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11月7日、ベリット・オースの「支配者が使う五つの手口」が、ノルウェーの労働環境法研修サイトに新しくアップされた。

ベリット・オースは、「クオータ制」を世界で初めて実行したノルウェーの政治家だ。

1970年代、ベリット・オースは、民主社会党というミニ政党の党首に就任し、「党内の決定の場は女性と男性50%ずつにすること」と決定した。1975年、民主社会党は左派社会党に吸収され、ベリット・オースは、その左派社会党の初代党首となった。左派社会党は、「すべての決定の場は、どちらかの性が40%を下回らない」と決定した。

そのベリット・オースの「支配者が使う五つの手口」が、最近、息を吹き返している。

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昨日、「支配者が使う五つの手口」を載せたサイトは、ノルウェーのコンサルティング会社「労働環境センター」がつくったものらしい。働く場の人間関係をよくして、職場環境をよくしようという目的の会社で、対象は、雇用主から被雇用者まで幅広い。

「支配者が使う五つの手口」は、ベリット・オースが、60年代ごろの自らの屈辱的体験を、心理学で分析し、男性が女性を抑圧するときに使う方法を、5つにまとめたものだ。

女たちには勇気を奮い立たせ、男性には日ごろの女性蔑視的言動を気づかせる、すばらしい教材だ。

ベリット・オースがなぜクオータ制にこだわったかを教えてくれる貴重な小話だ、と私は読んだ。

70年代から、北欧諸国を中心に世界に広まった。アイスランドでは、ベリット・オースを招いて講演があり、その講演後、「女性党」が誕生したと言われている。1995年の北京国連女性会議に参加した私は、アジアの女性たちも、これを読んでいると知った。

「これを読めば、クオータ制がなぜ要るか、わかる」――クオータ制を広めようとしていた私は、90年代に英語版から和訳を完成した。しかし出版はかなわなかった。

c0166264_1110227.jpg2003年、ベリット・オースは、来日して日本のあちこちで、「支配者が使う五つの手口」を講演した。その時、日本人にわかりにくい部分をどう言いかえるかについて私と長い時間話し合った。こうして、新たに「支配者が使う五つの手口」が完成した。しかし、またも単独での出版は難しかった。

やっと2010年、日本で読めるようになった。『ノルウェーを変えた髭のノラ』(三井マリ子、明石書店)に、「支配者が使う五つの手口」として、全文を挿入できたのだ。全15ページ。

ベリット・オースも日本での刊行をたいそう喜んでくれた。中国語に堪能な息子に少し訳してもらった、本に掲載した写真(右)の表情が気にいった、と手紙をくれた。

日本のすべての働く女性、そして、すべての雇用主、政治家の必読文献だ。

【写真:上はデンマークの自治体が作成した冊子「支配者が使う五つの手口」の表紙。下はクオータ制の母ベリット・オース。どちらも『ノルウェーを変えた髭のノラ』(三井マリ子、明石書店)より転載】

Berit Ås’ fem hersketeknikker
Rachel Carson Prize for Berit Ås
ベリット・オース、80歳の闘い
クオータ制を日本にも
「現地ルポ 『ノルウェー民間企業の取締役は4割が女性!!』の背景を見る」
女性議員を増やすために ~ノルウェー選挙に学ぶ~
連載「クオータ制」5 クオータ制が生んだ名物教授
連載「クオータ制」4 欧州連合EU議会は35%が女性
連載「クオータ制」3 インドの目標は33%
連載「クオータ制」2 それは政党の候補者リスト作りから始まった
連載「クオータ制」1 あの国でも、この国でもクオータ制
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by bekokuma321 | 2014-11-10 10:25 | ノルウェー

