c0166264_2394072.jpgオーストリアからおもしろいニュースが飛び込んできた。

緑の党の党首Eva Glawischnig は(写真)、オーストリア国会を50%50%にするために、政党の男性議員が50%を1人でも超えたら、その政党に罰金を科そう、と提案した。

男女平等の目標を掲げていても、実際になかなか進まないから業を煮やしたようだ。

オーストリアの国会は、183議席のうち女性議員は32.2%。下表を見るとわかるが、緑の党Grüneもなかなか元気で、24議席を有する。その性別は、女性13人、男性11人だ。50%を超えた政党は、緑の党しかいない。最大党の社民党SPÖは32.69%だ。

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国会議員のほぼ3人に1人が女性とは、うらやましい限りだ。でも、40%前後の女性議員がいる北欧諸国には相当見劣りがするし、隣国ドイツの36.6%にも負けている。

だから、緑の党の提案は本気だ。具体的に政党の大小にかかわらず、オーストリアの政党は国会議員1人つき年に500万円が議会関係予算から支払われるが、50%に1人少ないごとにそれと同額を減額したらどうかという。

ひるがえって日本の国会は、女性がほとんどいない。それにミニ政党の代表もいない。たとえば、日本の緑の党は、国会にまだ議席がない。小選挙区制という民意を反映しない日本の選挙制度が一因だ。

ちなみに、北欧諸国はもちろん、イギリスを除く多くの欧州諸国は比例制選挙が基本だ。多くの政党は、候補者リスト作成するとき、男、女、男、女・・・と並べるのだ。緑の党は、女、男、女・・・のことが多い。

もうじき、日本で、総選挙が公示される。

2年前の今頃、私は、秋田県第3区で衆院選に民主党から立候補した。女性議員を増やそうと運動してきた私が、2カ月にわたる立候補勧誘を固辞し続けるのは何かがおかしい。こう考えての決断だった。前代未聞の逆風下にあった民主党からの立候補、秋田への引越、突然の解散・・・そして落選。まだ“戦後処理”が終わらない。

さて、来る衆院選に立候補したなかに、女性は、見たところ数えるほどしかいない。自分の選挙区で、支持する政党からの候補となると、女性はいないに等しい。自ら立候補してわかったが、世襲候補の女性を除き、立候補は困難をきわめる。だからこそ、支持政党から立候補する女性(世襲を除く)がいたら、これからも応援したい。

今回は、女性の働く権利、男女同一賃金、福祉職場の人員増・賃金増を優先課題に掲げる政党に1票を投じるつもりだ。

Grüne: Bonus-Malus-System soll Frauen in der Politik stärken
Eva Glawischnig
レジスタンスに命をかけた女達
緑の党の全政策に女性の視点を
ドイツの町のジェンダー規定
日本の女性国会議員、189カ国中163位
男女平等なくして民主主義なし

追記:NHK調査によると、第47回衆院選の立候補者1191人。性別は、男993、女198。女性の割合は、わずか16%にすぎない。
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by bekokuma321 | 2014-11-30 23:12 | ヨーロッパ

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女性差別の情報は、男たちの手でかき消されたり矮小化されたりするのが普通だ。

それに疑問を持った女性運動家、司書、ジャーナリスト、研究者、先住民の権利運動家、情報センター職員たちが、国境を越えて叫んだ。

「女性をとりまく現実をよく見えるようにしよう」

「情報は力。世界中からアクセス可能な女性の情報サイトをつくろう」

この国際的運動は、「ノウハウ会議」と名づけられた。萌芽は1995年9月4日に北京で開かれた国連世界女性会議にあった。世界中から5万人が北京に集まった。私も地方紙と女性紙から特派員資格を得て参加した。

カップラーメンをすすりながら、寝る間も惜しんでパソコンをたたいた。全国フェミニスト議員連盟としてワークショップも企画運営した。女性議員の少ない日本の現状をどうしたら変えられるか、英語日本語ゴチャゴチャにして話し合った。

そして第1回はオランダ、第2回はウガンダで、女性と情報をどう集め、どう広め、どう保存していくか、国際会議が開かれた。

(つづきはI 女のしんぶん「叫ぶ芸術」を。ただしWeb版の解説は、I 女のしんぶん連載の記事とは多少異なることを了承願います)

