c0166264_23273920.jpg女性を議会に増やそうという法律は、今国会での成立はならなかった。脱力感でいっぱいだ。しかし、落ち込んでばかりいられない。

日本の国会(下院)における女性議員率は世界193カ国中164番目(IPU)。全町村の3分の1が「女性ゼロ議会」。誰が見てもおかしい。そんなスキャンダラスな事態を変えなくては。全国フェミニスト議員連盟など多くの女性団体を束ねる連合体「Qの会」(代表赤松良子)が主導して、まずはクオータ制をめざした。

マスコミにはむろん、政府や全党の国会議員にあの手この手で働きかけた。市民向けの集会やデモも企画・実行した。地方議会から「成立を」との意見書提出にも、女性議員たちはがんばった。

いつの間にか法案は、与野党による妥協の産物ゆえ「平等」が「均等」に変えられた。歯のない番犬のような理念法に反対する議員などいるはずがない。きっと成立するーー。ところが、おおかたの予想に反して、待てど暮らせど審議される内閣委員会にかけられることはなかった。そして、とうとう6月18日、第193回国会は幕を閉じた。

不成立とわかった後の各紙の見出しとリード文などを下に紹介する(読売新聞には見当たらなかった)。報道によると不成立法案はわずか4本。その4本のうち、与野党全会一致にも関わらず成立しなかったのは「女性議員増法案」のみだった。真逆は、疑念だらけの共謀罪。委員会採決を飛び越して本会議で可決成立した。

世界193カ国中164番目は、女性国会議員率のランクだが、今国会のありさまは日本の政治そのもののランクに見えてしかたがない。

【朝日新聞:候補者「男女均等」持ち越し 全党合意法案、会期末の混乱影響 通常国会、事実上の閉会】

国会や地方議会の選挙で男女の候補者数をできる限り「均等」にするよう政党に努力を求める法案の今国会成立が見送られた。2月に全党が合意しながら、終盤国会の混乱で審議入りできず、16日に継続審議になった。関係者から落胆の声が漏れている。

女性議員を増やすことを後押しする初めての法整備。推進派の超党派の議員連盟で幹事長を務める野田聖子元自民党総務会長は16日「国会議員が少ないことを少しでも是正に導いていこうとする前向きな法案だったのに残念」と国会内で記者団に語った。(後略)2017.6.17

【東京新聞:女性議員増法案、先送りに 対立余波で内閣委2カ月「休業」】
国・地方議員の男女比を「均等」にすることを目指す政治分野における男女共同参画推進法案は、今国会での成立が見送られた。法案を扱う衆院内閣委員会の与野党議員が成立に積極的に動かず、同委は二カ月間「休業状態」となったためだ。国会終盤は、学校法人「加計学園」問題を巡る与野党対立が深まり、成立への機運が完全にしぼんだ。

十五日の参院本会議で「共謀罪」の趣旨を含む改正組織犯罪処罰法の採決が強行され、政治分野男女参画法案の成立見送りが確定した。女性議員増を目指す「クオータ制を推進する会(Qの会)」が同日国会内で開いた緊急集会で、法案づくりを進めてきた超党派議連の中川正春会長(民進)は「各党の駆け引きでこんなことになった」と陳謝。高木美智代副会長(公明)は「強い力で突破すべきだった」と振り返った。(後略)2017.6.17

【日本経済新聞:女性政治参画法案先送り 今国会、事実上の閉幕】
通常国会は会期末の18日を前に16日で事実上の閉幕を迎える。女性議員の増加を促す政治分野における男女共同参画推進法案のほか、違法民泊への罰則強化を狙いとする政府提出の旅館業法改正案などが審議時間が確保できず、成立は次の国会以降に持ち越す。党首討論は2000年の制度導入以来、初めて1回も開かれない異例の通常国会になる。

超党派の議連を中心に成立を目指した政治分野における男女共同参画の推進に関する法律案は、選挙で各党に男女の候補者が「できる限り均等」とする努力義務を課す内容。諸外国に比べても低い女性議員の比率を高める狙いだ。(後略)2017.6.16

【毎日新聞:<通常国会>法案成立率95.5% 昨年より6ポイント増】
事実上16日に閉会した通常国会では、政府が国会に提出した法案66本のうち、63本が成立した。成立率は約95.5%と、昨年の通常国会を約6ポイント上回った。(中略)

