LGBTのみなさん、あなたが働くには、ノルウェーが最高!

こんな調査結果が1月27日、The Localで報道された。

差別を禁止する法律、職場の規則、住宅への公平な入居、失業率、可処分所得などを調査して、ヨーロッパ43カ国を比較した。

「これまでもLGBTに関する調査はあったが、観光や旅行で行くならどこがいいか、というものだった。今回の調査は、働くにはどこがいいかに主眼を置いた」と調査機関 Expert Market はいう。

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▲ノルウェーのオーモット教会で結婚式をあげるハッピーな2人。Synnøve Sakura Heggem牧師(中央)は、教会が同性の結婚式をあげることを認めなかった時から、一貫して、認めるべきだと運動してきた。同性カップルも教会で式をあげるられるようになったのは2016年春から。ノルウェーが同性婚を法律で認めたのは2009年1月(写真提供Synnøve Sakura Heggem)

Why Norway is the best country for LGBT workers
Norway to allow gay church weddings
ノルウェー、性自認を自己決定できる新法可決
フランス、同性婚を合法に
世界初の同性婚から10年
保育園の教材に同性愛登場
アメリカのバーモント州議会、同性婚法を可決
ノルウェー新婚姻法 追記
ノルウェー新婚姻法
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by bekokuma321 | 2017-01-31 13:48 | ノルウェー

ノルウェーは、今年も世界一の民主主義国に輝いた。民主主義インデックスと呼ばれる指標で、上位にはノルウェーをトップに北欧諸国が並ぶ。

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イギリスのエコノミスト誌の調査機関 Economist Intelligence Unit による調査。棒グラフ作成はFEM-NEWS。

調査は、世界167カ国を、5つのカテゴリー別にいくつかの項目を10点満点で採点する。総合得点にしたがって、「完全な民主主義」「不十分な民主主義」「混成政治体制」「独裁体制」の4つにクラス分けする。

日本は、「不十分な民主主義」クラスの仲間だ。しかし、前年の23位より順位をあげて20位となった。日々報道される政治ニュースから、20位は高すぎるのではないか、と私は思う。

噂の「アメリカ ファースト」の国 USAも日本と同じ、「不十分な民主主義」クラス入りとなった。日本とほぼ同じ得点で20位から21位に落ちた。

5つのカテゴリーの質問を簡単に和訳する。

① 選挙過程と多元主義 electoral process and pluralism:
「国会議員選挙、首相選挙、地方議会選挙が自由に公平に行われているか」「政党の政治資金の出し入れは透明であるか、かつ一般に受容されているか」など12項目

② 政治機能 functioning of government:
「自由選挙で選出された代表が政策立案にたずさわっているか」「国会が、他の行政機関よりも上位にある最高の議決機関であるか」など14項目

③ 政治参加 political participation:
「投票率」「少数民族や少数派があげた声が政策過程に反映されるか」「国会議員における女性の割合」「政党や政治団体への参加率」など9項目

④ 政治文化 political culture:
「安定した機能的な民主主義を支えることに世論は合意しているか」「議会や選挙を無視するような強いリーダー像を望んでいるか(筆者注:望む文化だと減点)」など8項目

⑤ 市民的自由 civil liberties:
「インターネットや新聞を含むメディアが政治権力に支配されないか」「労働組合を自由に組織化できるか」「異なる政治的意見が公開で自由に議論されているか」など17項目

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 ▲ノルウェーの国政選挙風景。市民が集まるマーケット通りにテントが並ぶ。そのテントが政党の選挙事務所。テント前で政策論争が行われる。比例代表制選挙であり、有権者は政党を選ぶため、どの政党も政策の違いを鮮明に出す。日本のような宣伝カーやスピーカーでの連呼はない。供託金という概念すらない。また候補者にはただの1円もかからない。

トランプ効果
高校生も立候補するカネのかからない選挙
選挙制度しだいでは高校生が議員になれる
民主主義度1位ノルウェー、23位日本
世界一民主的な国
世界一民主主義の国はノルウェー、日本は22位
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by bekokuma321 | 2017-01-28 19:41 | ノルウェー

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女たちのワシントン行進は大成功だった。主催者の予想をはるかに超えて、ワシントンでは50万人。全米では100万人を超す大行進となったらしい。

女たちのワシントン行進のシンボルは、ピンクのニット帽だった。通りを埋め尽くした人、人、人。頭には温かそうなピンクの帽子がのっかっていた。

ホームページによると、ピンクのニット帽をかぶろうというプロジェクトを思いついたのは、ロスアンジェルスのクリスタ・ス―とジェイナ・ジ―マンの2人。すぐにア―テストのオーロラ・レディも加わった。

