タグ:ノルウェー ( 607 ) タグの人気記事

先日、北欧とくにノルウェーのDV政策を多摩市で紹介した。

DVシェルターで働く人たちは両国ともボランティアだ。しかし、ただ同然で働く日本と、報酬を受けて働くノルウェーとの違いに驚いたという感想を多くいただいた。

中でもDVを受け続けてきた女性でなければ絶対に書けない感想に接し、日本の受け皿の貧弱さにあらためて悪寒が走った。

しかし、ノルウェーの性暴力撤廃運動にかかわる人たちは、ノルウェーの現状に決して満足してはいない。彼女たちは鋭く政府を批判し、改善策を求めて果敢に頑張っている。だからこそ問題の所在も明らかになる。また、DVシェルターに身を寄せる女性の半数以上がマイノリティだと言われている。イスラム世界からやってきてノルウェーで家庭を持った人には「強制結婚」「名誉殺人」さえある。事態は深刻化している。

そんななか、今秋ノルウェー総選挙があった。続投に決まった保守中道政権が、来年度からDV関係予算を削減するというニュースが届いた。

DV運動関係者はただちに予算削減を非難して、復活を求めてロビー活動を続けていた。どうなるのかと心配していたが、数日前「万歳! ありがとう」というDVシェルター連合代表Tove Smaadahlの声がネットに舞った。政府の予算削減案が退けられ、逆に増額されたというのだ。

日本なら考えられないDV関係予算増。その背景にあると考えられることを3つほど簡単にまとめる。

第一に、ハリウッド映画プロデューサー・ワインスタインのセクハラ報道をきっかけに、性暴力を告発する「MeToo(私も)運動」が世界をかけめぐった。ノルウェーでは、ワインスタインによる強姦被害を早い時点で公にした女優ナターシャ・マルタ(Natassia Malthe)がノルウェー人であることもあり大々的に報道された。ノルウェーのMeToo反応は高く、性暴力を許さないムードが一気に広がった。

第二に、11月、ジュネーブで国連女性差別撤廃委員会CEDAWがあった。そこでノルウェー政府レポートの審査があった。参加した民間団体代表は、性暴力対策への補助金がCEDAWから評価されていることを持ち帰って、ロビー活動や女性運動に拍車をかけた。

第三に、保守中道政権は少数政権で、予算通過は予断を許さない。ボランティアでDV被害相談をしている大学法学部生たちや、閣外協力をしている自由党国会議員らは、DV関係予算削減への反対に熱心だった。

c0166264_22591226.jpg
 ▲赤ちゃんを連れて駆け込んだ女性がいたのだろう。DVシェルター相談受付前にはベビーカーが置いてあった。ノルウェーのハーマル市

krisesenter
Vold mot kvinner:Vi bør lytte mer til sinte feminister
1040 kvinner snakker i dette oppropet ut mot overgrep i norsk musikkbransje(「世界で最も男女平等の国」でさえこのありさまだとMeTooを報道するアフテンポステン紙)
北欧DVシェルターは24時間365日オープン
[PR]
by bekokuma321 | 2017-11-23 23:10 | ノルウェー

c0166264_2017033.jpg私の周りには、幼い頃から常にDVがありました。その私から見て、日本でDV対応がちゃんとなされているとはとうてい思えません。

ですから福祉先進国といわれる北欧がどのような対応をとっているのか、とても興味がありました。それで三井マリ子さんの「北欧のDV対策と日本の今後」という講座に参加しました(注)。

刺激的ポスター
会場で渡された講演資料を手にとると、日本とはまるで違う刺激的なポスターのコピーが目に入りました。このような暴行を受けた女性のポスターを日本で貼ったら苦情が来るんだろうなと思いました。

でも、義母から10年にわたって食事を与えられない、殴る蹴る、押し入れに閉じ込められるなどDVを受け続けてきた私にしてみれば、DVの真の姿は、ノルウェーのポスターより実はひどいのです。

日本なら1250カ所のDVシェルター
お話が始まって、まず驚いたのは、ノルウェーには公的資金がはいっている駆け込みシェルターが50カ所あるということです。人口は大体500万人なので日本をノルウェー並みにするには、単純に数だけで1250か所は必要だと言う事になります。

