c0166264_14184438.jpgフランス大統領選の1回目が終わり、中道政党「前進!」のエマニュエル・マクロンと、極右政党「国民戦線」のマリーヌ・ルペンが残った。

決選投票は5月7日だ。フランス国民はマクロンを選ぶだろうと予測されている。

次期大統領と目されるマクロンは、高校時代に教師と大恋愛。「何があっても、僕は先生と結婚する」との誓いどおり、2007年、結婚した。彼女の名はブリジット・トロニューBrigitte Trogneux。20歳(24歳という説も=注)年上で、前夫との間の子ども3人の母親だ。マクロンは、「僕が彼らの母と愛し合うことを認めてもらえてうれしい」と語っている。

彼女の教え子だった彼は、選挙中も彼女のアドバイスをよくきいていたとか、大統領になったら誰かは未定だが女性首相にする予定だ、とかさかんに報道されている。ユニークなのは私生活ばかりではない。無名の若者・・・という報道のとおり、彼は一度も国会議員に当選したことがないのだという。候補者になったかどうかは不明だ。

ここで、フランスの国会(下院)の話を少し。

国会議員に占める女性は25.8%で、世界63位。日本はたったの9.3%で世界163位だから、それに比べればいい線なのだが、フランス女性には屈辱の数字のようだ。

彼女たちは、政界を男女半々にするため、まず2000年、憲法に「パリテParité 男女同数」という言葉を盛り込ませた。次に政界への男女平等アクセスを推進する「パリテ法」を定めた。これによって比例代表制をとる欧州議会(EUの準立法府)、州議会、人口1000人以上の市議会は、候補者名簿が北欧のように男女が交互に並ぶことになった。欧州議会はもともと女性が多かったのだが、加えて、州議会や市議会は、限りなくパリテに近づいた。

一方、小選挙区制の国会と県議会はパリテがうまく働かなかった。そこで県議会(女14%)の選挙は、突飛というべきかおしゃれというべきか、選挙法を改正して「男女ペアで立候補しなければならない」とした(2013年)。

フランス語でビノームbinômesというらしいが、ダンスを踊るときのように、男性(女性)はペアを組む女性(男性)を探して立候補する。ポスターも、恋人か夫婦のように男女ペアで並ぶ。ペアを組む相手は同政党より異なる政党や政治団体であることが奨励されている。当選後は、独立して別々の議員活動をする。

小選挙区で最高得票をとった1組の「男女ペア候補」が当選となる。2015年に県会選挙があった。その結果、フランス全県会議員4108人中、女性2054、男性2054。みごとなパリテである。

大統領選は国中からたった1人を選ぶ選挙だからパリテにはなじまない。ところが、決選投票は期せずしてパリテとなった。フランスは、選挙までちょっとセクシーだ。


自由の国のおしゃれな改革(フランス) (叫ぶ芸術:ポスターに見る世界の女たち)
選挙制度は政治を根本から変えた(ニュージーランド)
国会議員年収も政党交付金も世界最高額
フランス地方選で極右台頭
比例代表制は女性や弱者が当選しやすい

【注】追記だが、マクロンが次期大統領と目されるなか、妻との年齢差の報道が多く見られる。妻ブリジット・トロニューは夫マクロンより25歳上らしい。女性が受ける年齢差別は男性のものの数ではないことを考えると、今後も何かにつけて騒がれることだろう。




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by bekokuma321 | 2017-04-24 14:35 | ヨーロッパ

c0166264_2264843.jpgRFI英語版によると、フランスの県議会選挙で当選した4108人の議員のうち2065人が女性だという。かっきり男女半々だ。

女性議員は、これまで10%台だったというから、すさまじい伸び率だ。

それもそのはず、3月26日に紹介したように、「男女ペア候補制選挙」となったからだ。投票するほうも、支持する1人に1票を入れるのではなく、男女ペアに入れる。

選挙は2015年3月22日、29日、小選挙区制で行われ、サルコジ前大統領率いる保守系の国民運動連合(UMP)が勝利した。

Gender parity in French politics faces test after departmental elections

【写真:フランスの国旗は青(自由)、白(平等)、赤(博愛)だ。真ん中の白「平等」は他に比べて比率が小さい。その小さな枠からフランス女性がこちらを見ている。今、フランス女性は見ているだけでなく、そこを少しずつこじあけて真の意味で平等にしようとしている。1994年のフランスポスターから】
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by bekokuma321 | 2015-04-02 22:03 | ヨーロッパ

フランスの全ての県議会は、「男女ペア候補制選挙」によって、男女半々議会となる。世界で初めてだろう。

その詳しい資料が、糠塚康江東北大学教授から届いた。服部有希著「フランスの県議会議員選挙制度改正」(pdf)だ。

糠塚教授の著書『パリテの論理 ― 男女共同参画の技法』(信山社、2005)を読んだことがある。この著書で、フランスのパリテにまつわる論争のレベルの高さを知った。

今、フランスで行われている男女ペア制選挙は、大胆に選挙区割を変えてしまった点がすごい、と糠塚教授は評価する。パリテを適用しにくい県議会を、選挙区を半減して当選者を男女1人ずつ2人方式にすることで達成しようとしているのだ。

