詩織さんを応援します

ちょうど1カ月前、詩織さんは、山口敬之氏を告発する記者会見を開いた。全国フェミニスト議員連盟は、6月21日付で、詩織さんを応援する声明文を、東京検察審査会、東京地方検察庁、東京地方裁判所に届けた。

◆◆◆◆ 詩織さんを応援し、性暴力犯罪を起訴・処罰することを求めます ◆◆◆◆

東京検察審査会 担当審査会会長様
東京地方検察庁 検事正 堺徹様
東京地方裁判所長 奥田正昭様

5月29日、東京・霞が関の司法クラブで詩織さんが記者会見を行いました。詩織さんと面識のあるジャーナリスト山口敬之氏を準強姦の容疑で訴え、東京地方検察庁により不起訴となったことに対して、検察審査会に不服申し立てするものでした。

私たちは、詩織さんの勇気に心からの拍手を送り、不起訴処分に強く抗議するとともに、検察審査会での公正な審査を求めます。

強姦は面識のある相手が加害者であることが多いというデ―タがあります。しかし、知り合いからの性暴力被害について、実名を明らかにして訴えることは、日本社会では極めて困難です。視聴した会見報道によると、詩織さんは実名を出し大勢の記者団をまっすぐに見つめて、こう訴えていました。

「本当に変わるべきは一般的な考え方。こういう事件に遭ったら恥ずかしい、黙っていた方がいい、君が傷つくだけ、と言われる」「取り調べ中も被害者らしく振る舞いなさいと言われたが、被害者が悲しい、弱い、隠れなきゃいけないという状態にあることに疑問を感じた」「性犯罪の被害者が隠れていなければならない現状を変えたい」。

詩織さんの力強さに、性暴力にあって声を上げられないでいる多くの人々が励まされていると私たちは考えます。

私たち全国フェミニスト議員連盟は、1992年以来、女性の政治参画を推進し、女性の声を政治に反映することで、誰もが尊重される多様で平等な社会の形成をめざし活動をする、市民と議員の団体です。これまでも、メディア等で繰り返される「性暴力表現」「性の商品化」などを問題にし、“性暴力許容文化”を許さない姿勢を示してきました。また、政府や自治体に対し、性犯罪防止につながるまちづくり、法制度の改善、性犯罪にあった当事者や家族への支援体制を求める活動をしてきました。

女性向けインターネットサイト「ウートピ」の調査では、回答者の1/3が性暴力を受けたことがあると答えています。一方で、内閣府調査によると、女性で、異性から無理やり性交された経験を「あった」と回答した6.5%のうち、「相談しなかった」人は67.5%。「相談した」31.6%のうち「警察」に相談したのは、わずか4.3%だけです(2014年度)。性暴力犯罪にあった人に対する法的な権利保障や支援体制が不十分であるうえ、被害者にも非があったなどの偏見による“二次被害”が多いからだと考えられます。

多くの「詩織さん」を孤立させず、被害から回復に至るまで当事者中心の支援体制の充実を政府、自治体に求めていくことを、私たちは誓います。加えて、このたびの改正刑法は、告訴しなくても起訴できるようになったこと、厳罰化されたことなど画期的ですが、暴行・脅迫要件が残ったため被害者の抵抗が要求されることや、時効制度も手つかずであるなど課題が指摘されています。3年後の見直しを待たず一刻も早い更なる改正を求めます。

なによりも詩織さんの被害を「なかったこと」にさせてはなりません。私たちは、詩織さんに対する性暴力が犯罪として認められ、加害者が厳正に処罰されることを、関係三機関の皆さまに強く訴えます。

2017年6月21日

全国フェミニスト議員連盟
共同代表 ひぐちのりこ(宮城県仙台市議)
同 上  日向美砂子(東京都小平市議)
事務局   小磯妙子(神奈川県茅ケ崎市議)

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 ▲検察庁のパンフレット「犯罪被害者の方々へ」。イメージは被害者寄りのようだが。


詩織さんの告発
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# by bekokuma321 | 2017-06-29 22:50 | その他

豊田真由子衆議院議員の暴言暴行を報道で視聴した。すさまじい罵倒ぶりだ。問題なのは、被害者の身体の特徴をあげて怒鳴ちらしていることだ。彼の心をどれだけ傷つけたことか。これは、欧米ならヘイトスピーチとして違法になると思う。自民党を離党したらしいが、被害者に謝罪し、議員を辞職すべきだと思う。

豊田議員は2012年、自民党の衆議院議員候補公募に応募して選ばれて公認で立候補したという。選挙区は埼玉4区。暴言暴行を受けた人は、豊田議員の政策秘書。彼は、車を運転中に後部座席の豊田議員から受けた仕打ちを、ひそかに録音していた。この録音がなかったら秘書がたとえ診断書を出して暴行被害を訴えても、「やってない。嘘だ」と否定されただろう。逆に豊田議員から「誹謗中傷」「名誉毀損」と訴えられる恐れさえある。そして豊田議員はケロリとして自民党公認候補でまた衆院選に出るだろう。

