テレビ報道はフランス大統領選ばかりだが、北欧フィンランドの選挙について一言。

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4月9日(日)、首都ヘルシンキ議会で、フェミニスト党の代表カチュ・アロKatju Aroが初議席を得た。

フェミニスト党は、スウェーデンでFeminist Initiativeの名で誕生以来、北欧各国に生まれている。「国境なきフェミニズム」とも呼んでいる(上の写真)。既成政党が力を入れてこなかった男女平等を中心に、難民を含むすべての人の間の差別撤廃を掲げる。これぞ、本当の改革派だ。

Katju Aroのモットーは「すべての政治は、人間の尊厳を守るためにある」

フィンランド・フェミニスト党は、国会議員選挙で票を伸ばした右翼の「フィンランド党」に危機感を抱いて、2016年夏から活動を開始し、年末に公認されたばかりだ。2017年4月の統一地方選では、ヘルシンキをはじめ9市で候補者リストを出した。全体で6856票、0.3%、1議席をえた。

このような理想主義的政党が、わずか4ヶ月ほどの政党活動で、9市の議会に大勢の候補者を出し、首都の議会に議員を誕生させたとは驚きだ。比例代表制選挙ならでは、といえる。

Feministinenpuolue
Feminist Parties Moving Forward in the Nordic Countries
真っ赤なリュージュで男女平等
イギリス6割が選挙制度改革に賛成 
「育児パッケージ」がはぐくみ育てる平等の社会
アバのベニー・アンダーソン、フェミニスト党を支援
選挙制度は政治を根本から変えた(ニュージーランド)
高校生も立候補するカネのかからない選挙
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by bekokuma321 | 2017-05-08 22:56 | 北欧

今日のポスターは、先月、「フィンランド女性会議」から贈られてきた。

「100年の歴史。女性の言葉と行動」というフィンランド語にはさまれて、投票箱が置かれている。おもしろいのは、票を入れるところが、真っ赤なキスマークになっていることだ。

c0166264_22583444.jpgフィンランドは、2006年、女性参政権100周年を迎え、もりだくさんの記念行事があったが、それを知らせるために作られたのだという。カタログには、「人口の51%は女性だから、国会の101人は女性が好ましい」と書かれている。フィンランドの国会議員は200人なので、101人すなわち51%を女性にしよう、というのだ。

フィンランドの女性たちが、「国会の半分を女性に」という目標を掲げたのは、20年以上も前だった。

国政選挙を翌年に控えた1994年、私は、ヘルシンキにある「フィンランド女性会議」のオフィスを訪問した。事務局長は言った。「フィンランドの女性は、1906年、ヨーロッパでどの国よりも早く参政権を獲得しました。初めての選挙で女性は19人、11%でした。今、私たちの目標は、国会の半数にあたる100人を女性にしよう、です」。

絵ハガキを2枚もらった。1枚は「国会に100人の女性を」。もう1枚は「女性であるって素敵」とあって今日のポスターとまったく同じ真っ赤なキスマークが描かれていた。「真っ赤なルージュは、女性の言葉、女性の発言を意味します」と言った。私は、一瞬ハッとした。

もっと読むには、■叫ぶ芸術「ポスターに見る世界の女たち」ーリップスティックで男女平等を!(フィンランド)
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by bekokuma321 | 2015-11-23 23:09 | 北欧

先日、国際セミナー「女性はすべてを手に入れられるか?フィンランドとノルウェーの経験を、日本と韓国のために」があった。講師は5人。

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フィンランドから、元首相マリ・キヴィニエミOECD事務次長、ノキアソリューションズ&ネットワークスのウッラマイヤ・シモラ営業部長。

