「かかあ天下と空っ風」ーー働き者の女性の多い群馬を象徴することばです。


ところが、群馬県には1人の女性議員もいない「女性ゼロ議会」が10もあります。
白鳥のまちといわれる館林市、世界遺産のまち富岡市の2市。それに、上野村、下仁田町、南牧村、長野原町、草津町、昭和村、明和町、千代田町の8町村。


とくに富岡市は、富岡製糸場で多くの女性たちが働き、外国に絹を輸出して日本経済を支えてきました。女性には選挙権も労働組合もない時代でした。


「女性ゼロ議会」は、群馬だけではありません。全国に約370もあります。人口の半分を占める女性の代表を議会にどう増やすか。これは日本の未来を決する最重要課題です。

1946410日は日本史上初めて女性が投票した日。翌1947年は、第1回統一地方選がありました。今年、2017年はちょうど70周年です。

70
年前、立候補した女性、投票所に向かった女性たちは、どんな思いだったのか。そんな女性史を紐解きつつ、群馬の地で、「女性ゼロ議会」をなくし、女性議員を増やすための戦略を語り合います。お誘いあわせてご参加ください。


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[女性ゼロ議会訪問記]
今治市に女性議員誕生(愛媛県)
「安政の大一揆」から「越中の女一揆」へ (富山県)
女性ゼロ議会「栗原市」を訪問して (宮城県)
女性ゼロ議会訪問記:埼玉県羽生市 (埼玉県)
女性ゼロ議会の背後に夫の嫉妬・理解のなさ (秋田県)
女性ゼロ議会訪問記:長野県筑北村 (長野県)
女性ゼロ議会の阿波市・吉野川市を訪ねて (徳島県)
女性ゼロ議会の直方市訪問 (福岡県)
女性ゼロ議会の今治市に申し入れ (愛媛県)
女性ゼロ議会の愛知県阿久比町、飛島村を訪ねて  (愛知県)
沖縄 市町村議の女性ゼロ率ワーストワン (沖縄県)
1人でもできる「なくせ女性議員ゼロ議会」運動 (長崎県)

群馬で全国女性議員サミット (2009年群馬で開催されたシンポジウム)






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# by bekokuma321 | 2017-03-06 10:30 | その他

映画「サフラジェット」

女性参政権獲得運動を描いた映画「未来を花束にして」を観た。


1910年代のロンドン。洗濯工場で働く若い母親モードが、あるきっかけから女性参政権運動に関心を寄せるようになり、しだいに運動にのめり込んでいく物語だ。原題は、Suffragette(サフラジェット)。女性参政権獲得運動家という意味。


目に焼き付いているシーンがある。


刑務所に収監された女性参政権運動家Suffragetteたちは、独房の差し入れ棚に置かれた食事をいっさい拒否する。ハンガーストライキだ。


ハンガーストライキ5日目。刑務所の薄暗い廊下。男女の刑務官らが何やら道具を引きずってやってくる。


モードのc0166264_19383405.jpg独房に入る。女性刑務官が数人でモードの体を椅子に力づくで倒す。腕を拘束して、頭部を後ろに押し付ける。男性刑務官か医師が、鼻からゴムチューブを差し込み、チューブの片方に設置された漏斗のような器具にミルクのような液体を流し込む。モードはむせた後、苦痛の余り悲鳴をあげる。足を何度も何度もける。私はスクリーンから顔をそむけてしまった。


これが悪名高い「強制摂食」だ。映画で、「死んだら、殉教者だ。パンクハーストの勝ちになる」という当局の台詞があった。強制摂食は、獄死をさけようと執行された拷問なのだ。


ガーディアン紙によると、ハンガーストライキは、投獄された女性参政権運動家がとった抵抗運動だ。「私たちは政治犯であり、他の罪人のように扱う政府に抗議をする」という信念の表現だったのだという。映画の最終場面に出てくるダービィ会場で走ってくる馬に身を投げ打ったエミリーは実在の人物で、彼女は、9回も投獄されて、強制摂食は49回にのぼったという。200回以上も強制摂食された女性参政権運動家もいたことが、当時の新聞に書かれている。なんという抵抗魂!

女性参政権をめざして、命を投げ出すことも厭わない政治運動をひっぱった人物は、エミリア・パンクハーストだ。彼女は7回収監されたという。映画では、バルコニーで短い演説をするシーンしか出てこないが、終始、女性活動家たちの精神的支柱として描かれている。


エミリア・パンクハーストの創設した「女性の社会的政治的連合Women's Social and Political Union, WSPU」に集まった人は中産階級の女性たちだったという。モードのような貧しい労働者階級の女性はほとんどいなかっただろう。

映画の主人公モードは架空の人物だという。モードは夫と幼い息子の3人暮らし。隣近所が密集した労働者地域にある狭い家に住んで、朝から晩まで10時間も騒音まみれの洗濯工場で働き、工場長のセクハラにいら立ち、ヘトヘトとなった体で家に戻る。「お前は母であり、俺の妻だ」という夫に気がねもする。


