11月2日付けガーディアン紙によると、ソマリアで、強姦をされた少女が、公衆の面前で石打の刑を執行され殺害された。強姦した加害者でなく被害者が「姦通罪」の汚名をきせられて殺害されたということ、被害者が13歳というまだ子どもであることに、言葉を失ってしまう。

こういう「名誉殺人」がイスラム慣習の名のもとに(もともとはそうではないという説もある)残っている国がある。国際社会は、一日も早くやめさせるために、とりうるあらゆる手段を探し、ただちに実行すべきだ。

http://www.guardian.co.uk/world/2008/nov/02/somalia-gender
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# by bekokuma321 | 2008-11-02 23:59 | アジア・アフリカ

10月30日、国連人権委員会は、「市民的政治的権利に関する国際規約」(自由権規約)の実施状況に関する日本政府報告書を審査し、結果を公表しました。10年ぶりのことです。

問題は、日本政府に向けられたこの最終見解を、いかに政府に実行してもらうかです。女性運動の出番です。

公表された英文を、要約します。

委員会は、10年前の勧告の多くが実行されていないことを、表明しています。そして、司法界において「市民的政治的権利に関する国際規約」が徹底されていないことが強調されています。

具体的には、下級審(高裁・地裁)が「市民的政治的権利に関する国際規約」違反をしていないかについて報告がないことを指摘し、規約について裁判官、検察官、弁護士への専門的研修に組み入れること、規約を下級審を含むあらゆる司法過程に徹底させるよう、政府に求めています。

司法界に向けては10年前最後のほうでしたが、今回は、指摘・勧告の最初にあげられています。

そして、「慰安婦」問題について、日本政府に立法・行政措置を講じ、被害者への公式謝罪すること、国家による補償などの対応を求めるなど、非常に具体的です。そのほか、民法における差別、政治における女性の不参加、労働における女性差別、性暴力、性的マイノリティなどに対する差別、人身売買、婚外子、在日韓国人の年金権などなどが指摘され、勧告とともに明記されています。

その中から、「政治における男女平等」についてまとめると・・・

国会議員における女性は全体の18.2%、政府のトップポストを占める女性は1.7%にすぎない。その上、数値目標は2010年までに5%と余りに低い設定であると指摘。立法によるクオータ制導入などの特別措置をとること、女性進出の数値目標の見直しをすることによって、政治における男女平等参画を達成するよう、いっそう努力をすべきと求めています。

この男女平等の政治参加の根拠は、「市民的政治的権利に関する国際規約」2条(1)、3条、25条、26条です。

政界への女性参画については、10年前には取り上げられていませんでしたが、今回の最終見解では12項に掲げられています。全体は34項。

【政治における男女平等の原文】
12 The Committee notes with concern that, despite numerical targets for the representation of women in public offices, women hold only 18.2 percent of the seats in the Diet and 1.7 percent of government posts at the level of directors of Ministries, and that some of the numerical targets set in the 2008 Programme for Accelerating Women’s Social Participation are extremely modest, such as the 5 percent target for women’s representation in positions equivalent to directors of Ministries by 2010. (arts. 2 (1), 3, 25 and 26)

The State party should intensify its efforts to achieve equitable representation of women and men in the National Diet and at the highest levels of the government and in the public service, within the timeframe set in the Second Basic Plan for Gender Equality adopted in 2005, by adopting special measures such as statutory quota and by reviewing numerical targets for women’s representation.


