EU議会議長は、、『シュピ―ゲル』紙に掲載されたEUに対するアメリカ政府のスパイ行為記事に対して、アメリカに明快な説明を求めた。

議長マーティン・シュルツ(Martin Schulz)は、ドイツ社民党の政治家だ。ドイツはプライバシー保護が厳しく法制度で守られていて、EUのプライバシー保護法のモデルとなった、といわれている。

ドイツのインターネットにおける個人情報の保護は、「人格権に対する重大な侵害からの保護のための法律」というらしい。個人の人格権を侵害させないために個人を保護することーーそれが法の目的だ。

IT時代。情報は力を持つ。しかも情報は簡単に流通される。知らないところで悪用されたり、さらに拡散されることによってプライバシーの侵害まで及ぶ。アメリカ政府NSAの、プリズム・プログラムは、EU機関の盗聴にまで及んでいたという事態に、EUは、ショックを隠せない。EU加盟国のすべての人たちの人格権が侵害されるおそれがあるからだ。

c0166264_19571698.jpg人格権! 実は、2011年1月、最高裁が認めた私の裁判の核心が、「人格権の侵害」だった。私の職務上有していた人格権を、相手方(大阪府豊中市)が侵害したとする高裁判決を、最高裁が認めた。

とはいえ、人格権って何? 説明はむずかしい。財産権の侵害なら、数字で表せる。だが、人格が個々で異なるように、人格権もさまざまなのだ。

具体的にどういうものか、専門家の記載をあげる。

浅倉むつ子教授は、「意見書」で主張した人格権を、講演会で次のように説明している。 (Moreをクリック)

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by bekokuma321 | 2013-06-30 19:15 | ヨーロッパ

京都に田澤稲舟あらわる

MitsuArt 主宰ふじみつこが友人たちに出したお知らせを許可を得て転載する。文章の下にある2013年6月16日京都新聞pdf化もMitsuArt。

100年以上前の東北の女性作家が、京都で息を吹き返したなんて素敵だーー京都新聞記者の力に感謝したい。

京都新聞に掲載された「田沢稲舟」、明治の小説家、の記事を送ります。

田澤稲舟より2歳年上の作家に樋口一葉がいます。同時代に文人として活躍したそうです。記事は、「銅像/歴史さんぽ」シリーズです。稲舟の銅像は山形県のJR鶴岡駅の近くにある、と書いています。

「恋貫いた明治の女性作家」というタイトルで、女性作家と紹介されているのが嬉しいです。現代の作家にも不用意に「女流作家」と、いまだに使われることに、私は昔から差別発言と怒っています。

田澤稲舟については、Fem-News で読んでいたのでお知らせします。以下のfem-news記事です。田澤稲舟のことがもっと分かります。

■2013年の田澤稲舟
http://frihet.exblog.jp/19640195/
■「鶴岡市 2013 国際女性デー」
http://frihet.exblog.jp/19631405/

MitsuArt 主宰ふじみつこ

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ふじみつこ文中にあるFEM-NEWS記事は、今年3月8日、国際女性デ―に鶴岡市で田澤稲舟の銅像を見た後で書いた(上の写真)。

鶴岡在住の小泉信三さん、冨樫千恵子さんから稲舟についていろいろ教えていただいた。田澤稲舟は、「いなふね」ではなく「いなぶね」なのだ。「いなぶ」は、抗う(あらがう)なのだと稲舟研究者が言っているそうだ。研究者とは、「山形高教組の委員長だった細矢昌武さんです」と富樫さんが言った。

稲舟、すなわち「流れに抗う舟」。彼女のペンネームに、彼女の生き方そのものが表れている。時は明治。その時代に抗う覚悟を決めた20歳そこそこの若い女性。享年21歳。死後も、長くその作品も生涯も知られることはなかったという。

細矢昌武は、その編著『田澤稲舟全集』(1988、東北出版企画)のあとがきに、こう稲舟を評している。

「対決と叛逆の精神こそ稲舟文学の最大の魅力であり、既成の価値観に対するに自らの感覚と知性と思索力の全てを動員して自我を主張したところに、稲舟文学が現代に生き続ける力がある。こうした稲舟の気迫と姿勢は同時代のどの女性作家よりも激しく徹底していた」

「シャリンガ・ムート・ストレムン(世の流れに抗する女)」
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by bekokuma321 | 2013-06-30 11:51 | その他

