c0166264_10315810.jpgスウェーデンは、今秋、政権交代だろうと言われている。すると、スウェーデンの次期首相には、社会民主党の党首が就任する。

社民党党首はステファン・レヴェンStefan Löfven。彼に関する報道が、ノルウェーから届いた。

日曜日の演説で、ステファン・レヴェンは、「スウェーデンは世界のフェミニスト・モデルとなるべきだ」と唱え、数々の男女平等政策を力説し、聴衆から拍手喝さいをあびた。

いわく、すべての職場に男女平等のメスを入れる
いわく、すべての労働者はフルタイムであるべきだ
いわく、男女同一価値労働同一賃金を実現する
いわく、女性の仕事の価値を低く見ることをやめるべきだ

そして、「わたしたちが最も弱いとき、国は最も強くあるべきだ」と、福祉の重要性を強調した。

いったい、この男性は、どんなふうに育ってきたのだろうか。

彼は1957年ストックホルム生まれ。生まれてまもなくみなしごとなり、孤児院(児童養護施設)に入れられた。その後、養親に育てられた。高校卒業後、大学入学するも中退し、エルンシェル ツ ビクで溶接工に。1980年代初め、溶接工の組合代表となり、労働組合の要職を歴任。その後、金属業労働者連合のオンブズマン、そしてスウェーデン金属産業労働組合(IF Metall)の会長。2006年に社民党本部幹部に就任し、政界にはいった。2012年、社民党党首に選任された。

履歴を見ると、「溶接工から首相に」となる。いや、正確には「溶接工からフェミニスト首相に」だ。スウェーデンという平等社会の申し子のようだ。

彼の男女平等政策は、社民党のベテラン政治家Margareta Winbergからの薫陶による、とノルウェー紙は報道している。

最後に、彼の鮮烈なフェミニスト路線に忘れてならないのは、5月に行われたEU議会選挙だ。スウェーデンでは、緑の党やフェミニスト党など左派の人気が高まり、社民党のおかぶが奪われそうだったのだ。背後には、政治をあきらめない女性たちの力がある、と言える。

Sverige skal bli et feministisk forbilde for hele verden
Møt barnehjemsgutten som skal reparere det svenske folkhemmet
Samtal om mäns våld med Stefan Löfven
スウェーデン社民党は“おやじ政党”
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by bekokuma321 | 2014-06-30 10:36 | 北欧

ユーロプライド2014

c0166264_2051579.jpg輝く緑の6月のオスロで、同性愛の人たちの祭典が開かれている。

「ユーロプライド」である。1992年から毎年ヨーロッパのあちこちで開催されてきた。

今年のユーロプライドは、オスロで10日間続く。

そのオ―プニング式典に、子ども・平等・ソーシャルインクル―ジョン省のソルベーグ・ホルネ大臣が、トップバッター・スピーカーに招かれた。

そう、ホルネ大臣は、FEM-NEWにも何回か登場した進歩党所属の大臣だ。進歩党は、かねがね同性愛に否定的な態度をとってきた。彼女自身、ツィッタ―で、「保育園児の絵本に同性愛者が出てくるのはいいのかしら」と書いて、猛烈な批判をあびたことがある。

しかし、ノルウェーで、現在、社会的少数者の権利の獲得と障がいの克服をするための政策を推進する子ども・平等・ソーシャルインクル―ジョン省は、彼女が率いる。

そんな大臣を招待した主催者
それに応えてゲイの人々の権利獲得に賛同の演説をした(せざるをえなかった)大臣
彼女が登壇したとたん、批判のブーイングをした多くの参加者
「わたしたちのパレードに差別主義者はNo」と書いた紙を持って抗議をした人たち
大臣への抗議をとめなかった主催者
こうした事実を丁寧に報道したノルウェーの報道記者たち