日本に公的資金が入っているシェルターが何個あるのか、私はよく知りません。ただ日本では、DVを受けた被害者には、よほどの事が無い限り、外から手を差し伸べてくれるなんていう事はないと私は思っています。私が子ども頃に受け続けたDVは、完全に逮捕されるレベルだとは思うのですが、当時は「子どもへのしつけ」の一言で片づけられていました。

時代は変わりましたが、平成(1990年代以降)になっても、DV対策はあまり変わっていないようなのです。

日本の行政は被害者をたらい回しにする
公的なところ(女性センターとか、市役所とか)に相談窓口があるとは聞きますが、そこに行っても「それは警察に報告したほうがいい」とか言われます。そして警察に行けば行ったで「実家があるのなら、そこに頼れ」とか「自分で何とか逃げろ」とか言われます。理由も原因もさまざまなのに、日本の行政にはがっかりする事ばかりです。

駆け込みシェルターらしき所に接触したことはあるのですが、あれこれ制限があって、被害者側に立って親身になってくれるということとは程遠いものだ、と感じました。

c0166264_20244661.jpg

それに比べて、ノルウェーは1970年代からDV対策がこんなに進んでいたとは、本当に驚きました。

そのノルウェーも、初めは女性たちがポケットマネーでDV相談を開設したことからスタートしたのだそうです。日本にもそういう女性はいるのでしょうが、数少ないのでしょう。そういう女性も出る杭は打たれるで、続かないのかもしれません。議員や行政の幹部になる女性がいても、結局権力側についてしまい、DV対策というようなことに熱心になる人が少ないのでしょう。

24時間365日体制で滞在日数無制限、働く人は有給
それに比べ、ノルウェーのシェルターは24時間体制、365日オープン。本気度が凄くて、天国のように感じてしまいます。おまけに滞在日数に制限がないそうです。

正直、女性が経済的に自立出来る状況は、ノルウェーより日本の方が難しいと思えるのに、日本の場合、早期に退所して、早期の自立を要求されては、たとえDV家庭でも、家を出る事を躊躇する人がいても不思議ではないと思います。

そのうえノルウェーでは、シェルターで働く人たちの給料が国立病院の看護士と同一だったそうです。公的資金が入っているからだと三井さんは言います。日本とは比べ物にならない程充実しているノルウェーのシステム。私たちの税金は、こういうところを優先的に使うべきだとつくづく思います。

DV家庭の子どもの声を聞こうキャンペーン
ノルウェーではDV家庭の子どもの声を聞こうというキャンペーンが盛んにおこなわれたということも知りました。日本は、子どもの死因や問題の背景にDVがあることを見ようともしません。

たとえば、子どもが夜中に繁華街をウロウロするのが問題だと言いますが、子どもが家にいられない状況に置かれていることを真剣にとらえている行政があるのでしょうか。形ばかりのミーティング位はするのかも知れませんが、行政が真の原因に立ち向かおうとしているなんて聞いた事もありません。日本の行政って、人権を無視しすぎると思います。

ノルウェーでは、1960年代前は今の日本と似ていたと講演で聞きました。同じ年月を使ってここまで進歩してきたノルウェーと、ひょっとしたら後退してるような日本との違いに唖然としました。

三井さんは、最後のほうで、公的資金がDVに配分されるかなど予算を決めるのは議会だと言いました。議員を選ぶ選挙の仕組みが日本とノルウェーでは違っているのだと思えました。私が生きてる間に、この日本をノルウェーのような仕組みに近づけることができるのでしょうか。

中山 あみ(サバイバー)

c0166264_2028628.jpg


【注:2017年11月18日、東京都多摩市関戸公民館にて、
TAMA女性センター市民運営委員会企画「DV防止週間講演会」】

パパ、ママをぶたないで (三井マリ子連載)
いじめ対策にノルウェーのオンブッド制度を
子どもたちがはぐくむ平等と包括教育
ノルウェーでDV殺害事件
「愛するパパへ」
ノルウェーの子どもオンブッド
WHO 女性への暴力は地球規模で蔓延
オスロDV被害増える
北欧福祉社会は地方自治体がつくる
DV防止法8年、対応遅れる日本
[PR]
by bekokuma321 | 2017-11-21 20:46 | ノルウェー

