詩織さんを応援します

ちょうど1カ月前、詩織さんは、山口敬之氏を告発する記者会見を開いた。全国フェミニスト議員連盟は、6月21日付で、詩織さんを応援する声明文を、東京検察審査会、東京地方検察庁、東京地方裁判所に届けた。

◆◆◆◆ 詩織さんを応援し、性暴力犯罪を起訴・処罰することを求めます ◆◆◆◆

東京検察審査会 担当審査会会長様
東京地方検察庁 検事正 堺徹様
東京地方裁判所長 奥田正昭様

5月29日、東京・霞が関の司法クラブで詩織さんが記者会見を行いました。詩織さんと面識のあるジャーナリスト山口敬之氏を準強姦の容疑で訴え、東京地方検察庁により不起訴となったことに対して、検察審査会に不服申し立てするものでした。

私たちは、詩織さんの勇気に心からの拍手を送り、不起訴処分に強く抗議するとともに、検察審査会での公正な審査を求めます。

強姦は面識のある相手が加害者であることが多いというデ―タがあります。しかし、知り合いからの性暴力被害について、実名を明らかにして訴えることは、日本社会では極めて困難です。視聴した会見報道によると、詩織さんは実名を出し大勢の記者団をまっすぐに見つめて、こう訴えていました。

「本当に変わるべきは一般的な考え方。こういう事件に遭ったら恥ずかしい、黙っていた方がいい、君が傷つくだけ、と言われる」「取り調べ中も被害者らしく振る舞いなさいと言われたが、被害者が悲しい、弱い、隠れなきゃいけないという状態にあることに疑問を感じた」「性犯罪の被害者が隠れていなければならない現状を変えたい」。

詩織さんの力強さに、性暴力にあって声を上げられないでいる多くの人々が励まされていると私たちは考えます。

私たち全国フェミニスト議員連盟は、1992年以来、女性の政治参画を推進し、女性の声を政治に反映することで、誰もが尊重される多様で平等な社会の形成をめざし活動をする、市民と議員の団体です。これまでも、メディア等で繰り返される「性暴力表現」「性の商品化」などを問題にし、“性暴力許容文化”を許さない姿勢を示してきました。また、政府や自治体に対し、性犯罪防止につながるまちづくり、法制度の改善、性犯罪にあった当事者や家族への支援体制を求める活動をしてきました。

女性向けインターネットサイト「ウートピ」の調査では、回答者の1/3が性暴力を受けたことがあると答えています。一方で、内閣府調査によると、女性で、異性から無理やり性交された経験を「あった」と回答した6.5%のうち、「相談しなかった」人は67.5%。「相談した」31.6%のうち「警察」に相談したのは、わずか4.3%だけです(2014年度)。性暴力犯罪にあった人に対する法的な権利保障や支援体制が不十分であるうえ、被害者にも非があったなどの偏見による“二次被害”が多いからだと考えられます。

多くの「詩織さん」を孤立させず、被害から回復に至るまで当事者中心の支援体制の充実を政府、自治体に求めていくことを、私たちは誓います。加えて、このたびの改正刑法は、告訴しなくても起訴できるようになったこと、厳罰化されたことなど画期的ですが、暴行・脅迫要件が残ったため被害者の抵抗が要求されることや、時効制度も手つかずであるなど課題が指摘されています。3年後の見直しを待たず一刻も早い更なる改正を求めます。

なによりも詩織さんの被害を「なかったこと」にさせてはなりません。私たちは、詩織さんに対する性暴力が犯罪として認められ、加害者が厳正に処罰されることを、関係三機関の皆さまに強く訴えます。

2017年6月21日

全国フェミニスト議員連盟
共同代表 ひぐちのりこ(宮城県仙台市議)
同 上  日向美砂子(東京都小平市議)
事務局   小磯妙子(神奈川県茅ケ崎市議)

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 ▲検察庁のパンフレット「犯罪被害者の方々へ」。イメージは被害者寄りのようだが。


詩織さんの告発
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by bekokuma321 | 2017-06-29 22:50 | その他

豊田真由子衆議院議員の暴言暴行を報道で視聴した。すさまじい罵倒ぶりだ。問題なのは、被害者の身体の特徴をあげて怒鳴ちらしていることだ。彼の心をどれだけ傷つけたことか。これは、欧米ならヘイトスピーチとして違法になると思う。自民党を離党したらしいが、被害者に謝罪し、議員を辞職すべきだと思う。

