ノルウェーの国政選挙が終わった。主要政党の得票率と議席数は次の通り。

赤党2.4%(1)、左派社会党6%(11)、労働党27.4%(49)、中央党10.3%(18)、緑の党3.2%(1)、キリスト教民主党4.2%(8)、自由党4.3%(8)、保守党25.1%(45)、進歩党15,3(28)

特色は中央党の躍進と赤党の初議席だろうか。緑の党は予想ほど伸びなかった。

現政権は保守党と進歩党の連立で、自由党とキリスト教民主党が閣外協力をしている。この4党がそのままなら、89議席となり169議席の過半数となるため、メディアはいっせいに保守党党首アーナ・ソルベルグが首相を続投だろうと報道した。

しかし、キリスト教民主党の態度が決まったわけではない。進歩党とは組まないと何度も公約してきたからだ。もしもキリスト教民主党の8議席が赤リーグ(労働党と組む)に流れると、政権交代となる。

それを暗示するかのような光景が、夜中12時過ぎに始まった国会での党首討論会が終わった後、目にはいった。キリスト教民主党の党首は、保守中道の女性党首たちとは違う方向に歩いて行ったのだ(下の写真 2枚目)。

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▲真夜中12時20分から始まった国会議事堂での党首記者会見。左から赤党、緑の党、左派社会党、中央党、労働党、保守党、進歩党、キリスト教民主党、自由党。保守リーグに女性が多いが、ついこの前まで左派リーグの全政党党首が女性だった。

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▲保守党、進歩党、自由党の女性3党首に背を向けるキリスト教民主党党首

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 ▲真夜中1時過ぎのノルウェー国会。党首たちは選挙戦を終えてヘトヘトだろうが、こうして国会議事堂でいち早く結果を国民に知らせる。長い伝統だそうだが、その基本的姿勢に感銘を受ける
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# by bekokuma321 | 2017-09-12 11:26 | ノルウェー

ノルウェーの国会議員選挙は、明日9月11日(月)で終わる。

オスロの繁華街カールヨハン通りには、「2017年 国会議員選挙、サーミ議会選挙 9月11日、10日」と書かれた旗がたなびく。つい忘れてしまいそうになるサーミ議会を同等に書いているところがにくい。

開票は11日、夜9時から始まるという。そのころには、選挙候補者、運動家、支援者たちは、政党ごとに設けられた「選挙寝ずの番 Election Vigil」パーティに三々五々集まる。みんなで大スクリーンに映し出される開票速報を見ては、喜んだり悲しんだり、労をねぎらったり……。

選挙に詳しい知人は「今回は大接戦だから、夜中まで結果がはっきりしないかもしれませんね」と言っている。

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▲カールヨハン通りをはさんで両サイドに、投票を促す薄紫色の旗。国会議事堂(左の建物)から王宮(真正面)にかけてズーッと何本も続く
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# by bekokuma321 | 2017-09-11 08:18 | ノルウェー

ノルウェーの国政選挙は3日を残すだけとなった。

メディアは「ハラハラドキドキの選挙ドラマ」と大見出しであおっている(主要紙「ダグブラデート」)。

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比例代表選挙のノルウェーでは、国民は政党を選ぶ。政党に集まった票に比例してその政党から何人当選するかが決まる。議席は169。

「比例代表制は、勝負をつけるのではなく、票数の多い少ない、を正確に議席に反映させる。つまり多数派と少数派の双方がその大きさに比例して代表される」――三宅一郎の弁だ。小選挙区制は邪悪だと言いきった、石川真澄(元朝日新聞記者)の本に見つけた。

日本の小選挙区制では、最も票をとった人のみが当選し、それ以外の候補に入れた人の票はことごとく死票となってしまう。当選する可能性があるのは、せいぜい2番目に大きい政党の候補ぐらいだ。

昔、ノルウェーも小選挙制選挙だった(名称は別)。小選挙区制は不平等であると、ノルウェーが比例選挙に変えたのは20世紀初めだ。

ノルウェーの選挙の取材を続けてきて、この比例代表制の長所が、今回ほど発揮される選挙はないのではないかと思う。

世論調査によると、保守中道政権が続くのか、それとも左派中道政権に変わるのか、大接戦(Uavgjortウーアブヨルト)で、169議席の色分けを決める最大のカギは、少数派政党なのだ。

