c0166264_18421527.jpgテレーザ・メイがイギリス保守党党首となり、首相に就任した。イギリス史上2番目の女性の首相だ。1番目のサッチャーとは違って、リベラル派のようだ。

党首選や、党首就任での彼女の演説には、保守党とは思えないような表現がいくつかあった。ほんの少し和訳して紹介する。

「もしも、あなたが、貧困家庭に生まれたら、そうでない人たちより9歳若く死亡し、
もしも、あなたが、黒人なら、白人よりも、きつい刑事司法手続きに苦しめられ、
もしも、あなたが、白人男性なら、誰よりも大学に進学する可能性は高く、
もしも、あなたが、公立校卒なら、私立校卒よりも高いポストにつくことは少なく、
もしも、あなたが、女に生まれたら、男より賃金が低く抑えられ、
もしも、あなたが、精神病なら、十分な手助けは得られず、
もしも、あなたが、若者なら、自分の家を持つことは、かつてなく困難です」

「社会は、すべての人たちのためにあります。私たちは、人々を再びとりもどさなくてはいけません。金持ちと貧しい人、北部の人と南部の人、都会の人田舎の人、若い人と年老いた人、男性と女性、黒人と白人、病気の人と健康な人、公務員と民間会社人、技能のある人とない人」

「保守党はすべての人たちのためにあります。我々、保守党員は、すべての人のために働く政党の党員であってはじめて、すべての人たちのための社会をつくりあげることができるのです」

過去の報道を読むと、かねてから、彼女は、同一価値労働同一賃金の推進し、同性婚を認め、DVへの警察対応の強化をせよ、などと公言してきた。男女平等大臣としても活躍した。

選択的夫婦別姓さえ目の敵にし、憲法24条を骨抜きにする勢いの、日本の、自民党女性大臣・女性国会議員とは、ずいぶん違う。

ちなみに、テレーザ・メイは、20代のとき、ディスコで出会ったフィリップ・メイ(夫)の家が靴の卸売業だったことから靴に関心を持ち、以来、靴にこっているという。どうでもいいことだけど・・・。

This is what Theresa May said about the kind of Prime Minister she'll be – and what she really meant
Theresa May’s economic medicine
Britain’s Theresa May says to narrow pay gap if appointed PM
Can Theresa May get the wheels of British business turning again?
イギリス次期首相への侮蔑発言
イギリス、同一価値労働同一賃金へ
[PR]
by bekokuma321 | 2016-07-17 18:44 | ヨーロッパ

c0166264_2132998.pngキャメロンのあとのイギリス首相は誰か。最終候補に残ったのは女性2人だった。エネルギー担当相のアンドレア・レッドサムと内相のテリーザ・メイ。どちらも50代の働き盛り。

国のトップの座をめぐって男性同士の争いは当たり前だが、アメリカ大統領選のおかげで男女の論争もやっと珍しくなくなった。しかし女性同士は、まれだ。EU、国防、難民、福祉、雇用・・・に、女性2人はどんな政策の違いを出すのか。楽しみにしていた。

ところが、最終候補の1人アンドレア・レッドサムエネルギー担当相がアッと言う間に降りてしまった。そのため、何の論戦もなく、もう1人のテリーザ・メイ内相が首相に決まった。

なぜアンドレア・レッドサムが首相候補を降りたか。メディアによると、「タイムズ」に掲載された彼女のインタビュー発言、「母親である私のほうが、いい首相になる」が原因らしい。

アンドレア・レッドサムは、3人の子どもの母親だ。しかし一方のテリーザ・メイ夫妻には子どもがいない。子どものいない家庭への侮辱であるとの猛烈な批判が起こった。テリーザ・メイの支援者は、「この発言で、間違いなく、彼女が一国の指導者にふさわしくないと示された」。彼女の盟友の国会議員まで「この発言には失望し、愕然とした」。

男性の場合、子どもがいないことで資質を問われたりしないが、女性は、結婚していないと何か言われ、子どもがいないと何か言われる。この女性に対するレッテルはりは、古今東西変わりなさそうだ。

アンドレア・レッドサムは、ただちに謝罪したらしい。が、覆水盆に返らず。そさくさと戦列から離脱した。

日本では、とてもこうはいかないだろう。公人の女性蔑視・侮蔑発言を真剣にとりあげてこなかったメディアにも責任がある。たとえば、次の2人は、公に謝罪もせず、辞職もしなかった、と記憶している。

「 “文明がもたらしたもっとも悪しき有害なものは「ババア」”なんだそうだ。“女性が生殖能力を失っても生きているってのは無駄で罪です”って」(石原慎太郎都知事)

「産む機械っちゃあなんだけど、装置がもう数が決まっちゃったと。……別に、この産む役目の人が一人頭で頑張ってもらうしかないんですよね」(柳沢伯夫大臣)

日本のメディアには、この参院選中、「改憲隠し」という見出しが躍った。私に言わせると、日本のメディアは年から年中、「女性差別隠し」をしている。

イギリス、同一価値労働同一賃金へ
Andrea Leadsom apologises to Theresa May for motherhood remarks
Leadsom attacks 'gutter journalism' in row over motherhood quotes
Parliament and Women(イギリス国会における女性のサイト)

More
[PR]
by bekokuma321 | 2016-07-12 21:11 | ヨーロッパ