議員立法の、国政選挙などで候補者の男女比率を「均等」にする努力義務を政党に課す「政治分野における男女共同参画推進法案」は審議入りできなかった。会期末の「共謀罪」や加計学園問題などを巡る与野党対立が影響した。2017.6.17


c0166264_20345637.jpg
▲日本女性が初めて投票したのは1946年4月10日。その日にあわせて集まり、国会議事堂を背に「女性議員を増やそう」と叫ぶ女性たち(2017.4.10 写真提供伊藤正子
c0166264_21371223.jpg
▲「女性ゼロ議会」をなくそうと群馬県で開催された集会(2017.4.15 写真提供堀地和子

6月15日「女性議員増やそう法案を成立させよう集会」へ
政界への女性進出を促す法案、国会へ
地方議会に女性議員を (NHKニュース2017.4.15)
意見書あいつぐ「増やせ女性議員、なくせ女性ゼロ議会」
底なしの政治腐敗と女性議員
案内:4月15日「なくそう!女性ゼロ議会@群馬」
来年こそ「政界への女性推進法」を
女性議員増めざして制度改善を (全国フェミニスト議員連盟による「要望書」)
[PR]
by bekokuma321 | 2017-06-18 21:47 | その他

政治分野の男女共同参画推進法案の成立が危ういらしい。緊急集会の案内が届いた。

「成立を求めて、緊急集会が国会で開かれます。6月15日(木)12:00~13:00。参議院議員会館 1F 101 会議室。申込不要。当日会場にお越しください」

今国会は、共謀罪に加えて森友・加計問題の大噴火。金田法相のふやけた答弁、森友・加計問題へのあきれ果てた対応に、市民や野党の憤りは頂点に達している。男女共同参画の議案を扱う常任委員会「内閣委員会」は開かれないらしい。

法案は「候補者の男女数をできる限り均等にする」ためにつくられた。具体的には「国や自治体は必要な施策をとり、政党は立候補する男女数均等にむけての目標を定める」。

残念ながら、女性団体が当初求めた「クオータ制」はどこかに消えさり、「努力はしたが、立候補する女性が見つからない」と政党が弁解すれば何の御咎めもない理念法と化してしまった。

とはいうものの、ジェンダーという用語さえ嫌う日本会議系議員の多い安倍政権下であり、衆院の女性議員は1割もいない現実を見ると、受け入れるしかない。それに、いまだに町村議会の3分の1は、男性のみで占められる「女性ゼロ議会」だ。東京23区はさすがに女性ゼロ議会はないが、全国には女性議員ゼロの市も多く、理念法でも努力義務でも「ないよりまし」とも言える。少なくとも、女性立候補への応援歌にはなる。

メディアの関心も高く、朝日は2月に「法案、全会派一致」と、成立の可能性を報じた。東京新聞は「女性ゼロ議会の弊害」、「女性議員が5割超す2町の”議会改革”」を丁寧に取材し、女性議員増の効果を報道した(北條香記者。下)。

推進法案の成立に向けて、赤松良子Qの会代表らとロビー活動を続けてきた矢澤江美子市議(Qの会世話人、全国フェミニスト議員連盟元代表)は、こう呼びかける

「6年間も運動してきました。女性参政権70周年の昨年成立させたかったのですがダメでした。今国会こそと願ってきました。あなたの選挙区から出ている国会議員に『女性議員を増やす推進法を通して欲しい』と電話やファックスで直接声を届けましょう。そして、明日の緊急集会に大勢押しかけてください」


c0166264_11272415.jpg国会議員いちらんリスト(所属政党、電話、住所、メルアド、重要法案への賛否、「日本会議」の会員か否かなどが表になっていて、使い勝手がいい)


c0166264_16524260.jpg
▲東京新聞 2017.4.15

c0166264_16545633.jpg
▲東京新聞 2017.6.4
[PR]
by bekokuma321 | 2017-06-14 17:31 | その他

あけましておめでとうございます。

FEM-NEWSは、世界中から届く女たちのニュースを和訳して届けるブログです。編集責任者は三井マリ子です。

2017年のロゴ写真は、ノルウェーの画家クリスチャン・クローグ(1852-1925)による絵「アルバーティン」の一部にしてみました。少女アルバーティンが、性病検査のために警察官に促されて医務室に入ろうとしている瞬間が描かれています。

c0166264_22342539.jpg
 ▲「アルバーティン」(1887年)。画面を占める派手な衣装の女性たちは売買春婦

作家でもあったクローグは同時に「アルバーティン」という同名の小説を表し、女性が貧しさゆえに売春婦とならざるえない社会を告発しました。アルバーティンは、貧しいお針子である母を助けて朝から晩まで働きますが、金はすべて病気の弟の薬代に。ある日、警察官に騙され酒を飲まされて強姦されたアルバーティンは、売春婦の道に入っていきます。

