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トランプ大統領は、国の財布のひもをしめることで、女性の命取りをはかろうとしているようだ。つまり、おびただしい数の女性たちの命が、米国予算削減によって、危険にさらされようとしている。

国内では、健康保健制度を改悪する法律が下院で可決され、いま上院で審議中だ。可決されるとーーメディケイド予算が削減され、妊娠年齢にあたる1300万人の低所得女性に深刻な影響をもたらす。避妊や性病予防教育をしてきた「家族計画団体」への予算削減によって事業がストップする。私的保険制度の対象から妊娠中絶ケアをはずされかねない。

国外に対しては「世界緘口令Global Gag Rule」の厳格化を決めた。世界緘口令とは、開発援助予算を妊娠中絶の促進に使われないような条件をつけるもので、共和党大統領が進めてきた。しかしオバマは、大統領指令によってその施行をとめて、世界の女性団体から大喝さいを受けていた。

ところが、トランプは、「世界緘口令Global Gag Rule」の復活を断行。単なる復活ではなく、より一層厳しい改悪へと、その手を広げた。

世界各国のNGOに、誓約署名をさせ、それを拒んだら、HIV対策、初期診療(primary care)、栄養補給、結核感染対策、マラリア対策を含めて、健康にかかわる全ての資金援助を受けられなくするというものだ。要するに、開発途上国の健康保健施策の息の根がとめられるのだ。これは、世界のとりわけ貧しい国々における数百万人の女性の命がかかっているとされる。

すでにトランプは、今年4月、国連人口基金UNFPAへの資金提供をやめた。それによってイラク、ネパール、スーダン、シリア、フィリピン、ウクライナ、イエメンなどで、ジェンダーに基づく暴力や妊産婦死亡と闘ってきたUNFPAに、著しい支障をもたらしているといわれている。

この緊急問題にどう対処すべきか。それを話し合うために、7月11日、国際会議「家族計画グローバル・サミットGlobal Family Planning Summit」が、ロンドンで開催された。報道から発言のポイントを訳す。

ホスト国イギリスの国際開発大臣プリティ・スシル・パテ(保守党)は「この問題の先端に対処しなければ貧困とは戦えない。少女・女性が自分の体をコントロールするチャンスを得ずして、彼女らの未来などない」と述べた。

すでに、スウェーデン、ノルウェー、カナダ、オランダ、ベルギー、デンマークは、トランプによる妊娠中絶施策の遅滞・禁止を知って、特別予算を組んで、資金援助を表明している。

c0166264_15483223.jpgそのひとつカナダの国際開発大臣マリー=クロード・ビボー(自由党、左)は、自国予算の使途内容を示し、アフリカを中心とする13カ国への資金援助のうち、10代の少年少女に対する「産む産まないことを決める権利と健康」を土台にした性教育に使われるようにすると述べた。彼女は、かねてから「私の政策優先課題の最優先課題は少女・女性です」と公言している。

「命の再生産――産む産まない権利と健康」は重要な政治課題だ。世界の多くの女性団体や関連クリニックや政府は、トランプ政権の流れに抵抗を示しながら、少女・女性たちのために闘う姿勢を示している。日本はどうだ。国会で具体的動きがないのか、報道からは何ら伝わってこないように思える。

それどころか、日本の性教育は、日本会議系国会議員山谷えり子などによる度重なる「性教育バッシング」で、すくなくとも教育現場の性教育は風前のともしびだ。

【写真】「2016年、世界で、2100万人の15歳~19歳少女が妊娠した。うち約半数は望まない妊娠だった」と記されている(ロンドンの「家族計画グローバル・サミット」で配布されたパンフレットより)

https://www.guttmacher.org/
Melinda Gates 'deeply troubled' by Donald Trump's planned budget cuts
Global gag rule: what impact will it have where you live?
These countries are pledging to fill the funding gap left by America’s controversial ‘global gag rule’
Family Planning Summit
Norway pledges $10 million to counter Trump's global anti-abortion move
Trump Signs Law Taking Aim at Planned Parenthood Funding
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by bekokuma321 | 2017-07-12 14:00 | USA



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216日(木)、メディアを敵視するトランプ大統領の記者会見が世界に流れた。


記者たちを小ばかにしながら、攻撃に終始した。なかでも、黒人女性記者に対する失礼で居丈高な態度に非常に腹が立った。


彼女の名はエイプリル・リアンApril Ryan(左)。ホワイトハウス付き20年以上のベテラン記者だ。アーバン・ラジオ・ネットワークAmerican Urban Radio Networks(AURN)のワシントンチーフとして活躍する。


トランプ大統領が突然開いたホワイトハウスの記者会見で、後ろのほうに座っていた彼女は、「CBC黒人議員連盟を インナーシティ政策を話し合う席に、加えていただけますか?」と大統領に尋ねた。インナーシティ問題とは、大都市の中心部のことで犯罪を含めさまざまな問題を抱える。