ノルウェーから、スタート・オイル アジアパシフィックのヒルデ・メレーテ・ナフスタ社長、IMFアジア太平洋地域事務所オッドパー・ブレック所長(司会)。

日本から、IMFアジア太平洋地域事務所木下裕子次長、ANAホールディング株式会社の小林いずみ社外取締役、 OECD東京センター村上由美子所長(あいさつ)。

結婚・出産しても働き続けることが当たり前になっているフィンランドとノルウェー。それに対して、いわゆるM字型雇用から抜け出られない日本と韓国。この著しい差異が明らかになってからずいぶん経つ。

今回のシンポジウムで、現状打破には2つ緊急課題があるとあらためて認識した。

ひとつは、女性の非正規雇用を少なくすること。もうひとつは、学童保育を含む保育所を充実させること。

どちらも実現には、政治的意思と行動が欠かせない。

c0166264_19135020.jpgフィンランド元首相のマリ・キヴィニエミ(左)は、「フィンランドでは、保育所を希望するすべての子どもがはいれる保育所を用意しなければなりません。法律で地方自治体に義務づけられています。いい法律をつくることが大事です」と強調した。

「フィンランド女性はフルタイム勤務が多い。非正規雇用は基本的に認められないとする法があるんですよね」とマリ・キヴィニエミに私は尋ねた。「そうです、労働法があります」と応えた。

主催は、国際通貨基金(IMF)、経済協力開発機構(OECD)、駐日フィンランド大使館、駐日ノルウェー王国大使館の4者。

会場には、今、世界で話題の、フィンランド「育児パッケージ」が展示されていた。「赤ちゃんボックスbaby box」とも呼ばれる。

赤ん坊が生まれたすべての家庭に、平等に無料で渡される段ボール箱だ。中にはおむつや、毛布、ベビー服、帽子、靴下、ミトン、絵本など赤ちゃんに必要な品と、ブラジャーやコンドームなど親に必要な品までどっさりはいっている。

中身を出したら、段ボール箱は、赤ちゃんのベッドになる。これで、生まれた時から、親と添い寝をせず、赤ちゃんだけで寝るくせがつくのだという。
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「育児パッケージ」は、1938年に貧しい家庭への政府からの贈り物として誕生した。が、1949年から収入の差に無関係に全家庭に平等に贈られるようになった。

フィンランドは、2014年世界母親ランキングで第1位となった。BBCによると、「仕事に忙しい私にとって、赤ちゃん用品のショッピングに時間を使わすにすんでとても助かった。世界一幸せな母親と聞いて、すぐ育児パッケージを思い出しました」と30代の母親は言った。

「『育児パッケージ』こそ、フィンランドの平等を表すシンボルです」とヘルシンキ大学のPanu Pulma歴史学教授は語る。

生まれたときから、どんな親のもとに生まれようと全員が平等に祝福される長い伝統。これが、フィンランドの男女平等を尊重する政治や働く場をはぐくんできたに違いない。


Why Finnish babies sleep in cardboard boxes
Finnish Baby Box
The babies who nap in sub-zero temperatures
Child and Family Policy in Finland(フィンランド社会保健省の子どもの福祉に関する法律などのガイドブック)
日本はフィンランドとノルウェーの女性活躍推進法から学べるか
妊娠した女性が差別される国、されない国
ノルウェーのワーキング・マザー(6人目が出産まぢかでも正規雇用で働くノルウェー・ママについて)
Early Childhood Education and Care in Finland  
Child day care in early childhood education in Finland
Finnish Labour Legislation and Industrial relations
Temporary emloyment in Finland
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by bekokuma321 | 2015-04-04 19:28 | 北欧

2014年のトップはフィンランド。その後に、ノルウェー、スウェーデン、アイスランド、オランダ、デンマークと続く。

2012年まで連続して首位を誇ったノルウェーは、2013年3位にダウンしたが、2014年は挽回して第2位になった。

日本は、32位だった。健康や教育は非常に高いが、女性の政治参加が10.8と、ガーナと同じ程度でソマリアやコンゴより下であるという極端な低さが要因であろう。

Save the Childrenが毎年公表している。

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State of the Worlds Mothers
世界でもっとも母親がハッピーな国はフィンランド
パパ・クオータ、7月1日から14週間に
日本は母親が最も働きにくい先進国
ママが世界一幸せな国はノルウェー(2012年までのState of World Mothersランキング)
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by bekokuma321 | 2015-04-03 11:52 | 北欧