豊田議員は2012年、自民党の衆議院議員候補公募に応募して選ばれて公認で立候補したという。選挙区は埼玉4区。暴言暴行を受けた人は、豊田議員の政策秘書。彼は、車を運転中に後部座席の豊田議員から受けた仕打ちを、ひそかに録音していた。この録音がなかったら秘書がたとえ診断書を出して暴行被害を訴えても、「やってない。嘘だ」と否定されただろう。逆に豊田議員から「誹謗中傷」「名誉毀損」と訴えられる恐れさえある。そして豊田議員はケロリとして自民党公認候補でまた衆院選に出るだろう。

ネットをにぎわしているコメントの中で、河村建夫元官房長官のコメントがおもしろい。

「選挙を戦う者とすれば、あのようなことは起こる。たまたま彼女が女性だからこうしたことになっているが、あんな男の代議士はいっぱいいる」と彼は豊田議員をかばった。衆議院における女性議員の割合はわずか9%しかいない。だから目立つのは当たり前だ。おそらく「あんな男の代議士がいっぱいいる」のだろう。そういう男性議員なら全て議員辞職すべきだ。

彼のコメントで注目すべきは性差ではない。「選挙を戦う者」という言葉だ。キツイ選挙戦をくぐりぬける者に、暴言暴行は避けられないというのである。恐れ入った。

口利き収賄疑惑で辞任した甘利大臣を思い出す。記者会見で、甘利大臣は「良い人とだけ付き合ってたら選挙落ちちゃう、小選挙区制だから。来るものは拒まずってしないと当選しない」と言った。50万円入っていた虎屋の羊羹を受け取った事件だが、甘利大臣は、その弁解に「選挙」を口に出した。

悪い人ともつきあわないと小選挙には勝てない、と正直に白状したのだ。小選挙区制の弊害をこれほど雄弁に語った人はいない。

豊田議員の暴行暴言事件の背景にも小選挙区制がある、と私は思う。

c0166264_16265153.jpg小選挙区制では、最高得票の候補たった1人しか当選しない。ほかは死に票となる。ヨーロッパの多くの国々が、不公平な選挙制度だと19世紀から20世紀はじめにかけて捨て去ったが、日本は、20年ほど前、“政治改革”の熱狂のなか、新たに採用した。

小選挙区制は、「まさに勝つか負けるか、食うか食われるかのきわめてシビアな選挙戦が繰り広げられる」(阪上順夫『小選挙区制が日本をもっと悪くする』)。

私も2012年、秋田3区で小選挙区選挙を体験した。朝7時から夕方6時まで車で遊説して、休憩をはさんで夜7時から集会、というのが日課。宣伝カーの助手席に座り、左側の窓を開けて左腕を振りながら右手でマイクを持って連呼する。手袋が雪で真白になりしばらくするとカチカチに凍る。凍った手袋を車内のヒーターで暖め、予備の手袋に変え、また手を振る。2,3日で腕があがらなくなったため、毎朝セーターの左そでにホカロンをベタベタ貼って、その上からコートを着た。窓はあけっぱなしのため、ヒーターはほとんど効かない。凍傷寸前、シモヤケ覚悟の連呼マシーン。それが選挙運動だった。わずか1カ月ほどだったから体がもったのかもしれないとも思った。

豊田議員は、選挙期間中ではなかった。だけど現職議員は、給料をもらって合法的に選挙運動をしているようなもので、再選を念頭に、ありとあらゆる方法で顔と名前を有権者に売りまくる。よくあるのが挨拶回り。午前と午後に各何十件、やれ夏祭り、やれ商工会式典、やれ野球大会、やれ卒業式、やれ葬儀と予定がびっしりだ。

豊田議員は、こうしたことに加えて秘書に「支援者のバースデーカードの宛名」を貼らせていたらしい(宛名とカードが違っていたのが怒りの原因とか)。国会議員が支援者にバースデーカードを出すなんて、初耳だ。そういえば、支援者をバスに乗せて明治座観劇に連れて行ったりワイン・下仁田ネギを配ったのは小渕優子議員、うちわは松島みどり議員、カレンダーは御法川議員・・・こうした行為が問題にされたから、バースデーカードが出てきたのか。とにかく、1人でも多くの有権者の心をつなぎとめようという、違法すれすれの、いじましい、あの手この手。

