報道によると、4月29日に東京・代々木公園で連合系のメーデーがあった。参加者4万人だったという。

c0166264_15353970.jpg


メーデーは年に1回の労働者の祭典だ。労働組合員が年次有給休暇をとって(とれない人は休暇で)、働くものの権利を守るために集まる。万単位で労働者が集まれる機会は、日本ではめったにない(ところで、いつから、なぜ連合系メーデーが5月1日から4月29日に変わったのか)。

そんな働く者が主役の貴重な場なのだから、ゲスト政治家のスピーチは、労働組合を束ねる連合の友好政党である民進党の蓮舫代表がメインで演説し、報道も彼女を優先すべきだと、私は思う。が、しかし、東京都の小池百合子都知事がやけに目立った。

彼女は「都民ファーストの会」を名乗っているが、自民党を離党したとは聞いていない。しかも彼女は、日本最大の右翼政治集団である日本会議の、国会議員集団「日本会議国会議員懇談会」の副会長だった。

『日本会議・日本会議国会議員懇談会設立十周年記念大会』では、「誇りある国づくりのため、皆様の叡智を結集していただけますよう祈念しています。貴会議の今後益々のご発展と、ご参集の皆様の尚一層のご健勝をお祈り申し上げます」と挨拶している。

日本会議は、改憲や国民の国防義務化の急先鋒であるばかりではない。夫婦別姓反対の署名活動を展開し、「結婚しても元の苗字でいたい」との働く女性たちのささやかな願いをふみにじってきた。さらには、「ジェンダーフリーは、トイレや更衣室を男女一緒にする」などという嘘を流して、ジェンダーによる平等政策をつぶし続けた。とても、働く者の味方とは言えない。

さて、連合の神津実行委員長は、「女も男も仕事と生活を両立できるように労働時間を最適化しなくてはならない。時間外労働の上限規制はその時間まで働かせていいというものではない」などと、訴えていた。

神津委員長の弁を聞きながら、1981年、「行動する女たちの会」にはいって女性差別撤廃運動をしていた私は、仲間と「女のメーデー」をぶちあげたことを思い出した。

当時、私たちがつくったメーデーのスローガンは 「父ちゃん、家事やれ、残業するな! ガンバレ母ちゃん、81メーデー」(注)。今年の連合スローガンと似ているではないか。

都立高校教員だった私は、組合員のひとりとして中央のメーデーに参加したあと、駆け足で場所を移して、この「女のメーデー」に加わった。上の写真は、36年前の記念すべき1枚。

「それにしても、働く母ちゃんの労働条件、あの頃からちっともよくなってないな」と思って腹が立った。


【注】1981年5月1日の中央メーデー・スローガン「父ちゃん 残業 それでも赤字 がんばれ母ちゃん」をもじったもの。「私たちの男女雇用平等法をつくる会」や「行動する女たちの会」は、男性の長時間労働を批判し、職場も家庭も男女で分かち合えるように、と性別役割分業撤廃を唱えた。


ベリット・オース、豊中市、日本会議
大阪市「家庭教育支援条例案」と「教育再生地方議員百人と市民の会」
世界で最も家事をしない男性は日本人
女性が働きやすい国、日本はブービー賞
日本女性の賃金、男性の73%
妊娠した女性が差別される国、されない国
女性の雇用率の高い国は
女性の54%が非正規
企業の4分の1以上「育休より退職を」
男女賃金格差100対37
昭和シェル石油女性差別賃金訴訟
[PR]
by bekokuma321 | 2017-05-04 15:59 | その他

1日6時間労働へ!

c0166264_20294022.jpg1日6時間労働にしよう! 

ノルウェーの自治労「地方自治体労組Fagforbundet」は、1日6時間労働への闘いのひぶたをきった。この労組は、日本の連合にあたるLO傘下の最大労組である。

ノルウェーからの報道によると、委員長メッテ・ノールは次のように語っている。

「長年、6時間労働の目標を掲げてきましたが、政治課題にして真剣に導入にとりくむべき時がきました。6時間労働にするといかに社会にプラスかの議論が熟しつつあります」

彼女は、難民の増加、石油業界の不振など、刻々と変わる社会問題をすばやくキャッチして、その重要課題の改善となると訴える。6つのプラスを要約すると、次のようになる。

1)環境にやさしい:2060年まで消費も収入も3倍になり、持続可能性から問題がある。労働時間短縮は、福祉への要求度が減る
2)失業率が減る:石油業界の失業率が高い。短時間労働は雇用者が増えて解決にむすびつく
3)正社員が増える:短時間労働にすると正社員を増やすことができる
4)年金を改善する:短時間労働にすると60代の人々の退職が減る
5)難民問題を解消できる:短時間労働は新しい市民が社会に包摂できるスピードを早める
6)家族の平等:労働時間短縮は夫婦の雇用を増やす

「労働は1日6時間でいいのです」というノルウェー人たちの主張を直接、私が聞いたのは、1995年の北京国際女性会議だった。あれから20年が過ぎた。あきらめずにうって出る、ノルウェー労働者よ、お見事!