現政権が続投する可能性を見よう。今と同じ保守党・進歩党の2党連立なら70数人。閣外協力をしているキリスト教民主党・自由党を含めると85人前後。この85という数字は全169議席の過半数であり、続投かなと思える。が、どうも違うらしい。キリスト教民主党は政策の違いから「進歩党とは組まない」と公言しているからだ。進歩党は極右と言われる政党で、強硬な難民政策をとる。

すると、政権交代か。労働党・中央党・左派社会党の3党なら75人前後と過半数には遠い。しかし、緑の党がはいると80議席を確実に超える。緑の党は国会に1議席しかないものの、オスロをはじめ地方議会に躍進。さらに、ここにきて、新油田採掘問題で支持を増やしている。もうひとつ、進歩党とは組まないというキリスト教民主党が、左派中道リーグにはいるシナリオもある。こうなると、90議席を超える。

こんなわけで、有権者も熱くなっている。自分の1票が、政治のかじ取りをだれにするかを決めるかもしれないのだ。「いつもの支持政党はやめて、今回はミニ政党に入れようかな」ーーこんな”戦略的投票者”が多いらしいのもうなずける。

さきほど4時過ぎ、事前投票所に行ってみた。投票所の前から延々100人以上が待っていた。どんどん増えてきて、受け付け締め切りの夜7時まで終わるのだろうかとハラハラ、ドキドキする。

真剣な顔をして、じっと並ぶ姿が印象的だった。

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道路まで続く投票を待つ人たちの長蛇の列。看板「ここで事前に投票できます」が右に見える

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▲公園の中に設けられた事前投票所。「もうじき私の番だ」と待つ人たち

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▲オスロ選挙区には20ほどの政党が立候補。投票ブースには候補者リストが政党別に並ぶ。ほとんどの政党はクオータ制をとっていて男女交互に候補者を並べるので当選者に男性偏重はない

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 ▲パスポートか運転免許証などIDを見せて承認されたら、投票用紙を投票箱に入れる

高校生が全て担うスクール・エレクション(ノルウェー)
オスロの街並みに溶け込む選挙(ノルウェー)
1本のメールから国会議員に(ノルウェー)
石油の新採掘か漁業・環境保護か(ノルウェー)
決闘の場はトロムソ図書館(ノルウェー)
育休候補、大学生候補が国会議員になれる国(ノルウェー)
ペン、リップクリームにコンドーム、etc(ノルウェー)
スクール・エレクションは民主主義の学校(ノルウェー)
投票者にも候補者にも優しい選挙(ノルウェー)
高校生も立候補するカネのかからない選挙 (近江真理)
選挙制度しだいでは高校生が議員になれる(田口房雄)
民主主義度1位ノルウェー、23位日本
世界一民主的な国
世界一民主主義の国はノルウェー、日本は22位
女性議員を増やすために ~ノルウェー選挙に学ぶ~


【2017年国政選挙に向けて各政党の政策を比べるなら Stortingvalget2017
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# by bekokuma321 | 2017-09-09 16:39 | ノルウェー

ノルウェーでは、全国の高校で9月11日投票の1週間前にスクール・エレクションがある。スクール・エレクションは、9月4日(月)、5日(火)に投票が行われて、今日、6日(水)結果が発表された。

若者の投票傾向を知ることのできる絶好の機会と、メディアは大きく報道した。

ノルウェー調査データセンター(Norwegian Centre for Research Data)によると、労働党27.8%、保守党15.1%、進歩党10.4%、左派社会党10%、自由党7.4%、緑の党6.8%、中央党6.7%、赤党5.7%、キリスト教民主党3.1%。最下の棒グラフ参照(同センターWeb)。

392の高校が参加し、約19万人の高校生が校内に設けられた投票所で投票した。

実際、政党討論会を取材したヘードマルク県エルブルム高校の投票結果はどうか。労働党25.8%、左派社会党17.3%、保守党14.5%、中央党10.1%、緑の党7.9%、進歩党7.3%、赤党5.5%、リベラリスト3.8%、自由党3.4%、キリスト教民主党3.4%。

