写真)。拍手!

加えて、反EUを掲げる右派の英国独立党UKIPの高得票を理由に上げている。UKIPは、わずか1人しか当選してないのだから影響力があるとも思えないのに・・・。こう思いながら、得票率をよく見ながら図表を作成してみた。左の数字は議席数、右は得票率。

c0166264_21193748.jpg


なるほど、UKIPの票は、保守党、労働党についで第3位だ。全国的に幅広い支持を集めている。それなのに、緑の党と同じくわずか1議席しかとれなかった(個人的にはホッとした)。

さらに注目すべきは、スコットランド国民党。56人もの当選者を出して第3党に踊り出たが、その得票率は、なんと5%に満たない。自由党など7.9 %もとったのに、議席は8議席。5%以下のスコットランド国民党の7 分の1 だ。誰が見ても国民ひとりひとりが投じる1票に、議席が比例していないとわかる。

朝日は、最後に「単純小選挙区の下でのニ大政党制は、民意をすくい取る仕組みとして機能不全を起こしているのだ」としめている。

同じく朝日の石川真澄も、以前こう書いていた。

「英国では小選挙区制のもとでの『ニ党制』も、それによる『政権交代』も、ともに確実に過去の神話になりつつある。そして、そこから選挙制度そのものを見直そうという機運が強まってきているのも当然といえば当然の成り行きである」 (石川真澄著 岩波ブックレット『小選挙区制と政治改革』)

その上にたって、石川は、日本の小選挙区制移行を厳しく批判した。

「小選挙区制の『本家』と思われている英国はその弊害に気づき、見直しに動いている。ちょうどその時期に、日本はその小選挙区制を採用するのが『政治改革』だと思い込み、与野党が全力で実現に向けて走っている。珍妙な風景といわなければならない」

発刊は20年以上前の1993年。日本に小選挙区比例代表並立制が実行されてなかった頃だ。

1996年から、日本では、その小選挙区ウンニャラの選挙が実行され始め、その後何度か続いて・・・・

今や、有権者の3割しか改憲に賛成する人はいないのに、「衆院議員の8割以上」が改憲賛成、と化してしまった(2015.5.3 朝日)。

国会は、民意を反映していないどころか、民意と反対の場になった、と言いたいくらいだ。

英国下院、女性が30%に
イギリス6割が選挙制度改革に賛成 
小選挙区制は女性の声を捨て去る
比例代表制は女性や弱者が当選しやすい
女性の衆議院議員は1割に満たず
政治は男のものではない
日本の女性国会議員、189カ国中163位


[追記:選挙改革協会の副事務局長は、英選挙結果を受けて、「民意が議席に反映しない歪んだ選挙、信じがたいほど不公平な選挙である」と発表した。「74%が比例代表制を支持するとの世論調査があるが、さらに増えるだろう」とも。出典はHuff Post Politics 2015年5月11日。Thursday's Skewed Election Result Shows We Need to #MakeSeatsMatchVotes]
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by bekokuma321 | 2015-05-09 22:15 | ヨーロッパ

12月18日「小選挙区制は女性の声を捨て去る」における円グラフと表の一部を訂正いたします。

自民党の女性当選者は、小選挙区16人、比例区9人です。その数字を逆に記してしまいました。その結果、比例区当選者は実際より多くなりました。全国フェミニスト議員連盟の竹花郁子さんはじめ読者からのご指摘に心から感謝申し上げます。円グラフとそのもとの表の一部を訂正し、心からお詫びいたします。

小選挙区は女性を捨て去るシステムだという主張や根拠に間違いはないため、本文に訂正はありません。(2014.12.21 FEM-NEWS)

==================

比例区があってよかった。自民党以外のほとんどの政党は、比例区があったために女性の当選者を出すことができた。

小選挙区は、1票でも多く票を集めた人だけを当選させるシステムだ。それ人以外の候補者に入れた票は全部死票になる。1番を決めたら、2番以下はポイと捨て去るというわけだ。

だから、小選挙区制選挙は、民意を反映しないひどいシステムだ。

つくったばかりのグラフを見てほしい。もしも比例区がなかったら、公明党、共産党、維新の党は、女性議員をひとりも誕生させられなかったことを示す。小選挙区制では、多様な民意、とりわけ女性の声が見殺しにされてしまう。

1強多弱は非民主的だと批判する声は多い。なら、それを生み出す小選挙区制を批判すべきだろう。小選挙区制をなくして比例代表制選挙にするしかない。それなのに、国会には、比例区の数を削減したいといっている政党が多いという。自分で自分の首をしめるようなものだと、思う。

