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オスロ大学、男子への加算点認めず_c0166264_13505491.jpg「徹底的な議論と調査の結果、オスロ大学は、男性への加算点を採用しないことを決定した」

ノルウェーのオスロ大学副学長インガ・ボスタInga Bostad(写真)は、こう述べた。

男性の加算点については、オスロ大学の女子学生が多い学部ーー心理、医学、歯学ーーなどで検討されてきた。先ごろ、男子が20%しかいない心理学部は、加算点採用を決定し、それをオスロ大学本部に提案していた。

ちなみに、ノルウェーでは、こうした措置を、「ジェンダーポイントKjønnspoeng」と呼ぶ。

今回、オスロ大学本部は、それに反対したことになる。大学が出した結論は、今後、政府の教育・研究省に報告される。

副学長は、やや、いらつき気味に、男子への加算点に反対の理由を次のように語った。

「何百年間にわたって、大学のすべての分野において女性が極端に少なかった時代があった。しかし、それを問題である、となどしてこなかった。現在でも、女子学生の数が圧倒的に多い科目がいくつもあるが、それが大問題だとされてはいない。今回の問題には、権威、金、パワーがからんでいるーーーそれを認識すべきである」

単に数だけの問題ではない、と言っているのだ。

ノルウェーは、世界で初めてクオータ制を実行した国だ。反対もあったが、女性をパワーの世界に、男性を家庭に参入させるため、涙ぐましい努力をしてきた(詳しくは 『ノルウェーを変えた髭のノラ』(明石書店))。その結果、政財界の男女平等はほぼ達成したかに見える。

しかし、今回の決定プロセスは、男女平等推進へのたずなをゆるめてはならない---という考えが依然として強いことを示している。

■UiO says no to gender points for men
http://eng.kifinfo.no/nyhet/vis.html?tid=80671

■女子が多い学部を希望する男子に加算点(上の記事は、こちらを読んでからのほうがわかりやすい)
http://frihet.exblog.jp/17926965/
# by bekokuma321 | 2012-05-12 13:48 | ノルウェー

14歳の女の子の行動力

アメリカから、行動力あふれる女の子のニュース。

ジュリア・ブルームJulia Bluhmは、中学2年生で14歳になったばかりだ。バレーのクラスにやってくる女の子たちは、「脂肪が多い」「にきびだらけだ」「かすり傷がある」「私のからだはみにくい」などと、自分のからだの苦情を言う。彼女は、そんなクラスメ―トを「おかしいんじないの」と思っている。

さらに、彼女は、彼女の好きな雑誌『セブンティーン』が、まわりにいる女の子とは違う写真ばかりのせていると気づいた。完璧にきれいで、セックスオブジェクトに近い。加工している写真も多い。

そこで1月に一回は本物の女の子を載せてほしい、と『セブンティーン』にオンライン署名をしようと思い立った。そしたらなんと46000人の署名が集まった。

さらに、さらに、ニューヨークのセブンティーン本社前で、「本物の女の子」の写真だというデモをした。関心を持った大手メディアが、それを放映。セブンティーン編集長は、彼女と母親を会社に招いた。そして、ついに、5月号には・・・。

■A Real Girl, 14, Takes a Stand Against the Flawless Faces in Magazines
http://www.nytimes.com/2012/05/04/nyregion/seventeen-magazine-faulted-by-girl-14-for-doctoring-photos.html?_r=2&src=ISMR_AP_LO_MST_FB
# by bekokuma321 | 2012-05-11 21:22 | USA

24歳の女性生存者の証言

5月8日(水)、オスロ地裁で、トーニャ・ブレンナTonje Brenna(24)が、生存者として、証言台に立った。ブレイビク容疑者を裁く法廷が、4週目を迎え、被害者側からの証言が行われている。

ブレンナは事務局長という責任ある立場にいた。労働党青年部のサマーキャンプで合宿していた多くは10代で、24歳の彼女は年上のほうだった。

彼女は、ウトヤ島の岩の陰に隠れて奇跡的に命拾いをした。ずっと罪悪感と責任感にさいなまれてきた生存者の1人だ。

事務局長である彼女の後に、大勢がついてきた。恋人たちの小道から小川に沿って狭くてすべる坂道を下った。岩陰に隠れられた人もいたが、隠れきれない人もいた。そこにブレイビクがやってきて襲撃した。

彼女のそばには肩を襲撃されて血を流している少女が苦しんでいた。彼女の流血をとめようとしたり、なだめたりしながら、一緒に地面に伏せていた。みな助けを求めてパニックだった。隠れていたので見えなかったものの、海に飛び込む音、泣き叫ぶ声、ひっきりなしの銃撃の音が聞こえた。生きている人たちは、死んだふりをしようとじっと静かにしていた。しかし、中に重傷を負った人がいて、意識もうろうとして何か話しだした。

