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赤松良子賞を受賞した。

赤松良子賞の授与は、国際女性の地位協会の活動のひとつである。

その国際女性の地位協会は、国連の世界女性会議で開かれたケニアのナイロビにおける「女子差別撤廃条約を知ろう」というワークショップから生まれたのだという。日本津々浦々に女子差別撤廃条約を広めるために・・・。

女子差別撤廃条約こそ男女平等社会をつくってゆくための最大の武器だ、と私は思ってきた。今もその思いは変わらない。

いつでもどこでも、正確な条文を示せるようにと、縮小版をつくって手帳の表紙裏にはさんで、長年、持ち歩いていた。スマホを使い始めてからはやめた。

その女子差別撤廃条約を日本政府が批准するまでの道は平たんではなかった。その陰に、労働省のトップにいた赤松良子の獅子奮迅の頑張りがあったことを、『均等法をつくる』(赤松良子、勁草書房)で知った。

その赤松が、国際女性の地位協会に創設したのが、赤松良子賞だ。女性差別撤廃条約の精神を体現する活動をしてきた人に授与される。

2012年11月25日、私は授賞式と記念シンポジウムに出席して、賞状(↓)と副賞を受けとった。

私の受賞理由は、鳥居淳子審査委員長によると、クオータ制を初めて日本に紹介したことと、バックラッシュ裁判を闘って勝利したことにあるらしかった。

クオータ制は、1980年代にノルウェーで知って以来、執筆・講演で知らせてきた。さらに全国フェミニスト議員連盟の仲間たちと、国会議員や政党にロビー活動をしてきた。みな、時間がいくらあっても足りないほど忙しい議員をしながら、男女平等の世の中をと頑張ってくれた。全国フェミニスト議員連盟の彼女/彼らの連帯と友情あふれる闘いがなければ、私は、ここまでこれなかった。

バックラッシュとは、女性差別撤廃条約嫌いの反動的動きをさす。大阪府豊中市では、男女共同参画推薦センター館長だった私の首を切る勢いだった。私は解雇されたが、豊中市の女性たちは立ちあがった。裁判を支援する「ファイトバックの会」ができた。あしかけ7年、最高裁勝利までの、あの顔、この顔・・・。

赤松良子賞は、私とともに闘ったこうした人たちへの賞だ。そして、「女性差別撤廃条約、クオータ制をさらにひろめなさい」という激励だと思う。

さあ、これからが本番だ。

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▲村越まり子「三井マリ子さん赤松良子賞を受賞」AFER 2013.2.20(クリックすると拡大されます)

連載「クオータ制」5 クオータ制が生んだ名物教授
連載「クオータ制」4 欧州連合EU議会は35%が女性
連載「クオータ制」3 インドの目標は33%
連載「クオータ制」2 それは政党の候補者リスト作りから始まった
連載「クオータ制」1 あの国でも、この国でもクオータ制
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by bekokuma321 | 2013-04-26 23:16 | ノルウェー

c0166264_17244948.jpg4月18日、ドイツ下院は、会社取締役にクオータ制を入れる与党法案を否決した。320対277、棄権1だった。2018年から20%でスタートし、段階的に女性を増やしていくという法案も日の目をみなかった。

アンゲラ・ドロテア・メルケル首相が出した法案は、2023年から取締役の40%を女性にするというもの。ドイツ経済界は、「外国企業は逃げてゆく。市場は混乱する」と猛反対を続けていた。

メルケル首相は、当初、強制的クオータではなく、自主的に女性を増やす方法を準備していた。しかし、党内の激しい議論を経て、40%クオ―タ制の法案となった。

労働社会問題相ウルスラ・フォン・デア・レイエンUrsula von der Leyenは、強固なクオータ制賛成派だ。高い人気を誇り、キリスト教民主党CDUの副党首でもある。メルケル首相の煮え切らない態度に、彼女は、「この重要なテーマに断固たる態度を」とけん制した。

おもしろいことに、クオータ制をめぐっての激しい党内討論を経、CDUは、次の国政選挙のマニフェストに30%の取締役クオータを入れることになったという。

取締役クオータの元祖は、ノルウェーだ。ノルウェーで、会社の取締役に女性40%を義務づけた法律ができたのは、2003年。「株式上場会社は2008年から、国営会社は2004年から、両方の性の人が少なくとも40%いなければならない」という法律だ。