クオータ制を日本にも

今朝の毎日新聞、加藤登紀子さんの連載「Tokiko's Kiss」に、滋賀県知事だった嘉田由紀子さんがゲストで出ています。

2人の対談ですが、後半はクオータ制について熱弁をふるってます。女性の政治参加には、やっぱりクオータ制ですね。

先月も、毎日新聞は、クオータ制についてわかりやすい記事を書いてました。コラム「発信箱」で、「政府がお手本」というタイトルでした。書いたのは福本容子論説委員。

この記事の後半は、『ノルウェーを変えた髭のノラ』(三井マリ子、明石書店)を参考にしていました。引用します。

◎◎◎
2016年までに上場企業は取締役の3割以上を女性に−−。またヨーロッパの急進的な国かと思ったら、東南アジアのマレーシアで政府が打ち出した目標だった。

強制力はまだないけれど、時間がかかりすぎれば義務化やむなし、という声もあるみたい。

政府が民間の目標に踏み込んだのには、ある成功体験があった。04年、「行政府は管理職の3割以上を女性に」と閣議決定し達成したことだ。決定前に18%だった女性比率が6年で32%である。

日本も同じころ、似たような30%目標を閣議決定した。こっちの期限は20年。だけど、時間があればできる、というものでもない。むしろ逆かも。昨年10月時点の中央省庁平均(課室長職以上の女性比率)は、「過去最高」で3%!

「見える化」とか言って府省ごとの成績も公表しているけれど、見えるのは寒々とした現状だ。10%超は、消費者庁と人事院くらい。15年度の“目標”が「3%程度」で昨年実績0.7%(1人)の金融庁も、特段ひどい感じはしない。

上場企業に「男女とも取締役の40%以上」を法律で義務付け、違反が続けば解散処分という超厳罰で目標を達成したノルウェー。言いだしっぺは男性の産業貿易相だった。その彼が言い切っている。「財界の男女均等なんて、法律で規制でもしなければ、何十年かかってもできない」(三井マリ子著 「ノルウェーを変えた髭(ひげ)のノラ」)

企業の自主性に任せなかったノルウェーと、数値目標さえ各社ご自由に、の日本。政府がお手本になれるか、政権に覚悟があるかが決定的に違う。集団的自衛権で発揮した、あの指導力でなら、「30%」なんてちょろいと思うけど。(2014・10・10)◎◎◎

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みんなの党や民主党が、政党の綱領にクオータ制を入れるというニュースがありました。クオータ制を三井さんが日本に紹介して四半世紀、やっと、日本の政党がクオータ制に本腰を入れ始めたようですね。

おかはしときこ さみどりの会

赤松良子賞と女性差別撤廃条約
11月25日赤松良子賞記念シンポ
男女共同参画白書とクオータ制
日本の政党にクオータを実行する気は見えない
ノルウェー外務大臣とクオータ制
連載「クオータ制」5 クオータ制が生んだ名物教授
連載「クオータ制」4 欧州連合EU議会は35%が女性
連載「クオータ制」3 インドの目標は33%
連載「クオータ制」2 それは政党の候補者リスト作りから始まった
連載「クオータ制」1 あの国でも、この国でもクオータ制
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by bekokuma321 | 2014-11-03 17:12 | ノルウェー

6月14日、エポック10で開かれたセミナー「今こそクオータ制」の報告です。

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あの名調子の「マリ子節、炸裂!」でした。

とくに女性議員の割合が日本は189か国中161位、と不名誉な数値に吠えたのでした。この閉塞状況をなんとか打破したいと、気迫のこもった語りに圧倒されました。

「ノルウェーはこんなにもすてき!」とだけいわれても「絵に描いた餅」で虚しい。が…しかし、三井マリ子さんの講話は、そのような次元に留まってはいません。三井さんが現地で取材し、撮影したスライドを使っての事実の重みと具体的提案があります。レジメから抜粋して報告します。

先ずノルウェーの根底には「男と女で決める社会」という共通な社会観があります。「国会も地方議会も選挙制度は完全比例代表制」です。

だからこそ、「国会・地方議会とも約40%が女性議員」であり、「男女が半々ずつの閣僚で組閣」、「主要7政党のうち5政党が女性党首」という実態ににつながっていくのです。