ノルウェーの民主主義の深さを感じさせられたニュースだ。

Homobevegelsen lar seg selge til Frp
http://www.europride2014.com/pride-park-opening-with-style/
EuroPride 2014 in Oslo
Pride fills the streets of Oslo
保育園の教材に同性愛登場
ノルウェー新婚姻法
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by bekokuma321 | 2014-06-29 20:07 | ノルウェー

アジア女性情報センター(AJWRC)が、「外国人に家事をさせようとしている政策に反対しよう」と呼びかけている。賛同者は、署名フォームからどうぞ。

●拙速な「外国人家事支援人材」受け入れに抗議し、 ILO家事労働者条 約の批准を求める共同声明●

c0166264_21294983.jpg日本政府は6月24日に新たな成長戦略「日本再興戦略」(改訂2014)を閣議決定しました。

私たちはこの政府方針に盛り込まれた、国家戦略特区での「女性の活躍推進」を名目とする「外国人家事支援人材」受け入れが家事労働における男女の平等な参加を妨げるものであることに抗議するとともに、喫緊の課題として日本政府がILO「家事労働者のためのディーセント・ワークに関する条約」(第189号条約、2011年6月採択)を批准することを要求します。

1)政府方針は家事労働における男女の平等な参加を妨げる

日本はOECDの中で男性の家事労働時間が最も短く、有償労働時間が最も長い国のひとつです。過労死が頻発するほどの男性の長時間労働が標準とされてきたために、家事負担は女性だけにのしかかり、平等な就労を妨げてきました。ILOその他の国連人権機関は、男女が平等に有償労働と無償労働を分担できるよう、長時間労働の是正や、非正規労働者の均等待遇を日本政府に何度も勧告してきました。

【つづきは、左下Moreを】

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by bekokuma321 | 2014-06-27 21:39 | その他

パパ・クオータが減る

ノルウェーの育児休業がゆらいでいる。

現在、ノルウェーは、子どもを出産したら、100%有給で46週間(または80%で56週間)の育児休業をとることができる。これとは別に12歳以下の子どもが病気になったら、100%有給で病気休暇をとれる。

46週間の育児休業のうち、14週間は父親だけしかとれない。パパは100%給料をもらって子育てにまい進できるのだ。つまり、パパにだけ割り当てられているため「パパ・クオータ」と呼ばれている。クオータは、英語quotaのことで、割り当てと言う意味だ(ノルウェー語はfedrekvote)。

c0166264_14513916.jpgところが、保守政権に交替したとたん、この寛大な休業政策にメスがはいることになった。

現男女平等大臣は、進歩党のソルベーグ・ホルネ(45歳)だ。彼女は、就任早々「私はクオータ制に反対です」と公言した。

最近、「14週間のパパ・クオータを10週間にします。父親がとれない場合、母親がかわってとれるようにします」と発表した。

「それぞれの家庭の選択にまかせたい」と。パッと目には柔軟になるようだが、働く女性たちには異議が多い。

「パパ・クオータ」は、1993年、世界にさきがけて、ノルウェーが法制化した。最初は4週間だった。

当時の男女平等大臣グレーテ・ベルゲは、これを「男性への愛の鞭です」と言った。男性が育児休業をとって家事育児の主たる担い手になることによって、男性が子育ての大切さに理解を示すようになる。これこそ究極の愛だと。

ノルウェーは、男女平等社会をめざし、あらゆる職場への女性の進出を、進めてきた。同時に、家事育児への男性参加を、パパ・クオータによって促してきた。成果が少しずつあがった。そして、現在、ノルウェーの男性の家事時間は世界で最も長く、女性が世界で最も働きやすい社会となった。

現在、平等・反差別オンブッド事務所で働く元男女平等大臣のグレーテ・ベルゲ(写真下)は、この政策変更をただちに厳しく批判している。

「パパ・クオータが4週間減る、というだけの問題ではないのです。育児休業の根底が崩れようとしているのです。20年間、苦闘しつつ作り上げてきた政策であり、男女平等への道すじをつくる最強のツールが、パパ・クオータなのです。この国の精神がゆらごうとしています。男女平等へのバックラッシュといえます。とても残念です」

