c0166264_7582861.jpg6月22日、国連持続可能な開発会議(リオ+20)が、成果文書「私たちの望む未来」を採択して、終わった。

かねてから強調されてきた「環境と女性」はどうか。

283条のうち、145条には北京行動綱領の実行、146条には家族計画や性教育の徹底、とくに女性の健康と男女平等推進が明言されている。152条には職業訓練の男女同一機会,153条には女性の無償労働の現状がうたわれている。

とはいうものの、男女平等を推進してきた女性指導者たちは、今回の成果文書に、これまで国連が築いてきた女性の権利に関する事項が十分に明記されなかったと批判した。

とくに、リオに招かれたノルウェー元首相グロ・ハーレム・ブルントラントは、「産む産まないなどの権利(リプロダクティブ・ライツ)」が削除されたことを強く批判した。以下、仮訳。

「リオ+20の宣言は、持続可能な道に人間性を十分備えてはいない。人類と地球にとって不可欠だとされてから何十年も経ているにも関わらず、だ」

「われわれの集団的行動は、環境の敷居を踏み越え、環境システムと人間社会において後戻できない損失に向かうその尖端点に引き金を引かない、とはもはやいえない」

「さらに無念なことに、リプロダクティブ・ライツ(いつ、何人産むかを決める権利)が削除された。前宣言から後退した。しかしながら、この不十分な文章であっても、われわれは前進しなければならない。ほかに方法などないのだ。リオで残した最も重要なメッセージは、持続可能な発展の3本柱を実現させるために、集団的行動を続けなければならないということだ。もう残された時間はない」

ブルントラントの批判はもっともだ。バチカン勢力は強く、フェミニストとバチカンの攻防は依然続いている。

成果文書は6章構成で283条。1、2章はこれまでの行動の再確認、3章はグリーンエコノミー、4章は新しい制度的枠組み、5章は行動とフォローアップ、テーマ別行動、6章は実施方法。

5章の中に「健康と人口」があり、そこの女性と男女平等が明記されている。同じ5章には、「完全で生産的な就労、すべての人にまともな仕事、社会保障の促進」が設けられている。参加は191か国。

多くの批判を残した文書とはいえ、日本の国内文書よりはいい。日本政府は、せめて5章をわかりやすく和訳し、多くの国民に知らせるべきだ。

◆Gro Harlem Brundtland censures Rio+20's gender equality outc
http://www.guardian.co.uk/global-development/2012/jun/22/gro-harlem-brundtland-rio20-gender-equality
◆Rio+20 'Future we Want' draft text - exclusive copy of the document
http://www.guardian.co.uk/environment/2012/jun/19/rio-20-future-we-want-draft-text
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by bekokuma321 | 2012-06-26 07:59 | 中南米

c0166264_0473431.jpg6月3日、文京区で、「緑の党」オープンフォーラムがあった。新しい政党の誕生に向けて、産みの苦しみの時期のようだった。

政策の「ジェンダー」部門は、船橋邦子さん(女性学研究者)、中村まさ子さん(江東区議)が担当だった。

そのたたき台のコメンテーターに招かれた。あらゆる政策決定の場を一方の性に偏らないーーそれを前提に進めてほしい、と次のように伝えた。   


☆☆☆☆ ジェンダーの視点を全政策に(スピーチ草稿) ☆☆☆☆

「緑の党」の目的であるSustainable Development(持続可能な発展)は、“Our
Common Future”(『地球の未来を守るために』)の中心的課題です。

この“Our Common Future”は、1987年、国連「環境と開発世界委員会」が発行したものです。委員長の名ブルントラントにちなんで、別名ブルントラント・レポートとも呼ばれています。

ブルントラントは、グロ・ハーレム・ブルントラントのこと。ノルウェー初の女性の首相です。彼女は、1986年、大臣の4割を女性にするという「クオータ内閣」を組閣し、当時の国際社会をあっと言わせました。

ブルントラントは、1980年代後半、環境保護を重視した開発が重要であるという理念と、政策決定には男女が半々近くいなければならないという理念を、同時に実践したのです。この2つの理念は、国丸ごと緑の党的といってもいいノルウェーの、基本的政治理念となって、今も続いています。

住民の半分以上を占める多数派の女性が、決定の場に参加できない現象を変えずして、マイノリティを大切にする政治などできるはずがありません。男性が大事だとか、女性が大事だとかいう問題ではなく、私たちの社会には、男女どちらの経験や価値観も同等に必要だということなのです。

ブルントラントは労働党でノルウェー最大の政党です。労働党から分派した「左派社会党」、農民党が発展してできた「中央党」も、労働党同様、環境政策に熱心です。よって、ノルウェーに「緑の党」はあるのですが極小政党です。「緑の党」の出番がないのです。

