c0166264_2297100.jpg11月11日、「選挙が変われば政治が変わる 選挙マルシェ」に参加しました。基調講演「民主主義世界一の国ノルウェーの選挙」(三井マリ子) について報告します。

印象に残っている特徴を2つあげます。一つはノルウェーの「選挙法」は、日本の「公職選挙法」とは全く違うということ。二つ目は、高校生による「スクール・エレクション」(政党討論会と模擬投票)が選挙前にいつも行われるということ。

ノルウェーの選挙法には、日本の選挙運動で禁止されている事が、ほとんどないと言えます。「選挙運動期間なし」「戸別訪問OK」「チラシは自由に何枚配ってもOK」「政党同士の公開討論会いつでも何回でもOK」「供託金なし」、など。

選挙は、完全比例代表制です。東京新聞の記事だったかFEM-NEWSだったかによると、「もうじき投票なのに、国会議員候補になっている友人が、選挙区を離れて三井さんを空港に迎えに来た」というのです。それは、比例代表制なので、選挙運動は、候補者個人が宣伝する必要がなく政党の政策PR中心だからのようです。

ノルウェーの投票率はいつも80%近いということです。この高い投票率を実現するために、有権者の立場に立っていると思われる次のような工夫がなされています。

⓵投票日は、9月第1または第2月曜日と法律で決まっている(解散がない) ②事前投票期間は2か月 ③事前投票所が身近に設けられている ⓸住民票のない地域でも事前投票ができ、選挙管理委員会が住民票のある自治体へ投票が済んだ用紙を届ける ⑤小学校から始まる政治教育によって、政治が身近である ⑥投票は、日本のような自書(投票用紙に自分で書くこと)ではない。投票ブースに用意されている全政党の候補者リストから自分の支持政党の1枚をとって投票箱にいれるという簡便さ。

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スクール・エレクションは生徒会主催の学校行事として、ノルウェー全土の高校で行われているそうです。ノルウェーの被選挙権は、選挙権と同じく18才からです。よって、高校生でも議員に立候補します。実際に地方議員に当選した女子高生の映像を見せてくれました。

スクール・エレクションは、強制ではないものの毎回、8割がたの高校が参加しているとのこと。大勢の生徒が、講堂に三々五々集まります。壇上に並んだ政党の代表者が次々に政策を説明し、政策ごとに討論しあいます。生徒たちの目はランランと輝き、関心の強さが映像からはっきりと伝わってきました。政党の討論会が終わると、別室にある政党の選挙ブースで、生徒たちは各自、政党に質問します。

1、2週間後、高校生が選挙管理委員となって「模擬選挙」が行われ、その結果は、新聞やテレビで大々的に公表されます。

高校の校内で選挙運動をしていることに驚き、次にノルウェーの政治教育が小学生から始まっていることに感心ました。

小学生が4,5人のグループで、あらかじめ用紙した質問用紙を持って、各政党の選挙事務所(選挙テントと言われる)を回って、政策を調査する様子が映像で紹介されました。これは、学校の授業の一環で、調査票も小学生自らが考えて作成しているということです。

このように、ノルウェーの国民にとって、政治とは、音楽や、芸術やスポーツと同じように、生活と切り離せない一つの分野となっているようです。つまり、「国語」や「算数」と同じく、日本にもある「社会」なのですが、そのなかに「生きた民主主義教育」が組み込まれているのです。

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三井さんの講演後、日本で政治参加について運動している若者グループのパネルデスカッションがありました。ここでも、ノルウェーのスクール・エレクションについて、いくつか質問が出て、関心の高さがうかがわれました。

この集会は、全国フェミニスト議員連盟も協賛団体の「選挙マルシェ」。司会進行は同連盟共同代表の日向美砂子さんで、会員が10人ほど参加していました。また午後からの議員による「若者の政治参加」の様子は、伊藤正子さんによる同連盟フェイスブック投稿を参照してください。

