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第56会女性の地位委員会は、合意文書を成立させることはできなかった。今回は、農業女性の発展がテーマだった。

■Impasse at Commission on Status of Women “deeply regrettable”
http://www.unwomen.org/2012/03/impasse-at-commission-on-status-of-women-deeply-regrettable/?utm_source=feedburner&utm_medium=email&utm_campaign=Feed%3A+ungen+%28UN+gender+equality+news+feed%29
■Rural women’s empowerment: A long road ahead
http://www.fao.org/gender/gender-home/gender-insight/gender-insightdet/en/?dyna_fef%5Buid%5D=130802&utm_source=feedburner&utm_medium=email&utm_campaign=Feed%3A+ungen+%28UN+gender+equality+news+feed%29
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by bekokuma321 | 2012-03-31 21:19 | その他

自分の月収は、世界でどのくらいのところにあるだろう。それがただちにわかる方法をBBCがのせている。ILOによる世界で初めての統計。それぞれの国の生活コストが勘案された金額だという。自営業と年金生活者は含まれない。

日本の平均は月額320万円ほど。相当の高額だ。日本のこの月収は、世界で17番目に位置する。しかし、日本女性の多くは、これを見ても実感がわかないだろう。

世界平均月収は1480ドル。世界トップ5は、ルクセンブルグ、ノルウェー、オーストリア、アメリカ、イギリス。アメリカのお金持ちは桁違いらしいから、平均すると世界4位だ。しかし、高額の税金・保険を毎月とられている北欧諸国のノルウェーが2位、スウェーデン6位、フィンランド8位と上位に位置しているのもおもしろい。

■Where are you on the global pay scale?
http://www.bbc.co.uk/news/magazine-17543356
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by bekokuma321 | 2012-03-31 19:44 | その他

「見て下さい、このグラフを。ずっと上にあがらない。進歩がない。今こそ“女のクーデター”を起こさなくては」

今年(2011 年)9月の統一地方選挙が終わった直後の晴れた日、私は、オスロの平等・反差別オンブッド事務所を訪ねた。オンブッドのスンニーヴァ・ウルスタヴィック (Sunniva Ørstavik)は、折れ線グラフを指さしてそう言った。グラフには、60年代からの女性議員の割合が示されていた。

平等・反差別オンブッド(Equality and Anti-discrimination Ombud)は、かつては男女平等オンブッドと呼ばれ、女性の地位をあげるために働く国の苦情処理機関だった。2006年、女性の人権確立だけでなく、移民や同性愛者などに対する排外主義的動きを撤廃するという新しい役割が加わって守備範囲が広がり、呼称が変わった。任期は6年、2期までで、子ども・平等・社会省が管轄しているものの、独立した機関だ。

オンブッドは、差別を受けた、と感じた市民から苦情を受けつけると調査に乗り出す。差別があったと判断された機関や企業主には是正勧告を下す。強い権限を持ち、差別撤廃に威力を発揮してきた。オンブッドという名称は機関と、その中心人物の両方をさす。

「男女平等とは、物事を決める場に男女が50%いる、ということです。今、ノルウェーは国会も地方議会も約40%が女性議員です。この40%を50%にあげなくてはなりませんが、これが難しい! いま、最大の難関にさしかかっています。国民の多くは、『もうノルウェーでは女性の地位は十分上がった』と思いこんでいます。これこそがノルウェー最大の障壁になっているのです」

オンブッドによると、今日のノルウェー社会は、女性も男性も子育てを楽しみながら仕事を続けられるように社会変革をし行った結果、他国に比べ男女平等推進政策は、一定の成果をあげたといえる。しかし、政治的決定の場、すなわち政治権力はまだ白人男性の手に握られており、そこをいかに平等化するかが問われている、というのだ。

では、いったいどのような戦略があるのか。私の疑問に対するオンブッドの回答が“女のクーデター”だった。

「もう一度“女のクーデター”が必要なのです。これは選挙期間中に、私が新聞に投稿した文章です。ここで、私は40年前に女性たちが行った運動を紹介しました」

彼女が見せたのは9月11日・12日の投票日を目前にした2011年9月1日付けダーグブラーデ紙(Dagbladet)。見出しは、ずばり「女のクーデター Kvinnekupp」だった。女性議員たちがオスロ市庁舎に乗り込もうとしている昔の白黒写真が添えられていた。