しかし、ヨーロッパ全体を眺めると「緑の党」の勢いは強いです。だいたい1980年代に創設され、選挙に打って出ています。

最も勢いがあるのはドイツで、1980年、当時の西ドイツで誕生しました。オーストリアは1986年です。両国ともフェミニズムと男女平等を基本理念に掲げています。

党内の決定の場に加え、選挙候補者名簿も男女が半々です。ドイツ緑の党は、SPDより早くクオータ制を導入し、ドイツの男女平等政治のさきがけとなりました。オーストリア緑の党も、党是の最優先課題のひとつは男女平等です。

さらに、欧州議会――ヨーロッパ連合EUの議会――の「緑の勢力」が強い。各国の緑の党から立候補した議員が当選しているのです。1984年は11議席しかなかったのですが、2009年には47議席に増えています。

その47議席中の14議席はドイツ緑の党出身で、男女比は7対7と半々です。緑の党は、欧州議会においても「ジェンダーバランスの政党」を掲げています。

以上から考えても、際立った男性偏重・女性排除の政治を持つ日本で、緑の党を新たに誕生させる今こそ、ラディカルで大胆な男女平等推進を高々と掲げるべきです。

それなしに、命や社会的弱者をサポートする公的施策は生まれえません。あらゆる政策の基本にジェンダーの視点を入れ込むこと――ジェンダー・メインストリーミング――がきわめて重要です。その上にたって、個別政策として「ジェンダー平等」を掲げるべきです。以下は、具体的提案です(左下・MOREをクリック)。

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by bekokuma321 | 2012-06-06 01:00 | その他

環境問題に女性の視点を

c0166264_1355362.jpg6月19日、リオデジャネイロで開かれる「リオプラス20」のセミナー「男女平等と持続可能性」において、元ノルウェー首相グロ・ハーレム・ブルントラントが演説をする。

北欧諸国は、かねてから環境問題を男女平等の視点でとらえ、「イコール・クライメット」と称する組織で、北欧式ジェンダーと気候変動を推進してきた。ブルントラント元首相の演説は、その一環である。

「イコール・クライメット」によれば、気候変動は、女性と男性は異なった影響を与え、また女性と男性で異なった影響を受ける上で、ジェンダーに中立ではない。よって、気候変動に関する仕事はジェンダーの視点を入れ込んではじめて進展させることができる、とする。

女性と男性の生き方や態度、消費傾向は異なることが多く、また女性と男性で異なった環境フットプリントを残す。たとえば、車を運転する人は、どの国でも圧倒的に男性が多い。さらにたとえば、気候変動の影響を最も強く受けるのは、南の貧しい国であり、中でも貧しい女性を直撃する・・・。

つまり、男女の違い、そして社会的人的側面に焦点をあてることによって、応用技術、持続可能な発展を進めることができる。

ジェンダーの視点を取り入れないこれまでに「ジェンダーに中立な」戦略は、「ジェンダーを無視」したものになると、主張する。

日本でも、原発に関する世論調査は、男女による際立った違いを明らかにした。問題は、日本の政策決定に、女性は国も地方もわずかに10%しか女性がはいっていないことである。議会のみならず、審議会・協議会などもしかり。


■Equal Climate
http://www.equalclimate.org/
■女性の約7割、原発NO!
http://frihet.exblog.jp/17662842/]
■The United Nations Conference on Sustainable Development: Rio+20
http://www.unwomen.org/the-united-nations-conference-on-sustainable-development-rio20/
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by bekokuma321 | 2012-05-30 13:59 | 北欧

c0166264_1820211.jpgノルウェーの文化大臣が、『グロ・ハーレム・ブルントラント』という本を出版した。

ブルントラントは、ノルウェー初の女性の首相。1986年、2期目の首相に就任した際、閣僚の40%を女性にした。その後ノルウェーは、政権が変わっても、常に女性閣僚が40%以上を占めるようになった。男女平等の国ノルウェーをつくりあげるために、最も影響力のあった女性の一人だ。ノルウェー首相を退任後は、国連WHO初の女性の事務局長に就任し、WHOの上級幹部に女性を大ぜい登用した。

この本は、いわゆる一般向けの伝記ではなく、子ども向けに書かれた本である点が特徴。

1月18日、Anniken Huitfeldt 大臣は、ノルウェー放送NRKの記事で、本の出版についてこう語る。

「グロの両親は、ナチスドイツにノルウェーが占領されていた時代、レジスタンスの闘士でした。ですから、彼女や兄弟はストックホルムの保育園にいつも入れられていました。さびしく思うこともありました。現在の子どもたちにも受け入れてもらえるお話です」

就学前の子どもの9割近くが保育園に通っている国、大臣と普通の市民との距離が近い国ならでは、のニュースだ。

全文はこちら(ノルウェー語)http://www.nrk.no/nyheter/kultur/1.6951232
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by bekokuma321 | 2010-01-19 18:17 | ノルウェー