中村文子さんが逝去した。ご冥福をお祈りする。

沖縄戦記録フィルム1フィート運動の会事務局長を長く務めた。6月27日、八重瀬町内の病院で亡くなった。沖縄タイムスの記事を紹介する。

■■■■

沖縄戦記録フィルム1フィート運動の会事務局長を長く務めた中村文子さんが亡くなった。99歳だった。自らを「軍国教師」と呼び、その贖罪(しょくざい)から戦場へ送った教え子を思い続け、平和運動に身をささげた半生だった。

 晩年は会の顧問として運動の一線から退いていた。しかし、運動を共にしたメンバーには、二度と沖縄を戦場にしないよう戦争の悲惨さを語り継ぐ活動を続けるよう伝えていたという。

 〈語り継ぎ語り継ぐべしあの悲惨 知らざる子らにまたその子らに〉

 中村さんが自著に残した短歌に、あらためて沖縄戦を語り継ぐ強い意志を感じる。心からご冥福をお祈りし、先達の平和への思いを引き継ぐ決意を新たにしたい。

 中村さんの思いは、1フィートの会を立ち上げた初代代表でひめゆり学徒引率教師の仲宗根政善さん、2代目代表でジャーナリストの牧港篤三さんら平和運動をリードした故人と共通する。

 戦争に加担し、その結果、多くの教え子や県民を巻き込んだという責任と贖罪だ。中村さんは生前、沖縄戦で多くの人が亡くなった4~6月を「戦争の季節」と呼び、学徒隊に送った教え子が夢の中に出てくると回想している。

 「あの子たちはいつもおかっぱの髪のまま。卒業、就職、結婚の喜びも知らない」

 ただ、中村さんは夫の仕事の都合で神奈川県で終戦。沖縄戦を直接体験せず、戦後、教え子の戦場の様子を尋ね歩いたのも、戦の悲惨さを追体験する狙いだった。

    ■    ■

 教職を退き、県婦人連合会では「母たちの戦争体験」出版を主導、その後、1フィートの会に身を置いたのも必然だったのだろう。

 1984年の初回フィルム上映会で中村さんは「伝え聞いていた事実を確かなこととして、しっかりと胸に刻みつけることができた」と語っている。

 言葉や文字だけでは伝えられない映像が、戦争を知らない人や若い世代へ沖縄戦を継承する力になると確信したのではないだろうか。

 中村さんの事務局長時代、記録フィルムを集成した記録映画「沖縄戦・未来への証言」の製作・上映、英語版の完成、米国ニューヨークなどでの上映など活動を活発に広げた。

 1フィートの会の活動は評価され、中村さんも92年に県功労者、96年に那覇市政功労者、2000年沖縄タイムス賞、01年白井博子・地の塩賞などを受賞している。

    ■    ■

 中村さんは20年ほど前の県功労者表彰祝賀会で「私はどうあっても100歳まで生きて核もない、基地もない、環境破壊もない沖縄を見たい」と語っていた。中村さんの望んだ沖縄は今も実現していない。

 今年3月に1フィートの会が幕を下ろし、軍国主義の実相を知る平和運動家がまた一人去った。学徒の高齢化でひめゆり平和祈念資料館の館外講話も9月で終了する。

 残された時間は少ない。沖縄戦の実相をどう次代に継承するのか、中村さんの訃報が強く問い掛けている。


■沖縄県平和祈念資料館、ひめゆり平和祈念資料館
http://frihet.exblog.jp/16270153/
■ノルウェーを支える女性の闘いの歴史
http://frihet.exblog.jp/16265429/
■沖縄で女性・政治スクール発足
http://frihet.exblog.jp/16256296/
■思いやり予算を災害復興に
http://frihet.exblog.jp/16259488/
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by bekokuma321 | 2013-06-29 19:27 | その他

c0166264_2017499.jpgジュリア・ギラードがオーストラリア首相を辞任した。オーストラリア初の女性の首相だった。

臨時議員総会で労働党の党首選が行われ、ギラード首相がケビン・ラッド(前首相)に敗れたのだ。9月の国会議員選挙に、彼女は立候補しないと政界引退を表明した。残念だ。

ギラード首相は、養子縁組強制の公式謝罪や障がい者保障法など画期的な政治をなしとげた。しかし労働党内では、政敵ケビン・ラッド前首相の非協力的姿勢に苦しんだ。さらに、野党党首トニー・アボットの女性差別や女嫌いにさらされつづけた。