政策秘書が選挙区の運転手をしていることにも驚いた。政策秘書とは、議員の政策つくりを補佐する人だ。国家公務員に準じており、国民の税金から給与を支払われる。その人が、バースデーカード書きや、支援者回りなど、選挙運動員的役回りをさせられているのだ。

小選挙区制は、民意を反映しない歪んだ選挙だ。2014年衆院選での自民党の絶対得票率(棄権者も含む全有権者に占める割合)を見ると、小選挙区は24.49%、比例区は16.99%だ。明確な自民党支持は5人に1人ほどしかいない。それでも自民党はいま衆院の6割余を占める(そのうちの1人が豊田真由子議員)。

それに加えて、小選挙制は、犯罪まがいの事件を誘発する要素のより多い、醜悪な選挙制度だ、とつくづく思う。


民主主義コンテスト 世界1はノルウェー、日本は20位
国会議員年収も政党交付金も世界最高額
比例代表制は女性や弱者が当選しやすい
Countering Hate: Nordic Conference on Hate Speech
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by bekokuma321 | 2017-06-29 16:44 | その他

c0166264_051737.jpg 議員職剥奪は不当だという西岡恵子さんの訴えが、最高裁でも認められた。

今朝(6月22日)、西岡恵子さん(徳島県藍住町議)に連絡がはいったという。女性がたった一人しかいない議会で、大勢を相手に闘わなければならなかった西岡さんの苦労が、これで報われる。

この喜ばしい結果は、西岡さん個人に向けられた仕打ちの不当さが公に認められただけでない。数の力を背景にした横暴な言動に苦しむ日本国中の少数派にとって大きな励ましになるだろう。とりわけ、日本全国の紅一点議会で嫌がらせに苦悩する女性議員には朗報だ。

今日の午後、徳島市内で下記のように記者会見を開き、広く内容を知らせる予定。

6月22日(木)午後3時、あわ共同法律事務所

2014年8月、徳島県藍住町の町議会は、西岡恵子町議が「町内に生活実体がない」と、彼女の議員失職を決定した。西岡恵子町議は、議会決定は不当だと取り消しを求めて徳島地裁に提訴。2016年4月、徳島地裁は、西岡原告の主張を認め、町側敗訴。それに不服だった藍住町は高裁に控訴。

2017年1月、高松高裁も、徳島地裁と同様に藍住町側の主張を退けた。それに対して藍住町は最高裁に上告をしていた。

もっと知りたい方は I love aizumi.comを。
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by bekokuma321 | 2017-06-22 13:48 | その他

フランスの総選挙が終わり、577議席のうち351議席をマクロン勢力が握った。女性は223議席、38%と過去最高だった。前回、女性は27%だったので、大躍進である(注)。

「国会にもっと女性を」と語っていたマクロンの言葉に嘘はなく、「共和国前進La République en Marche (La REM)」HPの候補者サイトには、男女がズラリと並んでいた。5月11日に発表された公認候補は男214人、女214人と、きっぱり半々(パリテ)だった。

「共和国前進」当選者のうち女性は47%に達し、男女平等の党であることを証明しているようだ。それに、「女は顔、男は頭」とかいう古臭い固定観念を、マクロン夫妻は一瞬にして変えてしまった。

先日、同党の政策は税の公平分担など北欧諸国の政策に影響を受けているとした報道を読んだ。マクロンは、公務員の大幅な削減や規制緩和という自由主義的政策の持ち主であると言われてきたが、それが中心なら男女平等社会への前進は難しいのではないか。どんなふうに平等を前進させるのだろうか。楽しみだ。

【注】6月19日付フランス紙「エクスプレス」は、最終的に国会の議席に座る女性は227人、全議席の39.3%だと報じている。理由は、ノルウェーの国会のように、大臣と国会議員が兼務できないからのようだ。大臣職5人の代理は女性だったため5人女性が増え、さらに女性1人の代理は男性だったため、227(223+5ー1)になったと思われる。これでフランスは女性国会議員率で世界63番目から10番台となる。ちなみに日本は164番目

