豊田真由子衆議院議員の暴言暴行を報道で視聴した。すさまじい罵倒ぶりだ。問題なのは、被害者の身体の特徴をあげて怒鳴ちらしていることだ。彼の心をどれだけ傷つけたことか。これは、欧米ならヘイトスピーチとして違法になると思う。自民党を離党したらしいが、被害者に謝罪し、議員を辞職すべきだと思う。

豊田議員は2012年、自民党の衆議院議員候補公募に応募して選ばれて公認で立候補したという。選挙区は埼玉4区。暴言暴行を受けた人は、豊田議員の政策秘書。彼は、車を運転中に後部座席の豊田議員から受けた仕打ちを、ひそかに録音していた。この録音がなかったら秘書がたとえ診断書を出して暴行被害を訴えても、「やってない。嘘だ」と否定されただろう。逆に豊田議員から「誹謗中傷」「名誉毀損」と訴えられる恐れさえある。そして豊田議員はケロリとして自民党公認候補でまた衆院選に出るだろう。

ネットをにぎわしているコメントの中で、河村建夫元官房長官のコメントがおもしろい。

「選挙を戦う者とすれば、あのようなことは起こる。たまたま彼女が女性だからこうしたことになっているが、あんな男の代議士はいっぱいいる」と彼は豊田議員をかばった。衆議院における女性議員の割合はわずか9%しかいない。だから目立つのは当たり前だ。おそらく「あんな男の代議士がいっぱいいる」のだろう。そういう男性議員なら全て議員辞職すべきだ。

彼のコメントで注目すべきは性差ではない。「選挙を戦う者」という言葉だ。キツイ選挙戦をくぐりぬける者に、暴言暴行は避けられないというのである。恐れ入った。

口利き収賄疑惑で辞任した甘利大臣を思い出す。記者会見で、甘利大臣は「良い人とだけ付き合ってたら選挙落ちちゃう、小選挙区制だから。来るものは拒まずってしないと当選しない」と言った。50万円入っていた虎屋の羊羹を受け取った事件だが、甘利大臣は、その弁解に「選挙」を口に出した。

悪い人ともつきあわないと小選挙には勝てない、と正直に白状したのだ。小選挙区制の弊害をこれほど雄弁に語った人はいない。

豊田議員の暴行暴言事件の背景にも小選挙区制がある、と私は思う。

c0166264_16265153.jpg小選挙区制では、最高得票の候補たった1人しか当選しない。ほかは死に票となる。ヨーロッパの多くの国々が、不公平な選挙制度だと19世紀から20世紀はじめにかけて捨て去ったが、日本は、20年ほど前、“政治改革”の熱狂のなか、新たに採用した。

小選挙区制は、「まさに勝つか負けるか、食うか食われるかのきわめてシビアな選挙戦が繰り広げられる」(阪上順夫『小選挙区制が日本をもっと悪くする』)。

私も2012年、秋田3区で小選挙区選挙を体験した。朝7時から夕方6時まで車で遊説して、休憩をはさんで夜7時から集会、というのが日課。宣伝カーの助手席に座り、左側の窓を開けて左腕を振りながら右手でマイクを持って連呼する。手袋が雪で真白になりしばらくするとカチカチに凍る。凍った手袋を車内のヒーターで暖め、予備の手袋に変え、また手を振る。2,3日で腕があがらなくなったため、毎朝セーターの左そでにホカロンをベタベタ貼って、その上からコートを着た。窓はあけっぱなしのため、ヒーターはほとんど効かない。凍傷寸前、シモヤケ覚悟の連呼マシーン。それが選挙運動だった。わずか1カ月ほどだったから体がもったのかもしれないとも思った。

豊田議員は、選挙期間中ではなかった。だけど現職議員は、給料をもらって合法的に選挙運動をしているようなもので、再選を念頭に、ありとあらゆる方法で顔と名前を有権者に売りまくる。よくあるのが挨拶回り。午前と午後に各何十件、やれ夏祭り、やれ商工会式典、やれ野球大会、やれ卒業式、やれ葬儀と予定がびっしりだ。

豊田議員は、こうしたことに加えて秘書に「支援者のバースデーカードの宛名」を貼らせていたらしい(宛名とカードが違っていたのが怒りの原因とか)。国会議員が支援者にバースデーカードを出すなんて、初耳だ。そういえば、支援者をバスに乗せて明治座観劇に連れて行ったりワインや下仁田ネギを配ったのは小渕優子議員、うちわは松島みどり議員、カレンダーは御法川議員・・・こうした行為が問題にされたから、バースデーカードが出てきたのか。とにかく、1人でも多くの有権者の心をつなぎとめようという、違法すれすれの、いじましい、あの手この手。

政策秘書が選挙区の運転手をしていることにも驚いた。政策秘書とは、議員の政策つくりを補佐する人だ。国家公務員に準じており、国民の税金から給与を支払われる。その人が、バースデーカード書きや、支援者回りなど、選挙運動員的役回りをさせられているのだ。

小選挙区制は、民意を反映しない歪んだ選挙だ。2014年衆院選での自民党の絶対得票率(棄権者も含む全有権者に占める割合)を見ると、小選挙区は24.49%、比例区は16.99%だ。明確な自民党支持は5人に1人ほどしかいない。それでも自民党はいま衆院の6割余を占める(そのうちの1人が豊田真由子議員)。