本は、道徳心を損なうからと発禁処分。それに怒ったジャーナリストは大衆の前でその内容を伝え、新聞では売春問題について大論争が展開されます。それが絵画の人気を高めることとなり、公娼制廃止は国を揺るがす大きな運動に発展していきます。首相は、ほどなく公娼制廃止に踏み切ったとされています。

私は昨秋、オスロの国立美術館でこの絵の前に立ちました。現在もいる、おびただしい数の「アルバ―ティン」のことを思いながら・・・。

1928年、私と同じ場所に立って、この絵を鑑賞した日本女性がいました。久布白落実(1882-1972)です。当時の日本は公娼制が野放しでした。女性には参政権がありませんでした。そんな社会を変えようと、久布白は運動していました。そんな彼女が、ノルウェーの公娼制は1枚の絵に触発された市民たちの運動によって崩れ去ったことを知ったのです。

帰国した彼女は、女性参政権運動にのめりこみます。秋田市民1000人を前に「第1回 公娼廃止大演説会」で講演。翌1929年再び秋田入りして、秋田県初の女性参政権を要求する講演会で「公娼問題よりとき伏して、婦人参政権の必要なることを力説」します。彼女から影響を受けた人の中に、女性運動家和崎ハルがいました。後にハルは、戦後初の女性代議士39人の1人となります。

c0166264_9555847.jpg私が、ノルウェーのクオータ制を初めて日本に紹介したのは1980年代です。女性を政策決定の場に増やして、男女平等社会にしたいと思ってのことでした。

その後、ノルウェーの政治・福祉制度に関する書籍を刊行し、講演もしてきました。今も、女性やマイノリティを議会に増やさない限り民主政治はないと思っています。

ただ衆院選を経験した私は、「小選挙区制はクオータ制という種をまく土壌にふさわしくない」と確信できます。ここにメスを入れなければ、と考えるようになりました。そのモデルは、100年ほど前、小選挙区制から比例代表制に変えた国、ノルウェーです。

さて私は、東京都立高校教員を経て東京都議会議員(2期)。法政大学講師から大阪府豊中市男女共同参画推進センター初代館長、福井県武生市初代男女平等オンブッド(オンブズマンのこと)などの職を経てきました。そのかたわら、NGO「全国フェミニスト議員連盟」を中心に女性運動を続けてきました。お茶の水女子大学を卒業した後、フルブライト奨学金をいただいて、アメリカのコロンビア大学でMAを修了しました(家族・地域教育学)。

東京都議時代、東京都労働局にセクシャルハラスメント防止施策を初めて実施させました。当時、ILOから発行されたセクシャルハラスメントをなくすための政策についての国際調査報告書によると、日本で初めて、唯一の公的制度でした。東京都のセクシャルハラスメント政策は、全国の自治体に影響を与え、次いで国のほうも関心を持つようになりました。『セクハラ110番』(集英社)に詳述されています。

著書は
『バックラッシュの生贄――フェミニスト館長解雇事件』(共編著、旬報社)
『ノルウェーを変えた髭のノラーー男女平等社会はこうしてできた』(明石書店)
『女たちのパワーブック』(ノルウェー労働党女性局編)(共訳、かもがわ出版)
『ママは大臣 パパ育児ーーヨーロッパを揺るがす男女平等の政治』(明石書店)
『男を消せ!--ノルウェーを変えた女のクーデター』(毎日新聞社)
『セクハラ110番』(集英社)
など多数。

記事についてのご質問・意見や、講演・執筆のご依頼は、mariko-m(a)qa2.so-net.ne.jp までお気
軽にどうぞ。(a)をアットマークに変えてください。

2017年のある日の、あるひとときのあなたに、FEM-NEWSがお役に立てたら、うれしく思います。
[PR]
by bekokuma321 | 2017-01-03 23:19 | FEM-NEWSについて

