数ヶ月前のことだが、ノルウェーの友人が、こんなことを言ってきた。

「このテレビは、ノルウェーの農産物にとって朗報です。さまざまな理由から、ノルウェーの食糧生産には規制が多い。とくに抗生物質は危険だから規制すべきです。ノルウェーだけでなく、すべての国の政治が、食料生産において、抗生物質や薬剤の使用をきびしく規制することが重要です」

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友人が見たのは、スウェーデン・テレビ(SVT)でFriktionという、日ごろ社会で問題となっているテーマを報道するドキュメンタリー番組シリーズだ。

そのプログラムは、スウェーデンの学者が、食べ物にどれだけ抗生物質や薬剤が使われているかをわかりやすく、8カ国で比較をしていた。もっとも安全とされた国がノルウェーだった。

1kgあたり、ノルウェーは4mg、スウェーデンは13mgだ。アメリカは180mgというからスウェーデンの10倍以上だ。しかし、「中国は統計がとれていないので不明」というのでさらに怖い。

日本はどうなのだろうか。食べ物は健康に直結する。健康は基本的人権であり、守るのは政治だ。しかし、東京都の市場問題を見ても、この国の政治家は、私腹を肥やすだけで、私たちの胃袋や人権を考えてくれそうもない。

Friktion: Antibiotika (SVTの動画。スウェーデン語知識がなくてもわかりやすい。上の写真は動画の接写)
食品中に残留する抗生物質の検査
民主主義コンテスト 世界1はノルウェー、日本は20位(Economist Intelligence UnitによるDemocracy Index2016)
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# by bekokuma321 | 2017-06-10 17:03 | 北欧

c0166264_039564.jpgさきほどヨーロッパから入ったニュースによると、スペインのマドリードは、すべての公共交通機関で足を広げて座ることを禁止した。

マドリード市のツイッターを見ると、こんなわかりやすいイラストとともに「他人のスペースを尊重しましょう。マンスプレディングはやめましょう」と知らせている。

マンスプレディングは、manspreadingという英語だ。man(男)にspread(広げる)をつけた言葉だ。ガバッと開脚してスペースを横取りする座り方は男性に多く、隣に座った人が不快な思いをしたり、スペースをとられて横に座れなくなったりする。

報道によると、女性運動団体Mujeres en Lucha(女性の闘い)が、インターネットのチェンジchange.org で「マンスプレディングをやめさせよう」と運動をしていたという。ちなみに、マドリードの市長は共産党員だった女性Manuela Carmena

Ayuntamiento Madrid (Madrid Town Hall)
‘Manspreading’ banned on all public transport in Madrid
Madrid contra el 'manspreading': la lucha feminista por un uso cívico del transporte público
Que la Comunidad de Madrid ponga carteles sobre el Manspreading en el metro(チェンジの署名運動)
Madrid installs gay-friendly traffic lights for World Pride 2017
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# by bekokuma321 | 2017-06-08 00:48 | ヨーロッパ

c0166264_12462794.jpg山上千恵子監督の最新作『たたかいつづける女たち~均等法前夜から明日へバトンをつなぐ』を昨夜観ました。 素晴らしいドキュメンタリー映画でした。

1980年代の雇用機会均等法の前後から、今もって闘い続ける女性たちの歴史と今が、多くの女性たちへのインタビューで描かれていました。女性たちの運動の歴史を知るだけでなく、これからの女性運動につながる映画です。

山上千恵子監督のトーク付きでした。山上さんは、「男女雇用機会均等法制定時の赤松良子さんの大変さはNHKテレビ『クローズアップ現代』で世に知られていますが、そこに登場しない女たちの闘いを記録したかった」と話していました(写真)。

山上監督作品には『30年のシスターフッド――70年代ウーマン・リブの女たち』や『山川菊栄の思想と活動――まずかく疑うことを習え』があります。どちらもいい映画でした。今回の『たたかいつづける女たち~均等法前夜から明日へバトンをつなぐ』にも、「歴史の教科書に載っていない女たちの闘いを残しておきたい」という山上さんの信念が貫かれていました。

1980年代、政府の雇用機会均等法案は女性の労働権の確立につながらない、と、自分たちの男女平等法を提案していった女性解放運動の歴史。そのなかで圧巻は、クリスマス・イブに労働省まで走る抗議のデモ「イブ・リブ・リレー」でした。三井マリ子さんのアイデアから始まった運動を初めて知りました。林陽子さんが「女性の問題を見える化した」とその意義を語っていました。また若い中嶋里美さんが元気に走る姿にも嬉しくなりました。まさに「行動する女たち」です。

c0166264_12423869.jpg法案制定の立役者・赤松良子さんも映画に登場し、「私だってフェミニストだから、もっといいものを作りたかった」と告白していました。「法案に反対した人たちは分からず屋だった」と言った言葉が印象的でした。いくら国会外で反対しても結局は国会の勢力図によって決まってしまう、という意味なら、赤松さんの言葉は正しいかもしれません。私たちは、雇用の男女平等を欲する女性をまったくと言っていいほど国会に送り出せなかったのですから。