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Nå skal mor få overta fars permisjon
世界で最も家事をしない男性は日本人
女性が働きやすい国、日本はブービー賞
男女平等大臣、クオータ制反対を公言
パパ・クオータ、7月1日から14週間に
ノルウェー、父親の育休14週間に
ノルウェー女性運動、バックラッシュに勝つ
Gender in Norway National Legislation
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by bekokuma321 | 2014-06-27 19:50 | ノルウェー

ワールドカップが始まり、世界の目がサッカ―に注がれている。

悔しいことに、今回のワールドカップは、オリンピックと違って男だけのスポーツ大会だ。テレビも新聞もネットも、男、男、男。ワールドカップの日本のホームページで女性が登場するのは、サポーターのページ。そのタイトルは「美人サポーター」。そのピントはずれに、さすが日本だな、と苦笑した。

ところが、お国変われば…。

先日、ノルウェーのワールドカップ放送が「男性に偏らない報道」と世界の注目をあびた。

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NRKのスタジオでスペインとチリの試合中、コメンテーターの4人中3人が女性だったのだ(上の写真)。

その映像を見て「オッ」と思った男性がツィットしたところ、「他局とはちょっと違うね」「ダイバーシティ(多様性)だね」「誰が人選を決めたの」と肯定的なメッセージが数多く流れたという。

世界の称賛をあびたNRKのこの番組を、ノルウェー全国紙ダグブラデトが報道した。NRKは日本のNHKにあたる。それによると、NRKのスポーツ担当ディレクターは、こう語った。

「スタジオの人選は、ずっと以前に決まっています。ジェンダーで選んだのではありません。女性たちはみなサッカ―やスポーツ解説に経験、知識があり、最適の人だからです」

スタジオにたった1人だった男性(写真上)にも取材をしている。「黒一点(hanen i kurven)でどうでした」への男性の答えが、いいねぇ!

「僕は、男性1人だというように感じませんでしたね。楽しかったです。非常に優秀な人たちと一緒に出演できて光栄でした」

Norge hylles for kjønnsnøytral dekning
Dette NRK-bildet vekker oppsikt verden rundt
JOC、女子ボクシング出場機会奪う
女子サッカー選手を「オンナ」と呼ぶ週刊朝日
オリンピックに、女性スキージャンプ競技加わる!
NRKとNHK--報道における女性
日本女子サッカ―、世界の頂点に
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by bekokuma321 | 2014-06-26 09:57 | ノルウェー

都議へのセクハラ研修を

「マリ子が、議員だったころを思い出した」

「三井さんが野次られて20年以上になりますが、変わってないんですね」

「恥ずべき男性都議。21世紀にまだいるんですね」

先週から、こんなメールがいくつか私に届いている。東京都議会のセクハラ野次の報道が、国内外で報道されたためらしい。報道関係者からも、私が都議だったころのセクハラについて取材を受けた。

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                  (東京都議会本会議場)

20年以上を経て、都議会には、いまだに女性を侮辱してうさをはらそうという男性議員がいることに、強い憤りを覚える。野次の主は無論のこと、周辺で笑って同調した議員たちも同じだ。ここまで事が大きくならなかったら、塩村議員がなぜ涙を浮かべたかに思いを寄せることなどなかっただろう。

セクハラは、多くの場合、地位が上にある男性から、下にいる女性に対して行われる。「この女にはこのくらいのことをしてもどうってことない」と、たかをくくって行う、実に卑劣な行為だ。今回の場合、同じ議員同士だったが、彼は、数で彼女を圧する男性に属している。しかも、与党多数派の自民党だ。そのパワーバランスが、セクハラを生みだす温床となる。

セクハラ野次をとばした議員、それを許容した議員は自分の行為を反省し、謝罪してほしい。さらに都議会は、彼らはむろん、全議員に対して何がセクハラなのか、なぜセクハラをしてはいけないのか、などセクハラ研修は急務だ。セクハラは働く女性に意欲を失わせたり、女性の人間としての尊厳を奪う、女性への暴力なのだ。職場で、セクハラに泣く女性たちはおびただしい数に上る。