Norway May Introduces Six-Hour-Work-Day
LO Gigant Krever At Du Skal Faa 6 Timersdag
Fagforbundet
facebook_fagforbundet
女性や若者を非正規にしないためにゼネスト
ノルウェーのワーキング・マザー
ストから考えた日本教員の長時間勤務
教員ストに見た「北欧モデル」

[PR]
by bekokuma321 | 2015-11-21 20:44 | ノルウェー

ノルウェー最大の労働組合Fagforbundetの新委員長は、保守政権が唱える労働時間や税制の変更に対して、ストライキで闘う意欲を見せた。

新委員長c0166264_17213325.jpgメッテ・ノ―ルは54歳。看護師出身。20年間を務めていた男性の委員長からバトンタッチして、同組合初の女性委員長に就任した。

これでノルウェー社会は、首相、財務大臣、経団連、連合に加えて、最大労組までトップに女性を選んだ。つまり女性が、政策決定の最重要ポスト5つを独占することになった。

Fagforbundetは、ノルウェー地方公務員・一般職員労働組合のことで、組合員34万人の圧倒的多数が女性だ。2003年、地方公務員組合と保健・社会ケア職員組合が統合されて創設された。

彼女の明快な姿勢を示す言葉をいくつか翻訳して紹介する。日本社会の介看護労働者(女性がほとんど)にヒントとなりそうだ。

「これまで8年間、私たちが望む政策を実行する政府を選んできた。しかし、このたび政権が変わった。もし私たちを挑発するようなことが出てきたら、ストライキなどの手段に訴えることになる」

「政府予算に変更が起きている。富裕層に有利な減税政策をとっている。平等政策は脅かされ、保育園の最高額ははね上がっている。これらの多くは、選択という旗のもとに行われている。選択? そう、誰のための選択だろうか?」

「地方自治体の大規模な構造変革が提案されている。競争の激化、民営化の促進に対して私たちは闘わなければならない」

「サービス職の進歩に及ぼす影響力を失いつつある。サービス部門を公務員から民間に移すならば、政策決定はドアの閉められた取締役会でなされることを意味する。納税者のお金が、情報が開かれている管理下に置かれず、経営の秘密事項がどんどん増える。すなわち、私たち労働組合員の影響力は減ってゆく」


http://www.newsinenglish.no/2013/12/10/new-union-boss-to-challenge-government/
http://www.fagforbundet.no/

◆ノルウェー新内閣は保守連立男女半々内閣
http://frihet.exblog.jp/20850197/
◆国をあげての論争「パートタイムかフルタイムか」 ノルウェー
http://frihet.exblog.jp/20320580/
◆保育園と職場のある町が若いママをひきつける
http://frihet.exblog.jp/18060220/
◆公務員のスト始まる
http://frihet.exblog.jp/18010734/
[PR]
by bekokuma321 | 2013-12-21 17:22 | ノルウェー

公務員のスト始まる

ノルウェーNRKニュースより。

c0166264_2121266.jpg
ノルウェーで、労使交渉が決裂し、木曜日から、国家公務員、地方公務員がストに突入した。政府に働く公務員のストは28年ぶり。

「赤緑政権――中道左派連立政権――の下で国家公務員がこれだけ大きなストライキをするとは歴史的なことだ。双方の要求のへだたりがあまりに大きく、ストライキをさけることは不可能だった」とUNIO委員長は語る。

ストライキにはいったUNIOは、60万人を組織するノルウェー第2の労働組合。その傘下に教育労組、看護師労組、警察労組など10の労組が組織化されている。ほぼ全員が公務員だ。水曜日夜に労使交渉が決裂し、25000人から30000人がストライキにはいった。保育園、小中高校、大学の教職員がストライキをしている。

ノルウェー最大の組合組織LOのリーダーも、「避けられなかった。労働組合側も、雇用者側も、仲裁役の提案の受け入れを拒否した」と語った。

ノルウェーでは、労働組合加入者は全雇用者の53.1%だ。女性の入会率は年々増えて、今や全組合員の52.1%は女性である。たとえば上の写真は、UNIOが国会前でストにはいると告げているデモだが、その過半数は女性だ。

それに、ノルウェーの地方議員は無報酬であり、皆、ほかに仕事を持ちながらの兼務だ。そして、その多くは、公務員だ。公務員しながら、夜に議会に出る。公務員の多くは政党に属しており、選挙で政党から選出されて議員を務める。