変えなくてもいい日本国憲法を変えたい人が大勢、国会に増えた。

さて、ノルウェー憲法制定200年を迎えた2014年、私はオスロ中央駅の壁に巨大な展示物(下の1枚目)を見つけた。

「ノルウェーの肖像」 と題されたアート・プロジェクト。制作者はトロン・H・ハウゲン。 著名な絵画「1814 年アイツヴォル憲法制定議会」(下の2枚目)を、今風にアレンジして構成されていた。

最大の違いは、200年前の歴史的絵画に女性は一人もいないが、21世紀のポスターには女性が半数いることだ。さらに、労働者57人、失業者2人、学生6人、農業1人、移民13人、サーミ1人、性的マイノリティ6人、妊娠女性1人ーーノルウェー社会の正しい縮図が表現されている。

詳しい背景を知りたいかたは、「叫ぶ芸術 ポスターに見る世界の女たちーーこれぞ民意の反映(ノルウェー)」( I 女のしんぶん)をクリックしてどうぞ。

c0166264_16295626.jpg
▲2014年、オスロ駅に掲げられたポスター「ノルウェーの肖像」(トロン・H・ハウゲン)。憲法制定200年を記念して制作された。1814 年憲法制定会議の代議員 112 人の現代版。写真は本物を接写

c0166264_16261548.jpg
▲「1814 年アイツヴォル憲法制定議会」by Oscar Wergeland。ノルウェー全土から選ばれた112人で憲法をつくった。本物の絵画はノルウェー国会議事堂内に掲げられている。写真は絵葉書

連載「衆院秋田3区の政党交付金」第 24 話 死に票がない比例代表選挙
[PR]
by bekokuma321 | 2017-11-20 16:58 | ノルウェー

11月11日、恵泉バプテスト教会で、シンポジウム「選挙が変われば政治が変わる 第2回選挙マルシェ」があった。三井マリ子さんの基調講演は、9月に取材してきたばかりのノルウェーの国会議員選挙についてだった。

c0166264_1127438.jpg

◎高校の生徒会が、選挙期間に各政党代表を校内に招いて政策討論会を行う(スクール・エレクション)。
◎居住地でない投票所でも事前に投票できる(たとえば職場の近くなど)。
◎ほぼ全ての政党が、子ども向けの政策をつくって発表している。
◎小学生から選挙や政治に馴染んでいて、小学5年生になると授業で実際に各政党の選挙事務所に政策の調査に行く。
◎政党助成金は政党の本部だけでなく、政党の青年部にもダイレクトに送金される。
◎選挙は、国会議員も地方議員もすべて比例代表制。
など、など……。

パワポを駆使して、笑いを交えながらの熱いお話だった。日本との政治環境や選挙制度の違いに驚いた。

しかし、日本でも、独自に政党代表を招いての公開討論会をしたり、わかりやすい情報発信や、政治家と直接交流の機会を設けて若者政策を提言したりなど、主権者教育に取り組んでいる団体がある。

c0166264_1137717.jpg

講演を踏まえて、そうした4団体の代表による、パネルディスカッションがあった。4人は、自分たちの団体の活動内容や目的に加えて、政治・選挙について感じていることを元気に話してくれた。規制の多い日本の公選法や、政治への無関心など問題点が山積する日本の政治環境のなか、4人の熱心な活動を知って、前向きになれる力が自然と湧いてきた。

ランチ後のシンポには、現役議員9人が登壇(写真下)。政治に関わるようになったきっかけや子どもの頃に感じていたことなども聞くことができた。短い時間だったが、それぞれの個性や所属政党の政治活動についても垣間見えた。

今回は、会場からの質疑応答の時間はとれなかった。とはいえ、日ごろあまり接する機会のない政治・選挙の話を「聴く」ことから、考えさせられることや得るものが数多くあったと考えている。

司会進行という大役を終えて、今、ホッとしている。今後も、こうした活動に関わっていきたい、と思っている。

日向美砂子(全国フェミニスト議員連盟、小平市議会議員)

c0166264_11435633.jpg

【写真上:ノルウェーで撮影してきた映像を示しながら講演する三井講師。中:左から司会の日向美砂子議員、三井講師、4団体代表。下:超党派の議員による「若者の政治参加をどうするか」】(撮影 上・中anonymous、下三井マリ子)

「教育を変えなければ」と思った(選挙マルシェ)
市民に優しい選挙制度(ノルウェー)(東京新聞)
スクール・エレクションは民主主義の学校(ノルウェー)
投票者にも候補者にも優しい選挙(ノルウェー)
北欧福祉社会は地方自治体がつくる