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1位フィンランド、2位ノルウェー、3位スウェーデン、4位アイスランド、5位オランダ。

2014年「世界の母親レポート」の母親ランキングだ。毎年、母の日にちなんで、セイブ・ザ・チルドレンが、世界各国の母親の健康・教育程度、子どもの健康、経済状況、政治的地位を調査して発表する。

このところノルウェーは、フィンランドに首位を譲っている。それはともかく今年も、北欧諸国の母親が世界で最もハッピーであることは証明された。

日本は32位で、昨年の31位、一昨年の30位から、少しずつランクを落としている。

最も母親ランキングが低かった国はソマリア。178位のソマリアの母親の置かれている現実は目を覆いたくなる。16人に1人の母親が出産時に死亡、5歳までに死亡する子どもが15%に達し、子どもは平均2年半しか通学してない。ソマリアに次いで、母親がアンハッピーな国はコンゴ、ナイジェリア

1位のフィンランドは、母親の出産時死亡は12000人に1人以下、5歳までに亡くなる子どもは345人に1人いるかいないか。同じ地球に産まれた命の重さが、これほどまでに違うとは。ショックだ。

http://www.savethechildren.org/
フィンランド、母親がもっともハッピーな国
ママが世界一幸せな国はノルウェー
世界一ハッピーな母親の国は?
男女格差、世界136カ国中105位
日本の女性議員率、世界163位
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by bekokuma321 | 2014-05-06 23:18 | 北欧

世界でもっとも母親がハッピーな国はフィンランド!

2013年のトップはフィンランド。その後に、スウェーデン、ノルウェー、アイスランド、オランダ、デンマークと続く。昨年まで首位を誇ったノルウェーは3位。

今年も北欧諸国の優位はゆるがない。母親にもっとも過酷な国はコンゴ。30人に1人の女性が妊娠出産で死亡する。日本は31位。

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http://www.savethechildren.org.uk/sites/default/files/images/State_of_World_Mothers_2013.pdf
http://www.guardian.co.uk/global-development/2013/mar/08/140-million-girls-child-brides-2020
◆パパ・クオータ、7月1日から14週間に
http://frihet.exblog.jp/20031889/
◆日本は母親が最も働きにくい先進国
http://frihet.exblog.jp/19713550/
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by bekokuma321 | 2013-05-07 19:32 | 北欧

次期フィンランド大統領は、保守派の国民連合党男性サウリ・ニーニスト(Sauli Niinistö、63歳)の当選が予想されている。サウリ・ニーニストが就任すると、同国では55年ぶりの国民連合党出身の大統領だという。

1月22日(日)が大統領選挙だが、11日から事前投票がおこなわれている。

現フィンランド大統領は、同国初の女性大統領で、フィンランド社会民主党のタルヤ・ハローネンTarja Halonen 。きさくな人柄で、人気は高く、一時、支持率88%を超えたこともある。

タルヤ・ハローネン大統領は、女性の人権に非常に熱心で、国際的な女性のイベントに頻繁に出席し、女性たちを勇気づけてきた。LGBT人権活動家でもある。

2010年から2011年まで首相もマリ・ヨハンナ・キビニエミという女性だったため、フィンランドは、一時、大統領と首相の2人とも女性の国だった。

個人的にタルヤ・ハローネンの大ファンなので、とても残念。
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by bekokuma321 | 2012-01-15 23:44 | 北欧

フィンランド中央党は、6月12日、党首にマリ・キヴィニエミを選び、同国2番目の女性首相誕生となる。

中央党の前党首マッティ・バンハネン首相率いる第2次連立内閣は、2007年、世界最高の60%の女性入閣率を誇っていた。彼女はその内閣の内務大臣に就任していた。1968年生まれ。ヘルシンキ大学政治学部卒。27歳から国会議員となり、9歳、12歳の子どもがいる。