ノルウェー・メディアは、「ノルウェーから見ると、ノスタルジックな議論をしているようだ」とドイツを評している。

さて、わが日本。ドイツ下院にあたる衆院には、7%ちょっとしか女性がいない。クオータ制法案を議論しているドイツ国会中継見たが、なんと女性が多いこと(左上)。日本と大違いだ。

女性議員が7%ちょっとの国会では、クオータ法案どころの話じゃない。それより、まず北欧やドイツのように、もっと女性議員を増やすことだ。政党が真剣になればできる。国会に男性を送るだけなら、政党交付金を返してほしいと思う女性が大勢いる。

http://www.nrk.no/ytring/merkels-sinte-medsostre-1.10992851
http://www.dw.de/boardroom-quota-for-women-rejected-by-german-bundestag/a-16755599
http://www.spiegel.de/international/germany/germany-rejects-law-requiring-board-quotas-a-895238.html

■ドイツ誌「シュピーゲル」、ノルウェーのクオータ制を特集
http://frihet.exblog.jp/18068588/
■日本の女性議員率、世界161位
http://frihet.exblog.jp/19247165/
■新潟日報「ノルウェー政界の男女平等:クオータ制が後押し」
http://frihet.exblog.jp/15353813/
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by bekokuma321 | 2013-04-22 17:41 | ヨーロッパ

赤松良子賞記念シンポジウムがあります。

ちょっとはずかしいのですが、不肖わたくしが、本年度の赤松良子賞に選ばれました。

これまでの活動と、「バックラッシュ裁判」に勝利した不屈の精神による、と、今年7月、選考委員会からお知らせをいただきました。

ご都合のつくかた、ご参加をお待ちしております。一緒に喜んでいただけたら、最高にうれしいです。

■2012年11月25日(日)13:00~
■文京学院大学本郷キャンパス・スカイホール 
http://www.u-bunkyo.ac.jp/about/page/hongo/d/6f.html
〒113-8668 東京都文京区向丘1-19-1

1部 赤松良子賞贈呈式 13:00~13:30
2部 記念シンポジウム「クオータ制で女性の政治参画を!」 13:30~

3部 懇親会 16:00~ (懇親会のみ11月15日まで要申込み 国際女性の地位協会 FAX 03-5905-0365 Email:info@jaiwr.org )

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by bekokuma321 | 2012-11-05 10:49 | その他

c0166264_2352799.jpgEU行政機関といえるヨーロッパ委員会は、2020年までにすべてのEU加盟国の取締役の40%を女性にすることを定める新法を準備している。

欧州連合EUの女性政策をロビイング活動団体「ウィメンズ・ロビー」からのニュース。「ウィメンズ・ロビー」は、ヨーロッパ委員会や、EU議会議員に精力的に運動を続けてきた。

◆Quotas only way to 'shatter the glass ceiling' for women
http://www.euractiv.com/socialeurope/campaign-group-boardroom-quotas-news-514952
◆Women on Boards in Europe: From a Snail’s Pace to a Giant Leap? (2012)http://www.womenlobby.org/spip.php?article3188&lang=en
■“取締役クオータ制”、ついにEUに
http://frihet.exblog.jp/16802719/
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by bekokuma321 | 2012-09-24 23:53 | ヨーロッパ

c0166264_21354943.jpg●連載● クオータ制は平等社会への一里塚 第5回

クオータ制が生んだ名物教授

三井マリ子(全国フェミニスト議員連盟国際部)

昨夜、私はノルウェー空港に到着した。友人ハンネ=マッテ・ナールッドの葬儀に参列するためだ。享年54歳。癌だった。

ハンネ=マッテは、オスロ大学の政治学の名物教授。入念な調査に基づいた事実をわかりやすい表現で伝え、メディアの人気者だった。彼女の死を伝える新聞には、「最も頻繁にコメントを引用される教授の1人」と書かれている。

ある日、彼女の兄のオーレは私に「ノルウェーのクオータ制がなければ、ハンネ=マッテがこんなに早く教授になれなかった。でも、彼女はクオータ制で採用されたことを快く思ってないんだよ」と言った。2001年秋だった。

ノルウェーのクオータ制については、本連載2回目で触れた。しかし象牙の塔でのそれについては書けなかったので、この機会に紹介する。

長年、ノルウェー政府は、社会のあらゆる分野に男女平等を浸透させるためさまざまな政策を実行してきた。大学も例外ではない。男性に偏っていた教授会を正すためにノルウェー政府は女性を増やす政策をとるよう大学に奨励した。