「女のクーデター」は、1971年の地方選挙結果を報道したマスコミがつけた言葉だ。女性議員が少なすぎることに怒った女性たちが、女性の当選者を増やすため超党派で仕掛けた「男を消せ!運動」のことをいう。

それは、公職選挙法にある候補者リストの変更権を使っての運動だった。当時、当選確実とされた上位の候補者のほとんどが男性だった。そこで女性たちは、候補者リストにある男性名を消して女性候補者を当選させる作戦に出た。全国各地で、選挙前に女性たちが夜な夜な集まっては策を練った。

結果は見事だった。多くの市で女性が大量に当選した。オスロ(Oslo)、トロンハイム(Trondheim)、アスケル(Asker)の3市では女性議員が男性議員を上回った。(この歴史的運動について、私は提唱者ベリット・オースに取材して『男を消せ!--ノルウェーを変えた女のクーデター』(毎日新聞社)を書いた。)

当時の選挙法では、政党の候補者リストにある候補者名を何人変えてもよかったので、男性の名をことごとく消して女性に変えるという戦術を実行できた。だが、その後、選挙法が変わった。現在は、「名前を消す」やり方がなくなり、候補者名の左側に設けられた空欄にバツ印をつけてその候補者に1票を加算する方法と、用紙の空欄に他党の候補者名を書き足す方法の2種類が設けられている。これによって、女性や障がい者など、まだ議会に少ないグループの候補者にバツ印をつけると、その候補を上位に押し上げて当選させる可能性が高まるのだ。

ところが、オンブッドによると、前回の地方議会議員選挙があった2007年、バツ印をつけて票を増やしたのは男性候補者だった。

「70年代と違って、ほとんどの政党は、女性を40%以上にして候補者リストを作るようになりました。男が1番目なら女は2番目というように男女交互にリストをつくる政党が多いため、女性候補は少なくとも50%には達しています。しかし、です。2007年の地方議会議員選挙では、男性にバツ印をつける人が多く、その結果、多くの女性候補を落選させてしまった。その数、なんと500人です!」

2011年の結果は、まだ全国統計が出てないため、女性議員の割合がどのくらいにとどまったのかは確かではない。しかし、女性の市長は前回より増えなかった。オンブッドは大きなジェスチャーで嘆いた。

「責任は政党ではなくて、有権者にあります。候補者リストの変更権をもっとうまく使うべきです。候補者リストの女性名の左欄にバツ印をつけたら、それだけで女性の当選者は増えるというのに、ね。もっと女性が政治権力を握れるチャンスがあるのに、みすみす逃している。まったくもって残念です」

地方議会議員選挙において、候補者リストを変更するという行為はややわかりにくい。そのため、政府は国費を投じて変更の方法をイラスト入りで大々的に広報してきた。

選挙を統括する自治・地方開発省は、梯子を登ろうとする女性政治家が男性政治家に蹴落とされそうになっているイラストを表紙にしたパンフレットを発行して、全市役所に配布した。名簿変更権を使えば女性当選者を増やせます、という啓発運動だった。政府のホームページでも、わかりやすい絵で知らせてきた。もちろん、女性団体も「女性にバツ印を」とキャンペーンを張った。それでも、女性は思ったほど増えなかったのだ。

ノルウェーのように男女平等推進のための専門の国の機関オンブッドが頑張っても、40%から50%に増やすための道は険しいのだ。オンブッドは最後にこういった。

「閣僚に女性が半分、政党の党首は7人中5人が女性など、シンボリックなところでは男女が半々になりました。それはそれで素晴らしいのですが、最後に、地方政治権力の男女格差を縮める闘いが残りました。これは非常に難しい。でも、やりますよ」