閣僚の任命にあたるのは大統領だが、大統領はこれまた女性のタルヤ・ハロネン。同国では大統領と首相が女性となる。

http://www.nrk.no/nyheter/verden/1.7165277
http://www.marikiviniemi.net/

フィンランドの女性の地位については『ママは大臣パパ育児~ヨーロッパをゆさぶる男女平等の政治』参照
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by bekokuma321 | 2010-06-14 01:49 | 北欧

ノルウェーで「取締役クオータ制」が実行されて以来、世界中で、経済界の中枢に女性を入れる方策が議論になってきた。フィンランドは、会社取締役会の新規約が施行され、2010年から、「取締役会に女性を含むこと」とされた。女性がいない場合には、その理由書を提出しなければいけない。

「女性は1人いればいいというトークニズムのように見えるが、両性がバランスよく参画することを奨励につながると思う」と、新規約作成にかかわったLeena Linnainmaa(ヨーロッパ女性弁護士協会代表)は言う。

http://www.cgfinland.fi/images/stories/pdf/corporate%20governance%20review%20october%202009.pdf
http://www.europeanpwn.net/index.php?article_id=713

昨年、Fem-Newsで報道したフランスは、取締役会の50%を女性にするための法案が下院で可決され、現在、上院で審議中である。

「フランス、取締役クオータに着手」
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by bekokuma321 | 2010-01-27 17:15 | 北欧

5月15日、ヘルビ・シピラさんが亡くなった。94歳。

潘基文国連事務総長は、「あらゆる分野の政策決定の場に女性が男性と平等に参加するため、どんなささいな努力も見逃してはならない。これが、彼女の遺産です」とお悔みの言葉をささげた。

ヘルビ・シピラさんは、フィンランドの法律家で女性解放運動家。1940年代という女性弁護士が希少だった時代、自分の法律事務所を開設し、後、国際女性弁護士連盟会長となった。女性初の国連事務局次長、女性の地位委員会委員長。1975年、メキシコで開催された第1回国連世界女性会議の事務局長。この女性会議が、UNIFEM創設につながってゆく。

国際舞台で卓越した業績を上げてきたヘルビ・シピラさんだが、1982年、フィンランドで、女性として初めて大統領選挙に立候補した。

1994年、私はフィンランドを初めて訪問した。ヘルビ・シピラさんもかつて代表を務めていたというフィンランド女性会議の事務所を訪問し、女性の政治進出について取材した。そのときに会った女性たちは、その少し前にあった大統領選のことを話してくれた。女性大統領誕生かというエキサイティングな選挙だったというのだ。その後、2000年、タルヤ・ハロネンさんがフィンランドで初めて女性の大統領となった。ここに到る道も、もとはと言えば、80年代初め女性として初めて大統領に挑戦したヘルビ・シピラさんによってこじ開けられた、と思う。

女性のために道なき道を進んだ偉大な政治家だ。

実は、1975年以降のこと、、大学を卒業したばかりの私は、国際会議で来日していたヘルビ・シピラさんのお世話をしたことがある。それ以来、フィンランド人というと彼女を想起するようになっていた。気品と威厳に満ちた表情、金髪、ぬけるように白い肌を記憶している。

彼女と同じ空間にいた最後は、1995年の夏だった。私は、北京で行われた第5回世界女性会議の開会式で彼女の名と紹介を耳にする。第1回世界女性会議事務局長として讃えられていた。広いドームの中の私がいた席から、姿は見えなかったが、ヘルビ・シピラさんのような女性と一緒に参加していることに高揚感を覚えた。

http://www.un.org/womenwatch/
http://www.unifem.org/news_events/story_detail.php?StoryID=879
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by bekokuma321 | 2009-05-25 02:36 | 北欧