それに加えて、小選挙区制は、犯罪まがいの事件を誘発する要素のより多い、醜悪な選挙制度だ、とつくづく思う。


民主主義コンテスト 世界1はノルウェー、日本は20位
国会議員年収も政党交付金も世界最高額
比例代表制は女性や弱者が当選しやすい
Countering Hate: Nordic Conference on Hate Speech
Hatefulle ytringer er forbudt også på Facebook
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by bekokuma321 | 2017-06-29 16:44 | その他

12月9日、在特会(在日特権を許さない市民の会)のヘイトスピーチは人種差別だとする判決が、最高裁で確定した。本当によかった。

ヘイトスピーチとは、差別と憎悪に満ちた攻撃的言葉をさす。京都にある在日朝鮮人学校の生徒がそうした攻撃を受けて苦しんでいることを知ったのは、2009年ごろだったと思う。

在特会の関西支部長だった人から攻撃された経験を持つ私には、他人事ではなかった。

私は、2000年から大阪府豊中市の男女共同参画推進センター館長をしていた。あるときから、豊中市議会で、議員質問の体裁をとった男女平等攻撃が始まった。いわゆるバックラッシュ(男女平等推進への反動)である。

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議会でバックラッシュ攻撃をくりかえしたのは北川悟司議員らだ。と同時に、センターには自称市民という人たちがやってきて、受付の対応・施設利用方法・ライブラリー蔵書などに、いちゃもんをつけてきた。自称市民のなかには、増木重夫在特会関西支部長がいた。増木支部長は、なんと、北川議員の選挙を長年にわたって仕切ってきた参謀でもあった。

バックラッシュ攻撃は、陰湿で組織的だった。誹謗中傷の噂を流す、嘘八百ビラを配る、男女平等行政を攻撃する指南本をつくる・・・。一例をあげる。

ある土曜の夜、私は豊中市役所の会議室に呼び出された。そこには、北川豊中市議会議員、そして彼が代表をつとめ、増木重夫が事務局長をする「教育再生地方議員百人と市民の会」の人たちがいた。この会は「日本会議」、「新しい歴史教科書をつくる会」と密接な関係を持つ右翼的組織である。顧問をつとめるのは、山谷えり子参議院議員だ。

そのひとたちの嫌がらせ的攻撃は、ほぼ3時間にわたった。最後のほうで、北川議員が要求を通そうとテーブルをバーンと殴打した。閉庁日夜のひと気のない豊中市役所廊下に、彼の強打した音が鳴り響き、人権文化部の部屋にいた幹部は「ここまで聞こえた」と言った。

後に、豊中市議会議員らのバックラッシュに屈した豊中市行政幹部によって首を切られた私は、1年後に大阪地裁に提訴。足かけ7年、最高裁で、私の勝訴が確定した。

裁判を通じて、在特会など日本の右翼的組織が、なぜわがもの顔に悪行を続けられるかがわかってきた。

右翼的組織と議員はもちつもたれつの関係にあるのだ。議員は、選挙の集票活動に右翼的組織がほしい、組織は悪行を通すために議員がほしい。

こうして、右翼的組織の無理難題は、議員を通して、行政へと伝わる。議員の言動に過敏な行政幹部は、右翼的組織による違法的言動だとわかっても、手を打たない。

私が経験した豊中市のバックラシュ攻撃は、一地方自治体の嵐というだけでない。日本列島を吹き荒れるファシズム的運動の一断面なのだ。

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by bekokuma321 | 2014-12-12 11:29 | その他

c0166264_18421555.png大阪の橋下徹市長は、アメリカ視察を中止した。“慰安婦は必要だった”発言に対する抗議の嵐に屈服したからだろう。

さて、フェイスブックは、火曜日、「女性・アクション・メディア」などの女性団体からの抗議と非難に屈服して、フェイスブック規約の改正を行った。

女性団体は、ユーモア風と称して、女性への暴力をあおるようなヘイトスピーチを載せないようにと抗議をしていた。100以上の女性団体が集まっての抗議活動によって、少なくとも15社のスポンサーが広告掲載を降りた。

フェイスブックによると、今後、コンテンツを載せる人のアカウンタビリティ(自分のしたことが招いた結果について説明する責任があるということ)を高め、抗議への反応を頻繁にできるようスタッフの訓練をすると語った。

女性蔑視や女性への暴力を助長する表現や発言に対して批判の声を上げると、「表現の自由」という御旗を振りかざす人が多い。フェイスブックの今回の判断が、メディアの流れをいい方向に向かわせるとうれしい。

c0166264_18424571.jpghttp://www.guardian.co.uk/technology/2013/may/29/facebook-campaign-violence-against-women#ixzz2UfkKC0t0http://www.guardian.co.uk/technology/2013/may/29/facebook-campaign-violence-against-women
http://www.womenactionmedia.org/facebookaction/campaign-wins-updates/
https://www.facebook.com/notes/facebook-safety/controversial-harmful-and-hateful-speech-on-facebook/574430655911054
◆米政府、橋下市長「慰安婦必要」は言語道断
http://frihet.exblog.jp/20217911/
◆橋下市長「慰安婦 必要だった」に抗議を!
http://frihet.exblog.jp/20191178/
◆怒! 橋下徹市長、「慰安婦制度は必要」
http://frihet.exblog.jp/20176881/
◆慰安婦ではなく性的奴隷である
http://frihet.exblog.jp/18216918/
◆大阪二コン、「慰安婦」写真展を中止
http://frihet.exblog.jp/18480545/
◆9月7日「写真展を中止しようとしたのは誰か」
http://frihet.exblog.jp/18416415/
◆石原伸晃議員、橋下徹市長とバックラッシュ
http://frihet.exblog.jp/18441393/
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by bekokuma321 | 2013-05-29 18:52 | ヨーロッパ