「ノウハウ会議」から生まれたウガンダの女性情報サイト
http://www.isis.or.ug/2011/11/ruth-ojiambo-ochieng/
http://wougnet.org/
http://www.fao.org/docrep/x3803s/x3803s23.htm
http://vc.bridgew.edu/cgi/viewcontent.cgi?article=1396&context=jiws

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by bekokuma321 | 2014-11-29 22:31 | アジア・アフリカ

先日、米ミズーリ州で、黒人を射殺した白人警察官が不起訴と決まりました。不起訴に怒った市民たちの抗議運動が全米で起きていますね。

殺されたのは、マイケル・ブラウンさん。18歳。今年8月、ミズーリ州セントルイス郊外のコンビニから自宅に帰る途中に警官から発砲されて、その場で死亡したそうです。若者から未来を奪った警察官が不起訴とは。あきれてものが言えません。

思い出すのは、20年以上前、1992年の日本人留学生殺害事件です。ルイジアナ州に留学していた服部剛丈君がハロウインパーティで、間違って訪れた家の前で射殺されたのです。射殺した家人は起訴されましたが、正当防衛を主張して無罪でした。しかしながら、その後の民事裁判では、刑事とは正反対の結果となり、相手は敗訴しました。

どちらの事件も、加害者は白人、被害者は有色人種です。加害者は、ミズーリ州事件では「不起訴」、20年前の事件では起訴後「無罪」となりました。この不当な結果に、有色人種を白人の下に見る差別意識がアメリカ社会にいまだ存在していて、だから白人の罪に甘いのだ、と思わない人はいないはずです。

さて、三井マリ子さんが告発した松浦大悟氏秘書らの「有印私文書偽造・同行使・詐欺事件」も不起訴とされてしまいました。不起訴と聞いて、私は、怒りでふるえました(注1)。

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松浦氏は当時参議院議員で、昨年落選した今も、なぜか民主党秋田県の代表という地位についています。証拠不十分だから不起訴だそうですが、警察や検察が松浦氏側に甘い結果を下したのは、松浦氏側を上に、マリ子さん側を下に見る意識があったからではないか、と思ってしまいます。

松浦氏はさっそくネットで「三井氏には正しい対応をしてまいりましたので、不起訴になったことは大変喜ばしいと思っております。これからも誠実に対応してまいります。」と書いていました。マリ子さんを「全身全霊で支える」と懇願して秋田に移住させて、落選後ただちに秋田から追放した上、選挙収支を見せてほしいというマリ子さんの依頼を無視してきたことが、「正しい対応」だったというのでしょうか。

松浦氏の秘書が、「三井さんの委任状を持って口座を開設した」と警察官に言ったそうですが、その委任状はなかったことが、先月の民事の裁判で判明しています。松浦氏秘書は警察官に偽証したわけですね。

さらに先月の民事裁判で、今まで「三井さんが言う“隠し口座”などない。三井さんには書面を見せながらその口座について説明して了承を得てから開設した」と言い張っていたのですが、それが嘘だった、と松浦側は認めました。

ちゃんと起訴をして、法廷で審判を下すべき刑事事件であるとつくづく思います。刑事でいったん不起訴や、無罪とされた事件を覆すのは困難をきわめます。民事で攻めていくしかなく、家族・周囲の人たちの並々ならぬ努力が必要で、あきらめてしまいそうになります。

20年前の服部君事件では、両親や友人たちは刑事で負けてもめげなかったのです。長い間の努力によって、民事のほうで、あらたな証拠が次々に見つかり、ついに相手を敗訴に追い詰めたのです。頭が下がります。

c0166264_20332396.jpg大倉 由紀子 さみどりの会(注2)

【写真上:2012.11 三井候補と松浦大悟氏の“事前ポスター”。三井候補の”事前ポスター”はわずか300枚しかなかった。写真右:2014.11 秋田市内で】

(注1)三井さんの告発を機に発覚した別の事件は、起訴・不起訴が決まっていない。こちらは、三井候補のポスター貼りを請け負った民主党秋田県連(代表松浦大悟)の幹部が、ポスター貼りをしてない架空の人たちを貼ったことにでっちあげて1人1万円を自分の懐に入れた横領事件