ネットをにぎわしているコメントの中で、河村建夫元官房長官のコメントがおもしろい。

「選挙を戦う者とすれば、あのようなことは起こる。たまたま彼女が女性だからこうしたことになっているが、あんな男の代議士はいっぱいいる」と彼は豊田議員をかばった。衆議院における女性議員の割合はわずか9%しかいない。だから目立つのは当たり前だ。おそらく「あんな男の代議士がいっぱいいる」のだろう。そういう男性議員なら全て議員辞職すべきだ。

彼のコメントで注目すべきは性差ではない。「選挙を戦う者」という言葉だ。キツイ選挙戦をくぐりぬける者に、暴言暴行は避けられないというのである。恐れ入った。

口利き収賄疑惑で辞任した甘利大臣を思い出す。記者会見で、甘利大臣は「良い人とだけ付き合ってたら選挙落ちちゃう、小選挙区制だから。来るものは拒まずってしないと当選しない」と言った。50万円入っていた虎屋の羊羹を受け取った事件だが、甘利大臣は、その弁解に「選挙」を口に出した。

悪い人ともつきあわないと小選挙には勝てない、と正直に白状したのだ。小選挙区制の弊害をこれほど雄弁に語った人はいない。

豊田議員の暴行暴言事件の背景にも小選挙区制がある、と私は思う。

c0166264_16265153.jpg小選挙区制では、最高得票の候補たった1人しか当選しない。ほかは死に票となる。ヨーロッパの多くの国々が、不公平な選挙制度だと19世紀から20世紀はじめにかけて捨て去ったが、日本は、20年ほど前、“政治改革”の熱狂のなか、新たに採用した。

小選挙区制は、「まさに勝つか負けるか、食うか食われるかのきわめてシビアな選挙戦が繰り広げられる」(阪上順夫『小選挙区制が日本をもっと悪くする』)。

私も2012年、秋田3区で小選挙区選挙を体験した。朝7時から夕方6時まで車で遊説して、休憩をはさんで夜7時から集会、というのが日課。宣伝カーの助手席に座り、左側の窓を開けて左腕を振りながら右手でマイクを持って連呼する。手袋が雪で真白になりしばらくするとカチカチに凍る。凍った手袋を車内のヒーターで暖め、予備の手袋に変え、また手を振る。2,3日で腕があがらなくなったため、毎朝セーターの左そでにホカロンをベタベタ貼って、その上からコートを着た。窓はあけっぱなしのため、ヒーターはほとんど効かない。凍傷寸前、シモヤケ覚悟の連呼マシーン。それが選挙運動だった。わずか1カ月ほどだったから体がもったのかもしれないとも思った。

豊田議員は、選挙期間中ではなかった。だけど現職議員は、給料をもらって合法的に選挙運動をしているようなもので、再選を念頭に、ありとあらゆる方法で顔と名前を有権者に売りまくる。よくあるのが挨拶回り。午前と午後に各何十件、やれ夏祭り、やれ商工会式典、やれ野球大会、やれ卒業式、やれ葬儀と予定がびっしりだ。

豊田議員は、こうしたことに加えて秘書に「支援者のバースデーカードの宛名」を貼らせていたらしい(宛名とカードが違っていたのが怒りの原因とか)。国会議員が支援者にバースデーカードを出すなんて、初耳だ。そういえば、支援者をバスに乗せて明治座観劇に連れて行ったりワインや下仁田ネギを配ったのは小渕優子議員、うちわは松島みどり議員、カレンダーは御法川議員・・・こうした行為が問題にされたから、バースデーカードが出てきたのか。とにかく、1人でも多くの有権者の心をつなぎとめようという、違法すれすれの、いじましい、あの手この手。

政策秘書が選挙区の運転手をしていることにも驚いた。政策秘書とは、議員の政策つくりを補佐する人だ。国家公務員に準じており、国民の税金から給与を支払われる。その人が、バースデーカード書きや、支援者回りなど、選挙運動員的役回りをさせられているのだ。

小選挙区制は、民意を反映しない歪んだ選挙だ。2014年衆院選での自民党の絶対得票率(棄権者も含む全有権者に占める割合)を見ると、小選挙区は24.49%、比例区は16.99%だ。明確な自民党支持は5人に1人ほどしかいない。それでも自民党はいま衆院の6割余を占める(そのうちの1人が豊田真由子議員)。

それに加えて、小選挙区制は、犯罪まがいの事件を誘発する要素のより多い、醜悪な選挙制度だ、とつくづく思う。


民主主義コンテスト 世界1はノルウェー、日本は20位
国会議員年収も政党交付金も世界最高額
比例代表制は女性や弱者が当選しやすい
Countering Hate: Nordic Conference on Hate Speech
Hatefulle ytringer er forbudt også på Facebook
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# by bekokuma321 | 2017-06-29 16:44 | その他

c0166264_051737.jpg 議員職剥奪は不当だという西岡恵子さんの訴えが、最高裁でも認められた。

今朝(6月22日)、西岡恵子さん(徳島県藍住町議)に連絡がはいったという。女性がたった一人しかいない議会で、大勢を相手に闘わなければならなかった西岡さんの苦労が、これで報われる。