大阪の橋下徹市長による労働組合弾圧、公務員の政党活動禁止のニュースに接しながら、私は、このようなまともな人間社会をつくりあげるまでのノルウェー労働者の歴史に思いをはせる。

もともと日本の地方公務員には、政治活動に制限がある。しかし罰則はない。国家公務員は、禁止行為があり、違反したら3年以下の懲役または100万円以下の罰則がある。この国家公務員への罰則を、橋下市長は、地方公務員にも課すのだ、と気勢をあげる。憲法19条の思想信条の自由など、おかまいなし、だ。

アメリカのワシントンポスト紙ですら、橋下率いる大阪維新の会を、「ティー・パーティのような」「日和見主義的」と形容する。あの右派グループ「茶会パーティ」のことだ。ハシズムという言葉も紹介している。

ノルウェーに話をもどす。私の知人には、公立保育園の保育士で市議会議員をしている人や、国立大学教授で市議会議員の人がいる。もし、ノルウェーで、公務員が政治活動を禁止されたら、地方議員はいなくなってしまうだろう。

◆Forhandlingsbrudd gir streik i staten og i kommunene http://www.nrk.no/nyheter/norge/1.8152818
◆Behind Hashimoto, Osaka’s telegenic mayor, a sign of Japan’s discontent
http://www.washingtonpost.com/world/asia_pacific/behind-hashimoto-osakas-telegenic-mayor-a-sign-of-japans-discontent/2012/05/22/gIQAo5sJjU_story.html
[PR]
by bekokuma321 | 2012-05-24 19:56 | ノルウェー

ロックでもりあがって
ノルウェーのロックスター、オーゲ・アレクサンダーシェン(Åge Aleksandersen)率いるロックバンドの演奏がはじまった。全身をくねらせて弾きまくるエレキギター、強烈な大音響…

会場はオスロの中心部カールヨハン通りに面する公園。秋にしては強すぎる日差しの下、ステージと聴衆の一体感は頂点に達する。日本人の観光客がここを通りかかったとしても、これが選挙運動だなんて誰も気がつかないだろう。

じつは、コンサートの主催者は、「自治体・一般・労働者組合(Fagforbundet)」だった。日本の連合にあたるノルウェー労働総連合LOに加盟する組合のなかで最大の組織である① 。組合員数31万人。全国に555の支部を持つ。病院、社会福祉施設、学校、公共交通機関などで働く公務員、それに美容師や清掃職員など民間労働者たちが加わる。職種は100以上にのぼり、組合員の75%以上は女性である②。

ノルウェー女性の約半数は公務職に就き、主として地方自治体に雇用されている ③。地方選挙の結果は、女性たちの仕事にも暮らしにも直結しているから、女性組合員が選挙に熱心になるのも当然である。

組合としては、組合員個々の支持政党にこだわらない。賃金と労働条件アップのためなら、どの政党とも密接な連携を組む柔軟性はあるが、現実には、現連立政権の労働党、左派社会党、中央党の3党、それに赤党を推薦している。

「あなたの町、あなたの仕事、あなたの1票」
オーゲのバンドは、自治体・一般・労働者組合と連携して、左派政権を応援するため、何ヶ月間もかけてノルウェー全土を巡業してきたという。オスロのステージは9月8日(木)で、午後3時ごろには舞台が設営され、三々五々人が集まってきた。赤い風船が飾られ、ホットドッグの屋台が並ぶ。目抜き通りの公園だから、通りすがりの人も多いのだが、そうした非組合員にメッセージを送るのもねらいの一つだ。同組合は今秋の地方議会選挙キャンペーンに1600万クローネを投じたとか。

本部のテントは圧倒的に女性が多い。労組幹部だという女性は、「今年は、保守党が長年握ってきたオスロ市議会を労働党が奪還するチャンスです④ 」と語りかけながらチラシを配る。チラシを見ると女性労働者向けのメッセージが多い。1枚は、介護職の女性2人が高齢者をケアする写真の下に「私たちにいい仕事をする機会を! 私たちは尊厳あふれるケアをします」。もう1枚は、若い女性の顔の写真の横に「私は看護師のクリスティン。あなたの町!あなたの仕事!あなたの1票!責任をもって投票をしよう」

受け取る通行人には、保育園児の手を引いたり、ベビーカーを押したりする若い親たちが多い。時間帯からして、そんな保育園帰りの通勤族をターゲットにしているのだろう。だが、選挙運動員には高校生もいる。聞けば、高校生や研修生も組合に入会でき、高校生なら組合費を免除されるのだそうだ。オスロ市長候補(労働党)のリーベ・リーベル=モーンLibe Rieber-Mohnの顔がプリントされたTシャツを身につけた若者の一群がいた(写真1)。「この労組の組合員なの?」と聞いてみると、「私たちはまだ働いていませんから労組にはいっていません。でも労働党青年部には所属しています。リーベを市長にしてオスロを変えたいので運動をしているのです」という。

