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「和崎女史が最高点」

戦後初の衆院選は、ちょうど70年前、1946年に行われた。秋田県は、和崎ハルがぶっちぎりのトップ当選だった。

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上は、友人が送ってくれた当時の新聞記事だ。まじまじと見て、あらためて、その歴史的快挙に感動した。41人の立候補者がいて、うち当選者は8人。すごい競争率だ。その先頭に「100247 和崎ハル(中立新)」とある。彼女の後に7人の当選者が並び、落選者がズラーッと続く。和崎ハル以外は全て男性だ。

「連記制」だったから、といわれている。阪上順夫『現代選挙制度論』(政治広報センター、1990)にはこうある。

「1946年4月10日総選挙では、85%の新人議員と39人の婦人議員を生み出したが、これには連記制が有利に働いた。特に初めて選挙権を行使した女性が、1票はとにかく、同性へと必然的に意識して投票したと考えられ(アベック投票と呼ばれた)、候補者や政党が乱立したことから、保守と革新に振り分けた分裂異党派投票も多かった」

70年前の日本の選挙は、大選挙区制。しかも投票者は、何人かの候補者名を書くことができた。そのため、投票用紙に男女の名前を書く人が多く、「アベック投票」と呼ばれた。これって、2015年3月、世界をあっといわせたフランスの「ペア候補」とそっくり。

1946年の日本の「アベック投票」は、こんなふうに決められていた:

「東京都や大阪など、定数11名以上の選挙区は、3名。
定数4名以上、10名以下の選挙区は、2名。
定数3名以下の選挙区は、1名のみ(現在の投票と同じ)。」

定数4名が最小で、3名以下の選挙区はひとつもなかったというから、すべての人が、投票用紙に、2名か3名を書くことができたのだ。

c0166264_16371927.jpgなにしろ日本女性にとって、歴史上初の晴れがましいできごとだった。それまで女に生まれたというだけで投票に行けなかった。女学校教師(女性)が、「用務員の男性は投票できるのに、教員の私は投票できない」と、その理不尽さを嘆いた文を読んだことがある(注1)。そんな女性たちに待ちに待った参政権が付与されたのだ。女性たちの多くは、2人のうち1人、3人のうち1人は女性の名前を書いたに違いない。男性だってそうしただろう。

これが、多くの女性候補当選につながった。

ところで、女性参政権行使70周年の今年、小池都知事の誕生により、女性の政治参加が少し前に進んだように見える。しかし、日本全体では、政治分野はまだ男の牙城だ。何度でも言うが、日本の国会における女性割合は9.5%で、世界193カ国中、ボツワナと並ぶ157位である(第1院、2016年8月現在)。

こんな日本に、国連も黙ってはいない。国連女性差別撤廃委員会は、日本政府に、「政策決定への女性の少なさを解消するため、クオータ制など暫定的特別措置を実行せよ」と繰り返し勧告してきた。ごく最近も、レポートを出した。2016年3月7日だ。その委員会報告、19条、31条に明記されている(注2)。

まずは女性や少数派に絶対的に不利な選挙制度「小選挙区制」は改めるべきだ。比例枠を減らそうなんて言語道断だ。国連が提唱する「クオータ制」は、比例代表制でこそ効果が出る。

はるか70年前、「アベック投票」で女性をどっと当選させたではないか。やれないことはない。

女性差別撤廃委員会 日本政府報告書審査の総括所見(英語)
「祝!女性参政権行使70周年」記念はがき
ハルらんらん♪
比例区、またまた削減
「身を切る改革」どころか「民意を切る改革」
小選挙区制は女性の声を捨て去る


【注1】折井 美耶子編『女ひとりわが道を行く―福田勝の生涯』だと思う。
【注2】日本政府はなぜか半年たってもまだ和訳を公表してない。わたしなりに原文から訳した→
19条は「クオータ制など暫定的特別措置など必要な制度によって、実質的に男女平等を速攻で進めること、なかでも、少数民族、先住民、障がい者などマイノリティ女性の権利を確保すること」と勧告する。31条は、3つの具体策を提示する。
(1) クオータ法などの暫定的特別法によって、選挙や任命によるポジッション(議員や委員など)に、完全なる男女平等参加を促進すること  
(2)第3回、4回国内行動計画にある、2020年までに、立法府、内閣府、首長を含む行政府、法曹界、外交、学界などすべての分野において女性を30%にする目標に向かって、実効性のある具体策で確保する
(3)アイヌ民族、部落、在日韓国人など、障害者や少数派の女性が代表となれるような暫定的特別措置を含む、特別の対策をとること 
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by bekokuma321 | 2016-09-14 22:14 | 秋田