今回、衆院選に当選した男女比は91%対9%。女性は1割もいなかった。卒倒しそうなほど惨めな数だ。

しかし、この9%でさえ、もしも比例区がなかったら6%か7%に減っていただろう。女性の多くは、比例区があったおかげで、議席を確保できたのだ。

▼小選挙区全当選者のうち女性は6% (赤:女性、青:男性)
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▼比例区全当選者のうち女性は15% (赤:女性、青:男性)
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▼女性当選者45 人。そ6割は比例区で当選 (赤:比例区、青:小選挙区)
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▼自民党でも女性の4割は比例区で当選 (赤:比例区、青:小選挙区)
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▼民主党では当選した女性の78%が比例区で当選 (赤:比例区、青:小選挙区)
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▼維新・公明・共産の女性当選者はすべて比例区 (赤:比例区)
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日本の今の選挙制度は、「小選挙区比例代表並立制」と呼ばれる。小選挙区と比例区が互角のように聞こえるが、基本は小選挙制だ。

『この国の政治』(石川真澄著、旬報社刊)によると、ドイツでは、第二次大戦後、日本の選挙制度のような小選挙区比例代表並立制が、国会に2度提案され2度とも「否決された」。その理由は、「不公平な選挙制度だから」、だったという。小選挙区制は、「民意をひどく歪めた政党の勢力分布をつくってしまう、非常に悪い制度」(石川真澄)なのだ。多くの国々で比例代表制選挙なのもうなずける。

今回、自民党の比例代表得票率は33.1%にすぎなかった。投票率が53%と低かったが、それを加味すると、17%の人しか自民党を支持していない。そんな自民党が国会の議席の61%(475議席中291議席)を占めた。人口の半分を占める女性はわずか45人で10%にも満たなかった。なるほど、こりゃおかしい。石川真澄は正しい。

小選挙区制、反対! 女性にやさしい比例代表制、賛成!

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比例代表制は女性や弱者が当選しやすい
女性の衆議院議員は1割に満たず
政治は男のものではない
日本の女性国会議員、189カ国中163位
男女平等なくして民主主義なし
女性議員を増やすために ~ノルウェー選挙に学ぶ~
原発事故から考える民主主義
男性偏重政治が原発政策にもたらす弊害
女性の約7割、原発NO!
男女平等を嫌う反動勢力の実像
比例区削減案に反対します!
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by bekokuma321 | 2014-12-18 12:28

c0166264_11264367.gif世界190カ国中、日本は161位。

国会(1院)にどれだけ女性が占めているかを調べた最新ランキングだ。女性が、国の方針決定に、どの程度参加しているかを示す、重要な指標といえる。

日本は、昨年12月に衆議院選挙が行われた。その結果、480議席のうち女性は38議席しか占めることができなかった。割合にして7.9%だ。

日本の7.9%は、アフリカのボツワナ共和国と同じだ。7%台には、やはりアフリカのガンビア、コンゴが並ぶ。

世界平均は20.8%、5人に1人は女性議員となった。北欧諸国の平均は42%。アジア諸国平均は18.4%。

天の半分を占める女性の代表が1割に満たない極端な〝男性偏重国会〟。こんな社会にしてしまった一因は、選挙制度にある。衆院選を体験した身からいえば、小選挙区制は、女性に絶対に不利だ。

小選挙区制は、小沢一郎が主唱して、多くの政治家や政治学者が賛同した。数々の問題を持つが、最大の問題は、社会的弱者がけおとされてしまうという点だ。人は、性、思想、職業、体力、経済力など、みな異なる。議会は、こうした多様な人々の代表で構成されるべきだ。しかし小選挙区制は、最も多く票をとった1人の勝者しか議員になれない制度なのだ。

■IPU 2012年12月31日付の最新調査結果。
http://www.ipu.org/wmn-e/classif.htm

◆日本の女性議員率、世界136位
http://frihet.exblog.jp/18511613/
◆男性偏重政治が原発政策にもたらす弊害
http://frihet.exblog.jp/18384122/
◆世界134位はスキャンダルだ
http://frihet.exblog.jp/17999988/
◆日本、187カ国中、堂々122位
http://frihet.exblog.jp/13957751/
◆日本の女性国会議員率、世界123番目
http://frihet.exblog.jp/12901215
◆比例区削減案に反対します!
http://frihet.exblog.jp/17810544/
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by bekokuma321 | 2013-02-09 11:29 | アジア・アフリカ