まず、大学側は、1990年代末、未来の教授の卵である博士課程に女性を増やすクオータ制を採用。その後、クオータ制は大学教授や準教授のポストにも及んだ。政府はクオータ制のための特別予算を組み、オスロ大学には3人の女性教授の特別枠を設けた。その枠にはいったのがハンネ=マッテだった。

しかし、大学教授へのクオータ制導入は賛否両論。ハンネ=マッテと同様、女性教授たちの多くの意見は「大学のポストは能力主義であるべきです。クオータ制には賛成しません」だった。

現在、大学教授にクオータ制は実行されていない。横やりを入れたのはEUだった。2000年、オスロ大学の同僚が、女性教授の特別採用は性による平等条項を定めたEU指令に違反だとEU法廷に訴えたのだ。2003年、EU法廷が判決を下しノルウェー政府側が負けた。以来、ノルウェーでは、女性教授を増やすクオータ制が禁止された。

ノルウェーはEU加盟を国民投票で2度も拒否した国だ。そのノルウェーが、EUの決定に従わなければならないとは、おかしな話のようにみえる。しかし、ノルウェーなどEU非加盟国は欧州自由貿易連合EFTAにはいっていて、そこがサービス・人・資本の自由移動をEU並みに保障している、という理屈のようだ。

ノルウェーのEU加盟反対を主導したのは、クオータで政治的な力を付けた女性たちだった。「EUに入るとこれまで闘いとってきた福祉や平等政策がEU基準に引き下げられる」と心配して、加盟を思いとどまらせたのだ。実際、この主張は当たっている。

クオータが、ハンネ=マッテを教授というポストに就かせたのは、事実だ。でも、それを言われることが、文句なしに優秀なハンネ=マッテの自尊心を傷つけたのも、これまた事実だ。まさしくクオータは、それなしで女性登用が進むようになるまでの暫定的制度なのである。

(2012年7月26日ノルウェーにて)

【全国フェミニスト議員連盟ニュースレターAFER 74号、2012年夏 より転載】

■生きること、それは愛すること(Å leva, det er å elska)
http://frihet.exblog.jp/18281201/
■オーレ・グスタフ・ナ―ルッド「重荷を背負って・・・」
http://frihet.exblog.jp/18305075/
■オスロ大学、男子への加算点認めず
http://frihet.exblog.jp/17952525/
■“取締役クオータ制”、ついにEUに
http://frihet.exblog.jp/16802719/
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by bekokuma321 | 2012-08-31 21:29 | ノルウェー

(クリックすると大きくなります)

日時:2012年8月18日15:00
会場:東海ジェンダー研究所
http://www.libra.or.jp/map.htm



◆Fem-News
クオータ制についての記事は69点。左欄の「タグ」⇒クオータ制をクリックしてどうぞ。
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by bekokuma321 | 2012-07-11 14:29 | 北欧

(長野日報、2012.6.15.クリックすると大きくなります)

6月14日、長野県下諏訪のホテル山王閣で、「世界の女たちは今」と題した三井マリ子さんの講演会があった。

眼下に諏訪湖が広がる会場には、長野県内はもちろん、遠くは大分県、山口県、愛知県などから約80人が集った。主催は、地元下諏訪で永く町議をつとめ、長野県内の女性議員増に努力してきた樽川通子さんがけん引してきた「政治学習塾しなの」。

三井さんの話は、この4月発売された『バックラッシュの生贄ーーフェミニスト館長解雇事件』に詳述されている体験から始まり、世界の女性の運動に移り、そして、私たちは今何をすべきかに迫った。

日本の女性議員比率(衆院)は、20年前、世界の中で121位だったという。それが今134位へと順位を落としている。この日本女性の悲しい現実の裏にあるもの、それは、ずばり“バックラッシュ”である。三井さんはホワイトボードに、「バックラッシュ=反動」と書き、男女平等推進を後戻りさせようとする反動的政治勢力である、と説明した。

バックラッシュ勢力は、男女平等に努力する女性が成果をあげようとすると、その女性をターゲットにし、陰湿、暴力的なやり方で排斥しようとする。狙い撃ちされた三井さんは、この勢力の思い通り、いったんは職場を完全排除された。しかし、そのまま引き下がらなかった。あしかけ7年の歳月をかけ、最高裁までを闘い抜いた。それを最高裁は、バックラッシュ勢力に屈して三井さんを首にした豊中市や財団を「人格権の侵害であり違法である」と断罪した。