参院選終盤だ。女性参政権行使70周年の今年、参院女性候補は96人。389人中24.6%にすぎない。東京選挙区は31人中女性7人、わずか22%だ。

日本の議会の男女比は9対1である。国際比較の基準となる衆院9.5%(45人)で比べると、世界191カ国のなかでボツワナと同じ155位だ。女性が10%以下しかいない国は、先進国では日本のみ。

衆議院だけではない。身近な議会と称される地方議会も、女性はきわめて少ない。都道府県議会8.8%、市区町村議会11.8%だ。国際比較は難しいが、地方議会に女性が1割しかいない先進国は、そうそうないだろう。

その日本の全議会のなかで、もっとも女性議員の多い議会、それが、今、選挙真っ最中の参議院だ。女性議員は15.7%(38人)。衆議院における女性の極端な少なさを思うと、参議院の90%を女性が占めてもいい。それだけ日本の政治は、女性の経験や実績を必要としている。パターナリズム(父権主義)大好き安倍政権を変えられるのも、女性の連帯以外にない。

参院が、他と比べて女性が多いのは、選挙制度と深い関係がある。衆院は小選挙区中心の選挙であり、地方議会はいわゆる大選挙区制(小選挙区制と同じ多数制:注)だ。参議院だけは、改選数の約4割が比例代表制で選ばれることになっているからだ。

比例代表制は、19世紀後半、イギリスのジョン・スチュワート・ミルや、ベルギーの数学者ヴィクトル・ドントなどが、さかんに唱えた。それまでの小選挙区制は、民意を反映しない不公平な選挙制度だと批判が大きくなっていた。私の好きなノルウェーは、1920年、それまでの小選挙区制から比例代表制に変えた。

もういちど、女性参政権にもどる。戦後の1946年4月、私たちの祖母や母たちは、生まれて初めて投票所に足を運んだ。その選挙に立候補した女性79人。うち39人が当選した。当選率約50%! 驚きだ。

佐藤(三木)きよ子は大阪1区で当選。「大阪の女性の動きは鈍かったといい『女性たちの目を覚ましてやる』と立候補した」と今朝の朝日新聞に載っていた。秋田からトップ当選した和崎ハルは、市川房枝を師と仰ぐ婦選運動家。字を読めない書けない人たちに向かって驚くべき戦術を考えた。「ハルのハは、おじぎするときの手の格好です。その右手をちょんと跳ねるとルになります」と、ジェスチャーをして演説したのだそうだ。

戦後直後の女たちは、食べることだけで精いっぱい。政治的に鈍かったのは当たり前である。それなのに、39人という女性の当選。この記録的数字は、2005年まで半世紀の間、一度も破られていない。

そこには、大選挙区の連記制という選挙制度の存在があった。1人が2,3人を書くことができたため「1人は女性を」意識が働いたからだと、言われている。次の選挙からは、中選挙区制の1人1票に変えられて、当選者は15人にガクンと減った。

選挙制度が、いかに女性議員増に重要かの証である。

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▲戦後、秋田市で開かれた東北婦選大会。前列中央に市川房枝、その右後に和崎ハル。秋田県横手市の本郷郁さんより1996年ごろ三井マリ子に贈られた。

参院選2016年と女性
和崎ハル_1 武塙三山
和崎ハル_2 武塙三山
和崎ハル_3 武塙三山
和崎ハル_4 武塙三山
和崎ハル_5 武塙三山
普通のおばちゃんの三井裁判傍聴記_佐々木厚子
女性と選挙
2014衆院選 比例制に変えるしかない
参院選で女性躍進ならず