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        ▲共和国前進La République en Marcheホームページより

En Marche
Macron set for big win in second round of parliamentary polls
'A lot of inspiration for En Marche comes from the Scandinavian countries'
Record de femmes à l'Assemblée nationale 
フランスは選挙もセクシー
フランスの政党交付金は男女平等化資金に
男女ペア候補がつくるフランスの男女平等議会
フランス議会は男女半々(パリテ)へ-イヴェット・ルーディさんに聞く-
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by bekokuma321 | 2017-06-22 02:41 | ヨーロッパ

6月8日のイギリスの総選挙で、イギリス史上最も多くの女性が当選した。

歴史的だったとはいえ、前の選挙から大躍進したというわけでもない。全体で女性の当選者は208人で、2年前の196人から12人増えた。割合は30%から32%になった。政党別の女性割合は、保守党21%、労働党45%、SNP34%、自由党33%。

前回選挙と比較すると、保守党は変化がなく、労働党は44%から45%に微増、SNPも33%から34%と微増だった。自由党は11%から33%と大幅に女性が増えた。とはいえ、自由党の議席は少なく、多くの報道は「歴史的」としたが、それは労働党当選者が多かったことによる。

この結果に、伝統ある女性解放団体「フォーセット協会」はまったく満足していない。協会は、「国会のわずか30%しか女性はいない」と訴え、選挙に向けて女性政策・男女平等政策を政党に要求するなど精力的に運動をしてきた。サム・スミサ―ス代表はBBCに次のようにコメントしている。

「女性たちは、200議席というハードルを初めて超えました。しかし、これはまだ全体の32%にすぎないのです。赤面するほどのろいカタツムリの歩みでしかありません。新しいアプローチをする時がきました。全政党に候補者の少なくとも45%は女性にせよと要求して行きます」

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 ▲地方議会と国会に女性議員はどのくらい増えたか(フォーセット協会のキャンペーン)

Record number of female MPs win seats in 2017 general election
Election 2017: Record number of female MPs
Fawcett Society
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by bekokuma321 | 2017-06-22 00:36 | ヨーロッパ

内部告発の大切さ

c0166264_1524031.jpg前川喜平前事務次官の内部告発と、菅官房長官による彼への人格攻撃から、ある事件を思い出した。

国際連合人権高等弁務官事務所(OHCHR)の幹部だったスウェーデン外交官アンダース・コンパスのことだ。

彼は、中央アフリカにおいて、国連平和維持軍のフランス人とアフリカ人が、難民キャンプの子どもたちに性的虐待を続けているとの報告を受け、それを公にした内部告発者だ。性的虐待事件については、FEM-NEWS「国連平和維持軍の蛮行」(2015.6.16)を参照。

驚いたのは、同事件の実行者たちへの調査も処罰もなされず、報告を公にしたアンダース・コンパスが、国連の内部情報を漏えいした罪で解雇を言い渡されたことだった。それを不服とした彼は、訴えた。その結果、一時帰休を命じられた。それにも不服だった彼は、一時帰休の取り消しを求めた。その過程で、フェミニストで知られるスウェーデン外相マルゴット・ウォールストームは、コンパスの言動を評価して国連の措置を公に批判した。それが大手メディアで報道されて、日本の私も知った。

スウェーデン政府の中枢が内部告発者を擁護し、国連に向かって抗議をしたのだから、日本の政府とは大違いだ。

その後、時がすぎた。「常に信じていたことに向かって闘い続けられないならば、そのときは、私が去るときなのだ。だから、私は21年間の職務を終え、国連を辞職することにした」と、とうとうアンダース・コンパスは国連を去った。

c0166264_15443962.jpgそして、いまアンダース・コンパ(右写真)はファイトバックに転じた。

彼は、実例をあげて、腐敗には目をそむけ、内部告発者には壮絶な報復を続ける国連組織を告発する。8月にはスウェーデンで講演会も開く予定のようだ。

人道支援情報を提供する独立メディアIRINによると、

「難民キャンプで空腹だった子どもたちは、自分を守るために平和維持軍による性的虐待を受けた。そのことを詳しく述べる8歳の男子。そんな報告をニ度と読まなくてすむようにと願った」。これが彼の告発の動議だった。

