c0166264_2524547.jpg2月のノルウェーのニュースだが、先住民族の権利について考えさせられたので、かいつまんでお知らせする。

現在、ノルウェーは保守党と進歩党による右派中道政権。その進歩党の議員が、2月6日の「サーミ国民の日 Sami National Day」に、「サーミが自分たちの国を持っているとは。なら、サーミ議会やサーミ文化は、自分たちのカネでやるべきだ」とツイッターした。

サーミ人は、トナカイ遊牧民として知られれる先住民族で、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、ロシアに住んでいる。かつてラップ人と呼ばれていた。

進歩党議員の発言に数多くの反論があった。ノルウェー放送協会NRKはサーミの代表的意見を大きく報道。

「祝日を傷つけ、勢いをそぐものだ」

「異なった民族へのいじめであり嫌がらせである」

「政権を握っている党の国会議員から出た発言だからこそ、深刻である」

「サーミ議会を矮小化し、サーミ語、サーミ文化を弱体化させることになる。20年間、サーミ人について、ノルウェーでは理解が高まり支持も増えてきたが、現政権は、ほんの数年で、その多くを変えてしまった」

「サーミ嫌いの焼き直しがまた表れた。失望したが、特別に驚きはしなかった。進歩党からこのような考えが出たことは新しい動きだ。彼は歴史を理解し、使う言葉の背景をもっと知る必要がある。だが、彼のような考えは、現在では珍しくなっている」

サーミ議会議長アイリ・ケスキターロ(Aili Keskitalo、写真上)はさらに激しい怒りを示した。19世紀にサーミ人の権利のために命を賭けたエルサ・ラウラ・レンベルグ(Elsa Laula Renberg)が、彼女を奮い立たせると言う。こう語った。

「この政権で、私たちはどんどん否定されてきています。予算のつけかたが違ってきています。サーミの優先課題から予算を削減することは、組織的差別です」

「2月6日は、大勢の子どもたち、音楽、ダンス、料理と最高に素晴らしい日でした。私が子どものころは、2月6日はなんにもなかった。でも、サーミ議会が1989年に創設され、変わってきました。サーミの文化、歴史、シンボルが花開いた。サーミコミュニティを強くするために、サーミ国民の日は必要なものです」

19世紀半ばの、サーミ人への残酷かつ徹底した搾取を描いた、「カウトケイノの叛逆」という映画を観たことがある。ノルウェーでも、先住民が言語を奪われ文化を抹殺されかかったのだ。

しかし、サーミ議会議長が尊敬する組織運動家エルサ・ラウラのように運動を続けたサーミ人が、その歴史を変えてきた。

資料によると、1917年2月6日、エルサ・ラウラは、サーミの権利擁護のために、初めてのサーミ大会を組織化し、開会スピーチをした。国境を超えて連帯しようと、力強くよびかけた。

時代は、20世紀初め。サーミであり、しかも女性が、権利の擁護を講演して回る姿は到底理解してもらえず、批判の嵐。なかには、彼女を「キチガイinsane」と書いた新聞もあったそうだ。

しかし、彼女が提唱した2月6日は、ノルウェーでは1992年から、サーミ国民の日とされた。ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、ロシアでも共通に祝われる。

ノルウェーは、国会にもサーミ人が選出されているが、別途、カラショークにサーミ議会があり、全国からサーミ議員を選んで、教育、文化、暮らしの課題を審議し決議する。議会の男女比はほぼ半数。

憲法には、「サーミの民族集団がその言語、文化、生活様式を維持・発展させることができるよう諸権利に関する条件を整えることを国家機関の責務とする」(第110条のa)(訳:小内透北大教授)と、明記されている。

他方、日本のアイヌ民族代表は、萱野 茂さんが初めて国会議員を1期つとめたあと、誰も選ばれていない。
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Vi trenger nasjonaldagen
Sami still battling discrimination
Elsa Laula Renberg (1877-1931)
Q&A: Aili Keskitalo on Saami Land Rights in Norway
Hendelsen mot samisk ungdom er veldig grov
サーミ 4ヶ国に暮らす民族
サーメ社会を仕切る女性市長
サル・バランゲル市の女性市長
ノルウェー地方選レポート4:北部ノルウェーを支えるサーメ女性たち
164年間の男性独占の歴史を破り市長に
映画「カウトケイノの叛逆」
速報:国連女性差別撤廃委員会が日本審査をうけて総括所見を採択。マイノリティ女性に関する勧告多数あり

