「パリのすべての若い人たちに訴えます。
パリで生まれようとまたはパリ以外で生まれようと、
パリにずっと住んでいようと短期間であろうと、
何を信じていようと、どんな階級であろうと、
今、パリにいる若ものたちに訴えます。

すべてのみなさんを、私は支援したい
とりわけ、友人や同僚や近親者を失ってしまった人たちを支援したいのです。
あなたは1人ではありません。パリのひとたちはあなたと共にあります。
何にもまして、あなたがたを誇りに思っていると伝えたいのです。
心配でいっぱいのはずです、心配でないはずはありません。
それでも、断固たる態度で、何よりも立ち上がっています。

あなたがあなたであること、
あなたの愛するもの、
あなたの仕事をあきらめてはなりません。
自分の旅路を、自分の見つけたことを、
好奇心いっぱいに、人には寛容で、生意気に、反抗的に、断固続けてください。
これがあなたたちに送ることばです。

パリをおおっている恐怖は当然ながら安全策を必要とします。
でも、この安全策は、あなたを拘束したり制限したりするものではありません。
コミュニティに自由と生活をとりもどすためのものです。」

c0166264_0511070.jpg11月26日、パリ市長のアンヌ・イダルゴが若者たちに向けて訴えたビデオ・メッセージだ。

テロの手に落ちた130人の命を追悼しつつ、
「生意気に、反抗的に」自分自身の夢を追い続けてほしい、と訴えている。

彼女は、パリで初めての女性の市長。しかも移民だ。

フランコの弾圧から逃れる両親に連れられて、スペインのサン・フェルナンドからやってきた。2歳だった。最初の夫との間に娘と息子1人ずつ、2番目の夫との間に13歳の息子がいる。

在日韓国女性が東京都知事になったようなもの。日本にその日がいつか来ることを祈りながら、彼女の感動的スピーチを和訳してみた。

La Maire de Paris s'adresse à la jeunesse parisienne
パリのテロから考えたこと
21世紀のマリアンヌ
パリ市長に移民女性か
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by bekokuma321 | 2015-12-04 00:57 | ヨーロッパ

このフランスのポスターは、我が家の階段の上部に飾られ、玄関に入って来た人を見すえている。パリで10年ほど前、入手した。

ポスターは、私に、同時多発テロの底に流れる、ある現実を教えているような気がしてならない。

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昂然( こうぜん) と顔を上げて、女たちは発言する―― 「私たちは、娼婦でも女中でもない」。ショッキングピンクで書かれたフランス語は言っている。

なんという言葉の力よ。Putes は娼婦。Soumisesは召使、転じて主婦という意味にも使われる。この「娼婦か主婦か」は、その昔、女性の立場を表すフランスの決まり文句だった。

ポスターからこちらを見すえている女性たちは、アラブ系、アフリカ系と思われる。かつてフランスが支配していた国々から、移民としてやってきたか、または移民の家庭に生まれ育ったフランス人だろう。彼女たちの多くは、清掃、ウエイトレスなど、フランス人が敬遠する低賃金で不安定な単純労働に従事している。フランス社会を支えているのは、こういう人たちだ。

ポスターは2001年に作られた。制作者は「女性ゲットーに反対し平等を求める女性の行進」という女性解放運動団体だ。女性ゲットーとは、女性が圧倒的に多い職場をさす。

この団体は、男性中心の文化や固定観念を否定し、個性あふれるひとりの人間としてフランスに生きる移民女性を世に出そう、と運動している。

彼女たちは、自由・平等・博愛の国フランスに生まれ育った。まぎれもないフランス人だ。しかし働く場は冷たい。白人とは異なる差別に泣かされる。そんな仕事を終えて、疲れた体を引きずりながら帰宅する彼女を待っているのは、移民1世の父親が投げつける「お前はこうあるべきだ」という罵声だ。

しかし彼女たちは負けてはいない。銃ではなく言葉でファイトバックするーー大空に向かって、「私たちは娼婦でも女中でもない、フランス人だ」と。

パリに生きるイスラム系男性には、イスラム系女性とは異なった疎外感や屈辱感(男らしさの呪縛ゆえの)があるのだろう。私の小さな想像力など及ぶべくもない。

でも、彼らに必要なのは、ポスタ―に見る女たちのような言葉による闘いだ、と思う。


叫ぶ芸術「ポスターに見る世界の女たち」ー娼婦でも女中でもない!(フランス)(ずっと下のほうにあります)
21世紀のマリアンヌ
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by bekokuma321 | 2015-11-15 20:00 | ヨーロッパ

5日、6日、ノルウェーで、恒例のスクール・エレクションと呼ばれる投票が行われる。今年は、いつにない盛り上がりを見せている。ノルウェー国営放送NRKの報道を中心に要約する。