各地方議員は昼間、正規の仕事をしています(公務員で議員の人も沢山いる)。「地方議員は無報酬」です。比例代表制ですから、日本のように選挙に個人の持ち出し金は皆無です。

次に公教育場面のスライドでは「小学生が授業で政党の選挙事務所にインタビュー」に行ったり(下の写真)、「政治をタブー視しない学校教育として、公立高校での模擬投票」や、それを大きく報道する地方メディアの話しもありました。

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上記のようなノルウェー流の政治・教育改革を日本でも実行できないものでしょうか。それで初めて女性原理も活かされた社会運営が為されると思います。

未曽有の原発巨大過酷事故を起こした日本、その一因である男中心の政治。14日の講演会のテーマである「今こそクオータ制、今こそ女たちの出番」(ノルウェー王国大使館後援)のかけ声を全国津々浦々に響かせること以外に、日本再生の道は有り得ないと…私は思います。あなたはどう思いますか?

2014年6月17日 田口房雄(緑の党 Greens Japan 会員)


5月17日はノルウェー憲法生誕200年
違憲判決から考える格差なき選挙
比例制選挙がいい
北欧福祉社会は地方自治体がつくる
男性偏重政治が原発政策にもたらす弊害

【写真上:豊島・健康と環境を守る会提供、 下:授業時間に選挙事務所を訪問し質問する小学生。オスロ市内で三井撮影】
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by bekokuma321 | 2014-06-18 17:04 | ノルウェー

池袋のエポック10で開催された三井マリ子さんの講演「今こそクオータ制」に参加しました。
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ノルウェーは、政界の主要7政党のうち5政党の党首が女性、経済界でも2008年から大企業取締役の4割が女性です。男女ともに育児休暇が1年以上保障されていて、そのうち14週間はパパしかとれないようになっています。世界一女性が働きやすい国と言われています。

そんなノルウェーでも19世紀までは女性は抑圧され卑下されていました。

しかし、ノルウェーの女性たちは、1970年代、女性の地位向上のため、超党派で女性議員を増やす運動を始めました(下の写真)。女性の増えた国会で、クオータ制が必要と考えた女性議員たちが、1988年に男女平等法を改正してクオータ制を国の法律で制定したのです。なんとも羨ましい話です。

1970年代の世界的なウーマンリブの流れや、またEU加盟をめぐる国民投票で女性たちがEU加盟反対を勝ち取ったという時代背景もあった、と三井さんは説明しました。

さて、日本はどうか。女性の国会議員比率は8.1%、世界189カ国の中で161位だそうです。

羨ましがっているだけでは前進しません。日本の女性議員を増やすにはどうしたらいいのか? 

まずは女性が政治の場に出て行くこと、それには選挙に立候補する女性を増やすこと、そして、その女性候補をバックアップすること、それが求められるのはないでしょうか。

c0166264_22301666.jpg参加していた豊島区議会議員の山口菊子さん(左)から、「豊島区では、婚姻暦のない一人親家庭でも寡婦(寡夫)控除等の優遇措置を受けられるようになったと」との報告がありました。

これまで子どもの母が、寡婦、未婚の母、離婚の母というように夫との関係で区別されて未婚の母の子どもへの行政サービスが差別されていたのですが、北欧ように、改正されたのです。女性の視点があったればこその明るいニュースでした。

地道な努力を続けていれば、あの70年代のウーマンリブのような、そして、1990年頃のマドンナ旋風がまた起きるかもしれません。今こそ女性が頑張る時だと思わせられた講演会でした。

山 城 和 代

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チラシ「女性に投票せよ!」。1970年~1980年ごろの女性運動。比例代表なので政党の決めたリストが投票用紙となる。しかし有権者は、リストに並ぶ候補者の順番を変えることができる。当時、その変更権を使って、上位の男性を線で消して下に並べられた女性を当選させようとした。

【写真上・中:豊島・健康と環境を守る会、下:当時のノルウェー女性運動に参加した人の自宅で三井撮影】
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by bekokuma321 | 2014-06-17 22:09 | ノルウェー