【写真上:サーミ議会議長のアイリ・ケスキターロ、下:サーミ議会。どちらもKarasjokにて】

追記:ノルウェー王国大使館によると、Samiの日本語表記は、
「サーミ語の発音では『サーミ』、ノルウェー語では『サーメ』となることから、『サーミ』『サーメ』の両方の表記が存在します」。FEM-NEWSは、これまで「サーメ」を使用していたが、今回「サーミ」とした。サーミ国民の日はノルウェー語でSamenes nasjonaldag
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by bekokuma321 | 2016-03-28 03:33 | ノルウェー

c0166264_0231454.jpg連載「衆院選秋田3区政党交付金」(三井マリ子)の第15話~18話を読んだ。その迫りくる臨場感。ひとつひとつの証拠の重さ。ふぅっと深いため息が出た。

裁判を追ってきたものの、ストンと落ちなかったこともあったが、今回読んでわかったことが数々ある。そのひとつは「ポスター張り横領着服事件で、公職選挙法違反容疑で書類送検された3人のうちの1人が、民主党秋田県連幹部であった」ということだ。

その人は、長年、秋田県の民主党の重要な位置にいて、しかも三井マリ子さんの選対の中枢にいた人だ。

この刑事事件は、三井さんが松浦議員秘書を告発した後、警察の捜査のなかで発覚した。その人は、25枚の架空の領収書をワープロでつくって、そこに住所氏名までタイプをして、用意していた三文判を押して、多くの領収書を偽造したのだ。

三井さんのポスター張りをしていないのに、「1万円領収しました」と名前を勝手に使われた何人かが、新聞の取材に、こう答えている。

「勝手に名前を使われるのは心外で、気味が悪い」
「身に覚えがないし、そもそも住所が間違っている」

どれだけ迷惑したことだろう。三井さんの心痛はいかばかりだったか。病気になるはずだ。第16話「25枚の領収書」に、三井さんはこう書いている。

「最も私を悩ませたのは、架空の領収書に勝手に名前を使われ、お金を受け取ってもいないのに受け取ったと書かれた人たちにどうお詫びをするか、そして、私の『選挙運動費用収支報告書』の虚偽記載をどう訂正するか…」

しかも、この書類送検された3人のうち2人は、三井さんの衆院選の半年後にあった松浦さんの参院選でも同じ事件を起こしたと報道された。2回の国政選挙で、民主党幹部が、領収書を偽造したうえでポスター張り代を横領着服したのだ。

「党県連は独自に調査をすすめているが、その背景や原因を早急に調べ、有権者に明らかにすべきだ」(毎日新聞 2014.2.7 )と、記者は書いている。誰もがそう考えるはずだ。

しかし、この刑事事件は、最終的に起訴猶予で「不起訴」になった。私はそのことに驚かされたが、起訴猶予となったとはいえ、この3人の横領着服の事実は決して消えない。

実際、第16話にあるように、横領した側の弁護士は「3人が横領したことを認め、謝罪し、横領した金額を支払うことを約束する」と三井さんの弁護士に書いてきている。この横領した側の弁護士は、民事裁判の被告松浦大悟さんとその秘書らの弁護士を兼ねている。民主党の顧問弁護士である。

もっと重要なことは、党本部から送金された国民の税金「政党交付金」についてだ。

政党交付金の送金先口座を三井さんは、まったく説明されていなかった。党本部が指定した政党交付金専用の口座を、三井さん名義で、身分証明書とハンコを使って作っていたのに、それを三井さん本人に秘匿してきた。違法的行為だと私は思う。違法だと認識していたからこそ、松浦さんは「秘匿などしていない。三井さんは了承した」と裁判で言ってきた。

しかし、最終的に裁判長によって三井さんの主張の正しさが証明された。「受入口口座の開設に先立ち、口座の開設と用途を説明していたとはいえない」と、和解文に明記されている。

以上からだけでも、「民主党」は公党として、この事件に対して説明責任があるのではないか。

民事裁判は和解で終わって、松浦大悟被告側は、三井さんに対し、一連の“不適切行為”に「お詫びの意を表す」とあった(和解文)。それなのに、民主党は松浦大悟さんを参議院選挙の候補者として公認した。党としての浄化作用が私には感じられない。