彼女の「女性差別糾弾国会スピーチ」は、余りにも有名。国会で、野党党首トニー・アボットを指さし、「私は、この男に、女性差別や女性嫌いを聞かされたくない」と、彼の露骨な女性差別を次々にあげては、強く抗議し批判した。

トニー・アボットは、といえば、憤激を率直に表す彼女(一国の首相だ)の目の前で、うすら笑いをうかべて座っていた。この国会中継は世界中に流され、フェミニストは大喝さい、多くの男性たちを驚かせた。

首相辞任あいさつでの次の言葉は、女性リーダーのいばらの道を物語っている。

「スタッフのみなさん、あなたがたは国家につくしただけでなく、初の女性首相に仕えてくれました。それに感謝します」

「私の次の女性首相、その次に来る女性首相は、楽になるだろうと、思います」

http://www.guardian.co.uk/world/video/2013/jun/26/julia-gillard-ousted-prime-minister-video
◆「女性差別糾弾国会スピーチ」の録画
http://jezebel.com/5950163/best-thing-youll-see-all-day-australias-female-prime-minister-rips-misogynist-a-new-one-in-epic-speech-on-sexism
◆ギラード首相の身体をのせた女性蔑視メニュー
http://www.guardian.co.uk/world/video/2013/jun/12/julia-gillard-liberals-sexist-menu-video
◆オーストラリア首相の謝罪演説
http://frihet.exblog.jp/19707751/
◆オーストラリア首相、養子縁組強制を謝罪
http://frihet.exblog.jp/19706940/
◆豪、ギラード首相の続投
http://frihet.exblog.jp/14995859/
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by bekokuma321 | 2013-06-27 20:24 | アジア・アフリカ

テレビで、次期首相をねらう2人の政治討論が始まった。

ノルウェーの話だ。現首相である労働党党首と、次期首相をねらう保守党党首が、テレビ討論をキックオフした。外交、福祉、教育、税などについて双方が自論を展開した。世論調査では保守党のソルベーグの人気が高い。久々の女性首相誕生となるかもしれない。

「投票バロメーター」もスタートした。NHKにあたるNRKのホームページから「投票バロメーター」をクリックすると、今、論争になっているテーマが次々に出てきて、それに賛成か反対かどちらでもないか、印をつけるようになっている。

テーマは、ケアセンターの民営化(ケアセンターはほとんど公立)、小学生の成績表(小学校では成績をつけない)、移民の子どもの住まい(親が違法移民だったら…)、エトセトラ、エトセトラ。楽しみながら順番に印をつけていくと、最後に「あなたの考えに最も近い党はこれです」と、政党の党首が表れる。「あら、私の考えを実行してくれる政党は○○政党なんだ」となる。

ノルウェーは、比例代表制選挙。有権者は、候補者ではなく政党を選ぶ。自分の考えに最も近い政党の「候補者リスト」を1枚選んで、あらかじめ用意された封筒に入れて封をして、投票箱に入れる。「候補者リスト」は、選挙区の会議で決められ、3月ごろには完成している。参政権は18歳からだから、中には高校生候補もありだ。もちろん供託金などない。

選挙は9月。これから夏をはさんで政策論争が続く。選挙運動は、マイクでがなりたてる以外はほぼ何をやってもOK。これが、世界一民主的な国と称されるノルウェーの選挙だ。日本の選挙を候補者となって経験した身には、余りの違いにため息が出る。

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 前回の選挙後の党首記者会見。党首にも女性が多い。現首相は左から2人目、次期首相をねらう保守党党首は右から2人目。

http://www.newsinenglish.no/2013/06/20/jens-vs-erna-on-prime-time-tv/
http://www.nrk.no/valg2013/
http://www.nrk.no/valg2013/ta-nrks-valgomat-1.11092682

◆世界一民主的な国
http://frihet.exblog.jp/19256560/
◆ノルウェー地方選:労働党と保守党の勝利
http://frihet.exblog.jp/16848444/
◆ノルウェーは今日、スクール・エレクション
http://frihet.exblog.jp/16817311/
◆移民女性のための移民女性による選挙キャンペーン
http://frihet.exblog.jp/16538174/
◆スーパーの制服からスーツに
http://frihet.exblog.jp/16104175/
◆世界一民主主義の国はノルウェー、日本は22位
http://frihet.exblog.jp/15719396/
◆「ノルウェーが幸運なのはノルウェー女性がいるからだ」―首相
http://frihet.exblog.jp/15706931/
◆投票期間なんと2ヶ月半、ノルウェー国政選挙始まる
http://frihet.exblog.jp/11935320/
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by bekokuma321 | 2013-06-26 21:31 | ノルウェー