「男女共同参画社会はトイレやお風呂が男女一緒になる」、「フリーセックスとなり家庭や社会が崩壊する」などという嘘やデマを流し、多くの人に畏怖感を与えてきたバックラッシュ勢力の言動に、司法が初めて歯止めをかけた。

三井さんが長く研究してきた北欧ノルウェーは、クオータ制の国だ。物事を決める場は一方の性が40%いなければならないというシステムを持つ。そのおかげで政界はほぼ男女半々になった。

今のノルウェーの課題は、男女の賃金の完全なる平等である。国政選挙前に、女性団体や労働組合が主になって、政党にこの要求をつきつけるのだという。三井さんは、持参した1枚のポスターを会場にはった。女性看護師の顔が大写しになっている。鼻の下に髭が書かれている。顔の下にはノルウェー語で「ひと筆で格差はなくなります」。髭は男性の象徴だ。

女性は男性と同じ仕事をしているのに、女性だから賃金が低い。ならば、男性に変われば(髭をつければ)賃金はあがるんです、と皮肉たっぷりに訴えているのだという。選挙前に、主要新聞やインターネットにこのポスターを掲載した。その経費4000万円。女性が主体の看護協会から拠出された。

ノルウェーに限らず、世界は、日本の女性議員増加率をはるかに超えて、スピード感をもって増やしている。その秘密は「クオータ制」と「女性運動」にあり、と三井さんは言う。

後、議員経験あるいは立候補経験を積んできた各地の女性たちからの現状報告が続いた。

女性が当選しにくい日本の制度を変える必要はあるが、その困難な日本の現状を超えてなお、女性議員を出そう!出てください!と、締めくくって会は終了した。

岡 田 ふ さ 子(『バックラッシュの生贄』を広める会)
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by bekokuma321 | 2012-06-15 10:11 | その他

●連載● クオータ制は平等社会への一里塚 第4回

欧州連合EU議会は35%が女性

                   三井マリ子(全国フェミニスト議員連盟国際部)

1995年の阪神大震災の後、災害復興に欠けていた女性の視点を貫き、獅子奮迅の働きをしていた正井礼子さんに私は言った――「議会に女性への暴力に取り組む女性がいないことには、変革は難しい。議員になってください」

1999年春、正井さんは悩みながらも神戸市議に挑戦した。無念!次点だった。当選はできなかったが、彼女の経験や知恵は、NPO法人「ウィメンズネット・こうべ」を通して広がり、今、東北大震災の復興対策に生かされつつある。

でも、北欧やEUだったら、正井さんは国会または地方議会で予算を動かす立場にいて、さらに影響力を及ぼしていただろう。

正井さんだけではない。「女性の人権」に敏感で行動力あふれる女性運動家は、全国に数多い。あの顔、この顔…。だが、こういう人たちが日本で当選するのは難しい。

私は、1994年春、ベルギーのブリュッセルにある欧州委員会から招かれて、欧州連合EUの男女平等政策の調査に携わった。いま欧州議会は35%が女性だが、当時はわずか19%。欧州議会選挙を控えて、欧州委員会男女平等機会局が「女性議員を19%から25%に」というキャンペーンを展開していた。

キャンペーンの担い手は、男女平等機会局の中の「決定権を持つ女性」という名の専門部だった。オフィスでは、「世界の親の81%が父親で、19%が母親なんて想像できますか」「なぜ、毎朝、議会の81%の人が髭を剃らなければならないの」という皮肉たっぷりのスローガンが考案され、パンフやテレビ広報用スキットができていた。これを加盟国に流すのだと言う。活動は公費で賄われる。

欧州委員会はいわば行政機関で、これに並列してストラスブルグに欧州議会がある。議員は、加盟国ごとの人口比で議席が配分され、それが各国民の手で選ばれる。時の政府が代表を決める国連などとは、全く違う。選挙は比例代表制が原則である。英国のように通常は小選挙区制の国であっても、欧州議会議員を選ぶときは比例代表制なのである。

比例代表制だと、各国の政党は、「クオータ制を採用せよ」と主張しやすい。この結果、女性や社会的弱者が当選しやすくなる。「35%が女性議員」は、こうした仕組みから生まれた。


(全国フェミニスト議員連盟「AFER」 73号 2012.5 より転載)
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by bekokuma321 | 2012-06-12 20:30 | ヨーロッパ

c0166264_11185449.jpg6月10日、東大駒場で、討論会「地方議会に女性を増やすには」が開催された。ゲストは山口県本郷村からやってきた勝又みずえさん。