アンダース・コンパは、職務がら知ったおぞましい事件の数々を国連内部機関に報告した。が、何ら手を打たない国連にしびれをきらして、フランス当局に報告書を渡した。

長年、国連の機能不全を知っていた彼だが、「事件そのものや、その後のスキャンダルや、私について、国連がどう対処するのか」には心の準備ができていなかったと振り返る。IRINにアップされた彼の文章から重要なフレーズをいくつか訳して紹介する。

「残念だが、国連には、国際公務員に課される倫理規定の順守よりも、自分たちや自分たちの国にとって都合のよいことに関心のある職員がどんどん増えている。なぜなら、倫理的な行いをすると、その代償は高いとみているからだ。つまり、倫理的に振舞わない人のほうが、倫理的な立場をとる人よりも得をするのである」

「職員たちの多くは自らが報復の犠牲となったり、または、評判のよくないとみなされる倫理的立場をとった人間に対する報復を見てきた。具体的には、仕事から外される、嫌がらせされる、突然移動させられる、評価を下げられる、契約更新されない。組織は職員を守ることなどないと誰もが確信している」

「深刻な危機があっても、上層部から下まで、国連の指導者は基本的立場をとれない。政治的影響がある場合はとくにそうである。最近の例では、国連にサウジアラビアが分担金を出さなくなることを恐れて、サウジアラビアを”子どもたちを虐殺したり半殺しにする国々”のリストから削除した」

「国連は、職員に倫理に反した行為の責任をとらせることがほとんどない。権力の座にある職員はとりわけそうだ。責任を課される事態になっても、有効な罰が下されることはまれだ。国連の責任機能は崩壊している。機能などしていない」

「私の母国スウェーデンでは、大臣たちは、わずか10ドルにあたる公費を不適切使用したという疑いで辞職にみまわれた。しかしながら国連では、子どもへの虐待を隠ぺいしたり、問題行動の証拠を示されても、辞職しない。というより国連組織は、彼・彼女らに辞職勧告をしない」

「だから、国連では、最後の砦として、内部資料を外に出すしかないのだ」

「コンゴの人権侵害、ボスニア・ヘルツゴビナの汚職や搾取、国連平和維持軍の虐待などを、世界が知ることができたのは、すべて沈黙を破って情報を流した人がいたからにつきる。これが国連の倫理違反に対する、迅速かつ組織的対応である」

「国連は、内部告発は組織内の価値観や水準を強化するチャンスと歓迎するような文化には蓋をして、恐怖に陥らせるような雰囲気をつくり、服従しない人たちを矮小化する」

国連の真実の姿を、身を賭して教えてくれたアンダース・コンパに心から敬服すると同時に、内部告発を擁護することの大切さを思い知らされた。

EXCLUSIVE: The ethical failure – Why I resigned from the UN
National Anti-Corruption Unit,Sweden
Corruption Perceptions Index 2016
政治家の役得に厳しいスウェーデン
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by bekokuma321 | 2017-06-20 15:17 | 北欧

2017年6月1日、列国議会同盟IPUは、「国会における女性議員の割合」を発表した。下院の比較によると、トップはクオータ制をとるルワンダで61.3%。世界平均は23.4%。世界193カ国を調査した。

日本は9.3%、世界164位。164番目にまで下がったのは、初めてのことである。この目をおおいたくなるような恥ずべき記録達成を知ってか知らずか、日本の国会は理念法にすぎない「女性議員増法案」すら成立させず閉会した。

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▲Women in national parliaments_Situation as of 1st June 2017_by the Inter-Parliamentary Union

女性議員増法案、成立ならず
6月15日「女性議員増やそう法案を成立させよう集会」へ
「身を切る改革」どころか「民意を切る改革」
日本の女性議員率、世界189カ国中161位
日本の女性議員率、世界163位
世界で最も女性議員が多い国ルワンダ
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by bekokuma321 | 2017-06-19 09:22 | その他

c0166264_23273920.jpg女性を議会に増やそうという法律は、今国会での成立はならなかった。脱力感でいっぱいだ。しかし、落ち込んでばかりいられない。

