安保法案に反対する

今夏、全国フェミニスト議員連盟が安倍首相に出した安保法案に反対する声を、少し遅れたが紹介する。

■内閣総理大臣 安倍晋三様  2015 年 6 月 28 日■

集団的自衛権を行使する「安全保障関連法案」の廃案を求める決議

2014年7月1日、安倍内閣は集団的自衛権の行使容認を閣議決定しました。現在、国会で集団的自衛権の行使要件を定めた、武力攻撃事態法改正案、日本のために活動する米軍や他国軍を地球規模で支援する周辺事態法改正案(重要影響事態法案)、PKO以外にも自衛隊による海外での復興支援活動を可能にするPKO法改正案など10本を束ねた法案と、いつでも自衛隊を紛争地に派遣し、他国軍の後方支援を可能にする恒久法、国際平和支援法案を審議しています。

政府は国会を大幅延長し、これらの「安全保障関連法案」を強引に可決させようとしています。私たちは、この法案成立により、日本を「世界で戦争ができる国」とすることは、到底認められません。

先の戦争は、アジア・太平洋地域の植民地化と侵略、強制連行・強制労働、「慰安婦」等性暴力、沖縄での地上戦、広島・長崎の原爆投下、全国各地での空襲など、国内外に多大な被害と苦しみ、悲しみを生みました。ここからの真摯な反省のもとに、私たちは憲法前文および第9条に恒久平和を規定し、不戦の誓いを世界に宣言しました。

紆余曲折ある中にも、戦後70年、戦争による被害者を出さずに今日まできたのは憲法の賜物であり誇るべきことです。戦争・紛争の絶えない国際社会において、武力によらない解決を提案することこそ平和憲法を持つ私たちの使命と自覚すべきです。

6月4日、衆議院憲法審査会で3名の憲法学者は「集団的自衛権の行使は違憲」と表明しました。そして憲法学者のほとんどが違憲としていることも無視してはなりません。

憲法尊重擁護義務を負うべき国務大臣、国会議員が違憲である法案を成立させれば、明らかに立憲主義に反します。

また政府は、自衛隊員へのリスク増加はもとより、国際的支援団体の活動をはじめとし、仕事などで海外に居住する日本国民へのリスク増加などを想定していません。国民への説明責任を果たさず、アメリカの議会で約束した「夏までの成立」に向けて強行する姿勢は許しがたいものです。

6月14日の安保法案反対集会では2万5千人、6月20日の「女の平和ヒューマンチェーン」では1万5千人、6月24日の集会では3万人が安保法案に反対して、国会を包囲しました。全国各地で世代を超えて「戦争法案、反対」の声が上がっています。世論調査では6割から8割が反対であり、安倍内閣の支持率は4割を切りました。

自治体議会のうち、181議会が「安全保障関連法案」に反対の意見書を可決させていると報じられています(6/20 NHKニュース)。政府は暴走をやめて、国民の声に耳を傾けるべきです。

戦争は、弱いものにより犠牲を強いるものです。武力で平和は生み出せません。私たち、議会に女性を送り出し、ひいては平等で多様な生き方が可能となる社会の構築を目指して集う超党派の自治体議会議員と市民は、「安全保障関連法案」の廃案と、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を保障する恒久平和主義を世界に広めることを強く求めて、ここに決議します。

全国フェミニスト議員連盟 
代表 皆川りうこ(東京都国分寺市議会議員)/ 会津素子(千葉県成田市議会議員)


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毎日新聞2015年7月19日朝刊「毎日新聞世論調査:内閣支持率急落 安保法案、『説明不十分』82% 政府・与党に焦り」をもとにFEM-NEWS制作

全国フェミニスト議員連盟
8.30国会10万人、全国100万人大行動
吐き気をもよおす傲慢さはどこから来るか
国連安保理決議2122号
半世紀前の米大使館書簡
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by bekokuma321 | 2015-08-30 10:35 | 紛争・大災害

c0166264_22574273.pngもうじきノルウェーの地方選挙がやってくる。

選挙への関心を高めて投票率をあげようと、NRK(ノルウェー放送)は、地方選挙について、ビデオでガイダンスを流している。

地方議会への選挙権と被選挙権は、ノルウェーに3年住んでいれば外国人にも認められる。そうした移民にも、はじめて投票する18歳にも、あいさつ程度のノルウェー語しかおぼつかない私にも、このイラスト入りビデオならわかる。題して「地方議会選挙のすべて」。