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フランスは、一方で、国会におけるパリテ実現には政党交付金(政党助成金ともいう)を活用している。政党がちゃんと女性候補を擁立しなければ、政党への政党交付金は減額される。

フランスの政党交付金は、100億円以下と、日本の300億円に比較して3分の1程度だ。その政党交付金が男女不平等なら減額され、しかも、年々減額率が厳しく改正されているという。

糠塚教授によると、2014年8月の“女男平等法”によって、政党交付金の得票部分の減額率は、なんと150%になったそうだ。女性候補者の割合が全体の25%だとすると、男性候補者率との開きは50%になる。よって、減額率は、50%×1.5=75%。75%も減額されるとしたら、政党は女性候補を嫌でも増やさざるをえなくなるだろう。

日本の政党交付金は、政党交付金なのだから、一応、政党の支部にはいる。しかし政党支部の支部長(=国会議員候補)は、それを自分の個人口座に寄付するという手で、闇の中にできるらしい。

やれワインだ、うちわだ、カレンダーだ、キャバクラだと、無残な使い方をしている議員も数多く報じられた。

さらに、使い残した政党交付金は、国庫返金が原則にもかかわらず、「基金」口座を新設してそこに預ける裏技があるらしく、貯め込む候補者(議員)も多い。血税の私物化もいいとこだ。

せめてフランス並みに、女性候補の少ない政党には減額できないものか。減額分を、女性ゼロ議会解消にあてるとか・・・。

【写真:フランスの国旗は青(自由)、白(平等)、赤(博愛)だ。真ん中の白「平等」は他に比べて比率が小さい。その小さな枠からフランス女性がこちらを見ている。今、フランス女性は見ているだけでなく、そこを少しずつこじあけて真の意味で平等にしようとしている。1994年のフランスポスターから】

男女ペア候補がつくるフランスの男女平等議会
政治は男のものではない
憲法違反の政党助成金 世界一高い日本
泥棒に追い銭、政党助成金の即時撤廃
フランス、新しい男女平等法へ
仏、「歴史上の偉人に女性を増やせ」
フランス、性差別賃金会社に罰金刑
フランス「パリテ内閣」、「女性の権利省」誕生
21世紀のフランス革命
8月29日(日) 進めよう! クオータ制   
フランス議会は男女半々(パリテ)へ
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by bekokuma321 | 2015-03-27 19:18 | ヨーロッパ

統一地方選挙がもうじきだ。

女性議員がいかに少ないかを主要メディアも報道するようになった。毎日新聞によると、女性議員が全体の3割を超えている自治体議会はわずか3%。5分の1がまだ女性ゼロ議会だ。

さて、所変わってフランス。

今、地方選挙の真っ最中のフランスでは、世界で類を見ない新しい方式で行われている。当落結果はまだにもかかわらず、どの議会も男女半々議会になることが決まっているのだ(パリとリヨンを除く)。

投票日は3月22日、29日。小選挙区の2回投票制で行われる。現在、女性議員は平均17.8%とさほど多くない。選挙制度は女性が当選しにくい小選挙区制である。うーん、それが、なぜ一気に女性議員が50%に増えるのか。

そのわけは、昨年、選挙制度が改正されて、男1と女1のペア(フランス語でbinômes ビノム)で立候補しなければならなくなったからだ。

ダンスを踊るときのように、男性は一緒にペアを組む女性を探してはじめて選挙に立候補できる。フランスからの報道写真によると、選挙運動も2人のペアでやっていた。そして各選挙区から最高得票をとった「男女ペア候補」が1組だけ当選する。つまり、すべての選挙区で、当選者は、男女1人ずつとなる。

ペア候補制度の誕生によって、選挙区は4055から2074に半減された。

男女半々の政治をフランスではパリテと呼ぶ。パリテは民主主義の要請だ。そうなるように実行した、鮮やかなフランス式手法。脱帽、いや、ブラボー!

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▲男女ペア候補に投票する「新選挙法」を知らせるフランス政府イラスト

Nouvelles élections départementales #OuiJeVote
Annexe 11 - Les statistiques (au 1er décembre 2014)
Departmentals 2015
Elections départementales: OLF 91 demande aux candidat-e-s de s'engager pour l'égalité femmes-hommes
政治は男のものではない
フランス、新しい男女平等法へ
仏、「歴史上の偉人に女性を増やせ」
フランス、性差別賃金会社に罰金刑
フランス「パリテ内閣」、「女性の権利省」誕生
21世紀のフランス革命
フランス議会は男女半々(パリテ)へ-イヴェット・ルーディさんに聞く-
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by bekokuma321 | 2015-03-26 10:01 | ヨーロッパ

政治は男のものではない

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日本で女性が初めて投票に参加できたのは1946年の衆院選だった。そのとき女性の衆院議員は466人中39人、8.4%だった。あれから68年たったというのに、衆院の女性議員は480人中39人で8.1%に減ってしまった。