男女雇用機会均等法制定30年が過ぎても、女性は正規社員と非正規に分断され、低賃金・不安定雇用に押し込まれている現実に、女性たちは今もって戦い続けなければいけません。と同時に、男女平等を求める女性をもっと国会や地方議会に増やさなくては、とあらためて思います。

会場で明治大学の先生が、「学生は動画なら観る。ぜひ学生に見せたい」と言っていましたが、ぜひ大学生や若い人たちに観てほしいです。まずは、私が関わっている高知の女性団体ポレールや、全国フェミニスト議員連盟などで上映会の提案をしようと考えています。

木村 昭子(ポレール役員、全国フェミニスト議員連盟世話人)

【写真】映像女性学の会・小野由理撮影(2017.6.3 渋谷男女平等・ダイバーシティセンター)

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ビデオ工房AKAME DVDリスト「生き方」
Sister wave_山上千恵子監督の3作品
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# by bekokuma321 | 2017-06-05 13:14 | その他

6月2日、全国フェミニスト議員連盟は、共謀罪の撤回を求める声明文を内閣府に直接届けた。男性に比べて女性は意見表明の機会が限られているなか、「表現の自由や内心の自由の束縛につながる恐れのある共謀罪に対して」強く反対する、などと述べられている。


共謀罪「組織的犯罪処罰法改正案」撤回を求める声明

内閣総理大臣 安倍晋三 様 2017 年6 月2 日

c0166264_21193996.jpg私たち全国フェミニスト議員連盟は、1992年以来、女性の政治参画を高め女性の声を政治に反映することで、誰もが尊重される多様で平等な社会の形成をめざし活動してきた。

戦前、女性には参政権がなかった。徹底した家父長制のもと、政治的発言はおろか、女性たちが父・夫・息子など男性に逆らって意見を述べる事はありえなかった。

さらに共謀罪と似ているとされる「治安維持法」の存在が、男性の陰にいた女性たちの内心を強く縛っていた。女性たちは「皇道精神および日本婦道の奨励」を旨とする大日本婦人会という組織の下、天皇の赤子を生み育て兵士として送り出す戦争支援義務を負わされ、夫や息子を“進んで”戦地に行かせる役目を担った。たとえ女性に戦争反対の気持ちがあっても、その意思を表明することなど不可能だった。

日本女性が、表現の自由、思想信条の自由、政治参加の自由、集会・結社の自由を獲得したのは、ひとえに戦後の憲法によってである。「人類の多年にわたる自由獲得の成果」(憲法97条)なのだ。

女性参政権獲得71年目となるにもかかわらず、政治分野には女性の代表が極端に少なく、職場や地域や家庭ですら女性の意見表明は男性に比べて少ない。これが表現の自由や内心の自由の束縛につながる恐れのある共謀罪に対して、本連盟が強く反対するゆえんである。

共謀罪の新設を内容とする「組織犯罪処罰法改正案」が、世論の懸念の中、30時間ほどで衆議院法務委員会および衆議院本会議において強行採決され、参議院に送られたことに強く抗議する。

法案は、参議院で審議中だが、過去に世論の強い反対により3度廃案になった共謀罪と内容は本質的には変わらない。名称をテロ等準備罪と変え、東京オリンピック開催に改正は必須という解釈のもと、国会審議では準備行為の定義や組織的犯罪集団の範囲の説明が曖昧なまま採決に至ったことは、よりいっそう国民の不安を大きくしている。

犯罪の相談や計画だけで処罰を可能とする共謀罪は、実行された犯罪のみを罰することを原則とする日本の刑法体系を根本から転換させることであり、「内心の自由(思想信条の自由)」という憲法上の保障をも脅かすことになりかねない。これを私たちは看過できない。

法曹関係者や学者、言論人、メディア関係者、市民団体、労働団体などが反対の意思を示し、世論調査でも多くが説明不十分と答えている。そのなかで強行採決したことは許しがたい。とりわけ、国連の特別報告者ジョセフ・ケナタッチ氏が安倍首相あての公開書簡によりプライバシーの侵害、表現の自由の侵害について懸念を示したことに真摯に向き合うどころか抗議で応えた安倍内閣の姿勢に強い疑念と怒りを覚える。

私たちは、過去の努力により積み重ねてきた女性たちの連帯を未来につなぐ責任において、共謀罪である「組織的犯罪処罰法改正案」の衆議院での強行採決に強く抗議し、法案の撤回を強く求めることをここに表明する。