エルブルム高校は、全国に比べて、左派社会党と中央党への支持者が多い。全校932人のうち855人が投票して、投票率91.7%という高さ。生徒会主催で、強制ではないことを考えると驚くべき参加度だ。

では、高校生はどんなふうに投票をするのか。

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9月4日、エルブルム高校を訪ねた。

この高校では、政党の討論会をしたホールに入るところに投票所が設けられていた。投票ブースは町中にある投票所と同様、カーテンでしっかりと閉められて手の動きなどは外から見えない(日本ではカーテンがないため背後から動きが見える)。ブースの中には20以上の政党の候補者リストが政党ごとに積まれていた。その候補者リストが投票用紙になるのだが、実際の投票用紙とまったく同じものだった。投票箱は、数年前、実際に町の選挙で使われていたものと同じだった。

投票管理は、投票する生徒の名前を書かせる人、投票のしかたを説明する人、スタンプを押して投票箱に入れるところを確かめる人など、事務すべてが生徒のみで行われていた。

彼女たちは、1週間前に先生からの「選挙の投票の管理をしたい人はいませんか」に答えたボランティアだという。「今日、午前中、投票事務のオリエンテーションを受けた」と1人が話してくれた。

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日本の人たちにノルウェー高校生の政治参加を見せたいからと話したら、投票者の流れが途絶えたときに、投票箱を囲んでポーズをとってくれた。下の写真だ。受付はベアテ・ビョルケホーレン(最右)、投票監視はミーナ・ハーセラン・バウゲルート(最左)とヘッダ・レグスタ・フースビュイ(右から3人目)、投票用紙への押印と投票箱への投函監視はアーダ・ベルゲ(右から2人目)。みな本物の選挙権を持つ高校3年生。「教員になりたい。そのために大学に進学する」という生徒がほとんどだった。

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400に近い高校で、高校生がこんなふうに大人顔負けの政治参加をしているのだ。ノルウェーの民主主義度は世界で最も高いという調査がある。高校生たちの貢献を見て、この座はしばらく揺るがないだろうな、と思った。

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# by bekokuma321 | 2017-09-07 06:27 | ノルウェー

ノルウェーの国政選挙は9月11日だ。投票日をひかえ、メディアスクール・エレクションだけでなく首都オスロの街並みは選挙、選挙、選挙。

投票率をあげるため、選挙の重要性を知らせるため、民主主義のため・・・涙ぐましい努力の跡をいくつか写真で紹介する。


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▲「あなたの1票を使え」と数カ国語で書かれた政党の旗。大政党から小政党までさまざまなロゴがビルの間に揺れている。洗濯物を干しているかのようだ。

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▲銀座のど真ん中ともいえる繁華街カールヨハン通りにドーンと設けられた事前投票所。

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 ▲人通りの多いバス停の横に設けられた事前投票所。

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▲国会議事堂の前に設けられた、NRKの仮設スタジオ(左の黒い建物)。隣も民間メディアのスタジオ。国会議事堂をバックに政党の政策討論会がここから毎日発信される。市民や支援者が仮設スタジオと議事堂の間の広場(手前)に集まって討論に参加する

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▲地球温暖化反対の声を選挙に反映させようと集まったデモ。カールヨハン通りから国会議事堂に到着した参加者たち。環境団体の旗に加えて、緑の党、左派社会党、自由党、赤党の旗が見えた。報道によると25000人

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▲地下鉄の出入り口に張られた労働党のポスター。党首ヨーナスが「すべての人とともに」と呼びかける

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▲地下鉄構内の広告塔に映し出される保守党のポスター。現首相の党首アーナが「首相はすべての人のために」と呼びかける

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▲地下鉄構内のポスター「選挙 私たちは投票します。あなたも投票を 9月11日」

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▲地下鉄車内の広告「9月10日、11日、オスロ市内のどこの投票所でも投票できます」

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▲スーパーで売っている人気のお菓子「期間限定商品 選挙ラバン2017  あなたはどちらに投票する? 」。赤ゼリーと青ゼリーとが別々の袋に入っている。赤は左派政権、青は右派政権を指す

【2017年9月10日更新】
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# by bekokuma321 | 2017-09-05 04:34 | ノルウェー