これをかぶって、たくさんのフェミニストたちを元気にできたらすてきだね。そうね、1月21日は寒いしね。

こんな女たちの思いは、またたくまに形になっていった。ホームページで、簡単な編み方が指南される。編み物は昔から女たちの得意技。ワシントンに行けないお婆ちゃんが編んで参加する孫やその友人にプレゼントする。どっさり編んで知人の店に置いてもらい、その日までとりにきてもらう・・・。

そして、1月21日。

全米の女たち、男たちの行進を明るく盛り上げる最高の小道具となった。いや、アメリカだけでなく、世界何十カ国で行進があったらしい。私には、さきほどノルウェーから、ピンクの帽子をかぶってデモに参加した男性の写真がfacebookで届いた。

さて、この帽子には Pussyhatという名がつけられている。Pussy は女性器を指す俗語で、女性自身を指すこともある。「お前は女々しい奴だ(You are a pussy)」と男性を侮蔑するときにも使われる。卑猥なニュアンスがまとわりつき、女性がこのことばを口にすることはあまりなく、男性でも口にする人は多くないように思う。

しかし、あろうことか、ドナルド・トランプは、この単語を使ってワイ談を交わしていた。その録音がそっくり「ワシントン・ポスト」(2016年10月8日)で公開された。さすがの彼も「それはでっちあげだ」とは言えなかった。

彼の言葉は以下のとおり。これほどまでに女性を蔑んだ言葉があろうか。訳す労をとる気になれないので、自分で訳してほしい。

"I'm automatically attracted to beautiful [women]—I just start kissing them. It's like a magnet. Just kiss. I don't even wait. And when you're a star they let you do it. You can do anything ... Grab them by the pussy. You can do anything.”

ロスアンジェルスの3人や、賛同者たちは、「おびただしい数のピンクのPussyを見て、彼はどう思うかしらね」と、クスクス笑いながら編み棒を動かし続けたのではないだろうか。

1月21日、大統領トランプがその光景を見たかどうかは不明だが、ピンクのふわふわしたニット帽は最高の武器となって、彼の女性蔑視に一矢報いたことは確かだ。


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weird sister
Pussyhat Project
Trump recorded having extremely lewd conversation about women in 2005(トランプの卑猥な言葉の録音が証拠として掲載されたワシントンポスト記事。テープ起こしされた文字も下劣極まりないが、録音からは彼の声の調子や笑いなどから女性に対する性的侮蔑がよりリアルに伝わってくる)
女たちのワシントン行進始まる(女たちのワシントン行進の目的が書かれている)
Politiet: 2000 marsjerte mot Trumps likestillingssyn i Oslo(ノルウェーでは、1月21日約2000人がオスロで「女たちのワシントン行進」に連帯した。オスロのほかベルゲンなどの他都市でも行われた)

【写真上:Pussyhat。pussyは子猫ちゃんという意味もあり、かぶると猫の耳のようになる。下:ポスター「女性の権利は人権である」。1995年の国連世界女性会議を象徴する言葉だった。ともに、Pussyhat Projectより】
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by bekokuma321 | 2017-01-23 00:10 | USA

ドナルド・トランプがアメリカ大統領に就任した。就任演説は、アメリカ第一を掲げるエキセントリックな内容だった。大統領就任後、執務室に入った彼が第一にやった仕事は、オバマケア(公的健康保険)つぶしだった。

しかし、女たちの闘いはこれからだ。

まずは、「女たちのワシントン行進」が、現地時間1月21日10時に始まる。もうじきだ。全米から長距離バスに乗って、ワシントンにやってくる。20万人が集まると言われている。

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集合場所は、アメリカの首都ワシントンのキャピタル・ヒル、独立通りと第3通り南西の交差点。

「女たちのワシントン行進」の目的は、アメリカ大統領府を含む、全ての行政府に向けてメッセ―ジを送ることである。メッセージはーー私たちは連帯して、ここに立ち、選挙で選ばれたすべての議員たちが、女たち・家族・地域の権利の擁護のために行動すべきだという願い。

「女たちのワシントン行進」は英語でWomen’s March on Washington 、略してWMW。最新情報はホームページwomensmarchフェイスブックWMWで見られる。Youtubeでも、なぜ自分は行進するかという一言メッセージを視聴できる。老若男女、車いすの人、LGBTIの人・・・。写真は、「私は、行進します。なぜって、私の人生がかかっているから」と言う少女。

