c0166264_234628.jpgオリンピックだ。毎日、メダルのニュースばかりだが、なかにはメダルよりも強く輝く報道がある。

BBCが報道した、ブラジルのラファエラ・シルバの記事。柔道女子57キロ級で優勝した黒人女性だ。

彼女は、リオデジャネイロのファベーラと呼ばれるスラム街で生まれた。オリンピック開催地の近くだ。映画「神の町(Cidade de Deus)」(写真)によって世界にその悪名がとどろいたらしい。そこにあるのは、麻薬と暴力。

食うか食われるかの生活のなか、親がラファエラを無料の柔道スクールに通わせたことが人生の転機となった。「バスに乗るお金がなく、柔道スクールまで歩いて通った」彼女だが、メキメキと頭角を現した。

ラファエラ・シルバは2012年のロンドンオリンピックに出場した。しかし、ルール違反をしたため撤退せざるをえなかった。その後、彼女には悪辣な嫌がらせが投げつけられた。

「猿の居場所は檻の中だ。オリンピックではない」

屈辱、侮蔑。このメールに彼女は完全に落ち込んだ。引退まで考えたと書かれている。

ブラジルは、先住民、ポルトガル人の子孫、アフリカ奴隷の子孫、ヨーロッパやアジアからの移民・・・と、人種のるつぼである。その中で、神の町に住むのは有色人種ばかり。貧困と差別から生涯抜け出せない人が多いのだ。

ブラジルのWeb新聞によると、8月8日、近所の人たちや親せきが、彼女の通った柔道スクールに集まって、テレビで試合を観戦していた。スクールのトレーナーは、「ここに住んでいる子どもたちに、どれだけ力と勇気を与えることか」と叫んだ、と報道されている。

ラファエラ・シルバは、神の町(Cidade de Deus)を、「女神の町(Cidade de Deusa)」にした。

Rio 2016: Brazil's first gold from the City of God favela
From Rio’s Slums, a Judo Champion Is Mining Olympic Gold
Cidade de Deus reclama de juiz e comemora ouro de cria Rafaela Silva
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by bekokuma321 | 2016-08-11 23:56 | 中南米

国際女性デ―に、DV撤廃法にゴーサインをしたブラジルのジルマ・ヴァナ・ルセーフ大統領(労働党)が、国民から退陣を要求されている。

3月15日、ブラジル全土の22州で、100万人以上がいっせいに大統領に抗議のデモを繰り広げた。サンパウロでは50万人以上が参加したという。ただならぬ数だ。

報道によると、大統領の高官や与党議員の汚職スキャンダルに責任をとろうとしない大統領への不満が爆発したとされている。

腐敗は、国営石油公社ペトロブラス(贈賄)と与党労働党幹部や与党議員(収賄)。石油公社は、特定業者に契約を受注させる見返りに、業者からわいろを受け取り、その一部を与党幹部などにキックバックしたということらしい。

政治腐敗は、女性・男性、左派・右派に関係ない。平均したら、女性のほうが男性より、左派のほうが右派より政治腐敗は少ないのが当たり前だろうが、それゆえ、いっそう厳しく律しなければ。

Big protests in Brazil demand President Rousseff's impeachment
ブラジル、女性デ―に女性への暴力撤廃法
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by bekokuma321 | 2015-03-16 08:39 | 中南米

c0166264_21285793.jpg国際女性デ―に、ブラジルの女たちは、暴力をふるう男たちに対する厳罰法を手にした。おめでとう!

ジルマ・ヴァナ・ルセーフ(1947年生)大統領が、女性デ―にあわせて、女性や少女に対する暴力を禁止する法に署名をしたのである。

この法は、ブラジルではマリア・ダ・ペンハ法(〝Maria da Penha" law)と呼ばれているそうだ。

報道によると、マリア・ダ・ペンハは、元夫から長年暴力を受け、2度も夫から殺害されそうになった。下半身麻痺となる重傷を負ったが、彼女は生き延びた。そして暴力反対運動に立ちあがった。