 
[PR]
by bekokuma321 | 2017-11-16 12:04 | その他

ノルウェーの親友から「グレーテ・ベルゲがたった今、亡くなった」というメールが届いた。

グレーテ・ベルゲは、1991年、ブルントラント首相から懇願されてノルウェーの子ども・家族大臣に就任した。のちに世界の模範となったノルウェーの男女平等政策の多くは、彼女が陣頭指揮をとって進めたと言える。

c0166264_1944018.jpg

グレーテは乳がんだった。いったん治って職場に復帰したが、またがんが彼女に襲いかかったと聞いていた。再発の知らせが、こんなにも早く死の知らせに変わってしまうとは。63歳だった。遺された夫ペール・リッツラー(ジャーナリスト)と、2人の娘アンネとオッダに心からお悔やみを申し上げる。

グレーテ・ベルゲは、大臣就任以来、矢継ぎ早に家族政策の変革を打ち出した。まず、労働者の休暇などを定めた「労働環境法」を改正して、育休の日数を延長した。給与の8割が補償される育休が、1992年には44週に、93年には52週に延長された。無給なら3年間となった。1970年代はわずか18週だったことを知ると革命的進歩である。

さらに、日本で今ようやく政策のテーブルに載るようになった保育園の増設にも力をこめた。保育園に入りたい子がだれでもはいれるように、ノルウェー全土に6万か所の保育園建設を進めた。

でも、これは序の口だった。今では日本でさえ話題になる「パパ・クオータ」を世界に先駆けて法制化したのも彼女が大臣の時だ。1993年のことだった。

「パパ・クオータ」は、pappapermisjon を私が意訳して紹介したのだが、父親の育休取得率を上げるため、育休を父親のみに1か月割り当てるものだ。父親が会社の都合でとれないからといって母親に代われない。つまり「パパ専用」だ。パパがとれなかったら、その分の育休は無効になるばかりか休業補償もなくなる。グレーテ・ベルゲ大臣は、これを「愛の強制」と呼んでいた。男性が育児休業をとって家事育児の主たる担い手になることによって、男性が子育ての大切さに理解を示すようになる。これこそ究極の愛だと。

その結果は? 1994年まではパパの4%しか育休をとってなかったが、1998年には80%がとるように劇的変化をとげた。そして出生率が1.7から2.0近くにまで回復した。

ところが、第2子誕生が間近になった1993年暮れのこと、「グレーテはすぐ大臣をやめるべきだ」という声があがった。育休が保証されている国だとはいえ、現職の大臣がそれを実行できるかは大問題だった。夫妻は毎晩のように話し合って悩んだ末に、「1月から3月の3か月は母親が、その後9か月は父親がとろう」と決めた。

NRK(日本のNHK)のニュース報道ジャーナリストである夫・リッツラーが、9か月の育休をとったのである。そんな育休中の彼に私は取材を申し込んで、男性の育児・家事の必要性を聞くことができた。一部は「ジャーナリストの育休9か月」(毎日新聞社『男を消せ!ーーノルウェーを変えた女のクーデター』p48~p65)にまとめられている。

ペールのような男性が増え、現在ノルウェーは、男性の家事時間は世界で最も長く母親が世界で最も幸せな社会となった。

とはいえ、政権が変わり、現政権の子ども家族大臣は、「クオータ制反対です」と公言する進歩党(極右と言われている)出身のソルベーグ・ホルネだ。パパ・クオータも14週まで伸びることが予定されていたが、10週に戻された。2014年、グレーテ・ベルゲは、この政策変更をこう厳しく批判した。

「パパ・クオータが4週間減る、というだけの問題ではないのです。育児休業の根底が崩れようとしているのです。20年間、苦闘しつつ作り上げてきた政策であり、男女平等への道すじをつくる最強のツール、それがパパ・クオータなのです。この国の精神がゆらごうとしています。男女平等へのバックラッシュといえます。とても残念です」

しかし、グレーテ・ベルゲよ、あなたの掲げた炎は、世界中の多くのランナーに手渡されている。その証拠に最も近くであなたの男女平等政策を実践したペール・リッツラーはこう言っている(『男を消せ!』p65)。