世界各国の議会でつくる列国議会同盟(IPU)の最新調査によると、この8.1%は189カ国中163位。世界には女性議員10%以下の国がまだ34カ国あって、日本は、堂々そのお仲間だ。

フランスは、20世紀まで女性政治参加後進国だった。その遅れをとりもどそうと、官民あげて運動を展開した。

その時のポスターがこれ。パリジェンヌが呼びかける。

「政治は男のものではない」

「あなたの地方で運動しよう」

それからウン年経って
フランス国中の3500人以上の市で、女性議員が22%から47.5%に
フランス国会下院の女性は、19%から26.2%に増えた

バリジェンヌの魅力に負けた? だけじゃない。そのカギは今、日本で問題になっている政党交付金だ。候補者を男女均等にしないと減額する罰則をつくったのだ。
詳しくは、I 女のしんぶん「叫ぶ芸術」を。

フランス、新しい男女平等法へ
仏、「歴史上の偉人に女性を増やせ」
フランス、性差別賃金会社に罰金刑
フランス「パリテ内閣」、「女性の権利省」誕生
21世紀のフランス革命
フランス議会は男女半々(パリテ)へ
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by bekokuma321 | 2014-12-06 16:14 | ヨーロッパ

西東京市のパリテまつり

c0166264_9522776.jpg西東京市に招かれた。世界の女たちのポスターを見ながらその背景や趣旨を話した。企画したのは、アイ女性会議の会員。

この市は、田無市と保谷市が合併してできた新しい市だ。会場に着いたら、「パリテまつり」という旗があちこちにたなびいていた。「パリテ!」と私は思わず声をあげた。会館の中にある西東京市・男女平等推進センターの愛称が「パリテ」なんだそうだ。

「パリテ」とは、フランス語で男女半々という意味だ。フランスで、国会・地方議会を男女半々にするために長年論争に次ぐ論争があった。その長い運動の末に憲法改正をしてパリテが取り入れられた。フランスのパリテ運動に関心があるかたは、パリテ論争に大きな影響を与えたフランスの元大臣へのインタビューを参考にしてほしい(下記)。

東京都の郊外に「パリテ」というフランス語が乱舞していることに驚いたが、市民の多くはクリスピーな言葉の響きのよさになじんでいるようだ。肝心の市議会は28人中女性8人。女性議員率28%だから、日本全体の平均よりは高いものの、パリテ(50%)にはまだまだ。

c0166264_1031833.jpgさて、「ポスターに見る世界の女たち」の参加者は、ポスターにまつわる秘話や、ポスターがつくられた政治的背景に関心を寄せた。右は、女性への暴力根絶のための啓発ポスター。ノルウェーの女性団体がつくった。

参加者の中には、所沢から駆けつけた人、なんと関西から夜行バスでやってきた人もいた。

会場に、女性への暴力根絶をめざすためのタペストリーが飾られていた。親しい間がらの殺人、傷害などによる検挙数のうち、被害者の92.4%は女性が被害者だ(警察庁)。女性への暴力は、殺人から、セクハラ、ストーカーまで多種多様だ。根底には、「女にはこれくらいのことしても、どおってことない」という考えが横たわる。そうした考えを減らすには、方針決定をパリテにすることは、きわめて重要だ。


◆フランス「パリテ内閣」、「女性の権利省」誕生
http://frihet.exblog.jp/17975910/
◆フランス議会は男女半々(パリテ)へ-イヴェット・ルーディさんに聞く-
http://www009.upp.so-net.ne.jp/mariko-m/colum2004-1euusa.html

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by bekokuma321 | 2013-02-04 09:57 | その他

11月21日、フランス社会党党首選、2女性で決選投票となった。

フランス最大野党・社会党は、20日、党首選で、3候補とも50%を獲得できなかったため、21日ロワイヤル前大統領候補(55)と、オブリ元雇用・連帯相(58)の2人で決選投票となった。3番目に立候補していた左派のアモン欧州議会議員(41)は戦線脱落し、どちらが当選しても初の女性党首誕生となる。

社会党は、選挙に突入する前までは、パリ市長のドラノエ氏(58)が有力視されていたが、いち早く立候補を断念していた。

20日の得票結果は、ロワイヤル42%、オブリ35%、アモン約23%だった。ロワイヤルが断然有利に見えるが、アモンが決選投票で左派のオブリ氏に投票するよう呼び掛けているという。

政治は男女半々にという「パリテ」導入以来、フランスの政治風景はまったく変わってきた。いつまでも変わらないのは日本。

http://news.bbc.co.uk/1/hi/world/europe/7741015.stm

http://www.france24.com/en/20081027-france-socialist-party-reims-congress-battle-leadership-bertrand-delanoe-segolene-royal-left

http://sankei.jp.msn.com/world/europe/081118/erp0811182233003-n1.htm
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by bekokuma321 | 2008-11-22 11:48 | ヨーロッパ