ビデオによると、ノルウェーの地方自治体のはじまりは1837年。法律で392の市ができた。1930年には700に増えた。2015年現在428市だ。サッカ―チームと同じ11人しか議員のいない小さな市から、67人の大きな市まである。

ノルウェーの選挙は、政党を選ぶ比例代表制。投票する人は、リストと呼ばれる政党別の候補者名簿から支持する政党のリストを1枚選んで、投票する。リストは、どの政党も約半年前には選管に出している。

比例代表制だから、政党が獲得した票の割合に比例して当選数が決まる。たとえばA党は3人が当選ラインだとすると、A党リストの1番、2番、3番の候補者が当選となる。B党は票が少なく、1人だけだとすると、B党リストの1番目の候補者が当選となる。

c0166264_22582221.jpgちょっとわかりにくいのは、有権者は、政党の決めた名簿の順番を変える権利(変更権)を持っていることだ。

たとえば図書館司書の女性が市議に最適だと思ったら、彼女の横の空欄にバッテン(x)をつける。イラストでは6番だ。もし彼女の政党が3番目までしか当選しないと、6番は絶望的だ。でも彼女へのバッテンが多いと、順番が下のほうでも上に上がって、めでたく当選となる。

このビデオを見たら、政党の決めたリストをそのまま投票しないで、「バッテンをつけてみようか」となりそうだ。

市長は、各政党の候補者リストのトップ、つまり1番に載っている人から選ばれる。最も多く当選させた政党が、他のいくつかの政党と協力関係を結んで決めることが多い。例外は、オスロ、ベルゲン、トロムスの市長で、国会のように議員の投票で選ばれる。

「地方議員は、あなたや私と全く同じ人だ。でも、あなたや私にとって最も大切なことのために頑張ってくれる」ーーこの最後のメッセージは心に響く。

ノルウェーの地方議員に議員報酬はない。公務員をしたり、会社員や学生をやりながら、ボランティアで(無報酬で)議員をするのだ。ちなみに私は20年以上、ノルウェーの政治を研究してきたが、威張るような議員に出会ったことがない。

最後のメッセージのイラストは、そんな地方議員を描いている。居間のソファーでくつろいでテレビを見ていた人が、テレビを消して立ち上がり、上着をはおって議会に行こうとする様子だ。なるほどノルウェーの地方議員は、余暇の時間を削って議会に出て行くんだな、とわかる。しかも無給のボランティアだから本当に頭が下がる。

愉快なのは、居間での後姿は男性に見えたが、外に出ようとする姿は正面が映り、あらら女性議員だったとわかることだ。絶妙のイラストだ(左上)。

Alt du trenger å vite om kommunevalget
2015 municipal and county council elections-- important information for voters(pdf)
ノルウェー:市長と議会に女性を増やす秘策
ノルウェー地方選、始まる
女性と選挙、女性と政治
比例代表制は女性や弱者が当選しやすい
ノルウェー、女性の国会議員増えず
世界一民主的な国
連立の3政党党首全て女性
ノルウェー地方選レポート1:「女のクーデター」 再び
ノルウェー地方選:女性市長5人に1人
ノルウェー選挙:性差も肌の色も越えて

(注)ノルウェーの選挙法は何回か改正されている。1960年代、候補者名簿(リストと呼ぶ)の候補者名から気に入らない候補名を横線で消す方法が合法だった。消された候補者の順番は下がり当選に遠のく。女性議員増運動の初期は、この方法がとられた。当時、女性たちは超党派で「男性名を消そう」という運動をし、リストの下のほうが当たり前だった女性の順番を上に押しあげた。その後、バッテン(x)をつけて票を加算する方法に変わった。(『男を消せ!--ノルウェーを変えた女のクーデター』(毎日新聞社)に詳述されている)。
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by bekokuma321 | 2015-08-29 23:30 | ノルウェー