「野党共闘」は大事なことだ。しかし、自民党に対峙する野党だからこそ、ぜひにも私たち普通の市民の希望を託せる政党であってほしい。

岡田ふさ子さみどりの会事務局)

連載「衆院秋田3区の政党交付金」_さみどりの会
和解調書と裁判長の真意
女であったゆえに踏みつけられた名誉と尊厳

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(*)2012年暮れ、2カ月にわたる立候補要請を受けて、三井マリ子さんは秋田移住して衆院選に出た。落選後、松浦大悟議員らに不明朗な会計処理をされ心身ともに損害を受けたと提訴。さみどりの会は三井裁判を支援する会の愛称。選挙・裁判をきっかけにできた、女性と選挙・政治を考えるサイトさみどりの会ホームページには裁判情報が掲載されている。なお、同裁判は2015年11月和解で終わった
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by bekokuma321 | 2016-03-25 12:50 | 秋田

テニス界のワールド・チャンピオン、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)の株が急降下している。

BNPパリバ・オープン大会ディレクターのレイモンド・ムーアの女性蔑視発言を紹介したが、彼の発言に関わって、ジョコビッチは、こう言ったのだ。

「男子テニス界は、もっと多く賞金を要求すべきだと思う。男子テニスの試合に来る客の方が多いとデータがあるのだから」

セレーナ・ウィリアムズは、レイモンド・ムーアに対してと同様、このノバク・ジョコビッチ発言も聞き逃さなかった。すぐ鋭く反撃した。

「非常に失望した。たとえば、娘と息子の両方がテニスをしていて、息子に、あなたは男の子だからより賞金が多いなんて言えない。3歳でテニスを始めた娘と息子に、あなたたちはどちらも同じように評価されると言いたい」

ジョコビッチとトップを争うイギリスのアンディ・マレーも、ノバク・ジョコビッチの発言に対して、「賞金額は男女同一で、100%当然」と断定して、こう批判した。

「ジョコビッチは、女性が男性よりも観客が多いと、より賞金が多くあるべきだと言っているらしい。しかし、たとえば、セレーナがセンターコ―トで試合をして、男子プレイヤーがセルジー・スタコフスキ(ウクライナ)と男子テニスの試合をしたとしよう、観客の多くはセレーナの方を見にくるに決まっている。女性の試合を見に来る客は大勢いる。全体でどうのこうのとは言えない。どんな試合を見たいかによって、日によって、変わる」

アメリカのテニス界の対応は素早い。今日のニュースによると、女性蔑視発言をしたレイモンド・ムーアは、ディレクターを辞任し、ノバク・ジョコビッチは「誤解されてとられた」と謝罪した。

c0166264_18205514.jpg年俸ウン十億円というプロ・スポーツ界と、年収ウン百万円の日本女性の賃金を比べるのは、適当とはいえないかもしれない。でも、この一連の発言は、日本でやっと社会問題になりつつある「男女同一価値労働同一賃金」という大テーマについての、生きた材料だった。なかでもセレーナ・ウィリアムズの反撃は、すばらしかった。多くの働く女性だけでなく、性差別の嫌いな男性も、うなずいたはずだ。

ところで、男女同一価値労働同一賃金について、錦織圭選手からコメントをとった日本の記者はいたのだろうか。

Serena Williams and Andy Murray back equal pay and wade into Djokovic
Raymond Moore Steps Down As CEO and Tournament Director of the BNP Paribas Open
Tennis pay row: Novak Djokovic says comments were taken wrong way
セレーナ・ウィリアムズ「地上の全女性への侮辱だ」
高梨選手と女子スキージャンプ
女性がマラソンをすると胸毛がはえる
昭和シェル石油女性差別裁判原告・野崎さんの想い

【写真:1993年代の北欧の「男女同一価値労働同一賃金」キャンペーンポスター】

追記(2016.3.24) 今回の論争の大前提に、すべてのメジャーテニスの試合では、賞金額に性差がなくなっていることがある。もちろん長年、男性の試合の賞金のほうが女性のより高かった。その歴史を破った選手がビリー・ジーン・キングBillie Jean King。彼女は1973年、男性テニスプレイヤーに試合を挑み勝利した。
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by bekokuma321 | 2016-03-23 18:38 | USA