■市民的政治的権利に関する国際規約(和訳)
http://www.nichibenren.or.jp/ja/kokusai/humanrights_library/treaty/liberty_convention.html

■国連人権委員会による日本政府報告書に対する「最終見解」全文http://www2.ohchr.org/english/bodies/hrc/docs/co/CCPR-C-JPN-CO.5.doc

■日本政府報告書
http://daccessdds.un.org/doc/UNDOC/GEN/G07/415/73/PDF/G0741573.pdf?OpenElement

■国連人権委員会から日本政府への質問
http://www2.ohchr.org/english/bodies/hrc/docs/AdvanceDocs/CCPR-C-JPN-Q5.doc

■日本政府から国連人権委員会への回答
http://www2.ohchr.org/english/bodies/hrc/docs/AdvanceDocs/CCPR-C-JPN-Q-5Add1.doc

■国連人権委員会・94回詳細(13-31 October 2008, Geneva)
http://www2.ohchr.org/english/bodies/hrc/hrcs94.htm

■アジア女性資料センターがいち早く一部を和訳し、コメントとともに公表しています。
http://ajwrc.org/jp/modules/bulletin3/index.php?page=article&storyid=36

■10年前の日本政府に対する国連人権委員会の見解http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kiyaku/2c2_001.html (この時の勧告がほとんど守られていないことがわかる)
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# by bekokuma321 | 2008-11-02 23:55 | その他

ノルウェー政府は、コンゴの内戦の被害、とりわけ同国東部において性的被害や暴力を受けた女性たちへの救済のため、100万ドル(NOK 5.8 million)を拠出することに決定した。

これで、強姦・暴行被害者、妊娠・出産をひかえた女性たちに対して必要な、待ったなしの支援が前に進むだろうと考えられる。支援の受け皿は、オスロに拠点がある民間の財団法人Christian Relief Network (CRN)だと報道されている。

ノルウェー政府の海外援助政策に貫かれたジェンダーの視点、その迅速な対応に敬意を表したい。

BBCによると、2ヶ月前紛争が再燃し、約25万人が難民となっているという。国連事務総長が、「threatening situation」と言及して停戦を呼びかけ、またイギリスやフランス政府も緊急支援策を決定し、国境を越えたコンゴ援助が動き出している。

http://www.aftenposten.no/english/local/article2745313.ece
http://news.bbc.co.uk/1/hi/world/africa/7704628.stm

■コンゴにおける強姦被害については
http://frihet.exblog.jp/9973317/

■Christian Relief Network については
http://www.crn.no/
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# by bekokuma321 | 2008-11-02 14:36 | ノルウェー

『アフテンポステン』によると、ノルウェーは、年金の不正受給に厳罰を課しており、一般には1万米ドル(100万円)をごまかすと刑務所に入れられる。しかし、議員に対しては甘いといわれている。

ノルウェーの場合、一般国民は、40年以上勤務した上、67歳にならないと受給資格を得られない。一方、国会議員の場合、若くして12年間議員職にあった場合、40代、50代でも年金がもらえる。こうした国会議員と国民の年金格差は、政治家に対する不信を招いている。

さらに、国会議員の年金不正受給問題が浮上。WHO事務局長、労働党党首、首相を歴任したグロ・ハーレム・ブルントラントは、他から収入があったことから、受給資格がない年金を受給していたといわれている。会計検査院は、他にも、そうそうたる顔ぶれの元国会議員たちが、年金の減額につながることになるはずの収入を公正に申請していなかったと発表している。

国民の不信を払拭するため、トービヨン・ヤーグラン議長、年金の不正受給に対する調査に乗り出し、場合によっては、国会議員たちは、不正に受給していた年金を返金することになる。また、国会議員の年金そのものにも大鉈を入れる予定だという。

ノルウェーは政府の年金を海外の会社に投資し利益を得ているが、それには厳しい倫理規定がある。たとえば、数年前、ノルウェーは、女性差別で提訴されたアメリカのウォルマートへの投資から撤退した。理由は、「人権と労働権の重大にして組織的な侵害」しているからだった。

今回の、国会議員の年金不正受給問題は、こうしたノルウェー政府の公正さに汚点となった。ちなみに、ノルウェーの国会議員年収は約1300万円(654000クローネ)で、12年間在職だと、66%、つまり850万円が年金となる。