(注2)2012年の衆院選で落選した三井候補は、松浦大悟議員らに不明朗な会計処理をされ心身ともに損害を受けたと提訴した。さみどりの会は三井裁判を支援する会の愛称。「産むならば 世界を産めよ ものの芽の 燃え立つ森の さみどりのなか」という阿木津英の歌がある。女性は子どもだけでなく、世界を産み出すのだという意味だ。三井さんは、選挙演説に引用しては「私は新しい秋田を産み出したいのです」と結んでいた。「さみどりの会」の由来だ。裁判報道は左下のMoreをクリック。
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by bekokuma321 | 2014-11-28 17:13 | 秋田

c0166264_14182638.jpgセシリア・ブレークフス。30歳。彼女は、ボクシング界の歴史を変えた。

ついに、今年、ボクシングの世界タイトルの4冠王を達成したのである。WBC女子世界チャンピオン、WBA女子世界チャンピオン、WBO女子世界チャンピン、IBF女子世界チャンピオン。いずれもウェルター級。

FEM-NEWSは、セシリア・ブレークフスを何度か紹介してきた。それには理由がある。

ボクシングは、女性には似合わないスポーツとみなされてきた典型的スポーツであること。また、セシリアは、ノルウェー人夫妻が、南米コロンビアからノルウェーのベルゲンに養子として迎え入れて育ててきた娘であること。

コロンビア生まれで、肌の色が違う小さな女の子が、ノルウェー、いや世界のチャンピオンになった。それまで、どんな道のりを歩んできたのだろう。ノルウェーにだっていじめは多いという。思春期、いじめにあって、ぐれたりしなかったのだろうか。

彼女は、コロンビアのカルタヘナ産まれ。2歳のとき、ノルウェー・ベルゲンに住む夫妻が彼女を養子にした。

両親が言うには、セシリアは子どものころからスポーツ万能だったが、ここまでの道は平たんではなかったらしい。

小さな頃からサッカーが得意で、地元のチームで試合をしていた。ところが、ある日、突然、「もうサッカ―はしたくない」と言いだした。何もしなくなり、両親は困り果てたという。

14歳のころ、キックボクシングを始め、15歳のころ、「格闘技を習ってもいいか」と尋ねられた。親は、しぶしぶ承諾したという。

その後、「ボクシングをしたい」と言いだしたときは、「バレ―(踊り)のほうがいいのでは」と思ったが、子どもの希望を押さえつけたことは一度もなかった、という。

ノルウェーの報道によると、両親そろって今、あちこちの国で行われる娘の試合の応援にかけつけている。世界的偉業をなしとげた娘を誇りに思い、感動を覚える、と語っている。

「女の子はそんなことしちゃダメ」と押さえつけたりしない家族、学校、地域社会の賜物かもしれない。肌の色や、養子であることで、差別を受けることの少ない環境だったのかもしれない。

とにかく、立派としかいいようがない! 

Undisputed champion Braekhus: I’ve been dreaming of this moment for a long time
Cecilias vei mot toppen
セシリア・ブレークフス 世界ボクシングチャンピオン
セシリア・ブレークフス、またも世界チャンピオン
オリンピック競技に女子ボクシング
JOC、女子ボクシング出場機会奪う
オリンピックの旗手
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by bekokuma321 | 2014-11-27 14:20 | ノルウェー

アテネ宣言

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欧州連合EUは、政治の場を男女半々にするため、90年代から具体的に動いた。カネもヒトも使って。

その政治における男女平等政策推進の起爆剤となったのが、この「アテネ宣言」だ。力強く、説得力あふれるこの宣言文は、ポスターやカードとなってEU加盟国に広がっていった。

そして、最新のEU議会の選挙で、女性議員は、全議員の37%を占めるまでになった。目標とする50%には至らなかったが、わずか10%台だった80年代から見ると、大躍進だ。

ひるがえって日本の衆議院には女性はわずか8.1%しかいない。男性が92%を占めているのだ。これは、アテネ宣言流に言うなら、日本社会全体の損失であり、かつ日本人全体のニーズと利益に反する。