本の街のチェッコリ

この夏、生まれて初めてビデオを回した。手とり足とり教えていただきながら、つくりあげた小さな作品は、題して「本の街のチェッコリ」。

神田神保町にブックカフェを開店した韓国女性キム・スンボクさんのインタビューを中心に、お店の様子や、心に染みいる韓国の詩を紹介する。4人の仲間の共同作品。

下をクリックして、ご笑覧を。

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本の街の神保町に、今年7月にオープンした韓国書籍専門のブックカフェ「チェッコリ」。店内には、約3500冊の書籍が並び、韓国伝統茶や菓子、マッコリなどの飲食メニューも充実している。作家のトークショーや音楽ライブなどのイベントも開催しており、韓国の本を愛する人たちの交流の場にもなっている。この店をオープンさせた出版社クオンの金承福(キム・スンボク)さんにお話を伺った。

制作:石川忍、高橋永、田村和男、三井マリ子
(OurPlanetTV 2015年夏期映像制作ワークショップ作品)

ourplanet-tv
チェッコリ
申庚林シン・ギョンニム
<インタビュー>日本に「韓国文学ブーム起こす」 出版社代表の金承福氏
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by bekokuma321 | 2015-08-29 10:05 | アジア・アフリカ

『月刊自治研』に書かれた「ルポ 世界でもっとも住みやすい町」を読む機会がありました。

三井マリ子さんが、北欧ノルウェーの地方都市を取材して書いたものです。そこは、ノルウェーの最北にあるフィンマルク県ヴァドソーという町で、ノルウェーの自治体のなかで、一番と言っていいほど男女平等が進んでいるところでした。

ところが、その昔、そのあたりは、魔女裁判がさかんに行われた土地だったというのです。魔女とされたのは、主に先住民のサーメ人、とくにサーメの女性たちでした。

ルポによると、そのあたりの生活の糧は漁。漁師にとって嵐が来ることは死を意味しました。「魔女が嵐をおこす」という迷信があったのは想像できます。恐ろしいのは、魔女だと噂をたてられた女たちがたくさんいて、噂をもとに逮捕され、監禁され、拷問され、自白を強要され、殺されたという事実です。

その昔、ノルウェーはデンマーク領でした。デンマークで教育を受けた役人は、最北端の土地に何日もかけてやってきました。そこで見たものは、言葉も宗教も文化も違うサーメの人たち。「異端者」でした。役人たちは、魔女たちを「異端裁判」にかけ、火あぶりにしたのです。

こうした異端者抹殺のあった土地が、現在、男女が住みやすい町へと変わったのです。なぜかは、マリ子さんのルポを読んでください。

さて魔女裁判ですが、これに似たようなことは、現代社会でも有るのではないかと、私は感じています。子どもたち同士のいじめ、会社でのいじめ、仲間からの無視、集団リンチなどーー「生意気だ」とか「言うことをきかない」とか、さもないことから始まり、最後にはその人を抹殺しようとするのです。

思えば、マリ子さんが衆院選の後、横手を追い出された時もそうだったように思います。大勢がマリ子さんの居宅にやってきて、「あんたの票は民主党と書いた票より少ない」「あんたがいると票が減る」「選挙事務所に来る人がいなくなったのはあんたのせいだ」「ここは12月いっぱいだ」「もう連絡はするな」と言い続けました。相手は5人、マリ子さんは1人でした。

ルポに書かれた北欧の政治を読んで、もうひとつ感じたのは、ものごとを決める場に女性がいない、わが秋田県の現状です。

身近な町内会の総会も、例外ではありません。出席するのはほとんど男性で、女は家で待っているだけ。「女は出るな」とは言わないまでも、各家庭から1名の参加となると代表は男性となり、女性は出ないのが当たり前になってしまっているのです。

そんな町に骨をうずめる覚悟で秋田移住までして、秋田の女性とともに活動しようと決意したマリ子さん。初めから落選とわかっていた選挙で頑張ったマリ子さん。そんな彼女は、衆院選終了とともに、集団で責め立てられて、秋田から追放されたのです。これこそまるで「魔女裁判」のようです。

しかしマリ子さんは、黙って排除されたままにはしませんでした。独自に調べ上げて、なぜこうなったかを知るためになんども質問状を出します。答えはありませんでした。そこでマリ子さんは、憲法32条で保障されている基本的権利、「裁判をする権利」を使ったのです。