アメリカ・インディアンウェルズで行われたBNPパリバ・オープン大会ディレクターのレイモンド・ムーアは、記者会見でこのような時代錯誤的発言した。

「もし私が女性のテニスプレイヤーだったら、夜ごと、ひざまずいて神に感謝するだろう。フェデラーよ、ナダルよ、生まれてきてくれてありがとうって。なぜなら、彼らがこのスポーツをつくってきた」

「女性プレイーヤーは、男性たちに便乗している(they ride on the coattails of the men)」 

セレーナ・ウィリアムズは、ただちに反論をした。

「女性に対するひどい発言だ」

「彼の発言は、ビリー・ジーン・キングのようなテニス界の先駆者に対して、いや、己の信念に向かって立ちあがってきた、地上のあらゆる女性に対して、ひどい発言だ」

「私たち女性は、これまで長く闘ってきた。私たちは、いかなる場合でもひざまずく必要などない。女性たちは、見たいから来ている。男性たちも、見たいから来ている。どちらもそうだ。彼の発言は、とんでもない間違いであり、まったく、まったく正確ではない」

マルチナ・ナブラチロワも、「インディアンウェルズでのテニス大会はボイコットすべきだ」として、こう語った。

「レイモンド・ムーアがきわめて偏見に満ちた、古臭い発言をしたことに、本当に心を痛めている。私たちは、男性の力を借りることなどなく自分たちの力でやりとげてきたし、これからもそうあり続ける」

全米テニス協会会長のカトリーナ・アダムスも、書面で次のようなコメントを寄せている。

「古臭い、性差別的な、教養のないイデオロギーには、言い訳の余地はない。テニス界の多数派の考えを反映はしてはいない」

ちなみに、発言者レイモンド・ムーアは次のように頭を下げたと報道されている。

「私は女子テニス協会(WTA)について、非常に不適切で、間違った発言をしてしまいました」

アメリカの女たちの間髪をいれない闘いぶりに、「ナイスショット!」と、地球の裏側から拍手を送った。

Martina Navratilova: female tennis players could boycott Indian Wells
Indian Wells CEO: 'lady' players should 'thank God' for Federer and Nadal
Women could boycott Indian Wells over comments - Martina Navratilova
ウィンブルドン女子テニス決勝から思う
ウィンブルドンの性差別
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by bekokuma321 | 2016-03-22 15:48 | USA

目にいっぱいの涙は、どんな言葉も及ばない。その恐怖! オーストリア・ウィーン市の「子どもと女性への暴力廃絶」キャンペーンのポスターだ。

子どもの下に書かれたドイツ語を訳すと

 「ベッドから落ちただけ?」
 診断書いわく「上まぶた充血、頭蓋骨出血、半月板損傷」
 両親いわく「眠っていてベッドから落ちたようです」
 子どもへの暴力は隠されることが多いのです。
 女性と子どもへの暴力を撤廃しよう。

日本でも、子どもへの悲惨な暴力が後を絶たない。政治の光が、つまり予算が、子どもや女性の暴力撤廃に注がれないと、とりかえしつかないことになる。日本で10年以上、DV被害者支援を続ける吉祥眞佐緒「エープラス」代表の言葉は耳に痛い。

「もちろん、わが国の公的支援の余りの少なさは痛い。でも、もっと問題なのは、DVが男性と女性の支配・被支配構造から起きる、という理解が、男性はむろん女性にも非常に足りないことなのです」

詳しくは、叫ぶ芸術:ポスターに見る世界の女たち「オーストリア」 (I 女のしんぶん) 

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オーストリア、国会を男女半々にするために
レジスタンスに命をかけた女達
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by bekokuma321 | 2016-03-21 22:17 | ヨーロッパ

ノルウェー・ペン協会は、エドワード・スノ―デンにオシエツキー賞を授与すると決定した。授賞式は11月18日。式に参加できるよう全力で働きかけると語っている。授賞理由は、命がけで米政府のインターネットと電話回線による情報傍受を告発した勇気ある行動。

オシエツキー賞は、表現の自由ために傑出した業績を残した人に授与される。オシエツキー賞は、カール・フォン・オシエツキー (Carl von Ossietzky、1889―1938)をたたえて設けられた。