アテネ宣言は、1992年ギリシャのアテネで誕生した。アテネ宣言が生まれた背景には何が? 答えは「叫ぶ芸術ーーポスターに見る世界の女たち」を。
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by bekokuma321 | 2014-11-26 15:55 | ヨーロッパ

精神保健と性差は、重要なテーマだと思う。c0166264_15584327.jpg

11月16日、22日のイタリア精神保健講演会ではふれられなかったが、次の機会には、イタリアの改革にジェンダーの視点をどう入れ込んだかを聞きたい。

医師・関係者と、女性(患者)の間のコミュニケーションは、世界中どこでも、父権的である。つまり、女性は、声をあげたり苦情をていしたりを奨励されず許可されないことが多い。やっとこさ声をあげても、値引きされたり無視されてしまう。

1997年WHO発行の精神病とジェンダーの研究誌は、精神保健おける性差研究の結論として、次のようなことばを紹介している。

「精神保健に関わるすべての専門家たちは、訓練を受けて、臨床現場で出会う女性(患者)たちが力をつけられるようにすること」(*)

c0166264_15391993.jpg世界の精神科入院患者の2割は日本だ、と聞いた。日本は精神病院だらけと言ってもいい。一方、日本の男女平等度は、世界142カ国の中で104位(世界経済フォーラム)。日本女性の地位は、世界最低レベルにある。精神保健改革は社会変革なしには進まない、と言ったロベルト・メッツィ―ナ(右上写真)のことばを聞きながら、日本の精神保健改革への女性の参加を思った。

さて、2013年、オックスフォード大学の研究によると、女性のほうが男性より40%も、精神病にかかる割合が高かった。イギリス、アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリア、ニュージーランドを調査したものだ。それに関連して、ガ―ディアン紙は、一般読者にこんなクイズをした。私の正解率はわずか60%だった。

★ クイズ 【女性と男性でどのような差があるだろうか】

1 男女で、どちらが精神障がいになりやすいと思いますか
A 男性  
B 男女同じ  
C 女性

2 男女で、うつ病になる確率に違いがありますか
A 男性が女性の4倍
B 男性が2倍  
C 男女同じ
D 女性が2倍  
E 女性が4倍 
 

3 アルコール依存症にかかる割合は男女で差がありますか
A 男性が女性の5倍
B 男性は2.5倍
C 男女同じ
D 女性が2.5倍
E 女性が5倍

4 不安障がいにかかる割合は男女で差がありますか
A 男性が女性の4倍
B 男性が2倍
C 男女同じ
D 女性が2倍  
E 女性が4倍

5 酔ったときの評価は、男女で違いがありますか
A 男女同じ
B 酔った女性のほうが酔った男性より悪く言われる
C 酔った男性のほうが、酔った女性より悪く言われる

6 悲しいとか不安だとか言ったら、男女で異なった評価をされますか。
A 男女同じ
B 悲しいとか不安だとか言った男性のほうが、同じことを言った女性より悪く思われる 
C 悲しいとか不安だとか言った女性のほうが、同じことを言った男性より悪く思われる

Women 40% more likely than men to develop mental illness, study finds
Gender and women's mental health(pdf) (*)は、ここのサイトの「情動障がいと統合失調症に関わる疫学における性差」(WHO 1997)序文において、Michele Tansellaが指摘している。Michele Tansellaはイタリア・ヴェローナ大学教授。

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▲講演会「鍵をかけない! 拘束しない! トリエステ型地域精神保健サービスを世界へ」。精神障がい当事者にも、家族にも女性が多い。真剣に聞く女性参加者たち(東大駒場ホールにて、2014.11.16)
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▲エリザベッタ・ウ―ヴァ(ロベルト・メッツィ―ナのおつれあい)も会場で熱心に聞いていたが、主催者から紹介はなかった。獣医師。暴力を受けた女たちの心のケア相談にもあたっている(同上)。

バザーリアの闘い
イタリアの精神保健改革
日本縦断トリエステ精神保健講演会――トリエステ改革についての初の講演会講演録(2010年)。講師は女性2人(学者、家族)、男性1人(精神科医)。ジェンダーの視点がほの見えた。