日本の国会(下院)における女性議員率は世界193カ国中164番目(IPU)。全町村の3分の1が「女性ゼロ議会」。誰が見てもおかしい。そんなスキャンダラスな事態を変えなくては。全国フェミニスト議員連盟など多くの女性団体を束ねる連合体「Qの会」(代表赤松良子)が主導して、まずはクオータ制をめざした。

マスコミにはむろん、政府や全党の国会議員にあの手この手で働きかけた。市民向けの集会やデモも企画・実行した。地方議会から「成立を」との意見書提出にも、女性議員たちはがんばった。

いつの間にか法案は、与野党による妥協の産物ゆえ「平等」が「均等」に変えられた。歯のない番犬のような理念法に反対する議員などいるはずがない。きっと成立するーー。ところが、おおかたの予想に反して、待てど暮らせど審議される内閣委員会にかけられることはなかった。そして、とうとう6月18日、第193回国会は幕を閉じた。

不成立とわかった後の各紙の見出しとリード文などを下に紹介する(読売新聞には見当たらなかった)。報道によると不成立法案はわずか4本。その4本のうち、与野党全会一致にも関わらず成立しなかったのは「女性議員増法案」のみだった。真逆は、疑念だらけの共謀罪。委員会採決を飛び越して本会議で可決成立した。

世界193カ国中164番目は、女性国会議員率のランクだが、今国会のありさまは日本の政治そのもののランクに見えてしかたがない。

【朝日新聞:候補者「男女均等」持ち越し 全党合意法案、会期末の混乱影響 通常国会、事実上の閉会】

国会や地方議会の選挙で男女の候補者数をできる限り「均等」にするよう政党に努力を求める法案の今国会成立が見送られた。2月に全党が合意しながら、終盤国会の混乱で審議入りできず、16日に継続審議になった。関係者から落胆の声が漏れている。

女性議員を増やすことを後押しする初めての法整備。推進派の超党派の議員連盟で幹事長を務める野田聖子元自民党総務会長は16日「国会議員が少ないことを少しでも是正に導いていこうとする前向きな法案だったのに残念」と国会内で記者団に語った。(後略)2017.6.17

【東京新聞:女性議員増法案、先送りに 対立余波で内閣委2カ月「休業」】
国・地方議員の男女比を「均等」にすることを目指す政治分野における男女共同参画推進法案は、今国会での成立が見送られた。法案を扱う衆院内閣委員会の与野党議員が成立に積極的に動かず、同委は二カ月間「休業状態」となったためだ。国会終盤は、学校法人「加計学園」問題を巡る与野党対立が深まり、成立への機運が完全にしぼんだ。

十五日の参院本会議で「共謀罪」の趣旨を含む改正組織犯罪処罰法の採決が強行され、政治分野男女参画法案の成立見送りが確定した。女性議員増を目指す「クオータ制を推進する会(Qの会)」が同日国会内で開いた緊急集会で、法案づくりを進めてきた超党派議連の中川正春会長(民進)は「各党の駆け引きでこんなことになった」と陳謝。高木美智代副会長(公明)は「強い力で突破すべきだった」と振り返った。(後略)2017.6.17

【日本経済新聞:女性政治参画法案先送り 今国会、事実上の閉幕】
通常国会は会期末の18日を前に16日で事実上の閉幕を迎える。女性議員の増加を促す政治分野における男女共同参画推進法案のほか、違法民泊への罰則強化を狙いとする政府提出の旅館業法改正案などが審議時間が確保できず、成立は次の国会以降に持ち越す。党首討論は2000年の制度導入以来、初めて1回も開かれない異例の通常国会になる。

超党派の議連を中心に成立を目指した政治分野における男女共同参画の推進に関する法律案は、選挙で各党に男女の候補者が「できる限り均等」とする努力義務を課す内容。諸外国に比べても低い女性議員の比率を高める狙いだ。(後略)2017.6.16

【毎日新聞:<通常国会>法案成立率95.5% 昨年より6ポイント増】
事実上16日に閉会した通常国会では、政府が国会に提出した法案66本のうち、63本が成立した。成立率は約95.5%と、昨年の通常国会を約6ポイント上回った。(中略)

議員立法の、国政選挙などで候補者の男女比率を「均等」にする努力義務を政党に課す「政治分野における男女共同参画推進法案」は審議入りできなかった。会期末の「共謀罪」や加計学園問題などを巡る与野党対立が影響した。2017.6.17