議会で働く女性の場合、議会質問において、ジェンダーやセクシュアリティにかかわる政策テーマはやめておこう、という委縮効果となる。それが、社会にとってどれだけ損失かは言うまでもない。
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    (2011年熱海町議選。女性候補は1人。これでは女性議員は増えない)

さて、都議会の野次について、過去の実例を紹介したい。拙著『ノルウェーを変えた髭のノラ』(明石書店、2010)最終章「100年遅れを挽回するには」から引用する。 【続きは左下More】

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by bekokuma321 | 2014-06-25 22:36 | その他

ブログ澤藤統一郎の憲法日記を読みました。
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タイトルは「選挙運動費用収支報告書虚偽記載の摘発実例」。われらが三井マリ子さんの秋田衆院選の刑事告発と、東京都知事選の宇都宮候補の虚偽記入を比較して記述されたものです。ともに2012年12月の選挙です。

法律素人の私には何だか小難しい講義のようでした。でも、書かれていることは、ごく真っ当なことです。澤藤弁護士は、革新陣営の候補者は徹底してクリーンでなければならない、と書いています。私は、革新であれ保守であれ、選挙はクリーンで透明性が確保されなければならないのはごく当たり前だと思います。

三井マリ子さんは、民事裁判の前に、三井選挙を仕切った参議院議員秘書を有印私文書偽造・同行使・詐欺罪の疑いで刑事告発しました。

この告発が受理され、警察が捜査を開始しました。その過程で見つかったのが、選挙ポスター張りをした人の領収証の一部が架空だったり、偽造の領収証でお金を浮かせたりした事件です。

公選法違反(虚偽記載)の疑いで、運動員3名が秋田県警に事情聴取されました。既に県警は金を着服した横領容疑と合わせて、その3名を検察庁に書類送検したということです。

でも、まだ検察庁は刑事事件にするとの判断を出していないそうです。おーい、いったい何時まで待たせるの。そして民事裁判はいま係争の真っ只中で、こちらも目が離せません。

さて、澤藤弁護士は、ブログで三井さんの民事事件に関して論じることは公共性・公益性に乏しく、彼の関心事でもないと断じていることに、私は居心地の悪さを感じました。

この民事事件の根底に流れるのは、「政治の世界では女・子どもは駒であり、表舞台は男の世界」という女性差別です。それを感じ取る嗅覚が彼に少しでもあれば、こんな言い方をするはずはありません。

このような嗅覚のなさが日本社会に延々と続いているので、三井さんの都議時代と全く変わらないような都議会でのセクハラ野次が、今日も平然と見逃されているのでしょう。

選挙はとくにそうですが、何であれ公正でなければなりません。この当たり前が私たちの周りで確保されていないから、われらが三井さんは、こんな日本をどうしても変えて行くのだと強い怒りをバネに、軽やかに飛び歩き運動しています。

6/14 東京は豊島区池袋の エポック10 フェスタ2014 で、ノルウェーを例にクオータ制の必要性を参加者を巻込みながら楽しく語った三井マリ子さん、すてきです、頑張って。私も頑張るね。

村松てる子 さみどりの会(注)

澤藤統一郎の憲法日記「選挙運動費用収支報告書虚偽記載の摘発実例」

【写真 朝日新聞2014.1.25 秋田版より】

(注)衆院選で落選した三井候補は、松浦大悟参議院議員らに資金の不明朗な会計処理をされ心身ともに損害を受けたと提訴した。さみどりの会は三井さんの裁判を支援する会の愛称。c0166264_15134969.jpg「産むならば 世界を産めよ ものの芽の 燃え立つ森の さみどりのなか」という阿木津 英の短歌がある。女性は子どもを産むだけではない、世界を産み出すのだという意味だ。三井さんは、選挙演説に引用しては「私は新しい秋田を産み出したいのです」と結んでいた。「さみどりの会」はそれに由来する。右のマークは「さみどりの会」のロゴ(ふじみつこ作)。バッジもできた。裁判は以下を参照。