ノルウェーの家族・福祉政策のセミナーにどうぞ。
●6月14日(土)13:30
豊島区のエポック10 
●講師 三井マリ子(女性政策研究家)

下図にポインターをあてると大きなサイズになります。



講演会「今こそ、クオータ制」
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by bekokuma321 | 2014-06-11 09:54 | ノルウェー

子どもが4人いても、女性がフルタイムで働ける・・・。
世界一女性が働きやすい国といわれるノルウェー。

職場、くらし、こどもたちは、いったいどうなっているの?
そういう国をつくってきたのは誰? 

FEM-NEWSを主宰する三井マリ子の撮影した映像を見ながらのセミナー。
6月14日、池袋駅すぐの「えぽっくテン」。

●2014年6月14日(土) 13:30~15:30
豊島区男女平等推進センター(勤労福祉会館 3階)


▲クリックすると大きくなります。

6月14日イベントチラシ(豊島区男女平等センター・ホームページ)
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by bekokuma321 | 2014-05-25 15:40 | ノルウェー

c0166264_14513916.jpg「私はクオータ制に反対です」

日本の政治家が言ったならニュースにはならない。しかし、ノルウェーの女性の大臣が言ったとなると別だ。

しかも、子ども・平等・ソーシャルインクル―ジョン省の大臣。この省は、男女平等推進をつかさどる、いわば、男女平等省だ。

ノルウェーは、クオータ制発祥の国だ。女性の政財界への進出を大胆に進めるクオータ制によって世界に名をとどろかせている。その国に、いったい何が起こったのか?

昨秋、ノルウェーは、国政選挙後、保守党と進歩党の連立政権を誕生させた。メディアによると“生粋の保守政権”である。両党とも党首は女性で、大臣の半数は女性だ。

しかし、かねてから両党はクオータ制に反対してきた。とくに進歩党は、ことあるごとに「クオータ反対」と公言してきた。

その進歩党から、子ども・平等・ソーシャルインクルージョン大臣に就任したのは、女性のソルベーグ・ホルネ(45歳)。

ノルウェー紙VGによると、ホルネ大臣のはなしはこうだ。

ホルネ大臣の政治歴は、地方議会ではじまった。地方選挙で、進歩党候補者リスト上位2人の1人に登載された。上位2人を男性が占めてはならなかったため、彼女が登載されたのだ。

ノルウェーは、国会も地方も比例代表制選挙をとる。比例選挙なので、ほぼ全政党が、リスト上位の何人かずつ当選する。彼女も当選した。その結果、男性政治家を追い出すことになった。

議員となった彼女は、能力ではなく女性だからこの議席にいるのか、といういやな気分が抜けなかった。こうした感情を他の女性に味あわせたくない、などと語っている。

大臣ポストにある彼女の発言は、社会に大きな影響力を与える。その彼女自身、クオータ制がなければキャリアの第一歩を踏み出せなかった。それなのに、生みの親であるクオータ制に反対をとなえたのだ。

皮肉このうえない。

大臣の発言は、彼女の個人的問題にとどまらない。ノルウェーの多くの女性たち、いや、世界に波紋が広がるだろう。

さあ、これからと、クオータ制導入運動を広げようとしている日本のような国もある。いやな気分だ。

Jeg ble kvotert inn i politikken. Jeg unner ingen den følelsen
ヨーロッパを動かしたノルウェー「取締役クオータ」
ノルウェー新内閣は保守連立男女半々内閣
女性2人が担うノルウェー新政権
ドイツ誌「シュピーゲル」、ノルウェーのクオータ制を特集
女性議員を増やすために ~ノルウェー選挙に学ぶ~

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by bekokuma321 | 2014-02-01 15:11 | ノルウェー

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今日のアフテンポステン紙は、「取締役クオータ制」について報道している。