【注:小選挙区制とは選挙区から当選者1人を出す選挙制度。最強者以外に投じた票はすべて死に票となる。大選挙区制とは2人以上の当選者を出す選挙制度で死に票がやや少なくなる。中選挙区制は衆院選が小選挙区制に変えられた以前の選挙制度だが、大選挙区制の亜流といえる。これら多数制選挙の欠点を克服するために誕生したのが比例代表制。政党ごとの獲得票にしたがって各政党の当選者数を決める方法。勝ち負けというより、大政党は大政党なりに小政党は小政党なりに当選者が出る。北欧諸国やヨーロッパの多くの国々は比例代表制選挙。参院選の1人区32選挙区は小選挙区制であり、複数区は大選挙区制】
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by bekokuma321 | 2016-07-08 17:49 | その他

比例区、またまた削減

衆院の定数が削減された。確実に女性議員減につながる比例区削減も強行された。

衆院で審議はわずか3日間だった。参議院での結果は、あまりにも小さな記事だったため見逃しそうだった。

選挙法は憲法に等しいくらい大切な制度だ。それが、こんなに暗いやり方で、とおってしまうとは。

女性議員増を求めて20余年の全国フェミニスト議員連盟は、衆院での決定を受けて、抗議文を送った。連戦連敗ではあるが、絶対にあきらめずに、声をあげ続けよう。


■■女性議員減につながる比例区削減をした定数削減衆院委可決への抗議■■
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2016 年 5月10日

衆議員議長  大島理森 様
参議院議長  山崎正明 様
内閣総理大臣  安倍晋三 様
総務大臣    高市早苗 様
一億総活躍大臣 加藤勝信 様
                
2016年4月27日、衆議院の選挙制度改革を審議する衆議院特別委員会は、衆議院定数を、「小選挙区6減、比例区4減」とする法案を可決しました。翌28日、衆院本会議を通過したことによって、衆議院は465議席となり、人口が現在の半分だった1925年の466議席より少なくなりました。

しかも、女性候補者当選率の高い比例区の定数を減らして、“女性の声の反映する政治”を求める国際社会の潮流に背を向けました。比例枠削減を含む本法案の可決は、女性や社会的弱者の民意を切る改革であることを指摘し、ここに強く抗議をします。
 
日本の女性が初めて参政権を行使した1946年、衆議院において466人中女性は39人で8.4%、現在は475人中45人で9.5%。70年間でわずか1%増でしかありません。

背景には、日本の選挙制度を含む社会システムが、女性議員増を阻んできた事実があります。

国連女性差別撤廃委員会は、かねてから日本政府に対して「クオータを含む暫定特別措置を通じて、政治的公的活動における女性参画増加のための努力」を求めてきました。クオータ制は、比例代表制と親和性があり、比例代表制選挙をとる北欧をはじめ世界各国において絶大な効果をあげています。

しかるに、日本では、小選挙区比例代表並立制の当初原案は、比例区250でしたが、1994年200に削減して成立。2000年180とさらに削減。それが、女性参政権70周年という記念すべき本年、176に切り捨てられることになりました。

女性議員の割合が世界190カ国中155位(衆院)の最下位ブロックの日本でこそ、女性や社会的弱者が当選しやすい比例代表制への抜本的変革が求められています。にもかかわらず、小選挙区制を維持したまま、比例枠を減らすという選挙制度関連法の改正案が可決されたことは、時計の針を逆に回すことです。

最後に、「選挙制度」という重要法案が、女性1人のみの委員会で審議されたこと、女性市民の声を参考人として聴取するどころか、市民への周知徹底が全くなされないままたった3日間の審議で結論を出したことに異議を申し述べ、委員の猛省を求めるとともに、参議院においては上記の点に考慮し、慎重な審議がなされることを強く求めます。                          

全国フェミニスト議員連盟
共同代表 会津 素子(千葉県成田市議会議員)/ 皆川りうこ(東京都国分寺市議会議員)
事務局 小磯妙子 (神奈川県茅ヶ崎市議会議員)  
神奈川県茅ヶ崎市鶴が台14-5-202

【写真:70年前、衆院に当選した39人の女性のひとり「和崎ハル」。秋田からの初の女性国会議員。当時の選挙は大選挙区の連記制だったから女性が今よりも当選しやすかったといわれている】