9月30日(水)には、その裁判が、12回目を迎えます。

大倉 由紀子 (さみどりの会*)

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【写真1:ノルウェー自治体男女平等調査で1位に輝くヴァドソー市役所の幹部たち、2:女性議員52%のスルヴァランゲル市議会(ヴァドソーから独立した自治体)、3:裁判で死刑となり焼き殺された"魔女たち"を記憶にとどめるモニュメント(ヴァドソー近くに2011年創設)、4:モニュメントの一角に置かれた魔女の火あぶりオブジェ。撮影三井@フィンマルク県】

(*)2012年暮れ、2カ月にわたる立候補要請を受けて、三井マリ子さんは秋田移住して衆院選に出た。落選後、松浦大悟議員らに不明朗な会計処理をされ心身ともに損害を受けたと提訴した。さみどりの会は三井裁判を支援する会の愛称。「産むならば 世界を産めよ ものの芽の 燃え立つ森の さみどりのなか」という阿木津英の歌がある。女性は子どもだけでなく、世界を産み出すのだという意味だ。三井さんは、選挙演説に引用しては「私は新しい秋田を産み出したいのです」と結んでいた。選挙・裁判をきっかけにできた、女性と選挙・政治を考えるサイトさみどりの会ホームページには裁判関係の情報が掲載されている。
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魔女狩り撲滅に資金
ノルウェー地方選レポート4:北部ノルウェーを支えるサーメ女性たち
魔女モニュメント、オープン
サーメと魔女狩り
北極に最も近いバルドー市も女性議員は約4割
Witch monument
architecture norway:Witches' Memorial, Steilneset, Vardø. 2011
THE VARDØ WITCH TRIALS
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by bekokuma321 | 2015-08-26 17:23 | 秋田

「ルポ 世界でもっとも住みやすい町」を、ネットで読みました。

三井マリ子さんが、ノルウェー最北の町フィンマルク県ヴァドソー市を取材して書いたルポルタージュです(『月刊 自治研』2012.1月号掲載)。

三井さんは、2011年2月、北緯70度4分のヴァドソー空港に降り立ちました。

なぜこの市に三井さんが取材に行ったか。ノルウェーの自治体の男女平等調査で、そこが女性にとって「住みやすさナンバーワン」になったことを知ったから、と三井さんは書いています。

なぜ北極圏の地に、2月の寒いときに行ったか。「最も厳しい寒さの地で、女たちが政財界でも家庭でも本当にハッピーに生活しているなら、ノルウェーの民主主義は本物だ。こう思って、あえて寒いときにやってきた」と、書いています。

読み進んでいくと いかに政治が大切か、いかに町づくりに女性の力が必要か、がわかってきます。ヴァドソー市や近隣の市は、議会に女性議員が40%、50%もいます。女性の声が町づくりに当たり前に反映されているのです。その結果、若い女性たちが戻ってきているのです。
 
2012年、松浦参議院議員に懇願され固辞していた三井さんですが、最終的に秋田移住を決意します。なぜ、負けがわかっている選挙に立候補したのか、普通のおばちゃんは不思議でした。

このルポを読んで、その背景が少しわかりました。三井さんは、「今 過疎化・高齢化の秋田県をなんとかしなければ、秋田は消えてしまう」「ノルウェーでできたのだから、住みやすさナンバーワンの秋田県をつくれるはずだ」と思ったのでしょう。

衆院選前の新聞記事でも、「北欧では零下20度の厳寒の地でも女性たちが生き生きと仕事をし、暖かい家庭を持っている。秋田でもできる。政策しだいだ」と三井さんは語っています。

選挙を終えた2013年1月、三井さんが秋田を去ったとわかってびっくりしました。普通のおばちゃんには どうして秋田を離れちゃったのか、理解できませんでした。

2013年2月、猛吹雪のなか大潟村で三井さんの講演会がありました。おばちゃんは心配で会場へ出向きました。げっそりやせた三井さんがそこにいました。

三井さんは、少子化を克服したノルウェーの制度や暮らしぶりを、パワーポイントを使って講演しました。すばらしい講演を聞きながら、おばちゃんは思いました。秋田の大事な宝を投げてしまった、と。