昨年の12月初めには、WMWのホームページに記者発表を載せていた。反女性、反環境、反福祉、反多様性の大統領に対するファイトバックに向かって、着々と準備をしてきたアメリカ女性に心から敬意を表したい。

ワシントンまで行けない人たちによって、世界各地で同様の行進も予定されている。すでに20カ国以上で、スタートしているという。

The Women’s March on Washington: Here’s what you need to know
Women's March on Washington, London and global anti-Trump protests - live coverage
アメリカ国務長官のLGBTIに対する謝罪
展覧会「嫌な女」
白人男性大統領の陰にある「勝者総取り」「隠れトランプ」
アメリカに反フェミニスト大統領誕生
アメリカ大統領選と「嫌な女」
オバマ一般教書演説と女性 
アメリカ公的健康保険法、下院を通過
アメリカ健康保険制度改革、山場
ついに自由を我らにーー米国の公民権運動(by American Center)(pdf)
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by bekokuma321 | 2017-01-21 19:25 | USA

c0166264_9421111.jpgアメリカ政府からのメールによると、アメリカ合衆国国務長官ジョン・ケリーは、2017年1月9日づけで、次のような謝罪をした。公式の訳があるかもしれないが、大事な問題なので、ポイントのみ要訳する。

「国務省長官を含む、これまでのキャリアを通じて、私は、人権の尊重は個々人すべての人を尊重することであるとの認識に立って、レズビアン(女性同性愛者)、ゲイ(男性同性愛者)、バイセクシュアル(両性愛者)、トランスジェンダー(出生時に診断された性と自認する性の不一致)、インターセックス(両性具有者)グループを支持する立場を堅持してきた。

しかしながら、さかのぼれば1940年代、いやその後、何十年間も、性的指向にもとづいて、そうした人に辞職を強要したり、そうした応募者を雇わないようになど、雇用ならびに採用の際、差別をしてきた、すべての雇用主のひとつ、それが国務省だった。

こうした行為は、今日と同様に当時も間違った行いである。国務省を代表して、過去の行為によって影響を受けた人たちに謝罪する。」

英文は、Apology for Past Discrimination toward Employees and Applicants based on Sexual Orientation

【追記:トランプ政権は、ただちにオバマ政権時代の連邦政府ホームページを刷新した。上記のスピーチは削除されて読めない。2017年1月23日】
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by bekokuma321 | 2017-01-16 09:43 | USA

展覧会「嫌な女」

展覧会「嫌な女」が1月12日からニューヨーク市など全米でスタートした。

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「嫌な女」は、アメリカ大統領選のテレビ討論会で、トランプ候補がクリントン候補に向かって言い放ったことばだ。

ネットで録画を視聴したが、トランプ候補は、正確には「なんて嫌な女だ」と言った。クリントン候補が、富裕層に増税をして社会保障にもっとお金を回すべきだ、と提案している真最中のこと。トランプ候補は、クリントン候補に最後まで言わせてなるものか、とかぶせて言ったのだ。

聞きしにまさる性差別主義者だ、とわかった。

この討論会以降、アメリカでは、クリントン候補を援護するツイッタ―が増えて無数の女たちが、「私も嫌な女だ」と宣言しはじめた。その1人は、「嫌な女 Nasty Women Vote」と書いたT-シャツを制作・販売したという。大統領就任式にあわせて、女性たちのデモ行進も予定されていて、その数、ウン十万人に上るらしい。

さて、展覧会「嫌な女」は、そうした女性の怒りを芸術で表現しようというプロジェクトだ。同ホームページによると、「女性の権利、個人の権利、妊娠中絶の権利を奪い取られそうになっている『いやな女』に連帯して企画された展覧会」。トランプ大統領就任を前に、これらの権利を守っている組織を支援するために「寄付を募る目的」も持っている。

ニューヨーク市だけでなく全米各地で同じ目的の展覧会がいっせいに開かれる予定だ。賛同する芸術家は、今のところ700人以上にのぼるという。アメリカ女性のファイトバックの速さ、巧みさには、ホントに脱帽する。ホ―ムページをのぞいただけだが、実際に行って見てみたいものだと思う。

Nasty Women Exhibition
facebook_nasty women project
「嫌な女はどこにでも行ける」  
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by bekokuma321 | 2017-01-14 15:28 | USA

