c0166264_131365.jpg三井マリ子+浅倉むつ子 編著『バックラッシュの生贄ーーフェミニスト館長解雇事件』の感想を紹介する。今回は、熊本の深谷智佳子さん。

■■ 背後の黒い裏側が見えてきた ■■

バックラッシュの生贄」は、以前、読んだ三井さんの陳述書だけでは、 わからなかった背後の事情や、もっと 広範囲での関係者や団体の存在がわかるもので、とても興味深いものでした。

長い時間をかけて、国、行政が主導になって、世界に公言している男女共同参画を推し進めてきたにも関わらず、一向に進展しない、その理由がこの本を読んでわかった気がします。

うすうすは、感じていた何か・・背後で渦巻いている、黒い裏側が見えてきたような気がします。

この本の中にある、ウンベルト・エーコという人の言葉は、こうした黒い現実を反映していると思いました。

昨今のメディアでの女性の取り扱い方を見ると、見えない形で女性の生き方、あり方を先導している気がします。旧態然とした慣行を伝統の名で、それがあたかも全ての女性が望んでいるかのように、また女性の美徳だと持ち上げて、すり込んでいっているようです。こうしたメディアの影響力によって、伝統・慣行に反対であっても、その声を あげられない社会となってゆくように思います。

これは、男女共同参画が進まないという問題だけではなく、すべての人の人権や人格が否定されてゆく社会です。

そのことに対して、意を決して声をあげた側の報道は少なく、報道されたとしても、好意的に取り扱われていないと感じます。メディアは大きな影響力を持つだけに、空恐ろしさを覚えます。

私自身の経験を考えても、「あれがバックラッシュを恐れてのことだったのではないか」と思いだすことがあります。当時の私は、男女共同参画を純粋に推し進めたいと、研修に参加した、まったくの初心者でしたので、バックラッシュという現象が存在することすら知りませんでした。

本を読んで、行政は弱腰で、ただ給料をもらって、穏便にことを運んで時をやりすごしたいのだ、と思いました。しかし、間違いなく、行政が、このようなバックラッシュの存在に臆病になっている限り、日本の男女平等は進みません。

最後に、女性を代表して裁判を起していただいた、三井さんに、心から敬意を表します。

熊本県男女共同参画推進員
深谷 智佳子


■院内セミナー「 バックラッシュを跳ね返して新しい時代へ 」にどうぞ
http://frihet.exblog.jp/17916127/

c0166264_1325558.jpg6月1日(金)午後5時半
衆議院第2議員会館(国会議事堂前下車5分)

●「本裁判は21世紀の女性問題の教科書である」 紀藤 正樹(弁護士)      
●「横暴で執拗な言動に負けたのは誰か?」 浅倉むつ子(早稲田大学教授)
●「女叩きの張本人は誰なのか?」 上野千鶴子(東京大学名誉教授)      
●「平等社会をつくることは世界との約束です」 三井マリ子(豊中市男女共同参画センター初代館長)
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by bekokuma321 | 2012-05-30 00:34 | その他