オシエツキー は、ドイツの平和主義者であり、ジャーナリスト。1931年、ドイツがヴェルサイユ条約に違反して空軍に関して再軍拡を進めている事実を暴いた。そのことで国家反逆罪に問われた。ナチス政権となってからも、軍拡とナチズムを非難する文章を表したことによって逮捕され、強制収容所に送られた。1936年、ノーベル平和賞を受賞したがドイツ政府が国外に出ることを許可せず、授賞式に参列できなかった(wikipedia)

このような賞を設けているノルウェー・ペン協会の姿勢に、深い敬意をささげたい。

Edward Snowden wins 2016 Ossietzky Prize
Edward Snowden – Ossietzky of our time
スノ―デン、ノルウェーの表現の自由賞を受賞 
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by bekokuma321 | 2016-03-20 23:54 | ノルウェー

選挙における清廉性プロジェクト(Electoral Integrity Project, EIP)による、今年の選挙レポートは、

1位 デンマーク
2位 フィンランド
3位 ノルウェー
4位 スウェーデン
5位 コスタリカ

公平な投票に関して、①報道における公平さ、②選挙運動の資金、③社会的制約などを、調査して数字化したもの。アイスランドは10位とトップ5にはいらなかったものの、北欧諸国は軒並み、上位を独占した。ドイツ6位、オランダ8位。日本は29位だった。

議会制の母国イギリスが39位とふるわない。その理由のひとつが、民意を反映しない小選挙区制にある、と代表のPippa Norrisが分析する。日本も、その小選挙区制を採用しているが、イギリスより10ランク上位なのは、どこに原因があるのだろうか。

昨年の1位はノルウェーだった。

The Electoral Integrity Project’s "The Year in Elections 2015"
UK scores worst in electoral integrity in Western Europe. Here’s why.
Electoral Integrity Project

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【写真上:オスロの国政選挙投票風景。上が投票ブース。中にはいるとすっぽりとカーテンで覆われる。手前にあるのが投票箱。有権者は支持する政党リスト1枚を入れた封筒を投票箱に入れる。
写真下:事前投票所。「ここで事前投票ができます」と書かれた大きな看板。車いすやベビーカ―が入れるようスロープが設営されている。選挙運動期間の制限なし。投票日は憲法で決められた9月第2月曜日。事前投票期間が2か月半もあり、勤務地の近くでも投票ができる】
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by bekokuma321 | 2016-03-20 22:40 | 北欧

c0166264_1514528.jpg今年、5663人がノルウェー警察大学校に志願したが、その半数が女性だった。このうち何人の女性が合格するだろうか。楽しみだ。

警察大学校の校長ニーナ・シャルぺネ(女性!)は、こう取材に応えている。

「今年、ふたたび、大勢の志願者が出てたいへんうれしい。これは、もちろん、警察官の仕事が魅力的だからだと確信しています。それに、女性志願者がどんどん増えていることも喜ばしいことです。大学校の目的は、学生の少なくとも40%、警察官の少なくとも40%を女性に増やすことですから」

オスロ警視庁総監に女性が初めて就任したのは、確か1994年ごろだった。その女性初の警視庁総監インゲリン・キレングリーンに直接取材したとき、彼女は「警察学校の40%を女性に増やすことです」と言っていた。

ノルウェーはあらゆる分野への女性の参加を奨励していたが、警察分野も例外ではなかった。

1995年の志願者 2980人のうち47人がマイノリティ。入学者250人。うち9人がマイノリティ。女性ゼロだった。徐々に変化してきて、2011年は3369人が志願し、うちマイノリティは131人。入学者は720人で、うち25人がマイノリティ、8人が女性。

すぐに変化は起こらないが、目標をたてて、確実に変えようとする政治的意思が感じられる。

Rekordmange søkere til Politihøgskolen
5663 vil gjerne slå følge - og bli politi
叫ぶ芸術「警察官のセクハラ防止会議」
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by bekokuma321 | 2016-03-20 15:02 | ノルウェー

c0166264_0231454.jpg連載「衆院秋田3区の政党交付金」が第18話までアップされました。

連載を読んでいると、あのときそうだったねという記憶が思い起こされます。また、あのときおかしいなと思った疑問はこういうことだったのかと、怒りがわいてきます。

第12話「友人の怒り」には、選挙の応援を一生懸命してくれていたマリ子さんの友人が、本人の承諾なしに、名前を選挙の書類に使われていたことが書かれています。選挙後、マリ子さんは、収支報告書をつくった秘書たちに、「私の友人は承諾した覚えがないと言っています」と言います。すると秘書たちは、2人そろって「ちゃんと承諾した。覚えてないだけです」と言い返します。でも、書類の受付日から、それは嘘だったことが、後にわかります。