★精神保健と性差に関するクイズ【女性と男性でどのような差があるだろうか】正解は、左下Moreを

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by bekokuma321 | 2014-11-24 16:10 | ヨーロッパ

イタリアの精神保健改革

日本の精神医療はこれでいい、などと思っているひとはいない。

イタリアは精神病院をなくした。いったいどうやって。病院廃絶後、いったいどうなった。イタリア精神保健改革の語り部ロベルト・メッツィーナが日本にやってきて、東京と大阪で講演会が開かれた。

大阪講演については、フリーランス・ライターみわよしこさんのルポをどうぞ。

取材メモ:イタリア・トリエステの精神医療に関する講演(上)
取材メモ:イタリア・トリエステの精神医療に関する講演(中)
取材メモ:イタリア・トリエステの精神医療に関する講演(下)
取材メモ:イタリア・トリエステの精神医療に関する講演(おまけ・私見)

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by bekokuma321 | 2014-11-23 17:05 | ヨーロッパ

c0166264_1452347.jpgアリサンドラ・ファジーナ。パキスタンの紛争地で、難民、移民、とりわけ女性や子どもたちの写真を撮り続けている女性だ。

ソマリア、リベリア、イエメン、そしてパキスタンと、彼女は、想像を絶するほど困難な地域に向かう。そこに滞在する。そこで生きる。そして、そこの人たちからの信頼を得なければ絶対撮影できない、日常、有様、表情を撮影する。

パキスタンでは、彼女自身、何度もあきらめようとしたり、命を奪われるような危険な目にもあった。

2009年、パキスタン反乱軍の襲撃に遭って、体に弾丸2発の傷跡がある82歳の女性。しかし、外出できないため、病院に行って治療は受けられない。彼女は息子がタリバンに入隊したと疑われ逮捕された。家を破壊され、7か月間幽閉され、拷問をうけた。何もかも、失った。

アリサンドラ・ファジーナのカメラは、戦争や紛争に翻弄されて、忘れ去られようとしている、こうした女たちの人間性をわしづかみにする。

彼女は言う。

「戦争で、何百万人、何千万、死んだ、とニュースは言う。しかし、忘れてはいけないのは、数ではないということ。みな、1人の人間なのだ。その人には声を発する権利がある。その人の声に世界は耳を傾ける義務がある」

Caught in conflict: women in Pakistan
Caught in conflict: women in Pakistan – in pictures
http://www.youtube.com/watch?v=bjLwTl9ZEH4
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by bekokuma321 | 2014-11-20 14:26 | アジア・アフリカ

c0166264_23151783.jpgいよいよ選挙がはじまりますね。三井マリ子さんが立候補した時と同じ時期、争点も消費税が中心になっていますね。

秋田1区は民主党前衆議院議員で離党していた男性が民主党から出馬するようです。2区、3区は未定です。

2012年の、あの衆院選挙のことがいろいろ思い出されます。

マリ子さんは、秋田に引っ越してすぐ解散総選挙となり、ろくに準備もできないまま、選挙に入ってしまいました。あの頃の民主党は前代未聞の逆風でした。なぜこんな時に立候補をと思った人が多かったのは事実です。

しかしマリ子さんが、「秋田のため、女性のためになるならば」との強い決意のもと戦ったからでしょう。落選はしたものの、直前まで現職の衆議院議員だった人の票と同じくらいの票を取ることが出来たのです。

「選挙後も秋田に残り、秋田のため、女性のために活動したい」と、マリ子さんが希望をもって話していたのを私は知っています。

ところが、選挙が終わって間もない、2012年12月29日の朝、雪の横手からマリ子さんは出て行ってしまいました。自らの意志で去ったのではありませんでした。追い出されたのです。なんとむごいことか。

秋田3区の民主党総支部長として選挙を闘ったマリ子さんが、その選挙の会計のことも知らされないまま、秋田を後にしなければならなかったのです。心身ともに凍りついたことでしょう。 