「私は、自分が責任ある立場にいたとわかっています。もっと時間とエネルギーが私にあったなら、と思います。7月25日(事件の3日後)、ある男性が私をつかまえて、『お前の責任だ』と叫びました」

「なんで、最も年長の一人だった私が生きて、他の若い子たちが死んでしまったのだろうと。でも、亡くなった人も、生きることのできた人も、責めないでほしい。みな生きてほしい」

もう一人の証言者はビョーン・イーラーBjorn Ihler。彼は、何度も銃撃を受けたが、助かった。彼は、逃げる途中、8歳ぐらいの2人の少年にあって一緒に逃げた。ブレイビクが彼にガンをの狙いを定めた時、とっさに水に飛び込んだ。少年たちとはぐれた。その後、また少年たちにあったら、「彼は僕たちを撃たなかった」と言った。大勢の死体とその傍で鳴りやまない携帯電話が目に焼きついている、という。「愛する人にかけていた最後の電話。その向こうには、二度と聞くことができない声を待っている・・・」

2011年7月、ノルウェーで77人を殺したブレイビク襲撃犯の公判は、夏まで10週間続く。生存者にとっても、家族を失った人たちにとっても、地獄の日々がよみがえってくる。

■Hjertet datt ned i magen på meg da jeg fikk beskjed om å vitne nå
http://nrk.no/227/dag-for-dag/_-hjertet-datt-ned-i-magen-pa-meg-1.8125406

■Norway massacre: Survivors give evidence
http://www.bbc.co.uk/news/world-18011072

■Advarer mot sterke bilder fra Utøya
http://dt.no/nyheter/advarer-mot-sterke-bilder-fra-utoya-1.7213642
# by bekokuma321 | 2012-05-11 16:31 | ノルウェー

5月9日、オバマ大統領は、同性婚を支持すると公表した。

アメリカを二分する議論となっているテーマで、半年後に控えた大統領選挙への影響が注目される。

同性婚は、ニューヨーク、ニューハンプシャ―、マサツ―セッツ、アイオワ、バーモント、ワシントンDC,コネクティカット、メリーランド、ワシントンやアイオワの9州で合法化されている。一方、キリスト教の保守派の反対の声が根強い31の州が、州法などで同性婚を禁止している。

世界で初めて同性同士の結婚の権利を法的に認めた国は、オランダ。10年以上前だ。その後、ベルギー、スペイン、カナダ、南アフリカ、ノルウェーと続く。

■Obama says same-sex couples should be able to marry
http://www.bbc.co.uk/news/world-us-canada-18014102

◆世界初の同性婚から10年
http://frihet.exblog.jp/16137905/
◆保育園の教材に同性愛登場
http://frihet.exblog.jp/14329208/
◆アメリカのバーモント州議会、同性婚法を可決
http://frihet.exblog.jp/11251807/
◆ノルウェー新婚姻法
http://frihet.exblog.jp/10573646/
# by bekokuma321 | 2012-05-11 14:06 | USA

大阪市議会の「大阪維新の会市議団」は、「家庭教育支援条例案」を5月議会に提案する方針を撤回した。

条例案の原案に対し、専門家や保護者から「科学的に誤り」「偏見を助長する」と批判が出たことが理由のようだ。大阪維新の会は大阪市議会最大会派。橋下徹大阪市長が率いる。

報道には、この条例案に関わった人として、高橋史朗・明星大教育学部教授、大阪維新の会の辻淳子市議会議員の名前が登場している。

さて、この高橋史朗は、「新しい歴史教科書をつくる会」を発足させた人物の一人。「教育再生地方議員百人と市民の会」の関係者でもある。伝統的子育てに固執し、男女共同参画施策を攻撃する講演を、各地で行っている。

たとえば、大阪府豊中市では男女共同参画条例案審議が始まる前に、条例反対の北川悟司豊中市議が関わる「男女共同参画社会を考える豊中市民の会」が、彼を講師によんだ。演題は、「子供があぶない!! ジェンダーフリーの正体」。彼の講演の後ほどなく、豊中市は条例案上程をやめた。

一方、辻淳子議員は、「教育再生地方議員百人と市民の会」の理事長。同会の前理事長は、北川悟司市議。

「教育再生地方議員百人と市民の会」は、教育への政治的介入をすすめる右派の全国組織。同会を中心にした行動は、最高裁で、地方自治体への陰湿な組織的圧力として、厳しく断罪された。

このような大阪の動きの背景は、三井マリ子+浅倉むつ子 編著『バックラッシュの生贄ーーフェミニスト館長解雇事件』に詳しい。

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# by bekokuma321 | 2012-05-10 14:32 | その他