岡田ふさ子(さみどりの会、全国フェミニスト議員連盟)

【写真上:講演する三井さん。中:三井さん作成のパワーポイント「スクール・エレクション」 下:司会の日向美砂子議員、三井マリ子講師、POTETO東京青年会議所ivote日本若者協議会の各代表】(撮影anonymous)

日本&ノルウェー 政治環境の違いを超えて(選挙マルシェ)
「教育を変えなければ」と思った(選挙マルシェ)
市民に優しい選挙制度(ノルウェー)(東京新聞)
スクール・エレクションは民主主義の学校(ノルウェー)
投票者にも候補者にも優しい選挙(ノルウェー)
北欧福祉社会は地方自治体がつくる
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# by bekokuma321 | 2017-11-19 02:47 | ノルウェー

10月22日の総選挙で国会(1院)に占める女性は10%になった。だが、世界の女性国会議員率でランクを出しているIPUは9月1日時点のため、日本は依然として165位。このスキャンダラスな数字を決して忘れないためにも、再び下に掲げる。

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もうじき、前回の総選挙の結果にもとづいて、日本のランキングは世界160位から162位ぐらいに上がるだろう。あ~なんとめでたいことよ!

日本の女性国会議員率、世界164番目
女性議員増法案、成立ならず
6月15日「女性議員増やそう法案を成立させよう集会」へ
「身を切る改革」どころか「民意を切る改革」
日本の女性議員率、世界189カ国中161位
日本の女性議員率、世界163位
世界で最も女性議員が多い国ルワンダ
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# by bekokuma321 | 2017-11-18 09:16 | ノルウェー

11月11日、恵泉バプテスト教会で、シンポジウム「選挙が変われば政治が変わる 第2回選挙マルシェ」があった。三井マリ子さんの基調講演は、9月に取材してきたばかりのノルウェーの国会議員選挙についてだった。

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◎高校の生徒会が、選挙期間に各政党代表を校内に招いて政策討論会を行う(スクール・エレクション)。
◎居住地でない投票所でも事前に投票できる(たとえば職場の近くなど)。
◎ほぼ全ての政党が、子ども向けの政策をつくって発表している。
◎小学生から選挙や政治に馴染んでいて、小学5年生になると授業で実際に各政党の選挙事務所に政策の調査に行く。
◎政党助成金は政党の本部だけでなく、政党の青年部にもダイレクトに送金される。
◎選挙は、国会議員も地方議員もすべて比例代表制。
など、など……。

パワポを駆使して、笑いを交えながらの熱いお話だった。日本との政治環境や選挙制度の違いに驚いた。

しかし、日本でも、独自に政党代表を招いての公開討論会をしたり、わかりやすい情報発信や、政治家と直接交流の機会を設けて若者政策を提言したりなど、主権者教育に取り組んでいる団体がある。

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講演を踏まえて、そうした4団体の代表による、パネルディスカッションがあった。4人は、自分たちの団体の活動内容や目的に加えて、政治・選挙について感じていることを元気に話してくれた。規制の多い日本の公選法や、政治への無関心など問題点が山積する日本の政治環境のなか、4人の熱心な活動を知って、前向きになれる力が自然と湧いてきた。

ランチ後のシンポには、現役議員9人が登壇(写真下)。政治に関わるようになったきっかけや子どもの頃に感じていたことなども聞くことができた。短い時間だったが、それぞれの個性や所属政党の政治活動についても垣間見えた。

今回は、会場からの質疑応答の時間はとれなかった。とはいえ、日ごろあまり接する機会のない政治・選挙の話を「聴く」ことから、考えさせられることや得るものが数多くあったと考えている。

司会進行という大役を終えて、今、ホッとしている。今後も、こうした活動に関わっていきたい、と思っている。

日向美砂子(全国フェミニスト議員連盟、小平市議会議員)