「身を切る改革」どころか「民意を切る改革」
小選挙区制は女性の声を捨て去る
 比例代表制は女性や弱者が当選しやすい 
女子差別撤廃委員会への政府回答のお粗末さ
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by bekokuma321 | 2016-05-24 00:29 | その他

c0166264_9441666.jpgサウジアラビア史上初めて女性の参政権が行使された。

先日の地方選で、約1000人の女性が立候補し、20人近くが当選する見込みだという。

英ガーディアンなどの報道によると、選挙があることも知らない女性も多く、投票に行く女性が極端に少ないと予想されていた。しかも、宗教団体には、女性が政治に関与することは「悪魔に扉を開くことだ」と、強い反対を唱える人もいた。専門家は、「歴史的なこと。女性の当選者がたった1人でも、十分です」などと選挙前に語っていた。

こうしたことを考えると、大の大の大快挙だ。

さて、そのサウジアラビアだが、国会は5人に1人が女性議員であることは、余り知られていない。

衆議院にあたるサウジアラビア国会には、全議員150人のうち女性は30人、約19.87%にのぼる(上左の円グラフ)。IPUによる世界ランクで、100位以内にはいっている。

c0166264_9452499.jpg他方、日本の衆議院は、475人のうち女性議員はわずか45人、9.47%にすぎない。IPUの調査では、150位から160位の間だ。

右の円グラフは日本の衆議院の男女比である。左上のサウジアラビアの円グラフと比べると、日本は、サウジアラビアよりはるかに女性議員の割合が低い。これでは、日本は、サウジアラビアの女性の置かれている位置や後進性をストレートに批判などできない。

とはいえ、サウジアラビア国会の議員は、選挙ではなく任命制であることだ。とても民主主義とはいえない。

それに対して、女性が参政権を得て70年を経た日本。投票する権利も、立候補する権利も保障されている。しかし、この、女性議員のすさまじいまでの少なさ。日本だって、とても民主主義とはいえない。日本の選挙制度には重大な欠陥があると言える。サウジアラビアの女性参政権から考えるべきは、日本の選挙のありかただなぁ・・・。

Saudi Arabia elects up to 17 female councillors in historic election
Saudi Arabia elections: ‘It will be enough even if one woman wins’
Two disqualified as first Saudi women begin campaign for election
Lagarde calls King Abdullah ‘advocate of women’ - despite ban on driving
ipu
比例を切るな!
地方議会選挙を終えて思う「日本の選挙って変だ」
小選挙区制は女性の声を捨て去る
比例代表制は女性や弱者が当選しやすい
女性の衆議院議員は1割に満たず
政治は男のものではない
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by bekokuma321 | 2015-12-14 10:09 | 中東

比例を切るな!

c0166264_222117.jpg大変! もっと民意を反映しない選挙制度に変えられようとしている。

毎日新聞は、衆院選挙制度・定数削減について、11月24日、次のように報道する。

大島理森衆院議長は24日、安倍晋三首相(総裁)を含む自民党幹部を議長公邸に招き、「1票の格差」や定数削減を議論している議長の諮問機関「衆院選挙制度に関する調査会」の検討状況を説明した。
 会談では、定数削減議論の出発点となった2012年11月の野田佳彦首相(当時)と安倍総裁による党首討論が話題となった。これに関連し、首相は「約束があるのだから身を切る改革をしなければならない」と述べ、定数削減に前向きな考えを示した。調査会は定数を削減する方向で一致しており、大島氏は「調査会の答申が出れば、腹をくくる必要がある」と述べた。
 会合には自民党の谷垣禎一幹事長や川端達夫副議長らも同席。大島氏は今後、自民党以外の各党とも会談を行う。調査会は来月7日に各党から意見聴取し、同16日には削減幅など残された論点について詰めの作業を行い、年明けに大島氏に答申を提出する予定だ


毎日ではわからないが、日経は「比例代表の定数(現行180)を30削減する案をまとめている」と、比例区を30議席減、という具体的数字まで出している。腹をくくるだの、身を切るだの、と物騒な表現が並ぶが、何のことはない、比例区を減らしたいらしい。

小選挙区制は、最も票をとった人のみが当選する。その結果、他の候補に入れた人の票はすべて死票となってしまう。最強の1人しか当選しないのだから、政党の候補者選びも熾烈となる。働く女性の代表の立候補は遠のく。