決定的証拠が裁判長に提出された
供託金は秋田おばこのデモクラシーに
秋田おばこのデモクラシーに大賛成
マラッカ海峡より
裁判をしなかったら供託金はどこに?
「供託金もどって一安心」_5.21読売新聞
女は使い捨ての駒か
5月10日のNHK、11日の朝日、読売、魁
供託金、もどった
秋田おばこのデモクラシー
4月15日の毎日新聞
裁判長提案「供託金戻したら」は当然
お金の流れがよくわかった
NHK 「選挙資金裁判 争点絞られる」
供託金は戻したらどうか、と裁判長提言
ワーキング・ウーマン、三井裁判を女性の視点で見る
今朝の毎日新聞
女性記者の目
秋田衆参両選挙で4人書類送検
秋田衆参両選挙で関係者送検
三井候補秋田追放事件を究明する裁判 3
三井候補秋田追放事件を究明する裁判 2
三井候補秋田追放事件を究明する裁判
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by bekokuma321 | 2014-06-22 09:45 | 秋田

■私たちは、都議会本会議内で女性差別発言をした自民党都議会議員を特定し厳正に処分するよう、自民党東京都連に対して強く求めます。

関心のある方は、上のリンク先をクリックを。あなたの声をネットで届けることができます。

6月18日、東京都議会で少子化・晩婚化対策を質問した塩村あやか議員に対して、「自分が早く結婚すればいい」「産めないのか」というセクハラ野次が議場から飛んだ。それに笑って同調した議員もいたという。

塩村議員はセクハラ野次をとばした議員の特定と処分を都議会議長に申し入れたが、議長は受け入れなかったという。

日本では、働く女性の6,7割が第1子出産後に退職するといわれている。女性が子どもを産んでも気持よく働き続けられないからだ。

少子化を食い止める最も効果のあること、それは、子どもを産んでも働き続けられるような社会にすることだ。議員なら、そのための政策やサービスを進める先頭に立つべきだろう。塩村議員は、出産機能を持つ女性の立場から、関連の質問をしたまでだ。

今、日本中から、この都議会セクハラ野次に対して抗議の声があがっている。この事実を受けとめ、当該議員は、自ら名乗り出て謝罪してほしい。都議会は、2度とこのようなことが起きないよう、全議員へのセクハラ防止研修をしたほうがいい。

塩村文夏都議への「セクハラヤジ」 都議会に抗議が殺到
『セクハラ110番』(集英社)
ハラスメントをなくすために
企業の4分の1以上「育休より退職を」
東横インで起きた性暴力
オバマが選んだジョゼフ・バイデン
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by bekokuma321 | 2014-06-22 00:18 | その他

6月14日、エポック10で開かれたセミナー「今こそクオータ制」の報告です。

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あの名調子の「マリ子節、炸裂!」でした。

とくに女性議員の割合が日本は189か国中161位、と不名誉な数値に吠えたのでした。この閉塞状況をなんとか打破したいと、気迫のこもった語りに圧倒されました。

「ノルウェーはこんなにもすてき!」とだけいわれても「絵に描いた餅」で虚しい。が…しかし、三井マリ子さんの講話は、そのような次元に留まってはいません。三井さんが現地で取材し、撮影したスライドを使っての事実の重みと具体的提案があります。レジメから抜粋して報告します。

先ずノルウェーの根底には「男と女で決める社会」という共通な社会観があります。「国会も地方議会も選挙制度は完全比例代表制」です。

だからこそ、「国会・地方議会とも約40%が女性議員」であり、「男女が半々ずつの閣僚で組閣」、「主要7政党のうち5政党が女性党首」という実態ににつながっていくのです。