2014年1月、秋田地裁で裁判が始まりました。よくここまで一人でコツコツ調査したものだと感心しました。これからは、三井さんのお手伝いしたいと、さみどりの会に入会しました。
  
非公開の多かった裁判ですが、次回9月30日は公開になるようだ、と弁護士が言っています。まだ決定はしてないようです。

もし公開なら、法廷の傍聴席からこの目でしっかりと裁判を見届けたいと思います。

普通のおばちゃん 佐々木厚子 (秋田市、さみどりの会*)

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(*)2012年暮れ、2カ月にわたる立候補要請を受けて、三井マリ子さんは秋田移住して衆院選に出た。落選後、松浦大悟議員らに不明朗な会計処理をされ心身ともに損害を受けたと提訴した。さみどりの会は三井裁判を支援する会の愛称。「産むならば 世界を産めよ ものの芽の 燃え立つ森の さみどりのなか」という阿木津英の歌がある。女性は子どもだけでなく、世界を産み出すのだという意味だ。三井さんは、選挙演説に引用しては「私は新しい秋田を産み出したいのです」と結んでいた。選挙・裁判をきっかけにできた、女性と選挙・政治を考えるサイトさみどりの会ホームページには裁判関係の情報が掲載されている。
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【写真:ノルウェー・フィンマルク県ヴァドソー市の市役所前。2011年2月三井マリ子撮影】
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by bekokuma321 | 2015-08-24 11:26 | 秋田

もうじきノルウェーは、統一地方選だ。女性議員が平均約40%の国だから、女性議員のほうが男性議員より多い自治体が10自治体ほどある。

そんなノルウェーだが、女性たちはそれに満足していない。女性議員を40%から50%へと新しいキャンペーンをしている。

ノルウェーが女性ゼロ議会を一掃したのは1987年のことだった。歴史の歯車をグイッと回したのは、超党派の女性運動だけでなく、マスコミの力が大きかったと思う。

一方、日本はまだ10%程度だ。女性ゼロ議会も多い。保育、教育、介護問題、食の安全、ゴミの問題ーー女性のほうがずっとプロだ。プロの声が政策に反映しないのは、危険だ。

それに原発再稼働も安保法案も、女性のほうが反対が多いが、これでは、その声が議会に届かない。民意の反映しない政治は、民主主義の政治ではない。

ただ最近、うれしいことに、こうした日本の憂うべき現状を報道するメディアが増えてきた。「2割が女性ゼロ議会」と、トップ記事にした東京新聞を紹介する。まだ読んでないかたは、クリックしてどうぞ。


▲東京新聞 1面 2015.6.28


▲東京新聞 1面の続き 2015.6.28

統一地方選直前に特集を組んで「全国規模で女性の力を結集し、戦略的に行動することが求められる」と書いた毎日新聞も評価したい。下図は毎日新聞2015年3月記事よりコピペ。

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全国813市区「女性議員比率」ランキング 1位45%から0人の自治体まで独自調査 by東洋経済『都市データパック』編集部
地方議会選挙を終えて思う「日本の選挙って変だ」
郡山市議選
仙台市議会、4人に1人が女性に
女性ゼロ議会、5議会ににひとつ
道府県議 政党別男女比
女性の約7割、原発NO!
ノルウェー地方選:名簿変更権を使おう
ノルウェー地方選レポート1:「女のクーデター」 再び
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by bekokuma321 | 2015-08-23 18:28 | その他

なくせセクハラ、性差別

c0166264_1785324.jpg女性議員に対する嫌がらせ野次、からだへの接触、性的言い寄りなどが後を絶たない。

全国フェミニスト議員連盟が、現議員や元議員など600人に調査した。それによると女性議員の52%が同僚議員などから「セクハラを受けたことがある」。

セクハラの加害者側には同僚議員だけではなく、自治体職員もいる。複数回答可で、議員67人、職員17人。

セクハラ被害の回数は、50人が「1~5回」、8人が「6~10回」、13人が「数え切れない」となっている。被害の場所は視察先20人、委員会や会議中19人、本会議場12人(複数回答可)。