大統領はCBCを聞き取れなかったようなジェスチャーをして、後ろの席にいる彼女に「誰を加えるんですって?」と質問した。


すぐにリアン記者は、「黒人議員連盟を加えていただけるかどうか・・・」と略語CBCの正式名を言ったら、言い終わらないうちに大統領は彼女に対して「あなたが会合を設定したいんですか? あなたが会合を設定したいんですか?」と繰り返した。


リアン記者は「いいえ、違います」とすぐ否定した。彼女が否定しようとしている発言が終わらないうちに、またしても彼女に言わせまいとするかのように、かぶせて、大統領は「あなたの友だちですか? 会合を設定しなさいよ」と彼女に命じた。なんということだ。


記者の役割は、大統領と議員との会合を設定することではない。「会合を設定しなさい」とは、記者への侮辱である。彼女は、インナーシティ問題の検討に不可欠である黒人の議員団の声を大統領は聞くべきではないか、と全うな質問をしたのであり、それに大統領はまともに答えなかった。


この記者会見で、トランプ大統領は、さすがに「僕は女性差別をしない人間だ」とは言わなかったが、「僕ほど、人種差別をしない人間はいない」と自画自賛した。笑わせるな。リアン記者への侮蔑的態度こそ、彼が人種差別的人間であることの証明である。


このような人物が世界最強の権力を握ったのだから、嫌でも注視していかなければならない。


The Presidency in Black and White: My Up-Close View of Three Presidents and Race in America (April Ryanの著書)上の写真はその表紙
Trump's press conference footage in full – video

女たちのワシントン行進とPussyhat
女たちのワシントン行進、始まる
展覧会「嫌な女」
白人男性大統領の陰にある「勝者総取り」「隠れトランプ」

アメリカに反フェミニスト大統領誕生
アメリカ大統領選と「嫌な女」
オバマ、記者質問を全て女性に






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by bekokuma321 | 2017-02-18 23:31 | USA


c0166264_21155662.jpg「腹立たしいこと極まりない」


トランプ大統領によるイスラム7カ国旅行者の入国禁止について、こう語ったのはノルウェーの元首相だ。


キリスト教民主党のヒェル・ボンディビック元首相は、火曜日午後、国際会議に出席するためにワシントン・ダレス国際空港に降り立った。ところが空港で拘束されて、入国できたのは1時間後だった。


ヒェル・ボンディビックは、キリスト教民主党の元党首で、首相を2度務めた。現在は「オスロ・センター」という平和・民主主義・人権を擁護する独立機関の代表である。


報道によると、元首相は入国審査に外交官パスポートを見せて、「僕はノルウェーの首相でした」とも言った。すぐ、通過できると思ったという。

ところが、元首相は、中東やアフリカの国々から到着した人たちといっしょにある部屋に誘導された。そこに40分ほど留め置かれた。その後、外交官パスポートに記録された2014年のイラン渡航に関して、20分間、その目的について質された。「人権問題の会議出席のためだ」と答えたという。


「ある国の名前が目にはいると、すべてのアンテナがビビッと反応するみたいだ。まったく無用な疑いをかける」「テロの恐怖はわかるが、こんなやり方で、ある宗教の人々をまとめて、扱うべきではない」と彼は取材に答えている。


外交パスポートを保持するノルウェー元首相、キリスト教民主党の元党首、アメリカへの渡航目的はトランプ大統領も出席予定の「世界宗教家の朝食会」―――どれひとつとっても、トランプ大統領令にひっかかるはずなどない。


ひっかかったのは、ただひとつ。3年前のイラン渡航記録だけ。


ボンディビック元首相の話から、一般の人たちならどれだけ邪険に扱われるか想像できる。ましてやイスラム教の7カ国の人たちはいかばかりか。これが宗教に基づく差別でなくて何なんだ。ほんとうに胸が痛む。


Former Norway PM held at Washington airport over 2014 visit to Iran
The Oslo Center (上のボンディビック元首相写真も)
精神疾患を公表したノルウェー現職首相の思い出 (ボンディビック元首相の人となりがしのばれる記事)






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by bekokuma321 | 2017-02-04 21:45 | ノルウェー

展覧会「嫌な女」

展覧会「嫌な女」が1月12日からニューヨーク市など全米でスタートした。

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「嫌な女」は、アメリカ大統領選のテレビ討論会で、トランプ候補がクリントン候補に向かって言い放ったことばだ。

ネットで録画を視聴したが、トランプ候補は、正確には「なんて嫌な女だ」と言った。クリントン候補が、富裕層に増税をして社会保障にもっとお金を回すべきだ、と提案している真最中のこと。トランプ候補は、クリントン候補に最後まで言わせてなるものか、とかぶせて言ったのだ。

聞きしにまさる性差別主義者だ、とわかった。

この討論会以降、アメリカでは、クリントン候補を援護するツイッタ―が増えて無数の女たちが、「私も嫌な女だ」と宣言しはじめた。その1人は、「嫌な女 Nasty Women Vote」と書いたT-シャツを制作・販売したという。大統領就任式にあわせて、女性たちのデモ行進も予定されていて、その数、ウン十万人に上るらしい。