女性への身体的・性的暴力は、地球規模でまん延している。しかも、女性への加害者の多くは、その女性と親しい間柄の男性である。

殺害された全女性の38%は、夫や同居人などパートナーによる犯行である。夫などによるこうした暴力行為は、さらに、うつ病など他の疾病の主な原因となっている。

6月20日、WHOは、こう公表した。
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さて日本。民間の女性たちによって、夫や恋人からの暴力に関する相談、調査、啓発がすすめられてきた。粘り強い運動の結果、2001年には、「DV防止法」ができた。正式には、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律。

DV防止法は、何回か改正された。被害女性の保護範囲が強化された。都道府県だけだったが、市町村でも配偶者暴力相談支援センターの機能を果たす施設を置くこととされた。

しかし、どこの自治体でも、政策の優先課題となっていないため、予算不足・人員不足が深刻である。たとえば、公費で24時間体制の相談電話を運営している自治体など、聞いたことがない。日本では、女性議員が極端に少ないため、こうした女性の生命・健康問題が真剣な議題とならないのだ。

内閣府によると、3人に1人の女性が何らかのDV被害を受けている。しかし、これは氷山の一角だろう。日本には、夫や恋人からの暴力を口に出して訴えるまでに至っていない女性が数多くいる。WHO報告にもあるように、「そんなことを言うのは、恥ずかしい」というスティグマ(烙印)が、まだ心に沈殿しているからだ。

http://www.who.int/mediacentre/news/releases/2013/violence_against_women_20130620/en/index.html
http://www.womenlobby.org/spip.php?article5144
http://www.guardian.co.uk/society/2013/jun/20/one-in-three-women-suffers-violence
http://nwsnet.or.jp/index.html
http://pandorafilms.wordpress.com/dvd/papa/mitsui/

【写真は、ノルウェーの自治体の啓発ポスター。上のノルウェー語は「だけど、彼は子どもにはやさしいんです」。女性は殴打されてなお、夫をかばおうとする。】
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by bekokuma321 | 2013-06-23 11:19 | その他

ノルウェーでは、兵役義務は男子だけだ。女子は志願兵のみ。

男女平等先進国ノルウェー。男子のみの徴兵制について、長く論争が続いていた。とうとう、この6月、2015年から男女両性となる法案が可決される。

男女両性の兵役義務制は、ヨーロッパで初めてだという。

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現防衛大臣アンネ・グレーテ・ストロム・エーリクセン(労働党)は、「憲法は、すべての市民が、国を防衛する義務を負うと言っています。しかし防衛義務は、これまで男性だけでした」と述べる。

女性の防衛大臣は、彼女が初めてではない。過去何人か女性の防衛大臣が誕生している。ちなみに、現政権の閣僚大臣は男女半々、国会議員の約4割が女性だ。

報道によると、連立政権を組む、労働党、中央党、左派社会党の3党は、男女両性の徴兵制案に賛成。野党の保守党、自由党、進歩党も賛成で、反対しているのはキリスト教民主党だけらしい。

高校生たちを取材しても、次のような賛成意見ばかりのようだ。

「兵役が男女平等になることは当然。でも、私は兵役自体がなくなればいいけど」
「私たち女子は、男子よりうまくやれます」
「私たちが、男女両性兵役義務の初代世代だなんて、エキサイティングです」

ノルウェー女性連盟代表のト―リル・スカールは反対だ。反対意見はこうだ。

「現在、女性は、志願すれば兵役につけます。それが義務に変わると、誰もが軍隊に入らなければならない。基本的な社会業務のために、女性は男性より時間をとられています。その現状を考えると、まったく後退。権力と資源における男女格差を縮めることは必要です。男女間に実際に存在する差異を知らなすぎますね。若い女性たちは、男子と同一ではないのは軍隊だけなどと言いますが、この措置には、総合的な社会分析と政治的討議が必要なのです」

ノルウェーのこのニュースを聞いたら、安倍式「女性の活用」を唱える首相は、パクリたくなるだろう。しかし、ノルウェーと日本では、女性問題解決にかける政治的意志が余りに違いすぎる。