さきごろ、男女平等度の調査で、「日本は世界101位」という発表があった。穴があったら入りたい。でも、このくらいで恥ずかしがっては穴がいくつあっても足りない。衆議院議員の女性はわずか9.5%で、これは「世界190カ国のなかで154位」だ(IPU 2015年8月)。繰り返すが、世界で154番目! あ~、めまいがする。

c0166264_11522533.jpg女性や社会的弱者が当選しやすいのは、小選挙区制よりも比例制だ。国内外の調査で明らかだ。つまり、衆院に女性を少しでも増やすには、比例枠を増やすことだ。

多くのヨーロッパ諸国が採用している比例制選挙が、民主的でいいと思う。でも少なくとも、小選挙区比例代表並立制導入時の細川首相案である小選挙区・比例区半々、すなわち比例237議席にすべきだろう。

安倍首相は「身を切る覚悟で」と言うが、切ろうとしているのは女性の民意だ、と気づいてほしい。

【下の円グラフ:2014年衆院選において小選挙区で当選した女性は全体の6%であることを示す】

小選挙区制は女性の声を捨て去る
比例代表制は女性や弱者が当選しやすい
女性の衆議院議員は1割に満たず
政治は男のものではない
日本の女性国会議員、189カ国中163位
比例区削減案に反対します!
日本の男女平等度、世界101位
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by bekokuma321 | 2015-11-26 23:12

c0166264_1785324.jpg陣内やすこさんの「議会におけるセクハラの実態と今後の課題~性差別体験アンケート調査結果を受けて~」が、ネットにアップされた。

陣内さんは、八王子市議会議員で、全国フェミニスト議員連盟の元代表。

地方議会にまんえんするセクハラ(セクシャルハラスメント)の実態をアンケート調査をして、冊子(写真)にまとめた1人。調査のきっかけは、東京都議会で起きた、仰天セクハラ野次だった。セクハラの実態の要約をかいつまんで紹介して、創設以来とりくんできた女性議員増を達成しない限り、セクハラをはじめとする性差別はなくならない、と力説している。

下記で陣内さんの記事全文が読める。クリックしてどうぞ。
シリーズ女性と議会「議会におけるセクハラの実態と今後の課題~性差別体験アンケート調査結果を受けて~」(議員のためのウエブマガジン「議員NAVI」)
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by bekokuma321 | 2015-11-11 13:32 | その他

もうじきノルウェーは、統一地方選だ。女性議員が平均約40%の国だから、女性議員のほうが男性議員より多い自治体が10自治体ほどある。

そんなノルウェーだが、女性たちはそれに満足していない。女性議員を40%から50%へと新しいキャンペーンをしている。

ノルウェーが女性ゼロ議会を一掃したのは1987年のことだった。歴史の歯車をグイッと回したのは、超党派の女性運動だけでなく、マスコミの力が大きかったと思う。

一方、日本はまだ10%程度だ。女性ゼロ議会も多い。保育、教育、介護問題、食の安全、ゴミの問題ーー女性のほうがずっとプロだ。プロの声が政策に反映しないのは、危険だ。

それに原発再稼働も安保法案も、女性のほうが反対が多いが、これでは、その声が議会に届かない。民意の反映しない政治は、民主主義の政治ではない。

ただ最近、うれしいことに、こうした日本の憂うべき現状を報道するメディアが増えてきた。「2割が女性ゼロ議会」と、トップ記事にした東京新聞を紹介する。まだ読んでないかたは、クリックしてどうぞ。


▲東京新聞 1面 2015.6.28


▲東京新聞 1面の続き 2015.6.28

統一地方選直前に特集を組んで「全国規模で女性の力を結集し、戦略的に行動することが求められる」と書いた毎日新聞も評価したい。下図は毎日新聞2015年3月記事よりコピペ。

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全国813市区「女性議員比率」ランキング 1位45%から0人の自治体まで独自調査 by東洋経済『都市データパック』編集部
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郡山市議選
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道府県議 政党別男女比
女性の約7割、原発NO!
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ノルウェー地方選レポート1:「女のクーデター」 再び
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by bekokuma321 | 2015-08-23 18:28 | その他