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▲日本女性が初めて投票したのは1946年4月10日。その日にあわせて集まり、国会議事堂を背に「女性議員を増やそう」と叫ぶ女性たち(2017.4.10 写真提供伊藤正子
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▲「女性ゼロ議会」をなくそうと群馬県で開催された集会(2017.4.15 写真提供堀地和子

6月15日「女性議員増やそう法案を成立させよう集会」へ
政界への女性進出を促す法案、国会へ
地方議会に女性議員を (NHKニュース2017.4.15)
意見書あいつぐ「増やせ女性議員、なくせ女性ゼロ議会」
底なしの政治腐敗と女性議員
案内:4月15日「なくそう!女性ゼロ議会@群馬」
来年こそ「政界への女性推進法」を
女性議員増めざして制度改善を (全国フェミニスト議員連盟による「要望書」)
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by bekokuma321 | 2017-06-18 21:47 | その他

共謀罪可決と選挙制度

6月15日、共謀罪が、委員会採決をすっとばして本会議で可決された。この腹立たしさをどうしてくれよう。

次の選挙で共謀罪に賛成票を投じた議員を減らせたら少しは癒されるだろう、が、その選挙制度は私たちの民意を反映しない小選挙区制ときている。衆院選で、自民党に投票した人は、2012年43%、2014年48%。過半数に満たない。しかるに、その議席は、2012年79%、2014年76%だ(注)。

6月8日に選挙があった、小選挙区制の母国イギリスはどうか。

保守党は、330議席から318議席に議席を減らし、労働党は229議席から262議席に増やしたが、政権交代とはならなかった。ハング・パーラメント(宙ぶらりん国会)と呼ぶらしいが、「小選挙制は強靭な安定政権をつくる」という説は嘘ではないか、と思える。

投票日の朝、「さあ投票に行こう。だが、このグロテスクな選挙制度は改革を必要としている」と題した刺激的論説がガーディアン紙に載った。

筆者は専属コラムニスト ポリー・トインビー(Polly Toynbee)。彼女はのっけから「選挙に関わった人たちは、戸別訪問で、『投票しても変わらない』とか『政治には関心ない』と言われただろう。実際、その声は当たっている」とキッパリ。

そして、小選挙区制選挙に致命的欠陥があることをあげる。

「2015年の総選挙では保守党が7ポイントリードしたが、保守党から労働党に639票移れば、労働党が6議席増え、ハング・パーラメントになっていた。わずか639票だ!」と、選挙改革協会(electoral reform society)の調査結果を紹介。

次に、「前回、有権者の多くは、勝者となった候補者の票数に無駄に票を上積みしたか、落選候補へ入れた」とし、「票の74%が無駄に投票された。その無駄は2200万票」とはじき出した。2200万票の無駄を出す選挙ーーこれはグロテスクだ。

小選挙制は死に票が多いのが欠点だ。日本でも死に票の多さは指摘されてきたが、その死に票だけでなく、1票でも多ければ当選なのだから勝者への上積み票も無駄な票である、と彼女はいう。なるほど、なるほど。

加えて、当選者の多くは「当確」候補者であり、中には民主主義が誕生した時代から「当確」と言われる政党の候補者もいた。1945年から一度も変化がない選挙区が保守党103議席、労働党67議席もある、という。これでは、「投票しても変わらない」。

そのうえで、彼女は、「小選挙区制から比例代表制に変えれば、1人1人の票が無駄になることはない」と結論づける。

北欧の選挙制度を取材してきた私は、この主張がよくわかる。彼女のいう「選挙区から6人当選とすると、比例制選挙なら、支持政党議員を1人は国会に送ることができる」を、私はノルウェーで何度も見てきた。

そうなると、生活保護受給者の厳しさに同情しない保守党議員しかいないとか、相続税を減らしたい富裕家族の困りごとをとりあげない労働党議員しかいないということもなくなる。

それに、小選挙区制よりずっとらくに女性や社会的弱者の代表を増やせる。比例制選挙では、有権者は個人を選ぶのではなく政党を選ぶのだから、政党は印象をよくするため、男性だらけより男女バランスを考えたリストを作成するだろう。それにブラック企業も真っ青というような選挙運動は無用だから、ハンディをかかえる人たちも立候補できる。