Cruel Japanの本

c0166264_13113581.jpgかゆい所に手の届くオモテナシ文化、美しさと健康を兼ね備えた和食、お尻の面倒まで見てくれるウォシュレット……ああ、なんて日本は Cool なんだと外国人が礼賛するTV番組が人気を呼んでいる。

しかし、この国は Cool Japan どころか Cruel Japan(残酷な日本)なのだと思い知らせてくれる本が出た。新刊本『雇用差別禁止法制の展望』(浅倉むつ子著、有斐閣)だ。

第1子出産を機に退職する女性は依然6割もいる。平均賃金は男性100としたら女性70.6。しかもこれは正規のみであって、働く女性の54.7%を占める非正規は、調査もしてもらえない。

正社員であっても出発点で男を「総合コース」女を「一般コース」と分別して、女性を低賃金でこき使う。性による賃金差別禁止を明記した労基法4条など、実はザル法なのだ。

「ポジティブ・アクション」も「間接差別」も、日本に上陸したとたん企業に都合のよい「日本的特色を持った中身」に変えられる。

しかし、泣き寝入りしない女性たちは、裁判や国際機関に訴えて闘ってきた。「昇格・昇進に係る男女差別に関する判例」だけで、22件にのぼる。

そのなかで「男女別コース制度が認定された」裁判は4件。本書が真っ先にあげるのは、1980年代の「日本鉄鋼連盟事件」で、女性7人が日本鉄鋼連盟を訴えた。判決は、仕事を「男性コ―ス」「女性コース」と分けるのは憲法違反であるとした。画期的だった。支援団に加わっていた私は、飛びあがって喜びたかった。が、しかしながら、7人が採用された当時にさかのぼれば「公序良俗には違反しない」と、続いていた。私は、この判決にひどい脱力感を覚えた。

2000年にはいり、性別役割分業意識が少しゆらぎはじめたその矢先、ゆりもどしの動きが日本列島をおおった。いわゆるバックラッシュだ。その例として、大阪府豊中市で起きた「すてっぷ館長雇い止め事件」がp284、p334~360に紹介されている。

「日本会議」系の議員らよって、男女共同参画推進センター館長に「威圧的で精神的な暴力が駆使された」。こう述べた判決は、館長が受けた侮蔑的な仕打ちを「人格権侵害」と断じた。館長とは不肖私のことだが、最高裁の勝訴確定まで7年もかかった。

本書は言う。「日本のジェンダー格差の第一の要因は、日本社会に根強い性別役割分業にある」「第二の要因は、企業社会に根強く定着している制度や慣行」。だから、あらゆる領域を網羅する「包括的な差別禁止法」が必要だと、筆者は強調する。

膨大な資料を駆使して、日本の労働界にまんえんする性差別を鋭く衝く大変な労作だ。

館長雇い止め・バックラッシュ裁判
浅倉むつ子「男女共同参画社会実現のための訴訟でした」
読者は二つの怒りを体験する:『バックラッシュの生贄』を読んで
浅倉むつ子意見書を読んで
三井さんの館長雇止め事件の「意見書」を書いて(浅倉むつ子)


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by bekokuma321 | 2017-01-12 13:55 | その他

ナイジェリア人による国際犯罪シンジケートの親分3人(女性)がマドリードで逮捕された。

1月4日の報道によると、彼女たちは、自国ナイジェリアの少女たちに、スペインのビルバオ(ビスカヤ県)とベニドルム(アリカンテ県)のクラブや路上で性産業に従事させていた。

その手口はこうだ。

ナイジェリアの極貧の地に住む少女たち(年齢不明)に対して、ヨーロッパに行けば、きちんとした仕事で給料もいい職業につけると嘘をついて騙す。

嘘とは知らず承諾した少女たちを、ブードゥー教(民間信仰)の儀式に連れて行く。そこで魔術をかけて、組織に絶対忠誠を誓わなければ、少女たちやその家族がひどい目に合うことになると告げる。

その後、ナイジェリアの隣国ニジェールに移動。そこからさらに隣国リビア経由でイタリアに向かう。イタリアへは危険な船旅で、溺れ死ぬ人も多い。

イタリア到着後、いったん公的な移民シェルターに入る。シンジケートのメンバーがそこから連れ出して飛行場に。別のナイジェリア人少女の違法パスポートを使って、飛行機でスペインに渡る。