「日本もクロアチアも民主主義の国ではありません。男女平等なしに民主主義はありえないのです」

刺激的で無駄のない言葉がよどみなく続く。そこには、彼女の長い苦闘があった。正真正銘の闘士、いや闘女だ。

その名は、ラダ・ボリッチRada Boric。「クロアチア女性ネットワーク」で女性議員を増やす活動を続けるフェミニストだ。

8月16日、東京で、ラダ・ボリッチによる「ワークショップ:女性が指導者となるためのトレーニング」と、「講演:女性議員増を阻む差別とその克服法」の2部仕立て集会があった。以下は、数時間におよんだラダの発言を聞いた私なりの速報である。

c0166264_11343594.jpg

クロアチアは、社会主義国ユーゴスラビアから、紛争に次ぐ紛争を経て独立をした。戦後、軍が帰還し、女性は家庭で子どもやお年寄りの世話をする専業主婦であれという価値が支配的になった。主たる宗教カトリックは、それに拍車をかけた。

女性はわきへと押しやられ、女性の雇用は脅かされた。経済的自立をもぎとられた女性は、当然“脆弱な存在”となった。

こうした女性へのバックラッシュ(反動)は、女性に対する暴力の増大を引き起こした。加えて、戦争を体験した男性たちは、その暴力の様相を一変させた。たとえば、ある帰還兵は、妻を風呂場に閉じ込めて、扉の外に銃や弾丸を置いた。

女性の専業主婦化と同時に女性の雇用の場は非正規化されていく。それにともなって、職場でセクシャルハラスメントなど性暴力を受けても、首にされる恐れから被害を表に出そうとしなくなった。

旧ユーゴスラビア時代、女性たちは、周囲の国々の人たちと、それなりに友好的だった。しかし、戦争は、クロアチア人、セルビア人、コソボ人、ボスニア・ヘルチェゴビナ人など民族や宗教の違いで人々を分断。女性もそれによって分断された。

しかし、ラダたちは、戦時下において、性的虐待や強姦を受けたおびただしい数の女性たちを救うために立ち上がった。民族や宗教を超えてのミッションだった。

国粋主義的空気のなか、「非国民」のレッテルをはられるいやがらせをうけた。が、ものともせずに、女性の戦争犠牲者たちを救援するセンターを立ち上げて、支援を続けた。しかも、ただ支援するだけではなかった。サバイバーたちにリーダーになってもらうための教育訓練も同時に行った。難民キャンプから第二、第三のラダが誕生していった。8月16日の第1部には、その経験が含まれているように思われた。

現在、ラダは、「クロアチア女性学センター」の代表である。さらに、前述した「クロアチア女性ネットワーク」を組織化し、女性政策を法制度化してゆくこと、そのために女性議員を増やしていくことに力を注ぐ。

女性議員が増えることによってはじめて、わきに押しやられた女性たちの声なき声が外に出され、女性のかかえる問題が政策の優先課題になっていく。男性議員にありがちな上からの支配的パワーによる政治ではなく、包括的なパワーを持つ政治(丸い形のパワー)が、女性議員の強みである、と強調した。c0166264_1218531.jpgだから「クロアチア女性ネットワーク」のロゴは「51%」だ。クロアチア女性は人口の51%を占めるのだから、女性を議会に51%に増やそうというのだ。よく見たら、%の記号にはメスマークがついているではないか。その小さな工夫に大いなる意志がこめられていて、胸がジーンと熱くなった。

また、行政用語をできるだけ排して、アーテステックな小道具をつくることも身上だという。これをラダは、アーティヴィズムと呼んでいる(art+activism=artivism)。

c0166264_12213290.jpgEUの「ヨーロッパ女性ロビー」(注)のアドバイザーだった経験から、EUレベルの女性議員増運動と歩調をあわせつつ、メディアが好むような映像効果のあるパフォーマンスに力を入れる。

なかでもパワーポイントで見せた、妊娠中絶合法化運動は圧巻だった。鮮血とハンガー(闇中絶のシンボル)のシーツを広げて、女性たちは、女性の体を女性自身にとりもどそうと訴えた。ほかならぬ国会議事堂前でやってのけた。危険をおかしてのパフォーマンスに並々ならぬ信念があらわれている。

時間不足から、政党を民主主義にする具体策は短かかった。クロアチアは多くのヨーロッパ諸国同様に比例代表制選挙であり、候補者リストの女性候補を当選可能な上のほうに載せる党内闘争は、北欧とほぼ同じだった。ラダの口から何回か「ノルウェーでは・・・」と出て、ノルウェーファンにはうれしかった。