なくせセクハラ、性差別

c0166264_1785324.jpg女性議員に対する嫌がらせ野次、からだへの接触、性的言い寄りなどが後を絶たない。

全国フェミニスト議員連盟が、現議員や元議員など600人に調査した。それによると女性議員の52%が同僚議員などから「セクハラを受けたことがある」。

セクハラの加害者側には同僚議員だけではなく、自治体職員もいる。複数回答可で、議員67人、職員17人。

セクハラ被害の回数は、50人が「1~5回」、8人が「6~10回」、13人が「数え切れない」となっている。被害の場所は視察先20人、委員会や会議中19人、本会議場12人(複数回答可)。

詳しくは、同連盟発行の『性差別体験アンケート報告集』を。500円(送料別途負担) 。申込は全国フェミニスト議員連盟 info@afer.jp まで。


(クリックすると大きくなります)
▲読売新聞2015.6.25

全国フェニスト議員連盟
戒能民江「セクシュアル・ハラスメントの司法的救済とその限界」
営業ウーマンの逆襲
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by bekokuma321 | 2015-08-23 17:20 | その他

c0166264_23164564.jpgいかに女性議員が日本に少ないか。このテーマを日本のメディアが報道するようになって、うれしい。

今朝の朝日は、家庭との両立が壁、と多くの女性衆議院議員が応えている、と報道していた。

女性議員の少なさには、そうした意識の問題や慣習のしばりもあるだろう。しかし、日本の政界における女性の少なさの最大要因は選挙制度にある、と思う。

女性議員を増やすには、小選挙区制から比例制に変えることだ。少なくとも、現行の小選挙区比例並立制の比例部分の数を増やすことだ、と思う。

もうじきイギリスの総選挙がある。

有力政党のなかに3人女性党首がいて、討論会では女性の存在も目立つ。労働党は、ピンク色のバスを特注して女性有権者に投票を呼び掛けた。しかし、選挙の争点に女性問題はよく見えない。賃金差別撤廃、DV・セクハラなど女性への暴力根絶、高齢女性の年金の低さ解消など・・・は優先課題に登っていない。

こんな実態に業を煮やしたのか、先日、BBCの人気女性コメディアンSandi Toksvigが「女性平等党 The Womens Equality Party」を創設すると発表した。2020年をめどに、国会に打って出るという。女性は多数派であり、女性の課題を解決することは、女性だけのためでなく、男性のためでもある、と主張する。

北欧では、いち早く「フェミニスト党」ができて、同様の主張で、支持を伸ばしている。

その北欧諸国の政界の女性進出の高さは、他に追随を許さない。スウェーデン、ノルウェー、フィンランドは、内閣の半数が女性であり、国会議員の50%から40%は女性だ。

北欧諸国は、どこも比例代表制選挙だ。国会も地方議会も比例代表制で選挙がなされる。2000人の小さな自治体でも、大きな政党はそれなりに、小さな政党はそれなりに議員を出し、女性議員は4割程度を占める。

今朝、イギリスの市民団体「選挙改革協会」からメールが届いた。

「あと2日で、小選挙区制が、完全に時代遅れであることがはっきりする」と冒頭で述べる。

日本は、1990年代半ば、中選挙制から小選挙区比例代表並立制に選挙制度を変えた。基本は小選挙区制だ。小選挙区制の母国はイギリス。そのイギリスで、「小選挙区制は時代遅れ」の声がどんどん大きくなっているのだ。

選挙改革協会によると、比例代表制という公平な選挙制度の支持者は、今回、全体の4分の3に上ったという。

「今日、インデペンダント紙は、第1面トップで、私たちの代表を選ぶもっといい制度を支持する人が圧倒的に多いと報道」と紹介している。

なぜイギリス国民は小選挙区制に不満なのか。

「票と議席がマッチしない選挙制度に不満をもつ人が増えている」からだという。選挙改革協会は、「今こそ変革の時だ」と唱える。

イギリスでは、「10人に1人が、木曜日、戦術的投票をする」。すなわち、最も支持する候補者ではなくその次の候補者、または3番目の候補者に投票する。気に入らない候補者を落とすためにそうせざるをえないのだという。