主催は「女政のえん」。16回目の今回初めて聴衆が50人を超えた。勝又さんは、新しい歴史をつくったといえる。その勝又さんのこれまでの運動は、女性議員増につなげるヒントに満ちていた。聞き手は私、三井マリ子。

恵泉女子学園大学園芸科を卒業後、勝又さんは、長崎で花屋さんを開業し、20年間切り盛りした。1985年40歳を過ぎてから本郷村の入村募集を読んで、一家で移り住むことを決意。当時1700人ほどの過疎の村に移住した。

10年後の1995年、村の人たちから「議会に出てほしい」と懇願されて、村議会議員選挙に立候補。当選を疑わなかった。ところが、あけてびっくり。何と21票。落選だった。「応援します」と言った人も入れなかったのでは、と疑心暗鬼に。

1995年といえば国連世界女性会議の年。山口県代表の1人として選挙前から参加が決まっていた勝又さんは、北京に出発。落選の失意をかかえての渡航だった。知人の後をついて歩くだけ……その行きついた先で、全国フェミニスト議員連盟が、ワークショップを開いていた。「そこで、この女性と会ったのです」と、聞き手の私を指さして笑った。目の前の女性たちを見て「こうじゃなくっちゃ駄目だ」と納得。

再立候補。票を倍増し47票に。3度目のチャレンジでは59票まで増えた。しかし落選。わずか5票差だった。

その間、村には産業廃棄物処理場建設が浮上。反対運動の副会長として、山口県に請願を出し建設却下をさせた。後に本郷村は岩国市に合併。本郷村初の女性候補は、本郷村最後の女性候補となった。

このような「女性ゼロ議会」は、本郷村だけではない。日本の地方自治体の4分の1にのぼる。

村の選挙は、候補者の家が選挙事務所になる。そこに親戚縁者が集まって飲み食いするのが慣例。選挙期間中も、外は静かなもの。女性候補も初めてなら、手作り選挙カーで、村中を回って公約を演説して回ることも初めての光景。勝又さんにならって選挙カーを回して訴える候補者が出るなど、選挙方法にも影響を与えた。

3度の挑戦と、国際会議での経験から、「クオータ制」こそ女性議員増の鍵だと確信する。2年前、男女共同参画第3次計画に「クオータ制」が入った時、政党にクオータ制をやる気があるかどうかアンケートを出した(全国フェミニスト議員連盟として)。返事が来ない。電話をかけた。「クオータ? そんな言葉が入っている? 何かの間違いでは?」。自民はもちろん民主までクオータ制には全く関心がなかった。会場に参加していた山口県選出平岡秀夫衆議院議員秘書が返事に窮して「勉強させていただきます」と。

今年は、女性ゼロ議会の長崎県西海市を訪問。DV男にストーカーされていた女性の母と祖母が殺害された事件のあった市だ。事件後初の議会を傍聴した。驚くべきことに、そのDV事件についての関連質問はなかった。質問のテーマはいのししだった。女性の命よりいのししのほうが大事だと考える「女性ゼロ議会政治」を見た。

しかし、勝又さんの経験でわかるように、都会などを除いて女性の当選は困難だ。女性は立候補すら難しい。女性議員ゼロの町に住む橋本ヒロ子さんの母親を訪問して、町会議員立候補を考えた時の話を聞く。昔、彼女は、「婦人会に、町の助成を切る」と言われて断念したという。

相模原市議会改革にとりくむ赤倉さん(男性)、千葉県柏市の田口さん(男性)、『婦人公論』元編集長の湯川さん(WINWIN)、千代田区議小枝さん、埼玉県八潮市議矢澤さん、東京大学職員黒野さん、「女性企業家・リーダー名鑑」著者伊藤さん、会社のセクハラと裁判官の女性蔑視発言を訴えた夏井さん、横浜市議会を一人で傍聴し続けてきた女性、などなど、会場発言が続いた。

「クオータ制特区」の実行、地方選挙の比例代表制への変革、女性排除の区割り慣行の撤廃、女性の組織化、ひとりでも取り組む覚悟、雇用や教育の場での女性の意欲を削ぐ言動の根絶……など多くの提案があった。



◆6月10日女性ゼロ議会撲滅に命をかけて:勝又さんのトーク
http://frihet.exblog.jp/18050064/
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by bekokuma321 | 2012-06-11 11:17 | その他