これらは、国会にも地方議会にも、右から左まで多様な政党の代表がいて、4割ほど女性議員が占める北欧諸国ーー比例代表制ーーがちゃんと実証している。

比例代表制による多様な民意の反映が生み出した福祉と平等の国々を、FEM-NEWSは何度も紹介してきた。だが、何と言っても、小選挙区制の母国イギリスの小選挙区制否定論は傾聴に値する。


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▲ノルウェーのソール・トロンデラーグ県トロンハイム市。この県は10人の選挙区。労働党、保守党、進歩党、中央党、左派社会党の5党から国会議員が出ている。


This new parliament provides a clear opportunity for electoral reform
First Past the Post’s Third Strike
Scotland’s multi-party system can never be represented by First Past the Post
Five things we have learned from the election
Go out and vote today, but know this – our grotesque system needs reform
Election 2017: Record number of female MPs
Election 2017: A big Conservative win could see fewer women in parliament
Diversity deserts: 7.5m people can’t vote for a woman this election
小選挙区制が生んだ共謀罪
選挙制度は政治を根本から変えた(ニュージーランド)
あざやかな歴史
比例を切るな!
安保法案の成立は小選挙区制のせいである
イギリス6割が選挙制度改革に賛成
小選挙区制は女性の声を捨て去る
比例代表制は女性や弱者が当選しやすい
比例制選挙がいい

【注】日本国憲法には、イの一番に「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し」と書かれている。これだけ民意とかけはなれた結果を産む小選挙区制は「正当」な選挙ではなく、現国会議員は「正当に選挙された代表」とは言えない。
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by bekokuma321 | 2017-06-15 21:56 | ヨーロッパ

政治分野の男女共同参画推進法案の成立が危ういらしい。緊急集会の案内が届いた。

「成立を求めて、緊急集会が国会で開かれます。6月15日(木)12:00~13:00。参議院議員会館 1F 101 会議室。申込不要。当日会場にお越しください」

今国会は、共謀罪に加えて森友・加計問題の大噴火。金田法相のふやけた答弁、森友・加計問題へのあきれ果てた対応に、市民や野党の憤りは頂点に達している。男女共同参画の議案を扱う常任委員会「内閣委員会」は開かれないらしい。

法案は「候補者の男女数をできる限り均等にする」ためにつくられた。具体的には「国や自治体は必要な施策をとり、政党は立候補する男女数均等にむけての目標を定める」。

残念ながら、女性団体が当初求めた「クオータ制」はどこかに消えさり、「努力はしたが、立候補する女性が見つからない」と政党が弁解すれば何の御咎めもない理念法と化してしまった。

とはいうものの、ジェンダーという用語さえ嫌う日本会議系議員の多い安倍政権下であり、衆院の女性議員は1割もいない現実を見ると、受け入れるしかない。それに、いまだに町村議会の3分の1は、男性のみで占められる「女性ゼロ議会」だ。東京23区はさすがに女性ゼロ議会はないが、全国には女性議員ゼロの市も多く、理念法でも努力義務でも「ないよりまし」とも言える。少なくとも、女性立候補への応援歌にはなる。

メディアの関心も高く、朝日は2月に「法案、全会派一致」と、成立の可能性を報じた。東京新聞は「女性ゼロ議会の弊害」、「女性議員が5割超す2町の”議会改革”」を丁寧に取材し、女性議員増の効果を報道した(北條香記者。下)。

推進法案の成立に向けて、赤松良子Qの会代表らとロビー活動を続けてきた矢澤江美子市議(Qの会世話人、全国フェミニスト議員連盟元代表)は、こう呼びかける

「6年間も運動してきました。女性参政権70周年の昨年成立させたかったのですがダメでした。今国会こそと願ってきました。あなたの選挙区から出ている国会議員に『女性議員を増やす推進法を通して欲しい』と電話やファックスで直接声を届けましょう。そして、明日の緊急集会に大勢押しかけてください」


c0166264_11272415.jpg国会議員いちらんリスト(所属政党、電話、住所、メルアド、重要法案への賛否、「日本会議」の会員か否かなどが表になっていて、使い勝手がいい)


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▲東京新聞 2017.4.15

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▲東京新聞 2017.6.4
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by bekokuma321 | 2017-06-14 17:31 | その他