「20世紀の家族革命は、19世紀の産業革命に匹敵するものです。21世紀には、男の領分が女に侵される恐怖感とか、罪の意識に悩む女とか、育休をとった僕がスポットライトを浴びるとかーーこういったことをあなたと話したことも笑い話になる日がくるはずですよ。きっとね!」

c0166264_1562493.jpg

【写真上:2011年、オスロの平等・反差別オンブッド事務所で執務中のグレーテ・ベルゲ元大臣。 下:1995年、グレーテ・ベルゲとペール・リッツラー宅の朝食テーブル。現職大臣グレーテ・ベルゲの朝食も子ども2人の世話もすべて夫だった。玄関にかかっていた表札は夫婦別姓、子ども家族省への通勤は大臣でも黒塗りの車ではなく公共の乗り物だった…】

世界一幸福な国ノルウェーの女性たち
World Happiness Report 2017
ノルウェーのワーキング・マザー
「ノルウェーが幸運なのはノルウェー女性がいるからだ」―首相
シングル・マザー、107倍の難関に合格
民主主義コンテスト 世界1はノルウェー、日本は20位
世界で母親がもっともハッピーな国ノルウェー
パパ・クオータ、7月1日から14週間に
父の日に
女性が働きやすい国、日本はブービー賞
ノルウェー、父親の育休14週間に
パパにもっと時間ができた!
ほらね、パパ・クオータはうまくいった!
■グレーテ・ベルゲ大臣やその男女平等政策について関心のある方は、以下をどうぞ。
「ママは大臣、パパ育児休業」(明石書店、1995『ママは大臣パパ育児』p232~246)、「ジャーナリストの育休九か月」(毎日新聞社、1999『男を消せ!--ノルウェーを変えた女のクーデター』p48~p64)
[PR]
by bekokuma321 | 2017-11-10 02:08 | ノルウェー

日本の選挙には課題が山積しています。一票の格差、女性議員の少なさ、死票の多さ、立候補の供託金の高さ、選挙運動の規制の多さ、投票率の低さ…。先月の衆院選で問題点はさらに明らかになりました。

11月11日、第2回選挙マルシェで話し合いませんか。元東京都議会議員三井マリ子さんの講演「見てきた! 民主主義度世界一の国ノルウェーの選挙」、次いで「自由な選挙、若者の参加する政治」について、若者たち、各政党の代表によるデスカッションをします。どなたでもお気軽にどうぞ!

c0166264_13573278.jpg


●選挙が変われば政治がかわる 選挙マルシェ
●自由な選挙、若者の参加する政治
●2017年11月11日(土)11:00から15:30まで
●恵泉バプテスト教会(中目黒駅徒歩8分)
●プログラム 
①海外報告と若者の応答対論 11:00-13:00 
「見てきた!民主主義度世界一の国ノルウェーの選挙:スクール・エレクション、クオータ制、比例代表制」by 三井マリ子(元都議)
「ワタシたちも選挙運動してみたい!」別木萌果(学生団体ivote代表)、芦刈深紗(高校生団体Women’s Innovation代表)、青年会議所(予定) ほか
②協賛団体によるリレートーク 約30団体代表者 13:00-13:30
③全会派議員によるシンポジウム 国会議員・地方議会議員 14:00-15:30
小松大祐都議(自民)、 高橋昭彦世田谷区議(公明)、 荻野稔大田区議(維新)、 落合貴之衆院議員(立憲民主党)、 音喜多駿都議(都民ファ)、 伊地智恭子多摩市議(社民)、坂井えつ子小金井市議(緑の党)、鳴海ゆり八王子市議(生活者ネットワーク)、司会:日向美砂子(小平市議)【共産党・希望の党交渉中】

c0166264_14172890.jpg


選挙マルシェ実行委員会(主催)
連絡先:03-3424-3287 (事務局 城倉啓)
[PR]
by bekokuma321 | 2017-11-07 09:09 | ノルウェー

c0166264_2394327.jpgノルウェーに、女性初の外務大臣が誕生した。イネ・エリクセン・スールアイデ(Ine Eriksen Søreide)だ。これまで防衛大臣だった。

9月の総選挙で、保守中道政権の続投と決まり、アーナ・ソールバルグ(またはエルナ・ソルベルグ)内閣にほとんど変更なさそうだ。スールアイデの外務大臣就任で、首相、財務大臣、外務大臣というトップ3が全て女性となった。