ノルウェーは、男女賃金差100対85、男性の″女性化″世界一、ニだ(注)。とはいえ、ここに至る道は平たんではなかった。クオータ制をはじめとする政治の場の男女平等政策が、1960年代から実行されてきたのだ。今や、父親の育児休暇は、驚くな、14週間だ。

http://www.aftenposten.no/nyheter/iriks/politikk/I-dag-innfores-kjonnsnoytral-verneplikt-7229732.html
http://www.nrk.no/valg2013/hun-startet-vernepliktsskredet-1.11080524
◆パパ・クオータ、7月1日から14週間に
http://frihet.exblog.jp/20031889/
◆国をあげての論争「パートタイムかフルタイムか」 ノルウェー
http://frihet.exblog.jp/20320580/

(注)http://www.aftenposten.no/amagasinet/--Norge-er-verdens-mest-feminine-land---bortsett-fra-Sverige-7209495.html
社会構造が、男性的か女性的か(Masculinity versus femininity)という指標で国際比較したおもしろい調査。スウェーデンやノルウェーは、femininityが高く、cooperation, modesty, caring for the weak and quality of lifeを重視する。反対に日本は、masculinityが世界で最も高い国のひとつで、achievement, heroism, assertiveness and material reward for successに重きを置く。

【写真は、高校を卒業して志願兵となった2人。2人とも「軍隊では男子とほぼ同じメニューをこなしている」という。休暇で、家に戻ってきている。ノルウェーのマリエ・ナ―ルッド(右)宅にて】
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by bekokuma321 | 2013-06-18 03:08 | ノルウェー

映画「孤島の王」

今日は、映画の話。ノルウェーの『孤島の王』をDVDで観た。20世紀初頭のノルウェーの実話に基づいて作られた。

バストイ島は、オスロの南東に位置する。今でも刑務所がある。しかし、現在は、世界が驚嘆する解放的で自由な刑務所に変わった。その結果だろうが、ノルウェーは世界でもっとも再犯率の少ない国となった。

昨年はBBCが、今年はガーディアン紙が、やや驚嘆をこめて、その理想的環境を世界に報道した。ガーディアン紙は、今日6月17日も、「イギリスやオーストラリアにヒントを与えるノルウェーの刑務所」と紹介している。

ところが20世紀初頭のノルウェーの刑務所は、まったく違っていた。映画は、その歴史の一端を見せてくれる。

バストイ島少年矯正院。刑務所とは違い、矯正や訓練によって、若者を立ち直らせるという方針でつくられた。しかし、実態は…。苛酷な労働、残酷な規律、寮長の性的虐待、偽善に満ちた院長…。そこに、生意気な少年がはいってきた。新入り少年はC19と番号で呼ばれる。ことごとく反抗しては、厳罰を科される。ついに彼は脱走をはかる。しかし、失敗。しだいに少年たちは彼の勇気にひかれていく。

1915年冬、耐えかねた少年たちは、暴徒化する。院長は島を逃げる。まもなく軍が大挙して島に押し寄せ、ほぼ全員が逮捕される。

監督は言う。

「『孤島の王』は今の時代もなお世界のいたる場所で起こっているが、大半の人々は知る由もない、不条理な現実を描いた作品なのです。」

原題は、バストイ島の王Kongen av Bastøy。国際的映画賞を数々受賞した素晴らしい作品。ノルウェー語教員の青木順子さんも推薦。

http://www.bastoy.no/
◆再犯率の最も少ない国の刑務所
http://frihet.exblog.jp/17985465
◆Crime and punishment, Norwegian style
http://www.bbc.co.uk/news/world-europe-18121914
http://www.guardian.co.uk/world/2013/jun/17/norwegian-idea-australian-british-prisons
http://www.guardian.co.uk/society/2013/feb/25/norwegian-prison-inmates-treated-like-people
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by bekokuma321 | 2013-06-18 00:23 | ノルウェー

ガーディアン紙によると、アメリカ政府の国家安全保障局NSAは、世界中から970億もの機密情報を集め、メールや通話など通信情報のほとんどを盗聴できる。

「会話がすべて盗聴されるような、そんな社会に生きていたくない」。こう命がけの告発をしたのは、29歳の若者エドガー・スノ―デン。

c0166264_0273580.jpgこれを受けて、欧州連合EUの委員会は、ただちにアメリカのエリック・ホールダ―司法長官に対して書簡を送った。送ったのはビビアン・レディング副委員長(司法・基本権・市民権担当)。

重大な事態に対しての深刻な関心から、大西洋のかなたから公的意見を述べるとし、プリズムという膨大な個人情報収集活動が市民のプライバシー保護の基本的権利の侵害とならないかについて、詳細な回答を求めた。金曜日に開催されるEUとアメリカの法務大臣会議前までに返事を求めたところに、その真剣さがわかる。