その後、マリ子さんは、選挙の後始末が心配になって、選挙を仕切った幹部――マリ子さんを勧誘し秋田に連れてきた松浦議員ら――に問合せしました。でも、いくら手紙やメールを出しても返事はなかったため、不審が募っていきました。当然です。

そして、とうとう2013年11月11日、裁判所に提訴しました。お金の不明瞭な使い方や、勝手に作られた通帳などについて、明らかにしてもらうにはそれしかなかったのです。

さて、マリ子さんに出て行けと言った後、2012年12月27日、松浦事務所秘書たちは、突然マリ子さんの所にやってきました。政党交付金を余り使わずに貯め込んでいた彼女らは、その残金を入れる口座をマリ子さんにつくらせるために来たのでした。その時、マリ子さんは、承諾を得た上で会話を録音しました。

その録音テープを起こして、裁判所に提出しました。そのテープは、松浦事務所側の嘘やめちゃめちゃなことが、はっきりと証明される証拠でした。ところが、松浦側は、あろうことか、その録音テープやテープ起こし原稿を改ざんしたかのごとく前回の裁判で言ってきました。自分が裁判で負けないようにするため、嘘をついてまで人の人格を貶めようとするのは、許されません。

そして、先日、11月12日、第6回裁判が秋田地裁で開かれました。

第6回裁判では、これまで松浦側が「隠し口座などない、すべて三井さんに書面を見せて承諾を得て通帳を作った」と言いはっていたことは、嘘だったと、認めたようです。

テープを改ざんしたと松浦側が疑ったことに対しては、マリ子さんが、改ざんしていないことを証明しなくてはなりませんでした。マリ子さんはテープを聞き直して複数の人の会話がダブってはいっている部分を一字一句テープ起こしして、裁判所に提出しました。それは、改ざんなどありえないことが明らかにされるものでした。

松浦側は、三井選挙にお金を使わず多額の政党交付金を貯めこんだ件について、3人の落選した候補者の実名を挙げて、正当性を図ろうとしていました。しかし、3人とは、民主党国会議員秘書2人と、公職選挙法違反で立候補できなかった期間が過ぎて初めて立候補した民主党元衆議院議員でした。

このように民主党と濃い関係のある人と、突然立候補して民主党員になったばかりのマリ子さんを、単純に比較するのはナンセンスです。

c0166264_8123279.jpg秋田3区は人口は少ないけれども、面積は東京都の2倍はあるところです。人も雇わず、ポスター貼りの人も全く不十分だった状況を作ったのは、最初から負けるものには金を使わない方針だったのではないでしょうか。

次回裁判、2015年1月16日は公開だそうです。

雪で交通が乱れないことを祈り、秋田市に駆けつけこの目で確認したいと思っています。

大倉 由紀子 さみどりの会(*)

【写真上:2014.11.12 秋田地裁前にて三井マリ子原告。岡田ふさこ撮影。下:「あきたびじん」と読めるロゴを掲げる秋田県庁。「あきたびじょん」の「よ」が見えないようにわざと極小文字を使用】

(注)衆院選で落選した三井候補は、松浦大悟議員らに不明朗な会計処理をされ心身ともに損害を受けたと提訴した。さみどりの会は三井裁判を支援する会の愛称。「産むならば 世界を産めよ ものの芽の 燃え立つ森の さみどりのなか」という阿木津英の歌がある。女性は子どもだけでなく、世界を産み出すのだという意味だ。三井さんは、選挙演説に引用しては「私は新しい秋田を産み出したいのです」と結んでいた。「さみどりの会」の由来だ。裁判報道は下のMoreをクリック。
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by bekokuma321 | 2014-11-19 23:33 | 秋田

バザーリアの闘い

c0166264_2025075.jpg11月16日、東大駒場のホールで、イタリアの講演会があった。

タイトル「鍵をかけない! 拘束しない! トリエステ型地域精神保健サービスを世界へ」。講師ロベルト・メッツィ―ナ医師(写真右)。トリエステ精神保健局長であり、WHOメンタルヘルス調査研修コラボセンター長でもある。

イタリアには精神病院がない。20年前そう聞いた私は「嘘でしょ」と思った。でも、大熊一夫のトリエステ視察団に同行して、この目で精神病院がない社会を見てきた私は、もうそんなアホなことは絶対言わない。