ノルウェーに、女性初という冠がまだ存在していたことに驚いた。首相や財務大臣などには女性が就任してきたが、外務大臣はなぜかこれまで男性だった。現外務大臣ボルゲ・ブレンデは、世界経済フォーラム(World Economic Forum)事務局長に任命されたため、次の外務大臣は誰か話題になっていた。

イネ・エリクセン・スールアイデは、オスロ選挙区から選出されている保守党の政治家。夫も保守党の政治家。2人の息子から花束を贈られたと報道されている。

【写真:Ine Eriksen Søreideのfacebookより】
[PR]
by bekokuma321 | 2017-10-20 23:18 | ノルウェー

カナダの首相ジャスティン・トルドーは、なんとクール!

「男の子をフェミニストにしよう。男の子には、この性差別文化を変える責任があるし、その力もある」と寄稿の中で言っていた。昨日の英紙ガーディアンの報道。

今日は、カナダではなくノルウェー。ノルウェーには、こんな男性フェミニストがいるよ、というニュース。

ノルウェーのサッカーチームは、来年から男女給与差を撤廃する。その方法がなんともクールだ。男子の給料を下げて、その分を女子の給料に上乗せするのだという。これまで、女性の給与は男性の約半分だった。

ノルウェーサッカー男子代表主将ステファン・ヨハンセン(26)の言葉が最高にクール。NRK(日本のNHK)のニュースから訳してみる。

「大きな格差があり、女性たちの給与を今より2倍にできるか問題でしたが、私は、そうしたいのです。それがあるべき姿です。彼女たちに励みになります。私たちは、ノルウェーのサッカーチームを前に進めたいのです。女子も男子と同じく重要です」

男性の給与を減らしても男女同一給与にすることが、「あるべき姿」だと言うのだ。それに引退したサッカー選手のエギル・オステンスタッドもすぐツィッターした。

「今週の最高の数学だね」

さて、日本のサッカー界はどうだ?

Herrelandslaget tar lønnskutt for å hjelpe fotballkvinnene


c0166264_19204873.jpg
▲先月、ノルウェーで行われたホームレス・サッカー世界大会。難民や移民の子どもたちのサッカー試合だという。オスロ市庁舎前の広場がサッカー場に早変わり。サッカーにも平等精神が花開く
[PR]
by bekokuma321 | 2017-10-14 19:34 | ノルウェー

投票所のバリアフリー

総選挙真っ最中だ。先月、民主主義度世界一の国ノルウェーの総選挙を取材してきた。東京新聞に報道され、今ならWebでも見られる

日本の選挙との余りの違いに驚いたという感想がいくつか届いた。中でも、投票所に行けない人へのケアの充実に驚いたという反響が複数届いた。

10月9日、精神疾患を持つ人たちへの日本の処遇について語り合う会「精神病院のない社会」
に参加した。テーマにはなかったが、精神病院に入院している人たちはどんなふうに投票をしているのかに関心を持った。

c0166264_19105478.jpg
 ▲オスロの某投票所。投票ブースにはカーテンがある。少しでも空いていると外から手の動きが見えるので係りがシュッと閉めてくれる。投票用紙はブースの中に政党ごとに整理されて並んでいる(左側)

ノルウェーでは重い統合失調症でも投票所で投票できるとされている。それを知ったのは、選挙前にNRK(日本のNHKにあたる)Web版を見たからだ。「投票できないのはどんな場合か?」というアンケート形式の記事で、こうあった。

「デアは重い精神病です。違法行為をしても刑務所に入れられることはありません。刑法では、デアの症状を、物事を判断できない状態としています。デアは投票できますか」「ハイ投票できます、イイエ投票できません」

答えは「ハイ」。オスロ大学の選挙専門家アーダール教授が解説する。「ノルウェー選挙法9条4項によると、投票所と投票ブースにおいて、投票手続きの正常な行為を妨害することは禁止されている。そうした場合のみ、選挙委員会委員長または副委員長は、投票権をはく奪することができます。それに当たらないから投票できます」

この報道によると、ノルウェーでは重い統合失調症の人も、投票所に行って投票することが前提のようだ。一方、先日の集会「精神病院のない社会」からすると、日本では世界でもまれなほどおびただしい数の人が精神病院に入院している。そうした入院患者の投票は精神病院内で行われるのだろうが、その際、医師など管理者が「この候補者に」と誘導する選挙違反を防ぐ手立てはどうなっているのだろう。