詳しくは、同連盟発行の『性差別体験アンケート報告集』を。500円(送料別途負担) 。申込は全国フェミニスト議員連盟 info@afer.jp まで。


(クリックすると大きくなります)
▲読売新聞2015.6.25

全国フェニスト議員連盟
戒能民江「セクシュアル・ハラスメントの司法的救済とその限界」
営業ウーマンの逆襲
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by bekokuma321 | 2015-08-23 17:20 | その他

ノルウェーの統一地方選挙に向けて、女たちが動き始めた。「市長と議員に女性をもっと増やそう」と、多彩なポスターができた。

現在ノルウェーは、最も男女平等に近い国のひとつ。閣僚大臣は半数を女性が占め、国会、地方議会とも約40%が女性議員だ。

とはいえ、ここに至る道は平たんではなかった。

女性をもっと決める場に増やそうという運動は、1960年代から本格的に始まった。地方議会を取材していた女性記者が、「保育、学校、高齢者介護の問題を決めるのに女性がほとんどいないのはおかしい」と怒った。彼女の怒りがきっかけで、女性を当選させようキャンペーンが始まった。

比例制選挙の投票用紙にあたる各党の候補者名簿に並ぶ女性にバッテンをつけようという運動だった(注)。ノルウェーの選挙では、候補者の横にバッテンをつくとその人に票が加わり、順番が上にあがる。それを活用して、下の方に登載されていた女性候補の順位を上げて、当選させようという運動だった。

2015年8月、ノルウェーの女たちは、男性偏重の地方議会を変革する運動を、またまたスタートさせた。初の運動から約50年、今年の9月14日の投票日まで、どれだけ有権者の心をつかめるか。ポスターとアピール文を紹介する。

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「民主主義の社会は、民意を反映していなければなりません。
しかし、ノルウェーで、女性の市長は全市のわずか22%しかいません。

ノルウェーは、男女平等の世界チャンピオンである、と思っています。
でも、政治の世界への女性の参入はまだまだなのです。

『女性に入れろキャンペーンkvinnerinn』は、2015年の選挙で女性をもっと当選させようと、生まれました。

2013年現在、429市のうち女性が市長職についている市はわずか96でしかありません。まったく不十分! 

すべての人が参画することで民主主義は強くなります。投票を忘れないで、そして女性候補にバッテンをつけることを忘れないでください。そうすれば物事を決める場に多様な人が選ばれます。

連帯して、強くなろう!」


Hun er eneste kvinne i kommunestyret
#kvinnerinn
Vil krysse frem kvinnelige politikere
Slik bekles ordfoerer-norge av menn
halftheskymovement(上から7番目のポスターに書かれているノルウェー語は、「世界で最強の未使用資源は女性である――ヒラリー・クリントン」。原語は以前から使われてきた)
ノルウェー地方選、始まる
女性と選挙、女性と政治
比例代表制は女性や弱者が当選しやすい
ノルウェー、女性の国会議員増えず
世界一民主的な国
連立の3政党党首全て女性
ノルウェー地方選レポート1:「女のクーデター」 再び
ノルウェー地方選:女性市長5人に1人
ノルウェー選挙:性差も肌の色も越えて

(注)ノルウェーの選挙法は何回か改正されている。1960年代、候補者名簿(リストと呼ぶ)の候補者名から気に入らない候補名を線で消す方法が合法だった。消された候補者の順番は下がり当選に遠のく。女性議員増運動の初期は、この方法がとられた。当時、女性たちは超党派で「男性名を消そう」という運動をし、リストの下のほうが当たり前だった女性の順番を上に押しあげた。その後、バッテン(x)をつけて票を加算する方法に変わった。(『男を消せ!--ノルウェーを変えた女のクーデター』(毎日新聞社)に詳述されている)。
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by bekokuma321 | 2015-08-17 23:21 | ノルウェー

「戦後70年安倍談話」に抗議する 
どこにもない植民地支配・侵略戦争・「慰安婦」被害者への謝罪 

安保関連法案を強行する安倍晋三首相は、8月14日に「戦後七〇年安倍談話」(安倍談話)を発表しました。日頃の安倍首相の言動と21世紀構想懇談会の提言から予想されたことですが、安倍談話には深く失望しました。