ここには、「幻滅への処方箋」しかないという。

すなわち、イギリスでは、木曜日の総選挙を待つまでもなく、「368議席もの多数の議席はすでに決まっている」。その選挙区で当選者を出せないことが確実な政党は、「その選挙区を捨て去って、接戦区に集中する」。だから、選挙に関心など持てるはずがない。そうした有権者は2700万人にのぼるらしい。

最も票をとったひと1人だけが当選する小選挙区制は、多様な意見を持つ人々の代表を選ぶ方法ではない。とりうる制度は、政党の得票に応じて議席が配分される比例代表制だ。

c0166264_21214277.jpgイギリスでは日本のようにしょっちゅう解散・総選挙とはならないらしい。供託金も日本の300万円に対し、7万円程度だ。キャンペーンも戸別訪問が主で、朝から晩までの名前の連呼はない。投票も、候補者名を書くのではなく、政党のシンボルマークにチェックを入れるだけ。なるほど、日本の選挙よりは楽そうだ。それでも、最強の勝者ひとりを選ぶ選挙キャンペーンは、女性には過酷に違いない。

北欧のように、「出産直後に選挙だったが、政党の候補者リストの上位に登載されていたので当選でした」というような女性などありえない。

20年以上前から「女性議員を増やそう」「クオータ制導入を」と運動している全国フェミニスト議員連盟という団体がある。私も、長年、仲間たちと頑張ってきた。国会議員に意見書を出したり、集会を開催したり・・・。女性が5割、4割を占める北欧の政治や選挙システムを調査して紹介もしてきた。

日本の女性の能力、判断力、指導力は男性に比較して決して劣ってはいないし、日本の女性たちが北欧諸国の女性に比べ、劣ってもいない。

問題は、やはり選挙制度だ。

We're on a roll
General Election 2015: Sixty per cent of people want voting reform, says survey
Our electoral system is absurd. Time to change it
Election 2015: Sandi Toksvig launches Women's Equality Party
General election 2015: a campaign full of women but not about them
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Election 2015: General election FAQs
フランスの政党交付金は男女平等化資金に
小選挙区制は女性の声を捨て去る
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女性の衆議院議員は1割に満たず
政治は男のものではない
日本の女性国会議員、189カ国中163位
男女平等なくして民主主義なし
女性議員を増やすために ~ノルウェー選挙に学ぶ~
原発事故から考える民主主義
男性偏重政治が原発政策にもたらす弊害
女性の約7割、原発NO!
比例区削減案に反対します!

【写真上:選挙改革協会のメールより転載、写真下:英国の投票用紙。候補者名の横に所属政党のシンボル・マークがあり、その右の空欄に×をつける。日本のように有権者が候補者名を書くことはない。Politics in the UKより】
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by bekokuma321 | 2015-05-06 23:10 | ヨーロッパ

c0166264_403797.jpg地方選が終わった。

日本の投票は、有権者は投票所に行って、支持する候補者氏名を書いて、その紙を投票箱に入れるという方法をとる。

この、手書きで候補者の名前を書くという当たり前の方法を、他の国の人々に言うと、みな仰天する。「だから日本の候補者は、自分の名前の書いたたすきをつけているのです」、と納得してもらえるまでなんと手間暇かかることよ。

c0166264_1352015.jpgどうも手書きで候補者の氏名を書く方式をとるのは、日本独特のようだ。

しかし、ここは日本。

勝つためには、立候補者は自分の氏名をできるだけ多くの人に書いてもらわなければならない。だから候補者にとって何よりも大事な選挙運動は、自分の名前を覚えてもらうことだ。

c0166264_443116.jpgまともな人間ならこんなバカバカしいことを朝から晩までやって議会の議席を得るなんて、恥ずかしくて穴があったらはいりたくなるだろう。でも、それが日本の選挙だ。だから、工夫しながら、名前と顔を覚えてもらうためにひたすら1週間がんばるしかない(町村は5日)。

全国フェミニスト議員連盟で男女平等社会をつくろうとしてきた仲間たちの多くは、駅頭で、公園で、団地の前で、政策を訴える工夫をしていた。

c0166264_1364130.jpgでも、このように政策をスピーチする候補は数えるほど。だいたいは、選挙カーのスピーカーで名前を流したり、人前で名前を書いた旗を何本も立てたり(選挙違反だろう)、大勢がズラリと並んで大声で候補者名を連呼したりするだけだ。

c0166264_5205415.jpgこれまたおかしなことだが、選挙中、日本では、政策ビラは配れない、戸別訪問で支援をお願いすることもできない、政策討論会もできない。しかも選挙期間は1週間しかない。