全国フェミニスト議員連盟
共同代表 ひぐちのりこ(宮城県仙台市議会議員)/ 日向 美砂子(東京都小平市議会議員)
事務局 小磯妙子(神奈川県茅ヶ崎市議会議員)


【写真】内閣府に宣言文を届ける日向美砂子代表(2017.6.2)
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# by bekokuma321 | 2017-06-02 21:27 | その他

詩織さんの告発

c0166264_1231939.jpg「性暴力を許さない女の会」が、今日、詩織さんを支援する声明文を出した。

ホ―ムページ によると、同会は、1988年の「地下鉄御堂筋事件」をきっかけに結成された、性暴力根絶をめざす女性運動団体だという。

詩織さんについて、私は2017年5月29日、Facebookで知った。ジャーナリスト・山口敬之氏にレイプされたと主張する女性・詩織さん(28)が5月29日、山口氏が不起訴となったことを受け、検察審査会に不服申立をしたと発表した。詩織さんは記者会見したーーーと書いてあった。

同日ただちに私は、次のメッセージをつけて、このニュースを拡散した。

「強姦された側は悪くない。悪いのは強姦した側。やっと日本でも昂然と顔を上げて、公の場で訴える女性が現れた。彼女の勇気で、歴史が確実に一歩前に進んだ」

性暴力被害にあったときの怒りと悔しさ。加害者は何のお咎めもないと知ったときの絶望感。こんな思いの女性は、おびただしい数にのぼるだろう。その声を代弁するような声明文(↓)を、まずは読んでほしい。


私たちは女性の人権を軽視する準強姦事件不起訴に強く抗議し、 検察審査会に不服申し立てをした詩織さんを応援します!

私たち「性暴力を許さない女の会」は、ジャーナリスト・山口敬之氏からの準強姦被害を訴え、不起訴となったことを検察審査会に不服申し立てをした詩織さんを応援するとともに、今回の不起訴処分について強く抗議します。

詩織さん本人が会見で言っていたように、山口氏には準強姦罪容疑で逮捕状まで出ていたのに、直前に「警察のトップの方からストップがかか」って逮捕は取りやめになりました。

こうしたことは、弁護士も警察OBも大手新聞社社会部記者も「異例中の異例」「聞いたことがない」と言っています。

『週刊新潮』の取材によると、捜査打ち切りを指揮したのは『菅官房長官の片腕』として有名な警察官僚の中村格氏であると判明しています。官邸が、自分たちに近しいジャーナリストだからという理由で、山口氏の逮捕を握りつぶした可能性が非常に高いと思われます。

これは、森友、加計学園問題に連なる、法や行政の恣意的運用というだけではありません。女性の人権(強姦は、フランス刑法では「生命に対する侵害」の次に重い「人の身体的・精神的完全性に対する侵害」に位置付けられる)に関する重大な不正義という点では、よりいっそう深刻な問題だと考えます。政権と親密な関係にあるジャーナリストの「下半身スキャンダル」を、便宜を図って握りつぶしたのがけしからんという話ではありません。女性を卑劣な手口で騙し強姦した人間を、逮捕状まで出るようなあらゆる証拠固めにもかかわらず「嫌疑不十分」として無罪放免にした、驚くべき法の無視、女性の人権軽視ぶりに私たちは強く抗議の意を表明するものです。

警察に届ける性暴力被害は氷山の一角に過ぎない上に、諸外国に遅れをとる刑法のもとで、起訴にまで至る性暴力事件はごくごくわずかなのが実情です。

詩織さんの被害は、顔見知りからのものであり、アルコールや薬物使用の可能性が絡んでいます。残念ながら、多くの被害者がこのような被害に遭い、警察や周囲の人に取り合ってもらえず、「被害者にも責任がある」と責められることもあります。しかし、私たち支援や相談の現場にいる者にとって、他の多くの被害にも共通する部分がある典型的な被害だといえます。

このような多くの被害と共通する今回の被害が起訴されないこと自体、日本の法や司法制度が性暴力被害の実態に合っていないことの表れだと考えます。

過去に横山ノック元知事のセクハラ裁判の支援を経験した私たちには、このような政治や権力が色濃く絡む被害では、「陰謀説」や「権力争いの道具」として被害者が置き去りにされてしまうこと、そして、マスコミの過熱報道などにも危惧の念を抱きます。

声を上げた詩織さんの意思が尊重されること、二次被害や当事者が置き去りにされないことを切に望みます。

私たちは、詩織さんを応援するとともに、今後は検察審査会で正当な審議がなされること、また、「法律や捜査システムの改善につなげたい」という彼女の言葉にもある通り、今国会で審議が予定されている「刑法性犯罪」改正早期実現を要望したいと思います。

2017年6月1日
性暴力を許さない女の会
https://no-seiboryoku.jimdo.com/
asa198811@hotmail.co.jp


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# by bekokuma321 | 2017-06-02 01:46 | その他