各地方議員は昼間、正規の仕事をしています(公務員で議員の人も沢山いる)。「地方議員は無報酬」です。比例代表制ですから、日本のように選挙に個人の持ち出し金は皆無です。

次に公教育場面のスライドでは「小学生が授業で政党の選挙事務所にインタビュー」に行ったり(下の写真)、「政治をタブー視しない学校教育として、公立高校での模擬投票」や、それを大きく報道する地方メディアの話しもありました。

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上記のようなノルウェー流の政治・教育改革を日本でも実行できないものでしょうか。それで初めて女性原理も活かされた社会運営が為されると思います。

未曽有の原発巨大過酷事故を起こした日本、その一因である男中心の政治。14日の講演会のテーマである「今こそクオータ制、今こそ女たちの出番」(ノルウェー王国大使館後援)のかけ声を全国津々浦々に響かせること以外に、日本再生の道は有り得ないと…私は思います。あなたはどう思いますか?

2014年6月17日 田口房雄(緑の党 Greens Japan 会員)


5月17日はノルウェー憲法生誕200年
違憲判決から考える格差なき選挙
比例制選挙がいい
北欧福祉社会は地方自治体がつくる
男性偏重政治が原発政策にもたらす弊害

【写真上:豊島・健康と環境を守る会提供、 下:授業時間に選挙事務所を訪問し質問する小学生。オスロ市内で三井撮影】
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by bekokuma321 | 2014-06-18 17:04 | ノルウェー

池袋のエポック10で開催された三井マリ子さんの講演「今こそクオータ制」に参加しました。
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ノルウェーは、政界の主要7政党のうち5政党の党首が女性、経済界でも2008年から大企業取締役の4割が女性です。男女ともに育児休暇が1年以上保障されていて、そのうち14週間はパパしかとれないようになっています。世界一女性が働きやすい国と言われています。

そんなノルウェーでも19世紀までは女性は抑圧され卑下されていました。

しかし、ノルウェーの女性たちは、1970年代、女性の地位向上のため、超党派で女性議員を増やす運動を始めました(下の写真)。女性の増えた国会で、クオータ制が必要と考えた女性議員たちが、1988年に男女平等法を改正してクオータ制を国の法律で制定したのです。なんとも羨ましい話です。

1970年代の世界的なウーマンリブの流れや、またEU加盟をめぐる国民投票で女性たちがEU加盟反対を勝ち取ったという時代背景もあった、と三井さんは説明しました。

さて、日本はどうか。女性の国会議員比率は8.1%、世界189カ国の中で161位だそうです。

羨ましがっているだけでは前進しません。日本の女性議員を増やすにはどうしたらいいのか? 

まずは女性が政治の場に出て行くこと、それには選挙に立候補する女性を増やすこと、そして、その女性候補をバックアップすること、それが求められるのはないでしょうか。

c0166264_22301666.jpg参加していた豊島区議会議員の山口菊子さん(左)から、「豊島区では、婚姻暦のない一人親家庭でも寡婦(寡夫)控除等の優遇措置を受けられるようになったと」との報告がありました。

これまで子どもの母が、寡婦、未婚の母、離婚の母というように夫との関係で区別されて未婚の母の子どもへの行政サービスが差別されていたのですが、北欧ように、改正されたのです。女性の視点があったればこその明るいニュースでした。

地道な努力を続けていれば、あの70年代のウーマンリブのような、そして、1990年頃のマドンナ旋風がまた起きるかもしれません。今こそ女性が頑張る時だと思わせられた講演会でした。

山 城 和 代

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チラシ「女性に投票せよ!」。1970年~1980年ごろの女性運動。比例代表なので政党の決めたリストが投票用紙となる。しかし有権者は、リストに並ぶ候補者の順番を変えることができる。当時、その変更権を使って、上位の男性を線で消して下に並べられた女性を当選させようとした。

【写真上・中:豊島・健康と環境を守る会、下:当時のノルウェー女性運動に参加した人の自宅で三井撮影】
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by bekokuma321 | 2014-06-17 22:09 | ノルウェー