「精神病院のない社会」――この夢のような改革はイタリア北部の都市トリエステでスタートした。

1970年代、手足の拘束、薬漬け、電気ショック…が当たり前だったトリエステのサン・ジョヴァンニ精神病院。そこに1人の医師フランコ・バザーリアが赴任した。

バザーリアは、「精神病院こそ、人間を無力化、無価値化させるものだ」という信念を持っていた。彼は、仲間たちと病院の脱施設化に、命をかけた(写真下)。
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彼と仲間たちの闘いによって、精神病院に閉じ込められていた患者は、精神保健サービスセンターでサービスを受けるゲスト(客)へと変貌をとげた。さらに、バザーリアは、トリエステの変革をイタリア全土に広めるための法律「180号法」成立へ、政治家を動かした。

バザーリアは1980年死亡。その後、彼の志を引き継いだ人たちの手でトリエステ型サービスは続けられた。その1人が、初来日したロベルト・メッツィ―ナ医師だ。

トリエステ型サービスとは、精神の病の治療ではなく、食べること、寝ること、着ること、遊ぶこと、働くこと、恋することなど、人間が生活をしていく上でのありとあらゆる場面で、ゲスト(客)に必要な手助けをするといった意味を持つ。

たとえば、女性の「ゲスト お客」なら、地域にある女性団体のイベントに参加して、女性たちと一緒に交流し行動する(写真下)。

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講演内容は、本シンポジウムを主催した「バザーリア映画を自主上映する180人のMattoの会」HPにアップされる予定だ。お楽しみに。私は、写真撮影に忙しくメモもとれなかったが、ひとつだけ気にかかったことばがある。

「病院にあたるホスピタルと、歓待にあたるホスピタリティ。語源は同じです」と言ったロベルト・メッツィ―ナ医師のことばだ。

調べてみたら、病院ホスピタルの語源はラテン語のホスぺスhospesで、「見知らぬ人」または「お客」という意味だ。ホスぺスの発音からpがとれて、ホスト、ホテルという英語にもつながっていったという。

一方、英語のホスピタリティ(歓待、おもてなし)は、ラテン語でホスピティウムhospitium。そもそもの意味がおもしろい。ホスピティウムは、歓待という概念と、病院・宿という両方の意味を持っているのだ。

古くは、「ゲスト お客」は歓待を受けることが権利だったのだという。対する「迎える人」は歓待するのが義務だったのだという。ホーマーの時代は、すべてのお客は、1人の例外もなく、ゼウスの保護下にあり、歓待を受ける権利があるとされていたという。

考えてみれば、今日でも、「ゲスト お客」を迎える人は、さあ、ここに来たら、5時夕食、8時消灯、あれしちゃダメ、これもダメと言ったりしない。「お客」のニーズにできるだけあわせる。これが当たり前だ。

「お客」が最も望まない姿、究極の“反ホスピタリティ”が、今の精神病院だ。それを取り壊して、「お客」が望むような本来の姿に変える、それがトリエステ型なのだ。こんふうに素人の私は考えた。

トリエステでは、患者を患者と呼ばず、「ゲスト お客」と呼んでいたが、そこには歴史的な哲学的な背景があったのだ。

11月22日は大阪のクレオ大阪西でも、同じ講演会がある。二度と聞けない講演かもしれない。時間を見つけて、ぜひ参加をおすすめしたい。詳しくはこちらから
http://180matto.jp/event.php

ロベルト・メッツィ―ナの師フランコ・バザーリアと仲間たちの連帯あふれる闘いは、映画「むかし、Mattoの町があった」に詳しい。この名画を観てない方は、ぜひぜひ観てほしい。

案内「トリエステ型地域精神保健サービスを世界に」
180人のMattoの会
日本縦断トリエステ精神保健講演会
精神障がいとジェンダー
精神病院をなくした国イタリアから
■赤松英知(きょうされん常務理事)のルポ「精神病院をなくした町イタリア・トリエステ:”入院大国”日本と大違い」(しんぶん赤旗 2014.11.17。残念ながらNetでは見られない)
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by bekokuma321 | 2014-11-18 20:29 | ヨーロッパ