ドナルド・トランプの下劣な言動には、私も虫唾が走った。
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公的健康保険の廃止、妊娠中絶反対、イスラム教徒差別、メキシコとの国境に壁、銃規制緩和、テロ容疑者への拷問容認…。   


さらには、大勢の前で、障害を持つニューヨークタイムズ記者の物まねをして彼をあざける。
辛辣な質問をした女性ジャーナリストに対して、「彼女のどこからであれ、血が出ていた」とからかう。

あげくの果てに、「スターなら、女に何でもできる。女性器をつかんだり、な」と、彼が友人に告げた言葉がワシントンポストに公表された。


バカにされっぱなしでたまるか。アメリカの女たちは、トランプのアメリカ大統領就任式の翌日にワシントンでデモをしようと決めた。

英語の女性器(Pussy)は、子猫という意味でもある。「女性器をつかめ」に対抗して、子猫の形のニット帽をかぶるのはどうかしら。帽子の色は「女の子はピンク」と決めつけてきたんだから、ピンクはどうかしら。

こんなおしゃべりが、ネットを通して世界に広まった。名付けて「子猫ちゃん帽プロジェクト」。

そして、121日のアメリカの首都、ワシントン。通りという通りは、ピンクのニット帽で埋まった。「さあ、どうだ、つかめるならつかんでみろ」と。

その子猫ちゃん帽プロジェクトのポスターがこれだ。ポスターには、「女性の権利は人権である」と書かれていて、中央の動詞ARE(=である)がピンクの毛糸で描かれている。その毛糸で編んだ小さなピンクのニット帽が2つ見える。

「子猫ちゃん帽プロジェクト」は121日だけで終わらなかった。38日の国際女性デ―には、日本でも「子猫ちゃん帽」をかぶった女性たちでいっぱいだった。

「子猫ちゃん帽プロジェクト」をもっと知りたい方は、叫ぶ芸術「ポスターに見る世界の女たち:反トランプ480万人のデモ」をどうぞ。


女たちのワシントン行進とPussyhat


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by bekokuma321 | 2017-03-21 15:55 | USA

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女たちのワシントン行進は大成功だった。主催者の予想をはるかに超えて、ワシントンでは50万人。全米では100万人を超す大行進となったらしい。

女たちのワシントン行進のシンボルは、ピンクのニット帽だった。通りを埋め尽くした人、人、人。頭には温かそうなピンクの帽子がのっかっていた。

ホームページによると、ピンクのニット帽をかぶろうというプロジェクトを思いついたのは、ロスアンジェルスのクリスタ・ス―とジェイナ・ジ―マンの2人。すぐにア―テストのオーロラ・レディも加わった。

これをかぶって、たくさんのフェミニストたちを元気にできたらすてきだね。そうね、1月21日は寒いしね。

こんな女たちの思いは、またたくまに形になっていった。ホームページで、簡単な編み方が指南される。編み物は昔から女たちの得意技。ワシントンに行けないお婆ちゃんが編んで参加する孫やその友人にプレゼントする。どっさり編んで知人の店に置いてもらい、その日までとりにきてもらう・・・。

そして、1月21日。

全米の女たち、男たちの行進を明るく盛り上げる最高の小道具となった。いや、アメリカだけでなく、世界何十カ国で行進があったらしい。私には、さきほどノルウェーから、ピンクの帽子をかぶってデモに参加した男性の写真がfacebookで届いた。

さて、この帽子には Pussyhatという名がつけられている。Pussy は女性器を指す俗語で、女性自身を指すこともある。「お前は女々しい奴だ(You are a pussy)」と男性を侮蔑するときにも使われる。卑猥なニュアンスがまとわりつき、女性がこのことばを口にすることはあまりなく、男性でも口にする人は多くないように思う。

しかし、あろうことか、ドナルド・トランプは、この単語を使ってワイ談を交わしていた。その録音がそっくり「ワシントン・ポスト」(2016年10月8日)で公開された。さすがの彼も「それはでっちあげだ」とは言えなかった。

彼の言葉は以下のとおり。これほどまでに女性を蔑んだ言葉があろうか。訳す労をとる気になれないので、自分で訳してほしい。

"I'm automatically attracted to beautiful [women]—I just start kissing them. It's like a magnet. Just kiss. I don't even wait. And when you're a star they let you do it. You can do anything ... Grab them by the pussy. You can do anything.”

ロスアンジェルスの3人や、賛同者たちは、「おびただしい数のピンクのPussyを見て、彼はどう思うかしらね」と、クスクス笑いながら編み棒を動かし続けたのではないだろうか。

1月21日、大統領トランプがその光景を見たかどうかは不明だが、ピンクのふわふわしたニット帽は最高の武器となって、彼の女性蔑視に一矢報いたことは確かだ。


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Pussyhat Project
Trump recorded having extremely lewd conversation about women in 2005(トランプの卑猥な言葉の録音が証拠として掲載されたワシントンポスト記事。テープ起こしされた文字も下劣極まりないが、録音からは彼の声の調子や笑いなどから女性に対する性的侮蔑がよりリアルに伝わってくる)
女たちのワシントン行進始まる(女たちのワシントン行進の目的が書かれている)
Politiet: 2000 marsjerte mot Trumps likestillingssyn i Oslo(ノルウェーでは、1月21日約2000人がオスロで「女たちのワシントン行進」に連帯した。オスロのほかベルゲンなどの他都市でも行われた)

【写真上:Pussyhat。pussyは子猫ちゃんという意味もあり、かぶると猫の耳のようになる。下:ポスター「女性の権利は人権である」。1995年の国連世界女性会議を象徴する言葉だった。ともに、Pussyhat Projectより】
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by bekokuma321 | 2017-01-23 00:10 | USA