この映画の成功は、労働者階級のモードを主人公にした脚本の素晴らしさにありそうだ。

モードの日常に、女性参政権運動は遠い。ところが、同僚のヴァイオレットは女性参政権運動家。国会で証言をするので聞きにきてほしいとモードを誘う。国会に足を伸ばしたモードは、ヴァイオレットが、夫のDVで顔があざだらけになっているのを見る。「ヴァイオレットに証言は無理、書いた紙を読むだけでいいから」と頼まれる。大勢の男性議員に囲まれた議会の一室で、モードは口を開く。映画のハイライトだ。


「母親は14歳から洗濯工場で働きづくめ。私が4歳のとき火傷で死にました。私は7歳からパート、12歳からフルタイムで洗濯をしています」


「洗濯女は短命なのです。胸が痛くなり、咳がとまらなくなります。指は曲がり、足には潰瘍ができます。火傷、ガスによる頭痛給与は、女は週13シリングで男は19シリングです。女性のほうが長く働いていますが」


映画は2015年にイギリスで公開された。日本公開は2017年。100年以上も前の史実を基にした映画だが、現代の私たちに突き刺さるのは、私たちがまだ同じような境遇に置かれているからだろう。


工場長の卑劣なセクハラ

男性より低い賃金
DV夫におびえる妻
「お前の言う事なんか誰も聞きはしない」という蔑視

安心して子どもを預けるところがない
夫の目を気にしながらの日々


最後に、珠玉の言葉から、ひとつ:

「法を破りたいのではなく 法をつくりたいのです。そのために闘うのです。今がその時―――パンクハスト」

92年前の今日、日本女性は参政権めざして大同団結した
ロンドンのレッド・カーペットに女たち横たわる
ノルウェー女性参政権100年から考える

【写真:Photo by Museum of London/Heritage Images/Getty Images - http://www.historyextra.com/article/social-history/10-facts-about-suffragettes







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# by bekokuma321 | 2017-03-02 19:49 | ヨーロッパ


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2017
224日朝日新聞(上)によると、男性偏重の政治を男女平等にという法律が国会で成立する見込みだ。しかし「努力義務」である。強制ではないため、政党は「女性候補がいないんですよ」と逃れたところで、何のおとがめもない。

だからこそ法制定を機に、政党に「男女同数の候補を」といっそう要求していかなければ。

世界一高額の「政党交付金」が毎年政党に出ている。国民の税金320億円が、健全な政党活動のためと称されて、国会議員の事務所に送金されるのだ。その「政党交付金」を、女性候補発掘や女性候補当選に向けての特別措置に使うべきだろう。ちなみにフランスでは、一定割合の女性候補を出さない政党は政党交付金が減額される。

政党に要求するだけでなく、私たち自身、女性候補発掘に勢を出さなくては。

市民と議員でつくる市民団体「全国フェミニスト議員連盟」は、1992年創設以来、あらゆるレベルの議員の40%を女性に、とする「クオータ制」の実行を政党などに求めて運動してきた。

1990年代後半からは、女性議員がゼロの「女性ゼロ議会」の市町村を訪ね歩いた。日本には、約370もの「女性ゼロ議会」がある。

ただの1人の女性候補者も出ていない自治体がまだたくさんあることがわかった。有権者は、選挙になると、男性だけの選挙ポスターをいつも見させられてきたのだ。


「女性ゼロ議会」のまちで、女性団体、各政党、行政に「女性が出られないわけ」を聞いた。
町内会(寄合)で議員候補にを決める慣習があるところでは、町内会(寄合)参加者は一家の長すなわち男と決まっているので、女性はありえない、と話してくれた。「女は政治に口出すな」的な風潮も強かった。働き盛りの女性は家事育児に手をとられ、選挙に出るなどとても…という実態も浮かび上がった。

それに小選挙区制中心の選挙であることが、大きな障壁となっている(注)。世襲や引退議員の後継候補以外は、当選は難しい。落選するかもしれない選挙に立候補することは、経済的にも人生設計からも大変な決意が要る。候補者の具体的な応援体制や、落選した際の再就職などリハビリも視野に入れたサポート体制が望まれる。

しかし、それでも、女性が立候補しないことには女性議員増は望むべくもない。その意味で、女性の立候補を促す法律といえるかもしれない。


国会議員年収も政党交付金も世界最高額
来年こそ「政界への女性推進法」を来年こそ「政界への女性推進法」を
あざやかな歴史
民主主義度1位ノルウェー、23位日本
女性議員増めざして制度改善を
男性偏重政治が原発政策にもたらす弊害
政治は男のものではない