日本の場合、国会議員の年収は3400万円(これは他国と比べてもダントツではないか)。在職10年で412万円の年金となり、1年在職が増えるごとに82,000円増。受給は65歳から。年金額ではノルウェーに及ばないにしても、日本の議員の優遇のされかたは飛びぬけている。これで年収200万円にも満たない多くの女性労働者たち、貧しい若者たちの苦悩がわかるのだろうか。

http://www.aftenposten.no/english/local/article2625856.ece
http://www.aftenposten.no/english/local/article2620547.ece
http://www.aftenposten.no/english/local/article2618161.ece
http://www.aftenposten.no/english/local/article2623349.ece
http://job.yomiuri.co.jp/news/jo_ne_08041804.cfm
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# by bekokuma321 | 2008-11-02 01:27 | ノルウェー

今、私の左腕で、ベネチア女性センターがつくった時計が時をきざんでいます。文字盤のデザインは、ゴンドラに人魚です。

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この時計をプレゼントしてくれたローマの友人は、ベネチア女性センターアドバイザー。時計のいわれを教えてくれました。

ベネチアの女性たちは、女性運動がさかんだった6、70年代、空いている建物を女性の駆け込み寺に占拠したりはしませんでした。当時、ローマはもちろん、ヨーロッパ各地で、女性たちは空き建物を占拠し、そこに住みこんだりしました。違法をものともせず…。では、ベネチア市には女性センターはないのか。実は、1980年代はじめ、ベネチア市が自ら、女性のための場所、女性センターを女性たちに提供しました。

ベネチア女性センターは女性が駆け込んだり、集まれる場所というだけでなく、特別な企画が生まれる場です。劇、映画、ショー、討論、訓練コースなどなど。また、センターの図書館はベネチア市の女性運動の記録を発掘、保存する場です。

ベネチア女性センターは、女性文化の発展に大きく貢献してきました。今、最も重要な事業は、暴力を受けるなど困難な状況に置かれている女性たちに、法的、心理的、社会的サポートをつづけることです。最近では、男女を問わずベネチア市民の生活に、ベネチア市がもっと近くなるため、さまざまな活動をしています。

そのひとつが、ベネチア名物ゴンドラによるレガッタ(舟こぎ競争)への女性の参加を促進することです。

ベネチアのレガッタは、毎年9月初めに開かれるこのベネチアの一大行事です。13世紀に起源をもつこの歴史的ゴンドラ競技に、女性が参加したのは15世紀になってからだそうです。その後、女性のレガッタは、長年、とだえてしまいます。禁止されたのかどうかなど詳細は不明です。19世紀にはいって、ベネチア共和国時代を呼び起こすかのように、往年の衣装を身に着けた舟による壮大なイベントが再開。でも、女性のこぎ手は参加できませんでした。

しかし、ゴンドラに野菜や果物を積んで運搬してきたのは女性たちです。なんで女性のレガッタがないのか! 

というわけで、女性運動が盛んだった1977年から、装いもあらたに女性のレガッタが登場しました。

現在、ベネチアのゴンドラ競技には4つの方式があり、そにひとつが"mascarete"と呼ばれる女性のレガッタです。ベネチア女性センターは、この"mascarete"を後援しています。その関連グッズがこの時計、というわけです。

レガッタの日は、朝から舟で出かけたり、湾岸の眺めのいい場所をとって、ワインを飲みながら、レガッタ競争のスタートを待ちます。そして、ひいきのゴンドラが近づいたら、ワンワと応援しまくるのだそうです。世界の観光客を魅了するゴンドラ漕ぎとは違う、イタリア国民の楽しむゴンドラ漕ぎです。

女性を排除してきた長い伝統的イベントを女性にも開かれたものにするーーどれだけ長く苦しい闘いをしなければならないことか。たとえば日本の相撲は、女性なら知事であっても土俵に上がって賞を上げることをまだ日本相撲協会は許してません。奈良県の大峰山は「1300年の伝統だ」とか言って、まだ女人禁制です。

進歩の時を刻むベネチアにそのヒントがありそうです。

http://www.comune.venezia.it/flex/cm/pages/ServeBLOB.php/L/IT/IDPagina/135

ベネチア女性センター
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# by bekokuma321 | 2008-10-27 20:48 | ヨーロッパ