ロック音楽が始まる前には、首相のイェンス・ストルテンベルグが演説した。(写真2)。
「政治と恋愛は似ています。好きな人を選ぶのと政党を選ぶのは同じです。すべてが自分にぴったりの人、すべてが自分の好みに合う政党などありません。でも、いいなと思ったら、その政党を信頼して託してみましょう」

「暴力に屈するな」
その2日後の9月10日土曜日、ヘードマルク県ハーマル市のスカンディック・ホテルで市民集会が開かれると聞いて、行ってみた。場内に足を踏み入れると、またしても労組主催のオーゲのロックコンサートだった。
最前列には若者が目立つが(写真3)、後方では中高年の男女も手足でリズムをとっている。オーゲは70年代に絶大な人気を博して以来、今も人気は根強い。若者ばかりではなく、あらゆる年代層を引きつける力があるようだ。

ロックのリズムがひと段落すると、7月22日の銃乱射事件の犠牲者を悼んで国中で歌われている「若者たち⑤」 を、会場の全員で合唱した。

「敵に囲まれ、嵐をついて、進みゆく
恐れおののき自問する、丸腰のまま、邪気もなく
なぜ闘うのか? 武器はどこ?
われらの刃は、命と尊厳、これこそ盾なり剣なり、これこそ敵への備えなり
万人のため追い求め、よりたくましく、より広く、命をかけて耕そう
されば武器など、あえなくも地の底に向け沈みゆく、
人の尊厳守りしとき、われらに平和が訪れる
金で買えない愛おしいものを、正義の腕に持つ者は決して人を殺さない
約束しよう、人びとに、われらが地球を尊ぶことを
腕に赤子を抱くように、美と温もりを愛でし時まで」⑥

受付をしていた病院職員は、「1000人が目標だったけど、800人ほどかしら」。それでも、人口3万に満たないハーマル市を考えると、たいした人数だ。労働組合はこのような政治集会を全国で開催してきた。とくに今年は特別な年だった。選挙運動が本格化しようという7月22日、世界を震撼させたテロ事件がオスロを襲った。死傷者のほとんどは、労働党青年部恒例の政治合宿に全国から参加した10代、20代の政治活動家だった。半数は女性で、その何人かはこの労組の組合員だった。

事件後、首相はじめ政界の指導者たちは、「暴力は民主主義への挑戦。暴力に屈するな。政治参加を一層進めよう」と訴えた。それを受けとめるかのように、労働党だけでなく他の政党も労働組合もメディアも、連日「暴力ではなく民主主義を」と唱えた。

労働組合のことを、政府は「ソーシャル・パートナー」と呼ぶ。選挙集会をみれば、女性や若者たちが、この国の民主主義を担っていることがわかる。
_____________________________________________________

①ノルウェーでは、労働組合に入っている人は全雇用者の53.1%である。女性の入会率は年々増えて、今や全組合員の52.1%は女性である(http://www.worker-participation.eu/; http://www.eurofound.europa.eu/eiro/studies/tn0904019s/tn0904019s.htm )
② http://www.fagforbundet.no/
③ Women and Men in Norway: What the figures say (Statistics Norway, 2010)
④ 選挙の結果、オスロ市は保守党が多数を握ってファビアン・スタング前市長が再任された。
⑤ テロ事件以来、ノルウェー全土で歌われた。8月の国民追悼式典では、日本でもよく知られる世界的歌手シセルがフィナーレに歌った。反ナチズムの詩人ノールダール・グリーグ(Nordahl Grieg 1902-1943)がノルウェー学生連盟のために作った歌詞だという。
⑥ 感動的な詩なので、英訳されている詩を筆者が和訳した。

(出典:ノルウェー王国大使館 三井マリ子連載・ノルウェー地方選挙レポート2011 【2】 13/01/2012 )
[PR]
by bekokuma321 | 2012-04-02 11:08 | ノルウェー

ノルウェー地方選挙レポート2011「男女平等と民主主義」連載。2回目は、「選挙運動を担うソーシャル・パートナー」。

労働組合は選挙にどうかかわるか。ことに女性が7割以上を占める自治労は、どんな選挙をしたのだろうか。

下のノルウェー王国大使館サイトをクリックしてお読みください。
http://www.norway.or.jp/news_events/policy_soc/equality/2011-2/
c0166264_0295592.jpg

[PR]
by bekokuma321 | 2012-01-18 00:40 | ノルウェー