[女性ゼロ議会訪問記]
「安政の大一揆」から「越中の女一揆」へ (富山県)
女性ゼロ議会「栗原市」を訪問して (宮城県)
女性ゼロ議会訪問記:埼玉県羽生市 (埼玉県)
女性ゼロ議会の背後に夫の嫉妬・理解のなさ (秋田県)
女性ゼロ議会訪問記:長野県筑北村 (長野県)
女性ゼロ議会の阿波市・吉野川市を訪ねて (徳島県)
女性ゼロ議会の直方市訪問 (福岡県)
女性ゼロ議会の今治市に申し入れ (愛媛県)
女性ゼロ議会の愛知県阿久比町、飛島村を訪ねて  (愛知県)

【注:国政選挙は、衆参とも1人を選ぶ小選挙区制が中心だ。しかし、都道府県議会選挙、市町村選挙は異なる。都道府県議会選挙は、定数が市町村で小分けされて1人から複数選ぶようになっていて、小選挙区制の選挙区もある。一方、市町村選挙は、定数ウン十人に候補者が一律に出るいわゆる大選挙区制だ。よって県レベルと市レベルで問題は異なる。選挙制度の専門家阪上順夫教授によると、少なくとも、1人が1人しか投票できない「1人投票制」ではなく、2人、3人に投票できる「連記制」にしたら、今より民意が反映される、つまり女性や新人が当選しやすくなる、と主張する】




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# by bekokuma321 | 2017-02-25 00:36 | その他

100、女73

先日、厚生労働省から発表された、日本の男女賃金格差だ。その差27。この歴然たる格差を、厚生労働省は、いったい全体、いつまでどのような方策で解消しようとしているのか。その具体策はまったく見えない。マスコミも追求したようには見えない。マスコミにも男女賃金格差があるから、強く追求できないのだろう。

しかも、「10073」という数字は、女性労働者の5、6割を占める、非常勤や派遣など非正規で働く人たちの賃金は含まれていないのだから、多くの働く女性の実感とは異なる。

さて同じころ、イギリスの国会で、政府は男女賃金格差を是正する具体策を講じていないと、痛烈な政府批判がなされた。

イギリスの男女賃金格差は、男100、女80.8だ。

この賃金格差を批判したのは、「女性と平等委員会The Women and Equalities Committee」の委員長マリア・ミラー。国会内に、「女性と平等委員会」と名づけられた常設委員会がつくられていて、「女性と平等省」が、ちゃんと仕事をしているか否かを調査するのだというから、このこと自体驚きだ。いや、「女性と平等省」という省すら日本にはない。

ともかく、マリア・ミラー委員長は、政府は委員会の提案をやってないじゃないか、とこう批判する。

「①フレキシブルワーク(定時に縛られない柔軟な働き方)を増やすこと ②女性が担っている子どもやお年寄りの世話という無報酬労働を男性とわけあうこと ③40歳以上の女性の復職への支援体制をつくることーーーわれわれが提起した、これらの重要な課題の解決に向けての実行なしには男女賃金格差はなくならない」

このような政府に対する酷評は、きっと野党・労働党の議員だろう、と思ってしまうが、違った。委員長は保守党の女性議員だった。批判された相手側は、「女性と平等省」の大臣ジャスティン・グリーンニング。もちろん女性だ。



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      ▲20年以上も前、男性よ家事育児をもっとしようという政策を打ち出したデンマーク政府パンフレット。メッテ・ドレイヤ―の作品


MPs attack ministers' lack of action on gender pay gap
世界の男女賃金格差縮まらず (OECD加盟国中、日本の男女賃金格差は最下位ランク)



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# by bekokuma321 | 2017-02-24 22:37 | ヨーロッパ

ノルウェーの移民政策

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ノルウェーは、今秋9月、国政選挙を迎える。

選挙は比例代表制だ。1年ほど前から政党は、候補者リストを公表し選挙に備える。有権者は、候補者ではなく政党を選ぶ。どの政党に投票するかは自分の政治信条や政党の政策などで決める。「知り合いが◎◎党だから」という人もいる。

2015
年の地方選では、移民・難民政策に厳しい右派政党が票を減らした(日本の地方議会は“無所属”が多く政党別に統計はとりにくいが、ノルウェーは地方議会も政党政治であり、ほぼどの議会にも平均5つか6つの政党から議員が出ている)。

上記は、20171月に書いた原稿。当時の世論調査によると、寛容な難民政策をとる左派中道政党の人気が高かった。つまりノルウェーはいま右派中道政権だが、今秋9月には政権が交替しそうな雲行きなのだ。

【原稿は、「Voice(なくそう戸籍と婚外子差別・交流会通信)第216201712月号」】


子どもたちがはぐくむ平等と包括教育
イラク移民の少女が国会議員有力候補になれる国
ノルウェー国王のスピーチ録画、277万回再生される
難民、ノルウェーと日本
難民体験学習をするノルウェーの若者
ノルウェーの難民と“児童婚”
ヒジャブ着用をめぐる論争
難民問題
非暴力の出番
ノルウェーの難民・移民政策
新年の報道:ノルウェーと日本
イスラム風刺漫画を擁護する女性作家








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# by bekokuma321 | 2017-02-23 15:05 | ノルウェー