■■■■■■ ノルウェーは、女性の地位向上の実験場 ■■■■■■ 

c0166264_2365940.jpg外国企業は逃げてゆく。市場は混乱する。国は破滅する。みな女のせいだ・・・。

ドイツが、今、熱い火花を散らしている。その論争のテーマは、会社の取締役の女性割合を40%にするクオータ制。

ドイツの有力週刊誌「シュピーゲル」(Spiegel)、5月29日号を要約しよう。

ノルウェーで、会社の取締役に女性40%を義務付けた法律ができたのは、2003年だ。保守党の産業貿易大臣(写真)の発言がきっかけをつくった。「株式上場会社は2008年から、国営会社は2004年から、両方の性の人が少なくとも40%いなければならない」という法律ができた。以前はわずか7%だった。

その後、フランス、スペイン、オランダ、ベルギー、イタリアが、ノルウェーにならって取締役クオータを導入した。

ところが、ドイツはまだだ。政府内で賛否が分かれている。労働大臣はクオータ制賛成派。しかし、家族大臣は自主的推進がより効果的だとする反対派。

リブ・モニカ・スタホルトは、ノルウェーの弁護士でノルウェーエネルギー省政務官を務め、現在大会社の副社長だ。彼女の弁はこうだ。

「クオータ制は、女性だって専務取締役になれる、と考えるようになる効果を持ちます。男性特有の言動が、受け入れられやすい時代は終わったのです。女性であっても、他の女性を男性的メガネで見ないようにしなければならない。物静かな女性を弱々しいと見たり、大きな声の女性を気が強いと見たりしてたでしょ。男性だったら、同じような資質の人を思慮深いと見たり、力強いと見たりしてましたね。結局、女性は、受け入れられる言動が狭かったといえます」

また、ノルウェー・テレノ―ル電話会社の産業開発部の副専務ヒルデ・トンネは、こう言う。長い髪をエレガントなポニーテールにしている。

「最初、クオータ制に疑問を持ちました。でも、クオータ制は、最も優秀な人物を会社に登用する道具として使えると思うようになりました。つまり、人口の半分以上の人たちにチャンスを与えることになるからです。なぜなら、実際、女性は排除されてきたからです。つまり、何千年もの間、男性の側にクオータ制を与えてきたと言えるのです。人口の半分が除外されていることは、優秀な人間を捨てているのと同じなのです」

c0166264_13365168.jpg取締役クオータに詳しいシンクタンク、オスロの研究機関所長マリット・ホーエル(写真)の分析はこうだ。

「ノルウェーで、女性が経済界にたどり着いたのは、平等の理念からだけとはいえません。1970年代、国の経済の課題がありました。社会福祉国家は、インフレと闘うため拡充されていきました。公務職場と政治の距離は短い。多くの女性が公務職場に入っていき、そして、彼女たちは政治家になり、女性のための政治を作り上げていったのです」

以上は、ドイツ誌の記事だが、私も、ノルウェーの取締役クオータを追ってきた。1990年代末、政界の女性進出は進んでいた。それに対し経済界は相変わらず男性偏重だった。男女平等オンブッドがキャンペーンをして意識改革をしていた。当時は、女性に根強い反対があった。

法の制定に至るまでは、ノルウェーであっても、その道のりは平坦ではなかった。ドイツの今は、2000年前後のノルウェーのようだ。

さて、わが日本は。紅一点の閣僚、女性国会議員率は堂々の世界134位。しかし、ドイツのような議論を国会でしたという話など、まったくなし。政治家は、やれ刺青を探せだの教員の口を見張れだの、小沢さんがこう言ったあー言っただの、法務大臣が競馬サイトで遊んでただのーーー男性政治家たちよ、ふざけるな!



◆Norway's Gender Quota A Laboratory for the Advancement of
Womenhttp://www.spiegel.de/international/europe/how-norway-led-the-way-in-gender-quota-success-a-835738.html
■現地ルポ 「ノルウェー民間企業の取締役は4割が女性!!」の背景を見る
http://janjan.voicejapan.org/world/0812/0812173697/1.php
■ノルウェーで女性重役旋風 :私企業にもクオータ制導入の動き
http://www009.upp.so-net.ne.jp/mariko-m/nor_jjyoseiyuyaku.html
『ノルウェーを変えた髭のノラ』(明石書店)にノルウェーのクオータ制が詳述されている。その成り立ち、賛否両論、政治的動き、経済界の動き、学者の分析など。

[写真撮影は三井マリ子@オスロ]
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by bekokuma321 | 2012-06-06 23:21 | ノルウェー