名前を書くのが選挙だから、政策なんていらないといわんばかりだ。

政策で支持者をつかんでいる現職以外は、日本の場合、政策で当選なんてありえない話なのだ。

マイクを握って訴える女性候補者を見ながら、「身近な問題を政治課題にのせてきた実績のある人たちが、そのチラシをまけないのは、どんなにか悔しいだろう」と思った。

c0166264_4163614.jpgさて、さて、日本の地方自治体には女性議員は数えるほどしかいない。つまり、私が応援した前議員たちは、議会のマイノリティだ。

全国フェミニスト議員連盟を創設して20年以上、女性議員増の運動をしてきた。だが、一向に増えない。

c0166264_12561373.jpgやっとマスコミが女性議員の少ないことの弊害や、女性議員の存在によってよくなったことを取り上げるようになった。

しかし、政党助成金という巨額の公費を受け取っていながら、政党には女性候補を増やすための実効ある具体策に欠けていた。女性が輝くなどとふれこむ政府、選挙管理委員会、総務省など関係機関は、指をくわえてみているだけだった。

c0166264_133367.jpg女性議員は女性候補が増えないと増えるはずもない。候補者さがしの段階で女性を増やす何か具体的な方法があったはずだ。啓発活動でもいい。「もっと女性候補を」とキャンペーンぐらいはるべきだった。

私が取材を続けているノルウェーでの地方選は2011年秋にあったが、女性議員は38%だった。

政党別では、左派社会党は51%、労働党は44%が女性だった。ノルウェーでは、ほとんどの政党は候補者を決めるときに一方の性を4割から6割になるように決めていて、それをクオータ制という。クオータ制に反対する政党もあるため、結果は、40%を割ってしまった。

市長は20%が女性、つまり5人に1人が女性首長だった。

こうした差異をつくる根本は、選挙制度にあると思う。ノルウェーをはじめヨーロッパの多くの国々は、国も地方も比例代表制選挙なのだ。

日本は、国会が小選挙区制で、地方議会は複数当選者を出すいわゆる中選挙区制だ。中選挙区制は小選挙区制よりは小政党や無所属に有利だと言われるが、基本的には最も得票の多い人から順番に当選する小選挙区制の変形に近い。

c0166264_448032.jpg比例制の選挙は、支持する政党の候補者リストを選び、それを投票箱に入れる。その獲得票に応じて政党の当選者数が決まっていく。

だから、票を最も多く獲得した政党はそれなりに、票の獲得率が少ない政党はそれなりに、当選者が出る。よって、どんなに小さな町にも、さまざまな政党から議員が出ている。それに政党は候補者を決める段階で、クオータ制にもとづいて少なくとも4割は女性にしているので、4割ほど女性議員が誕生する。

c0166264_4485830.jpg政党に入れるだけだと、政党任せになり候補者の顔が見えないのでどうも・・・という人のためにつけ加えると、ノルウェーでは、有権者は政党の決めた候補者の順番を変えたりできる。

候補者名が書かれたリスト(投票用紙)の左側に設けられた空欄にバツ印をつけてその候補者に1票を加算する方法と、用紙の空欄に他党の候補者名を書き足す方法の2種類が設けられている。

これによって、女性や障がい者など、まだ議会に少ないグループの候補者にバツ印をつけると、その候補を上位に押し上げて当選させる可能性が高まるのだ。

多様な声をすいあげて議会に届ける代弁者を選ぶ、それが選挙だ。

なのに、日本では、誰がどんな政策を持っているかを知らせることを禁じている。

日本の地方選挙に多い無所属候補のほとんどは、隠れ自民だそうだ。その結果、「オール与党議会」も多いと聞く。もちろん「オール男性議会」は数知れずある。

選挙のたびに、「日本の選挙制度は変だ」と怒りを覚える。

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by bekokuma321 | 2015-04-26 05:06 | ノルウェー