その書簡で、彼女は、アメリカ司法長官に、こう警告したーーアメリカ・EUの市民には高いレベルのプライバシーが保護されているという、法的規制への信頼が市民に存在すること、それが、デジタル時代の経済発展には不可欠である。

欧州委員会は、欧州連合(EU)の内閣にあたる。ビビアン・レディング副委員長は、女性の権利拡大についても積極的で、これまで会社取締役へのクオータ制施行や、家庭内暴力DVの被害者保護などの新しい法制度をすすめてきた。彼女は、もっとも注目される欧州議会議員の一人だ。

一方、アメリカでは、全米市民自由連合the American Civil Liberties Unionが、アメリカ政府を「すべてのアメリカ国民のアドレスブックをひったくったようなもの」と提訴した。

日本政府は、日本人の個人情報保護のために、アメリカ政府にどう対応したのだろう?


http://www.guardian.co.uk/world/2013/jun/11/europe-us-privacy
http://www.guardian.co.uk/world/2013/jun/11/nsa-surveillance-challenged-court-data
http://europa.eu/rapid/press-release_IP-12-1205_en.htm?locale=en
http://eumag.jp/issues/c0612/

◆国家か人権か:NSAを告発したスノ―デン
http://frihet.exblog.jp/20350227/
◆“取締役クオータ制”、ついにEUに
http://frihet.exblog.jp/16802719/
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by bekokuma321 | 2013-06-13 00:41 | ヨーロッパ

c0166264_14105936.jpg「プリズムPRISM」が世界を震撼させている。「プリズム」とは、アメリカ政府の極秘情報収集プログラム。

米国家安全保障局NSAが、アップル、フェイスブック、グーグルなどIT会社と連携して極秘に個人情報を収集していたという。恐るべきことだ。

9.11事件後、ブッシュ大統領が舵をきり、オバマ大統領が踏襲したとされる。ブッシュの国家機密重視政策を批判して大統領になったオバマ大統領が、薄汚れて見えてきた。

ことの発端は、英紙「ガーディアン」のスクープだった。「ガーディアン」は、このFEM-NEWS読者のあなたには、おなじみの情報源である。

今朝の「ガーディアン」には、この大事件の告発者エドワード・スノーデン自身が顔を出した。香港からのライブ。29歳の彼は、CIAの元シニア・プログラマー。

ホイッスル・ブローラ―は、「ハワイで、恋人と、年収20万ドルの快適な暮らしでした」と言い、「すべてを捨てなくてはなりませんでした」。「会社には病欠を出し、恋人には具体的理由を言わず、しばらく留守にすると言って出国しました」。その動機は、「僕は、個人の情報が権力に盗聴されるような社会に住みたくないからです」。

エドワード・スノーデンが顔を出したとたん、米議会から彼に捜査の手が伸びた。

スノ―デンは、「(告発をしたことで)ニ度とアメリカには戻れないでしょう」と、将来を予測している。

国家機密の暴露をしたスノーデンは、命がいくつあっても足りない。最大級の危機にさらされる。だからこそ、世界大手のマスコミを使って、表舞台に出たのだ。

「ガーディアン」は、彼を良心的兵役拒否者のような立場にあると論評する。

国家機密でないにしても、会社や行政などに雇われている人間が、その会社や行政にかかわる悪事を知った場合、身の安全のためには、見て見ぬふりをすることだ。もしも、見て見ぬふりをしなかったらどうなるか。仲間は離れるし、仕事は干される。誹謗中傷される。さらに脅迫さえされる。

それを防ぐ唯一の方法は、公の舞台に出ることだ。行政を訴えた私自身の経験から、確信を持って言える。

http://www.guardian.co.uk/world/2013/jun/09/edward-snowden-nsa-whistleblower-surveillance
http://www.guardian.co.uk/world/2013/jun/10/the-nsa-files-edward-snowden
http://www.guardian.co.uk/world/2013/jun/09/technology-giants-nsa-prism-surveillance
http://www.guardian.co.uk/commentisfree/2013/jun/10/edward-snowden-conscientious-objector
http://www.guardian.co.uk/world/2013/jun/06/nsa-phone-records-verizon-court-order

◆提訴にあたって
http://fightback.fem.jp/genkokukara_teiso.html
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by bekokuma321 | 2013-06-10 13:19 | USA