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統一地方選の投票日は9月12日だ。その1週間前、スクール・エレクションがある。全国489校のうち、414校、185,350人が登録。2年前の国政選挙390校より100校近く多い。4年前の地方選より11000万人多い。地方選挙は国政選挙よりも関心が低いのが普通だが、今年は違う。

スクール・エレクションとは、ノルウェー全土の高校生が行う“模擬投票”だ。ノルウェーの高校生は16歳から18歳。選挙権は18歳からだから、多くの生徒にはまだ選挙権がない。しかし、ノルウェーにはスクール・エレクションというプロジェクトがあり、積極的に若者の政治参加を奨励する。

9月12日が投票日なので、スクール・エレクションは、9月5日(月)、6日(火)に行われる。結果は、教育省(文部省のこと)傘下の調査機関NSDに集められ、高校ごとに政党支持率が出され、全国に報道される。中学生も参加できるが、集計は高校生のみのようだ。

今年の高校生は、なぜ選挙に高い関心を寄せているのか。理由は明らかだ。7月22日のテロの犠牲となったのは、労働党青年部の夏合宿に参加していた10代の若者だった。半数以上は女性だ。死傷者の中には、選挙の候補者リストに載っていた候補者もいた。現職の議員さえいた。

首相をはじめ指導者たちは、「暴力へのわれわれの回答は、さらなる民主主義であり、さらなる政治参加だ」と訴えた。オスロ市庁舎前の広場で行われた市民追悼会には50万人が集まり、その訴えに賛同した。

生き延びた若者の中には、トラウマに苦しむ人、衝撃から立ち直れない人、選挙どころではない人も多い。

しかし、ムニール・ヤ―ベルMunir Jaberは、選挙運動に全精力を注ぐ。「ユトヤ島では殺されないために必死だったが、今は選挙運動に必死です」と、高校で、チラシまきや候補者リストの説明に忙しい。

労働党青年部はHPで訴える。「夏のテロに対して、投票で、われわれは沈黙しないことを示そう。最も高い投票率で」

http://www.nrk.no/nyheter/distrikt/hordaland/1.7778521
http://www.nrk.no/nyheter/innenriks/valg/valg2011/1.7775606
http://oslo.auf.no/-/page/show/10277_om-oss?ref=mst

写真はオスロの労働党青年部HP(oslo.auf.no)より。前列右の、黒いターバンをしたプラブリーン・カウア(Prableen Kaur)は、インド出身。18歳ながら、オスロ市議会議員候補で、タクシー運転手の娘だという。
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by bekokuma321 | 2011-09-06 00:48 | ノルウェー

NRKが報道する19日のノルウェーの地方選挙運動から。

c0166264_2231746.jpgヘレン・カルテンボーン(20歳)。7月22日、乱射事件の起きたウトヤ島にいた。死に向き合った。たくさんの友人を失った。来年の夏まで、「ウトヤ」のリストバンドをするという。あの日、あそこにいた証のために…。

テロの襲撃の傷がいえないまま、住まいのあるノーラン県に帰り、9月の投票に向かって選挙運動に突入する。

労働党青年部の夏合宿のはじけるような日々は、22日を境に地獄に変わった。それでも彼女は県会議員候補として、これから3週間、1軒1軒を戸別訪問し、選挙運動に精を出すという。

テロ犯人は、自分たちが最も大切だと考えている多様性に満ちた社会を呪い、襲った。だから、一層多様性のある社会をめざさねば、という。将来は医師志望。

20歳の女性の強い意志! 

http://www.nrk.no/nyheter/distrikt/nordland/1.7751697
http://www.nfk.no/artikkel.aspx?MId1=3932&AId=17010
http://www.nfk.no/Filnedlasting.aspx?MId1=3958&FilId=10208
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by bekokuma321 | 2011-08-19 20:49 | ノルウェー

ノルウェーはベルゲン在住のリンダール・裕子さんから、メールが届いた。労働党を標的にした、22日の襲撃事件についての現地情報です。


■ノルウェーの労働党を狙ったテロ事件■

マリ子さんもきっとご存知のオスロ近辺で起こったテロ事件ですが、とても人ごととは思えません。ターゲットは間違いなく私たち労働党です。同じ労働党員の息子さんや娘さんたちがとても心配です。

まだそれほど知っている訳ではありませんが。私の息子の光(ひかる)も、もしかして将来今回ターゲットになったユースグループにはいるかもしれないので、これからどうなるのか不安ではあります。

でも、生き延びたリーダーの人が、「たとえ自分達がターゲットになったとはいえ、ぼくたちの政治的思想を隠すことはしないし、逃げもかくれもしない。勝利はテロリストではなく、ぼくたちだ。」と、微笑ましいことを語っていました。

私自身、愛用しているリュックに反射鏡付きの労働党のマークを付けていますが、これからも隠すことはもちろんしませんし、どうどうと歩いて行くつもりです。

リンダール・裕子
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by bekokuma321 | 2011-07-24 01:38 | ノルウェー