さて、展覧会「嫌な女」は、そうした女性の怒りを芸術で表現しようというプロジェクトだ。同ホームページによると、「女性の権利、個人の権利、妊娠中絶の権利を奪い取られそうになっている『いやな女』に連帯して企画された展覧会」。トランプ大統領就任を前に、これらの権利を守っている組織を支援するために「寄付を募る目的」も持っている。

ニューヨーク市だけでなく全米各地で同じ目的の展覧会がいっせいに開かれる予定だ。賛同する芸術家は、今のところ700人以上にのぼるという。アメリカ女性のファイトバックの速さ、巧みさには、ホントに脱帽する。ホ―ムページをのぞいただけだが、実際に行って見てみたいものだと思う。

Nasty Women Exhibition
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「嫌な女はどこにでも行ける」  
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by bekokuma321 | 2017-01-14 15:28 | USA

アメリカ大統領選の結果に怒りがおさまらない。次期大統領は、徹底した差別主義者だ。その彼に誰より先に思いっきりしっぽを振ってアメリカまで飛んで行った日本の首相。さらに怒りがわいてきた。

大統領選の真っ最中、テレビ討論会で、共和党のトランプが、民主党のクリントンの発言をさえぎって、こんな横槍をいれたーーー「なんて嫌な女だ」

その昔「嫌な女」呼ばわりされたことがある私は、トランプのような男性から「嫌な女」と言われるのは勲章かもしれない。そんな気分にもなって討論を聞いた。そして思い出したのが、このポスターである。
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「いい女は天国に行ける。でも嫌な女はどこにでも行ける」(三井マリ子意訳)。

作者も作成年代も発行元も不明。所持していたのは親友のノルウェー人マグニ・メルヴェール。先々週も、私はノルウェーの彼女の家に投宿したのだが、今もバスルームの壁に飾られてあった。

マグニは大学卒業後、ノルウェーの中都市エルヴェルムにある図書館で司書をしていた。1986年夏のこと、オスロ大学で開かれた「国際フェミニスト・ブックフェア」で、このポスターを見つけた。

国際フェミニスト・ブックフェアは、1984年ロンドンで初めて開かれ、続く2回目はオスロ。オスロ大学キャンパスを使って1週間催された。

女性によって書かれたありとあらゆる本が世界中から集められて、展示販売された。「女性解放と表現」をテーマのセミナーや、世界中の著名なフェミニスト作家を囲んでの、作品を論じ合う講座も設けられた。マグニが今でも忘れられないのは、エジプトの作家ナワル・エル・サーダウィの話だ。

サ―ダウィの話を聞いた後、マグニはこのポスターを買った。なぜか。その答えは、「叫ぶ芸術:ポスターに見る世界の女たち」嫌な女はどこにでも行ける(国際フェミニスト・ブックフェア)

アメリカ大統領選と「嫌な女」
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by bekokuma321 | 2016-11-18 21:30 | ヨーロッパ

c0166264_21502590.jpgヒラリー・クリントンは、アメリカ初の女性大統領とはなれなかった。次期大統領は、共和党の、不動産、ホテル、カジノで巨万の富を築いてきた実業家で、反フェミニストのドナルド・トランプだった。

彼は、数多くの女性たちからセクハラや性暴力で訴えられたり、日本に核武装を、などの言動の持ち主だ。また、日本会議のような右翼の政治組織「茶会(テ―・パ―ティ)」から支持を受けている。テ―・パーティは、公的健康保険も、妊娠中絶も、同性愛も、銃規制強化も認めていない。これらは、ヒラリー・クリントンが推進してきた政治テーマだ。

ヒラリー・クリントン支援者で映画監督のマイケル・ムーアは、10月、こう鋭く指摘している。

「トランプ支持者たちは、彼を『人間火炎瓶』だと思っている。システムを崩壊すると叫ぶトランプの考えが好きなのだ」

「トランプは単なるお笑いではない。皆、彼は自分たちのメッセンジャーだと見ている」

ガーディアン紙によると、トランプの勝利判明後、オークランド、ロスアンゼルス、ポートランド、ニューヨークなどで、早速トランプに対しての抗議のデモが起きている。当然だろう。

また、リベラル派のフェミニスト首相ジャスティン・トルドーが率いる隣国カナダ移民サイトにアクセスが殺到したためか、パンクした、とも報じられている。アメリカに住んでいたら、私だって逃げ出したい。

US election 2016: America wakes up to president-elect Donald Trump – live
Michael Moore: Supporters see Trump as 'human Molotov cocktail'
How Trump awakened a feminist revolution in America
18 Real Things Donald Trump Has Actually Said About Women Yes, this man is running for president
Mourning in America_NIGHTMARE: Prez Trump... America Elected A Man Who Said ‘Grab Them By The Pu**y’ Over The First Female President... Party Ends In Tears...
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by bekokuma321 | 2016-11-09 21:54 | USA