今回スペインで救済された少女たちは7人だった。

少女たちは、4万から4万5000ユーロかかっていると告げられて、返済に売春を強要された。1日14時間の休みなしの性労働だったという。

国際移民機構IOMによると、ナイジェリアからイタリア海岸に流れ着く何千人もの女性の80%は、人身売買の被害者であるという。以前、イギリスを中継地点として、世界各国に少女や女性を人身売買するナイジェリア犯罪組織について報道されていたが、今度のニュースはイタリアが中継地点だ。

現代の奴隷労働が、スペインで救済された少女たちの告発から明らかになりつつある。

Liberadas 7 jóvenes nigerianas obligadas a prostituirse en Bilbao y Benidorm por una organización dirigida por 3 mujeres
Voodoo threats and prostitution: The plight of Nigerian girls seeking new life in Spain
ガザ地区、ナイジェリア北部に緊急援助
「少女らの誘拐は神の意志」 
ノルウェーの買春禁止法の問題 

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     ▲国際移民機構のナイジェリア・リポート(上の内容は書かれていない)
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by bekokuma321 | 2017-01-09 14:36 | アジア・アフリカ

c0166264_23475285.jpg海賊の格好をした男の子、黒い下着に黒いハイヒールの女性。こんな写真を載せたチラシを宣伝に使ったおもちゃ店は、先日、そのチラシの撤去を命じられた。性による役割を固定化し、男女の尊厳を傷つけているから、という理由だ。

日本なら、この類の広告は野放しだが、これは、スウェーデンのニュース。

昨秋、スウェーデン北部の都市ウメオの大学生Amanda Eklundは、郵便受けでおもちゃ店Lekiaの宣伝チラシ見て、女性の性を商品化するものだと考えて、広告オンブズマン(写真)に訴えた。とくに子ども向けのおもちゃの宣伝にこのようなチラシを使うことは、子どもたちに間違った性のイメージをおしつけることになる、と彼女は思った。

オンブズマンとは行政活動に不服を抱く市民からの訴えを受けて、調査して行政をチェックする公的機関。市民の権利の代理人と言える。

ウメオのケースを扱った広告オンブズマンは、おもちゃ会社Lekiaの広告を調査し「性差別的である」と結論づけた。スウェーデンには性差別広告を禁止する法律はないが、国際商工会議所の広告規定を参照したという。

おもちゃ会社は不服を申し立てたが、委員会の全会一致で、冒頭の結論を出した。おもちゃ会社は「わたしどもは、性差別的に見られるとは思ってもいませんでした」とコメントしている。

オンブズマンは”北欧民主主義の華”と言われている。北欧では、法律というものは独立した特別の監視機関がなければ十分に守られないものだとされていて、その機関は、誰でもいつでも簡単に接触でき、無料でなければならない。それがオンブズマンである。裁判官と大臣を足して2で割ったような強い権限を持つ国家公務員だ。

ノルウェーの平等・反差別オンブッド(オンブズマンのこと)、子どもオンブッドを取材したことがある。

平等・反差別オンブッドは、女性や移民・障がい者が、平等に扱われていないと不満を持つ国民に、用意されている苦情処理機関だ。市民から持ち込まれた差別ケースを調べて、必要ならマスコミに公表して、事業者がちゃんと差別撤廃にとりくんでいるかのお目付け役となっている。

子どもオンブッドは、子どもたちからの声を吸い上げて、学校や親に制度改善に向けてモノ申す。あくまでも子どもの権利を擁護するのが、子どもオンブッドだ。オンブッドへの苦情申立書は一応あるものの、「メモ」でも電話でもいいのだという。訪問したとき、オスロの事務所には、大きなクマのぬいぐるみをはじめ、おもちゃがたくさん置いてあった。

スウェーデンの広告オンブズマンの法的根拠は国際商工会議所の規約だという。なら、日本の性差別的広告にも応用できるはずだ。政府の男女共同参画推進局にやる気があれば、の話しだが。

Lekia
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Reklamombudsmannen(広告オンブズマンのホームページ)
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by bekokuma321 | 2017-01-07 00:02 | 北欧

c0166264_17422981.jpg1月3日、「ハルらんらん♪」を、わらび座で見てきました。秋田の女性代議士第1号となった和崎ハルを描いたミュージカルです。

私は、ハルさんのひ孫にあたります。曽祖母のハルさんについての思い出は、ハルさんの娘である祖母(高橋みさを)からよく聞いていました。

実は、市川房枝さんが来秋して、秋田市の金照寺山に建立された和崎ハルの石碑の除幕式があったのですが、その写真に3歳の私が写っているのです。祖母や母から聞いたそのときの様子と重なり合って、ハルさんの記憶がうっすらと残っています。