ノルウェー内閣は半分以上が女性だ。国会・地方議会も約40%が女性だ。その女性パワーを経済界に吹かせたのは、2003年の会社法改正だ。

それによってノルウェーの企業は2008年から、会社の取締役に女性を4割入れなければならなくなった。いわゆる「取締役クオータ制」を、会社法に入れたのだ。

違反企業には改善勧告書が届き、守らなければ閉鎖、とされた。導入当時、株式上場企業の取締役女性はわずか6%だった。

時を2002年初めにもどす。当時、ノルウェーは保守中道内閣。保守党の産業貿易大臣アンスガール・ガブリエルセン(写真上)は、ある日、記者団からこう水を向けられた。

「会社の取締役に女性を増やそうという議論が盛んです。スウェーデン政府は25%というクオータ制を考えているようですが……」

すると大臣は言った。

「25%じゃダメだね。40%にしなくては」

この一言を新聞が「爆弾発言」として報道した。

実は、取締役に女性を増やして男性偏重の経済界を改善しようという動きは、労働党政権時代に何度もあった。女性団体や男女平等オンブッド(オンブズマンのこと)も、おやじネットワークのせいだ、と長年批判してきた。しかし、保守党や経済界は反対の矛先をゆるめなかった。

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その反対の急先鋒だった保守党の大臣が、「40%にしなくては」と報道陣を前に公言したのである。これぞ、保守党内のクーデターだった。

こうして「取締役クオータ制度」が世界で初めてノルウェー国会で成立した。効果てきめん。その影響は、国内ばかりではない。ヨーロッパ諸国をも動かした。

アフテンポステン紙によると、クオータ制度を調査研究する「企業多様性センターCenter for Corporate Diversity」マリット・ホーエル所長は、世界の変化をこう説明する。

●スペインとオランダは、ノルウェー制定後すぐに同様の40%クオータを制度化した
●フランスは、2014年まで20%、2017年まで40%とする新法を制定した
●イタリアは、2015年まで3分の1を女性にするとした
●ドイツは、昨年11月、一方の性を少なくとも30%にすると決定した
●フィンランドは、国営企業にのみ課した

女性国会議員8%の我が国では、夢のまた夢だろう。それでも、夢は、夢をみる人がいないことには始まらないのだから、夢見る夢子ちゃんになろう。

Norsk «kvinnetvang» i styrene har beveget Europa
Toppleder: - Kvoteringsloven var helt nødvendig
“取締役クオータ制”、ついにEUに
取締役クオータ制:北欧の最新ニュース
男性だけの取締役会議が女性40%に
ノルウェー世界初の民間企業クオータ制
■ノルウェーの取締役クオータについては『ノルウェーを変えた髭のノラ』(明石書店)に詳述されている

c0166264_19145773.jpg【写真上:ノルウェー国会前のガブリエルセン大臣。筆者撮影】
【写真中:1990年代の啓発ポスター「がんばってね、男性諸君」と男性のみの有名企業取締役会を皮肉る】
【写真下:上の写真はトリミング前こうだった。彼は「やったね、クーデター成功」と私に親指を立てた】
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by bekokuma321 | 2014-01-09 17:43 | ノルウェー

マンデラとクオータ制

c0166264_19492558.jpgネルソン・マンデラ(1918―2013)が亡くなった。彼については、全世界のメディアが報道しているが、私にとってのマンデラを一言。

マンデラは、1964年、国家反逆罪で27年間独房に投獄され、1990年釈放された。その時、彼はすでに70代。1994年、南アフリカ初の民主主義選挙で大統領に選出され、1期4年余りで自ら大統領職を辞した。

大統領就任後の1995年、マンデラは、国連の女性差別撤廃条約を批准した。さらに、1996年制定の新憲法には、あらゆる差別撤廃を明記し、女性の権利と男女平等の実現めざした。

マンデラが議長をつとめた政党・アフリカ民族同盟ANCは、1994年、党の綱領に30%クオータ制を入れて、実践した。

このANCのクオータ制が主因となり、南アフリカの女性国会議員の割合は、1994年、27.75%、1999年30%、2004年32.75%と伸び、最新IPU統計では2009年42.3%にまで到達した。これは国会における女性議員率、世界第8位だ。