つまりは、その本人の同意のないまま名前を勝手に使い、印鑑も勝手に作って押していたなんて、びっくりポンです。さらに、その収支報告書をマリ子さんが見せてといくら希望しても見せなかったなんて、びっくりポン・ポン・ポ~ンです。

連載では匿名ですが、名前を使われたマリ子さんの友人とは、あ、あの人ではないかと私は想像できます。おそらくあの人でしょう。とても気持ちの良い人です。お人よしと言ってもいいくらいの人です。

私は、裁判を通じて、マリ子さんが立ち向かったのは、政党交付金の悪質な使われ方であることがわかりました。第18話「どんぶり勘定の世界」で、マリ子さんの名前で交付された政党交付金や寄付金は、ひっくるめて2000万円。その半分、約1000万円を自分たちの懐にいれられると踏んでいたらしいことを、悟りました。

要するに、お金の事は私たちが好きにやるから、マリ子さんやマリ子さんの友人の「名前だけ使わせてよ」だったのでしょう。人の好さを利用して、選挙が終わったら、真相を悟られる前に秋田を出ていくように仕向ければ、どうにでもなると思った、そのやりかたに強い怒りがわいてきます。

大倉由紀子さみどりの会

連載「衆院秋田3区の政党交付金」_さみどりの会
和解調書と裁判長の真意
女であったゆえに踏みつけられた名誉と尊厳
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by bekokuma321 | 2016-03-17 20:26 | 秋田

朝日新聞によると、大阪市鶴見区の市立茨田北(まったきた)中学校の寺井寿男校長が、全校生徒の前で「女性にとって最も大切なことは、子どもを2人以上産むこと。仕事でキャリアを積むこと以上に価値がある」などと発言した。

3月12日の同紙によると、記者の直接取材に、「人口が減るなかで、日本がなくならないためには女性が子どもを産むしかない。間違った発言とは思わない」と、開き直ったらしい。

教育者としてあるまじき発言だ。ただちに辞職すべきだ。

2007年のことだ。柳澤伯夫厚生大臣(当時)が、松江市内で開かれた自民党県議の決起集会の講演で、女性について「産む機械、装置の数は決まっているから、あとは一人頭で頑張ってもらうしかない」などと発言した。大きな抗議運動に発展した。私も抗議に加わったことを覚えている。

そして、その数年前、大阪府豊中市の北川悟司議員(当時)は、毎日テレビの「VOICE」で、こう発言していた。

「オスとメス、…男性は小さいうちから男性の自覚を、女性も自覚を育てていくべき…。 もっともっと女性は家庭を子どもを大切にして、そして、いい子どもを作って下さい」
 
同じく大阪選出の西村真悟議員(当時)は、同番組でこう言った。

「女性が家庭を維持するために大きな役割を担っている。これ当たり前じゃない。私、あえて申しますよ。世の中で一番素晴らしいことは、愛する子どもを育てることですよ。このことがなかったら、社会自体も存続しません。女性が安心して出来るよう、男はある意味、命を捨てても働くということ」

忘れてならないのは、民主党の中山義活議員。経済産業省大臣政務官だった2010年、「日本女性は家庭で働くのが喜びである、文化だ」と、国際会議で暴言をはいた。

国会、地方議会、教育界を問わず、このような考えの男性指導者がまだ幅をきかせている。子どもを産みたくても産めない女性たち(いや男性たちも)の心を傷つけ、働く女性たちの足を、これでもかとひっぱる。

子どもを産みたくなるような社会には何が必要なのか、それにメスをいれなければ少子化はさらに進む。大事なことは、子どもが2人以上いても、働き続けられるような社会をつくることなのだ。

寺井寿男校長、「保育園落ちた日本死ね!」という叫び、あなたには聞こえないのか!?

世界で母親がもっともハッピーな国ノルウェー
妊娠した女性が差別される国、されない国
ノルウェーのワーキング・マザー
企業の4分の1以上「育休より退職を」
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by bekokuma321 | 2016-03-14 18:42 | その他