この喜ばしい結果は、西岡さん個人に向けられた仕打ちの不当さが公に認められただけでない。数の力を背景にした横暴な言動に苦しむ日本国中の少数派にとって大きな励ましになるだろう。とりわけ、日本全国の紅一点議会で嫌がらせに苦悩する女性議員には朗報だ。

今日の午後、徳島市内で下記のように記者会見を開き、広く内容を知らせる予定。

6月22日(木)午後3時、あわ共同法律事務所

2014年8月、徳島県藍住町の町議会は、西岡恵子町議が「町内に生活実体がない」と、彼女の議員失職を決定した。西岡恵子町議は、議会決定は不当だと取り消しを求めて徳島地裁に提訴。2016年4月、徳島地裁は、西岡原告の主張を認め、町側敗訴。それに不服だった藍住町は高裁に控訴。

2017年1月、高松高裁も、徳島地裁と同様に藍住町側の主張を退けた。それに対して藍住町は最高裁に上告をしていた。

もっと知りたい方は I love aizumi.comを。
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# by bekokuma321 | 2017-06-22 13:48 | その他

フランスの総選挙が終わり、577議席のうち351議席をマクロン勢力が握った。女性は223議席、38%と過去最高だった。前回、女性は27%だったので、大躍進である(注)。

「国会にもっと女性を」と語っていたマクロンの言葉に嘘はなく、「共和国前進La République en Marche (La REM)」HPの候補者サイトには、男女がズラリと並んでいた。5月11日に発表された公認候補は男214人、女214人と、きっぱり半々(パリテ)だった。

「共和国前進」当選者のうち女性は47%に達し、男女平等の党であることを証明しているようだ。それに、「女は顔、男は頭」とかいう古臭い固定観念を、マクロン夫妻は一瞬にして変えてしまった。

先日、同党の政策は税の公平分担など北欧諸国の政策に影響を受けているとした報道を読んだ。しかし、マクロンは、公務員の大幅な削減や規制緩和という自由主義的政策の持ち主であると言われてきたが、それが中心なら男女平等社会への前進は難しいのではないか。どんなふうに平等を前進させるのだろうか。楽しみだ。

【注】6月19日付フランス紙「エクスプレス」は、最終的に国会の議席に座る女性は227人、全議席の39.3%だと報じている。理由は、ノルウェーの国会のように、大臣と国会議員が兼務できないからのようだ。大臣職5人の代理は女性だったため5人女性が増え、さらに女性1人の代理は男性だったため、227(223+5ー1)になったと思われる。これでフランスは女性国会議員率で世界63番目から10番台となる。ちなみに日本は164番目

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        ▲共和国前進La République en Marcheホームページより

En Marche
Macron set for big win in second round of parliamentary polls
'A lot of inspiration for En Marche comes from the Scandinavian countries'
Record de femmes à l'Assemblée nationale 
フランスは選挙もセクシー
フランスの政党交付金は男女平等化資金に
男女ペア候補がつくるフランスの男女平等議会
フランス議会は男女半々(パリテ)へ-イヴェット・ルーディさんに聞く-
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# by bekokuma321 | 2017-06-22 02:41 | ヨーロッパ

6月8日のイギリスの総選挙で、イギリス史上最も多くの女性が当選した。

歴史的だったとはいえ、前の選挙から大躍進したというわけでもない。全体で女性の当選者は208人で、2年前の196人から12人増えた。割合は30%から32%になった。政党別の女性割合は、保守党21%、労働党45%、SNP34%、自由党33%。

前回選挙と比較すると、保守党は変化がなく、労働党は44%から45%に微増、SNPも33%から34%と微増だった。自由党は11%から33%と大幅に女性が増えた。とはいえ、自由党の議席は少なく、多くの報道は「歴史的」としたが、それは労働党当選者が多かったことによる。

この結果に、伝統ある女性解放団体「フォーセット協会」はまったく満足していない。協会は、「国会のわずか30%しか女性はいない」と訴え、選挙に向けて女性政策・男女平等政策を政党に要求するなど精力的に運動をしてきた。サム・スミサ―ス代表はBBCに次のようにコメントしている。

「女性たちは、200議席というハードルを初めて超えました。しかし、これはまだ全体の32%にすぎないのです。赤面するほどのろいカタツムリの歩みでしかありません。新しいアプローチをする時がきました。全政党に候補者の少なくとも45%は女性にせよと要求して行きます」

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 ▲地方議会と国会に女性議員はどのくらい増えたか(フォーセット協会のキャンペーン)

Record number of female MPs win seats in 2017 general election
Election 2017: Record number of female MPs
Fawcett Society
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# by bekokuma321 | 2017-06-22 00:36 | ヨーロッパ