安倍談話は、「植民地支配と侵略」への「反省とお詫び」を表明した村山談話(一九九五年)よりも明らかに後退したからです。安倍談話は、「植民地支配」「侵略」「反省」「お詫び」というキーワードを入れてはいます。しかし、「植民地支配」と「侵略」の主語と対象を明らかにしていません。また安倍談話のいう「反省とお詫び」は、「植民地支配と侵略」を消去し、安倍首相自らを主語とせず、しかも過去形で語り、加害責任をあいまいにした空疎な作文でしかありません。

私たち「戦争と女性への暴力」リサーチ・アクションセンター(VAWW RAC)は、戦後70年・植民地解放70年を迎えた本日、植民地支配と侵略戦争に起因する日本軍「慰安婦」問題の解決を求める立場から、安倍談話の以下の点をとくに強く批判します。

第一に、過去の日本が行った「植民地支配」に対して、主語と対象にいっさい言及していないことです。安倍談話は、植民地支配に関して「日露戦争は植民地支配の元にあった多くのアジアやアフリカの人々を勇気づけました。」などと述べるだけで、その日露戦争によって日本が朝鮮を植民地にした事実、それ以前に台湾を植民地にした事実には一言も触れていません。自国が台湾・朝鮮を植民地支配したことを隠蔽し、植民地支配された「アジアやアフリカの人々を勇気づけた」という自己賛美と自己矛盾を、被害国の人びとが受け入れることはないでしょう。

ほかでもない日本が台湾・朝鮮、満洲国を対象に行った植民地支配への言及も「反省とお詫び」も明言せず、「植民地支配から永遠に訣別(けつべつ)し、すべての民族の自決の権利が尊重される世界にしなければならない。」と述べることは、自国の植民地支配責任を糊塗する一般論にすぎず、説得力がありません。

第二に、この論法は「侵略」に関しても繰り返されています。「進むべき針路を誤り、戦争への道を進んで行きました。」には、どの国に対する「戦争の道」なのか、その対象への明言もないばかりか、「侵略」の一言もありません。日本は、中国をはじめとする東南アジア・太平洋諸国への侵略戦争を行ったにもかかわらず、その主体も対象も一切語られていません。「侵略」への言及は、「事変、侵略、戦争。いかなる武力の威嚇や行使も、国際紛争を解決する手段としては、もう二度と用いてはならない。」の件になってからです。これも単なる一般論にすぎません。

第三に、日本軍「慰安婦」をはじめとする戦時性暴力被害者に対しても、前二項で指摘したことと同様です。安倍談話のいう「戦場の陰には深く名誉と尊厳を傷つけられた女性たちがいたことも忘れてはなりません。」とは、誰が傷つけたのかという主語が不明であり、そもそも、この「女性」が、日本軍「慰安婦」をさしているのかも不明です。

さらに後段で、「私たちは、二十世紀において、戦時下、多くの女性たちの尊厳や名誉が深く傷つけられた過去を、この胸に刻み続けます。」と述べていますが、ならば、安倍政権こそが率先して、「当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた」と「河野談話」が明言した「慰安婦」被害女性への謝罪と補償を行うべきです。

第四に、「村山談話」に明記されていた「反省とおわび」「植民地支配と侵略」が消去され、自らを直接の主体とすることなく、しかも過去形で語られていることです。安倍談話は、「我が国は、先の大戦における行いについて、繰り返し、痛切な反省と心からのお詫(わ)びの気持ちを表明してきました。」と述べています。つまり、「先の大戦における行い」というあいまいな表現を用い、村山談話にあった「植民地支配と侵略」を消去し、「反省とおわび」を「表明してきました。」と過去形で語ることによって、安倍首相自らを主体とすることから逃れていると指摘せざるを得ません。

以上のように、日本が行った植民地支配と侵略戦争、「慰安婦」など戦時性暴力への加害責任を明確に認めず、自らは謝罪をしない安倍談話は、 歴史修正主義の集大成であると言っても過言ではありません。安倍談話には、「積極的平和主義」の名のもとに、憲法違反の安保関連法案という名の戦争法案を強行する安倍政権の本質が現れています。

「未来志向」を唱える安倍首相が「あの戦争には何ら関わりのない、私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません。」と望むなら、安倍首相は、「植民地支配と戦争」への「反省とお詫び」を自らの言葉で明言して植民地支配責任・戦争責任を認め、「慰安婦」被害者をはじめとする戦争被害者に対して誠実な謝罪と補償を実行し、安保関連法案を即刻廃案にすべきです。