「死ぬまでフェミニストとして戦うしかない」というラダの心意気がつまった、ワークショップと講演だった。主催は、女政のえん&全国フェミニスト議員連盟。

【写真下のみ、市原ひろこ狛江市議提供】

【注:ラダの女性議員増運動の土台には、EUの「ヨーロッパ女性ロビーEuropean Women’s Lobby」という組織がある。これについては、『ママは大臣パパ育児ーーヨーロッパをゆさぶる男女平等の政治』(明石書店)第1章「EUは女性政策の宝庫」の第1便 民主主義の赤字をなくせ!(p12~37)を参照のこと】

Centar za žene žrtve rata
Centar za žene žrtve rata (English:Zagreb center for women war victims) 
zenska mreza.hr(Women’s Network Croatia)
Centar za ženske studije Zagreb(Center for Women's Studies, Zagreb)
one billion rising
[PR]
by bekokuma321 | 2016-08-19 12:31 | ヨーロッパ

c0166264_11443491.jpg


c0166264_11435393.jpg
全国フェミニスト議員連盟総会 大河原雅子候補、福島みずほ候補、佐藤かおり候補
[PR]
by bekokuma321 | 2016-07-02 11:48 | その他

イギリスは、来年、国会議員選挙だ。女性国会議員をいかに増やすか、各政党は対応をせまられている。

というのも、イギリスで、女性国会議員は下院650議席中146議席、22.5%。IPUによると188カ国中69位だ。とはいえ、大きな声では言えないが、わが日本の女性国会議員(下院)は、480議席中39議席、8.1%、世界155位だ。

c0166264_215264.jpgそんな中、英保守党の前環境大臣のキャロライン・スペルマンは、かくなる事態を変革するため、「女性だけの優先リストを否定はしないが、50%対50%の男女半々優先リストがいい」と、新たに提言した。

2010年の国会議員選挙で、保守党のキャメロン党首は、ほぼ男女半々が並ぶ「優先リスト」を採用した。その結果、17議席から48議席が女性国会議員となった。割合にして15.7%。

ところが、保守党は、この「優先リスト」の採用をやめた。その結果、来年の国会議員選挙には、女性はわずか10人あたり3人以下しかいない。

c0166264_11521917.jpgイギリスは、ヨーロッパでは珍しい小選挙区制をとる。選挙区から最も大量得点をとった候補者1人しか当選しない。小選挙区制では、候補者は各政党から1人にしぼられるため、まず党内の争いに勝たねばならず、当然女性は出にくい。比例代表制とは異なる。

それを解消する方策が、ショートリストと呼ばれる優先リストだ。現役優先は世界共通だが、引退などで候補がオープンの場合、優先リストから選ぶことにし、そのリストを男女半々にするというものだ。

野党になった労働党はどうか。労働党女性は国会議員の31%を占め、他党に比べると割合は高い。とはいえ、目標とする男女半々には遠い。目標達成には、女性のみの優先リストしかないという声が大きい。

現実はどうか。2015年の選挙の勝てる選挙区(労働党有利の地区)の候補者のほとんどは男性である。前回の選挙後、新たにオープンになった18選挙区のうちなんと17に男性が選ばれている。

これまで候補が決まった40選挙区のうち、女性に決まったのは23選挙区で、うち22は、女性のみの優先リストを採用した選挙区だった。つまり、女性のみの優先リストでなければなかなか女性が候補者になれない。

イギリスでも、女性候補者が出にくいのは保守革新に限らないようだ。しかし、政党がその改善策をひねりだし、実行している点は、日本とはまったく異なる。

c0166264_1545921.jpg
▲「労働党はもっと女性議員増に何かすべきか?」 55%が「はい、党はもっと何かすべきだ」 (労働党2月11日調査)

【2番目の写真:「おやじクラブではないか」と非難されたイギリス国会の保守党最前列。男性のみの国会映像に慣れている日本人にはごく当たり前の光景だが】

http://www.theguardian.com/politics/2014/feb/13/call-conservatives-50pc-female-shortlists#
http://www.theguardian.com/politics/2013/mar/15/labour-all-women-shortlists-election
http://www.theguardian.com/politics/2014/feb/06/david-cameron-male-bench-ed-miliband
http://www.ipu.org/wmn-e/classif.htm
http://labourlist.org/2014/02/labour-must-do-more-to-increase-the-number-of-women-in-parliament-say-labourlist-readers/
比例代表制は女性や弱者が当選しやすい
[PR]
by bekokuma321 | 2014-02-15 02:02 | ヨーロッパ