肌の色の違い、性の違い、貧富の違いによって、人は差別されない。マンデラは、この普遍的真理を政治の力で実現しようと命をかけた人だ。彼の力がなければ、人種の法的平等だけでなく性による法的平等もなかっただろう。

慈愛に満ちた柔らかな笑顔の彼だが、40代のころは、カストロ風の髭をはやしていたという。当時、彼は、非情な人種差別政策を打ち倒すため、Umkhonto we Sizweウムコント・ウェ・シズウェ(民族の槍)という自警団を作り初代司令官に就任。白人の財産強奪や、サボタージュ、警察署襲撃など目的としていたが、彼の自伝によると、テロリズムを含む軍事戦争まで視野に入れていたという。

昨日、特定秘密保護法成立と同じ新聞紙面に、マンデラの死亡記事が載っていた。日本の秘密保護法の制定をいち早く歓迎しているのはアメリカだ。このアメリカこそ、2008年まで、ネルソン・マンデラをテロリスト名簿に載せていた恥ずべき国だということを忘れたくない。

(ANCにネルソン・マンデラ逝去のお悔やみを残しました。誰でもできます。あなたもクリックしてどうぞhttp://www.anc.org.za/nelson/list_condolences.php

http://www.bbc.co.uk/news/world-africa-25273502
http://www.bbc.co.uk/news/world-africa-20761223
http://www.bbc.co.uk/news/world-africa-21965030
http://www.aftenposten.no/nyheter/uriks/Mandela-feature-7398440.html
http://www.nrk.no/emne/nelson-mandela-1.11098949
http://www.theguardian.com/world/interactive/2013/dec/05/nelson-mandela-interactive-timeline
◆ナディン・ゴーディマ―、南アを語る
http://frihet.exblog.jp/16313803/
◆Maya Angelou's Poem on Mandela
http://www.youtube.com/watch?v=PqQzjit7b1w&list=UU6ZhpmNnLxlOYipqh8wbM3A
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by bekokuma321 | 2013-12-07 19:57 | アジア・アフリカ

c0166264_13171347.jpgメルケル首相のもと連立を組むことになる2大政党の家族政策担当は、会社取締役におけるクオータ制について結論に達したもようだ。

11月17日(日)、次期政権の主要政策となる取締役会の男女平等のため、「2016年から、上場株式会社の取締役の少なくとも30%は女性にしなければならない」と妥結した。

さらに、「上場株式会社は、2015年から役員、トップ管理職などに女性を増やすための強制的な数値目標を決めて、出版しなければならない」とも決めた。

こうした新制度は、雇用における女性差別をなくし、働きやすい労働界をつくることになるとする。もっともだ。

ドイツのシュピーゲル紙、またローカル紙ドイツによる。

それにつけても、日本の政治は! いま、秘密保護法案というとんでもない法律を通そうしている。市民の権利をしばることにやっきで、市民の権利を広げる家族政策など見るも無残だ。婚外子差別を容認している民法は違憲であるとした最高裁決定さえ、無視するありさま。あ~、なんて国だ。

http://www.spiegel.de/politik/deutschland/koalitionsverhandlungen-einigung-auf-frauenquote-in-aufsichtsraeten-a-934099.html
http://www.thelocal.de/20131118/merkel-and-spd-agree-on-womens-quota-in-coalition-talks-germany-boardroom-company
http://www.thelocal.de/20131030/womens-quotas-closer-in-coalition-talks
■ドイツ女性国会議員229人、36.3%
http://frihet.exblog.jp/20816895/
■ドイツ国会、クオータ制を否決
http://frihet.exblog.jp/19880828/
◆比例代表制は女性や弱者が当選しやすい
http://frihet.exblog.jp/20789791/
◆ドイツの町のジェンダー規定
http://frihet.exblog.jp/20001461/
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by bekokuma321 | 2013-11-20 13:17 | ヨーロッパ