2015年8月15日

「戦争と女性への暴力」リサーチ・アクションセンター(VAWW RAC)(注)


(注)抗議文の筆者は「戦争と女性への暴力」リサーチ・アクション・センター。
同センターは、英語でViolence Against Women in War Research Action Center、通称VAWW RAC(バウラック)。1998年6月に発足して以来、13年間活動を続けた「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク(VAWW-NETジャパン)が発展改称されたもの。2011年9月設立。(同センターのホームページより)


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by bekokuma321 | 2015-08-17 08:48 | その他

c0166264_22523548.jpg映画「おやすみなさいを言いたくて」を1年遅れで見た。

監督はノルウェーのエーリック・ポッぺ。80年代に報道写真家だった自らの体験をもとにしたセミ・ドキュメンタリーだという。

彼は、家族を後にして戦地に赴く戦争ジャーナリストのジェンダーを男性から女性に変えた。それがこの映画のミソだ。

主人公の戦争写真家レベッカはフランスの女優ジュリエット・ピノシュが演じる。仕事場はアフガニスタンのカブールだ。

レベッカの全身は、そこの女性たちと同様、黒い衣服で被われている。女性しか入れない部屋、女性だけで執り行われる儀式。レベッカのカメラは、女性自爆テロリストの一挙手一投足をとらえて離さない。女性は体中にダイナマイトをまきつけて、家族に別れを告げて車に乗り込む。レベッカも同乗する。

途中で警察官に疑われた自爆テロリストは、爆破のスイッチを押す。大勢の人々が死に、レベッカも吹き飛ばされ大怪我をする。

九死に一生を得て、アイルランドの自宅で静養するレベッカ。今度は、戦地とは異なる家庭内の諍いに向き合う。

夫と長女は、なぜ家族を置いて戦地に飛んでいくのかと責め続ける。娘たちの世話や家事全般を一手に背負うシングルファーザー的生活を送る海洋学者の夫。彼はレベッカに告げる――「いつ、君が死んだという知らせが来るかもしれない。家で待っているこんな人生はうんざりだ」

レベッカは家族に追いつめられ、仕事を辞める決意をする。命をかけてきた仕事を投げ出したのだ。

そんなレベッカに、ケニアの難民キャンプを撮影するオファーがくる。高校生の長女は、学校で取り組んでいるアフリカ・プロジェクトの調査のために、母と一緒にケニアに行きたいと言い出す。安全だといわれて、夫も2人のケニア行きを許す。

ケニアの難民キャンプに到着した2人は、部族間の殺りくに巻き込まれる。報道写真家魂がむっくりよみがえったレベッカは、紛争現場に残ると言い出す。母を失うのではないかと泣き叫ぶ娘。

帰宅後も癒えない娘の心の傷。娘の異常を知った夫は、「お前には死臭がつきまとっている。出て行け」とレベッカを家からカメラごとほおり出す。

これが終りなら、21世紀のノルウェー監督の作品にふさわしくない。子どもを持ちながら戦場で報道ジャーナリストを続けるノルウェー女性は、私が知っているだけでも4人はいる。

案の定、エーリック・ポッぺ監督はレベッカを戦争ジャーナリストの道に戻る決意させている。

結末で、レベッカは、戦地を再訪してカメラを握る。しかし、彼女はそこで見た酷い現実に目をそむける。戦場ジャーナリストというより、女性ジャーナリストの意識が勝ってしまうのだ。いわゆるclichéとしての”女性”・・・。そんなラストシーンを私は好きになれなかった。

http://www.businessinsider.com/from-bulletproof-vests-to-gender-discrimination-four-journalists-share-their-stories-2012-4
http://www.smh.com.au/entertainment/movies/war-photographer-erik-poppes-a-thousand-times-goodnight-turns-camera-on-his-own-story-20141125-11hyrz.html
http://www.theguardian.com/theguardian/2010/jul/31/bookseller-of-kabul-interview-asne-seierstad
http://nojobforawoman.com/reporters/timeline/
映画「おやすみなさいを言いたくて」
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by bekokuma321 | 2015-08-13 22:55 | ノルウェー