国際機関と連帯して、暴力男に甘いブラジル法体系の不備を訴え続けてきたという。

一方、署名したルセーフ大統領は、2011年にマダム・プレジデントに就任した。

彼女は、軍政下にあった1960年代には、非合法左翼ゲリラ組織の一員だった。秘密警察に2度も逮捕され、獄中で鞭や電気ショックによる拷問を受けた。20代半ばで出獄した彼女は、政党活動が合法化されるや、ブラジル労働党に入党。2002年にルーラ大統領(労働者党)が登場すると、その右腕として辣腕をふるう。そして、後継者として大統領選に立候補して初当選した。

大統領就任後は、閣僚の3分の1を女性にするなど、マッチョ国ブラジルの変革に着手した。そして2期目、彼女は、女性デ―にあわせて、女性への暴力撤廃法を誕生させた。

Brazil femicide law signed by President Rousseff
Maria Da Penha Maia Fernandes v. Brazil
Decent Work for Women is Essential for Equality!
ワールドカップとジェンダー:ブラジルの女たち
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by bekokuma321 | 2015-03-10 18:17 | 中南米

ブラジルでのワールドカップが終わった。世界の目がブラジルの地に注がれていた。

日本のワールドカップ・サイトには、ブラジル女性をはじめ女性の顔がたくさん載っている。題して「美人サポーター」。英訳は、2014 FIFA World Cup Brazil Beaty Girls だそうだ。

そのサイトの右下には、「美人サポーターランキング」があって、サッカ―を応援する女性の顔が、獲得ポイントごとに1位、2位・・・と上から順に陳列されていた。闘うのは男のみ、「女は顔」だといわんばかりだ。

しかし、開催国ブラジルに目を向けると、大統領ジルマ・ヴァナ・ルセーフ(1947年生)をはじめ、闘う女性が多い。ルセーフ大統領は、若いころ、反軍政の地下運動で2度も投獄されたという。

私の所蔵する1枚のブラジルのポスターから、もうひとつのブラジルを追ってみた。

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オランダ対オーストラリア、ドイツ対アルジェリアの試合があったのはブラジル南部の大都市ポルトアレグレ。ブラジルを代表する港町で、140万人が住む。

このポスターは、そのポルトアレグレ市がつくった。

2002年1月29、30日「参加型民主主義と女性」と題する国際会議。会場はポルトアレグレ市議会議事堂。ポスターの真ん中のマイクの影が“メスマーク”だから、女性の声を届けるための会議だろうと察しはつく。

ワールドカップの日本のホームページで女性が登場する欄は、「美人サポーター」と題されているが、この国を一皮むくと、闘う女性が現れるのである。

続きは、「叫ぶ芸術:サッカー王国の闘女たち(ブラジル)」 by I 女性会議を。

ワールドカップとジェンダー:ドイツ首相のスピーチ
ワールドカップとジェンダー
なでしこ一般席、男子チームはビジネスクラス
日本サッカ―協会を変えるか、日本女性の世界制覇
日本女子サッカー、強豪ドイツを破る
JOC、女子ボクシング出場機会奪う
女子サッカー選手を「オンナ」と呼ぶ週刊朝日
日本女子サッカ―、世界の頂点に
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by bekokuma321 | 2014-07-16 09:57 | 中南米

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ブラジルは、10月の大統領選で、ブラジル初の女性大統領を選びそうだ。ジルマ・ルセフ前官房長官。62歳。2期で辞職する中道左派・労働党の現職ルラ大統領の路線継続を掲げるだけでなく、彼の人気をそっくり受けつぐ模様。



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今回、ブラジル大統領選には4人が立候補しているが、うち、女性は2人で半数を占める。もう1人の女性は環境党のマリーナ・シルビア。アフリカ系ブラジル人で現職の環境大臣だ。

とはいえ、ブラジルの国会議員レベルでは、女性議員は多くない。両院とも日本と同様10%程度だ。今後、女性大統領の出現によって、この少なさが解消されるかもしれない。

図は、上がブラジル下院の女性率、下がブラジル上院の女性率。

◆IPU http://www.ipu.org/wmn-e/world.htm
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by bekokuma321 | 2010-10-04 10:08 | 中南米