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【写真上:ノルウェーで撮影してきた映像を示しながら講演する三井講師。中:左から司会の日向美砂子議員、三井講師、4団体代表。下:超党派の議員による「若者の政治参加をどうするか」】(撮影 上・中anonymous、下三井マリ子)

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# by bekokuma321 | 2017-11-16 12:04 | その他

TAMA女性センター市民運営委員会からのお知らせです。

女性への悲惨な暴力は後を絶ちません。子どもを持つ女性たちがもっとも幸せに暮らせる社会と言われている北欧諸国はどうでしょうか。親しい間がらの暴力の被害にあっている女性(男性)や子どもへの対策の土台に流れる精神は何で、それはどう政策に生かされているのでしょう。なかなか進まない日本の対策へのヒントが得られるかもしれません。11月18日(土)2時、京王線聖蹟桜ヶ丘の公民館です。お気軽においでください。


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# by bekokuma321 | 2017-11-14 11:43 | 北欧

11月11日(土)、シンポジウム「選挙マルシェーー選挙が変われば政治が変わる」に参加しました。

13:00までしか拝聴できなかったのですが 「見てきた! 民主主義世界一の国ノルウェーの選挙」と題した、三井先生のわかりやすいお話にさらにノルウェーを知ってみたくなりました。

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私なりの解釈では、結局根本的に教育を変えていかなければ これ以上何の進歩も望めないのではないかという思いを強く持ちました。そんな中、2部のほうで若い方々が懸命に活動されていることに闇の中に光を見出した思いです。

今ちょうど、『限りなく完璧に近い人々――なぜ北欧の暮らしは世界一幸せなのか? 』 ( マイケル・ブース著)のノルウェー部分を読んでいます。著者は、デンマーク人の妻を持つ、英国人ジャーナリストです。「数世代先を見越した政策を実行していく…」と書かれているところで、唖然としてしまうのは私だけでしょうか?

私は「スカンディナヴィア(ノルウェー)の平等社会のルーツを探る〜ヴァイキング時代のキリスト教受容前の国内において〜」を修論に仕上げて後、暫く北欧から離れていました。

最近は医療少年院や保育所で仕事をする機会を得て、日本の形ばかりの教育に違和感を覚えるようになりました。同時に『男女平等の本』の著者ノルウェーのアウド・ランボーが「私たちの国の教育には哲学があるのです。それは必ずしも数値化されないけれども」と仰っていたことを思い出しました。

そして今日のシンポジウムで、三井先生のお話しくださった「子どものころからの身近な民主主義」が全て頭の中で混ざり合い 、余生に私自身が多少なりとも手掛けられそうなことはないものかと思いました。それは教育に関してです。日本の人に気づいてもらえるような方法で。どんな形になるかわかりませんが ノルウェーに関わっていこうと気持ちを新たにした1日でした。

三井先生の息の長いご活動には頭の下がる思いです。新しい物事になかなか着手できない国民性の日本でなさっているのですから・・・。

でも、今日の会で、先生の後に続いて行けそうな若者が育っていこうとしている姿を見て、とても頼もしく映りました。今日は本当に有意義な時間をお与え下さり有難うございました。

原 三枝子

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【写真上:政策論争中心のノルウェー選挙を紹介する三井マリ子講師。写真下:日本の若者が選挙にどう向き合っているかを話すパネルディスカッション。左から、司会の日向美砂子議員、三井マリ子講師、POTETO東京青年会議所ivote日本若者協議会の各代表。撮影anonymous】

【注:筆者は教員時代の三井の教え子だったため「先生」と敬称をつけている。三井は講演では参加者に「できれば~さんと呼んでほしい」と依頼していた】

市民に優しい選挙制度(ノルウェー)(東京新聞)
スクール・エレクションは民主主義の学校(ノルウェー)
投票者にも候補者にも優しい選挙(ノルウェー)
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# by bekokuma321 | 2017-11-13 10:22 | ノルウェー