身内だからではなく、一人の人間としてハルさんの生き方に共感します。「ハルらんらん♪」も4回目です。

女性参政権行使70周年である2016年を記念して公演された「ハルらんらん♪」は、1月3日が千秋楽でした。年の初めなのに終わりとは皮肉ですが、ほぼ満席で、むしろ秋田県外の人が多いように見えました。

お正月3が日には「新春顔見世」と「俳優まつり」が行われます。とりわけ1月3日の「俳優まつり」は数々の舞台を沸かせた俳優さんたちが、各テーブルに次々と現れ、一緒にお酒を飲んで親しく語ってくれるという、フアンにとってはたまらない企画のようです。

お正月公演は初めてだった私は、きょろきょろしていましたが、ハルさんこと椿千代さんが、私の隣に座ってくれたため、じっくりお話できました。

椿千代さんは、191回という公演回数を代役も立てず主役の和崎ハルを演じきりました。舞台ではとても大きく見えたのですが、隣席の椿さんは、小柄で細身です。それでも、演じ終えた安堵感からでしょうか、自信に満ちあふれた風格をただよわせ、ふと、ハルさんと錯覚しそうでした。これからもずっと応援していきたい女優さんです。

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   ▲ハルが卒業した秋田県立秋田高等女学校(現秋田北高)。わらび座舞台

さて、「ハルらんらん♪」を4回見て、ハルさんへの思いが錯綜しています。いろんな社会的圧力や社会通念のなか、ずっと貫きとおしたハルさんの平等思想はどのように生まれ育ったのでしょうか。

若い時のキリスト教会通いが影響したのでしょうか。舞台で、秋田高等女学校の桜子さんが、リンカーンの演説を英語で高らかに復唱する場面があります。秋田に当時そんな気風があったとしたら驚きですが、そういう自由な教育が、ハルさんをつくったのでしょうか。そうだとしたら秋田もなかなかやるなあと思ったのです。

「あらゆる人は平等・・・・・♪」という舞台に流れたメロデイーが今も耳から離れません。

ハルさんの行動は、「人はみんな同じだ」が原点であり、一生を貫いたエネルギーになっていると思います。人間に対しての暖かいまなざしや、権力者や強いものへの毅然とした行動、弱者への限りない愛など・・・・。

さらにハルさんは、戦争に対しての責任を他人のせいにせず、生命を生む女が止められなかったと言っています。私は、この姿勢が大好きです。人のせいにすれば自分は楽ですが、根本は何も変わりません。何事も主体的にならなくてはと思います。

女性の地位がまだまだ低かった時代、女性のために頑張って地位向上に粉骨砕身、行動したハルさん。女性参政権を求めて運動していたからこそ、参政権を得た戦後直後、衆議院議員に立候補して「権利の上に眠るな」を自ら実行したハルさん。そのハルさんの生きかたを忘れずに、今、自分が何をしなくてはならないか、考えたいと思います。

高橋 みどり(秋田県湯沢市稲川地区民正児童委員協議会会長)

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▲和崎ハルが住んでいた地(↑)。ハルは長女とその夫(作家伊藤永之介)が疎開していた秋田県横手町(現横手市)に移住。横手で1945年の敗戦を迎え、自叙伝『私の歩んだ道』を出版。”婦選”が実現した1946年衆院選でトップ当選した


参考リンク
あけましておめでとうございます
「ハルらんらん♪」から思う女性参政権
女性参政権行使70周年を祝えるのか
女性解放運動の先駆者早川カイ
女性参政権行使70周年:今こそ「アベック投票」精神を
ハルらんらん♪
「祝!女性参政権行使70周年」記念はがき
和崎ハル:廃娼運動と婦選運動
参院選2016年と女性(2):女性参政権行使70周年
参院選2016年と女性
和崎ハル_1 武塙三山
和崎ハル_2 武塙三山
和崎ハル_3 武塙三山
和崎ハル_4 武塙三山
和崎ハル_5 武塙三山
普通のおばちゃんの三井裁判傍聴記_佐々木厚子

【写真上:高橋みどりさん(横手市内、三井撮影)、中:「ハルらんらん♪」舞台にセットされた秋田高等女学校(わらび座、加島康博撮影)、下:女婿の作家伊藤永之介宅の跡地(横手市内、三井撮影)】
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by bekokuma321 | 2017-01-04 18:50 | 秋田