病院から投票所に行きたいと言ったら、外出できるのだろうか。できたとして、投票所で精神病を抱えた人が選挙権を行使できるようケアする人員は確保されているのだろうか。

知恵遅れの人で、自分で字を書けない場合は、投票所で「選挙公報紙」を見て、候補者を指さす方法があるらしい。別室かパーテーションで区切った投票ブースにして、外から見えないようにしたうえで、行うのだという。

ここまで書いて、日本では候補者名を書く行為が当たり前だと思われているが、この「自書式投票」は、心身に障碍を持つ人にとっては大きなバリアだと気づいた。「自書式」は世界で日本だけらしい。バリアフリー社会をめざすなら、「自書式」はただちにやめるべきだろう。日本以外のほぼすべての国が、政党名や候補者名が印刷された投票用紙を投票者が1枚選び取るという方法をとっているのだ。日本にできないとは言わせない。

それと、日本では投票ブースが、外から見られないようにカーテンを閉めるようになっていない。だから障碍者は、別室かパーテーションで区切った特別仕様の投票ブースで、となる。

でも、すべての投票ブースにカーテンがあれば、障碍者への特別扱いは不要だ。投票する場合の手の動きなどをだれからも見えないようにすることは、バリアフリーであるだけでなく、だれにとっても極めて大事なことだ。これもただちに改正すべきだと思う。

書き忘れたが、ノルウェーの投票所はすべてスロープ付きだった。

c0166264_19132120.jpg
     ▲高校のなかで行われる高校生の模擬投票。ここにもカーテンがちゃんと
[PR]
by bekokuma321 | 2017-10-12 19:19 | ノルウェー

c0166264_0335640.jpgノルウェーのVG紙は、10月2日、この3年間で少なくとも40人の患者が、本人の承諾なしに精神病棟で電気治療(ECT)を166回受けさせられた、とスクープした。

ECTはかつての「電気ショック療法」。日本ではどうかとネットで調べたが、国としての調査はないようだ。「総合病院精神医学」誌によると全国で年間42,358件という調査結果がある。患者自身の承諾の有無はわからない。

ノルウェーでは、法律でECTが厳しく制限されている。しかし当事者の承諾があって、しかもECTの他には命と健康をとりもどす方法がない場合に限って、医師に例外的使用が認められている。

VG紙報道の下になったのは、ノルウェーのオンブズマン制度である(注)。そのひとつシビル・オンブズマン(かつての議会オンブズマン)は、この当事者の承諾なしのECTに対して、法律違反ではないかと厳しい批判の目を向けている。

オンブズマン(オンブッドと中性表現を使うことが多い)には強い調査権があり、その権限を使って病院側などに対して情報を出させたことによって、実態が明らかになったと考えられる。

シビル・オンブズマン予防部のヘルガ・アービック(写真)は、「緊急に必要だったという理由でECTがなされているが、その緊急状態が数日間、数週間続いている。緊急に必要ということは、その人が死ぬかもしれない重篤な事態のことであり、そうした際の治療は即効性があるはずだ」(VG紙)

医師の側は、当事者自身の承諾を得られない場合は家族に相談した上でなされていると、VG紙に答えている。

VG avslører: Ga elektrosjokk 166 ganger uten pasientenes godkjenning
Psychiatric patients in Norway given electro therapy without consent: report

【注】この報道には、ノルウェーのオンブズマン制度が深く関与している。ノルウェーでは、法律というものは、独立した特別の監視機関がなければ十分に守られないとされている。その機関をオンブズマンといい、特別公務員である。そこには誰でもいつでも簡単に相談でき、無料でなければならない。シビル・オンブズマンは1962年「議会オンブズマン」として新設された。全ての行政にかかわる問題に関連する職員全体を包括する総合的オンブズマンといえる。その他、男女平等推進や差別撤廃に目を光らせる「平等・反差別オンブッド」(オンブッドはオンブズマンの中性形)や、マーケッティング規制法にもとづく消費者オンブズマン、子どもの権利や利益を擁護する子どもオンブッドなどがある。これらは国レベルのオンブズマンであり、地方にも別途オンブズマンがいて、社会的弱者に国の制度がちゃんと機能しているか否かを監視する。
[PR]
by bekokuma321 | 2017-10-04 00:34 | ノルウェー