(出典:ノルウェー王国大使館 三井マリ子連載・ノルウェー地方選挙レポート2011 【1】 : 24/11/2011 )
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by bekokuma321 | 2012-03-31 10:59 | ノルウェー

●連載● クオータ制は平等社会への一里塚 第3回

インドの目標は33%

                   三井マリ子(全国フェミニスト議員連盟国際部)


2012年1月3日、私のメールボックスに「女性33%クオータ制を明記したインド憲法修正案、下院で否決」というニューヨークタイムズのニュースが届いた。90年代から憲法改正をめざして闘ってきたインドの女性たちのがっかりした顔が浮かぶ。でも、インド女性の長い運動をみると、きっと次なる闘いに励むに違いない。

インドは13年間の大議論を経て2010年3月、「国会議員の33%を女性に割り当てる」という憲法改正を可決した。賛成191票、反対1票だった。多くの女性団体が「私たちの運動の勝利」を疑わなかったのだが、下院はこれを否決した。

インドは、上下院とも女性議員は約10%。クオータ制を求めての闘いを私が知ったのは、1998年フィリピンのマニラだった。女性の政治参加を世界的規模で進める戦略を話し合う国際会議「女性の政治参画:責任と指導力」に、参加要請されて、全国フェミニスト議員連盟会員を中心に同行者を募った。参加国45カ国、335人。15人の日本代表は3日間にわたる討論に参加した。会場を沸かせたのは、カラフルなサリ―姿のインド代表だった。

「みなさん、今、インドで、女性たちが国会を取り巻まいています。私たちは、1994年、全ての地方議会(panchayati)の33%を女性議員にする法律を制定させました。次の目標は、国会議員の33%を女性にする憲法改正です。これまで、一握りの男性議員に邪魔されて法案がたなざらしになってきました。業をにやした女性たちは、今、怒りの声を国会に届けているのです」

インド女性の就学率は日本よりはるかに低く、貧困層も比較にならないほど厚い。女性の政治参画に女性たちが体をはって運動をしている、という生の報告は衝撃的だった。

日本の15人は、丸テーブルを囲んで日本ではどうしたらいいかを話し合った。そして、1999年の統一地方選から女性議員を増やすための大キャンペーンをしようと決意した。そのプロジェクト名は「女性の政治キャンペーン」と決まった。私たちは、一人ずつ財布から1万円札を出して、テーブルの真ん中に置いた。

帰国後、この15万円を元手にした「女性の政治キャンペーン」が動き出した。

(全国フェミニスト議員連盟「AFER」 72号 2012.2.25 より転載)




 
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by bekokuma321 | 2012-03-30 16:23 | アジア・アフリカ



昨年、最高裁で、「理不尽かつ陰険な首切りは人格権の侵害」という歴史的勝利判決が確定しました。日本中を席巻する男女平等つぶしに対して、初めて、反撃の一打を浴びせることができました。

歴史的判決を勝ち取った、この事件についての本、『バックラッシュの生贄――フェミニスト館長解雇事件』が出版されました。1冊1400円。

この本は、大阪地裁に提出した三井マリ子の「陳述書」を「面白いけれどぞっとする読み物」と評した旬報社社長の発案で、できあがりました。

陳述書をもとに書き下ろした私の拙文、浅倉教授による「人格権侵害論」、訴訟を指揮してくださった寺沢・宮地両弁護士の裁判を振りかえる達意の文章、そして、年表で構成されています。バックラッシュのチラシ、新聞、写真、解雇をカムフラージュする文書ーーも含めました。

バックラッシュ勢力は全国のあちこちで男女平等推進政策を踏みつぶしては、快哉を叫んでいます。行政は萎縮し、自己規制に走り、日本の男女平等政策は推進どころか後退に次ぐ後退。

そんな現場のひとつが豊中市でした。同市はバックラッシュの攻勢に屈服して、センターの館長である私を生贄として差し出しました。

男女平等という切り口から見える「ファシズムの恐ろしさ」を感じ取っていただけましたら、幸せです。

■バックラッシュの生贄 (フェミニスト館長解雇事件):
http://www.junposha.com/catalog/product_info.php/products_id/750?osCsid=b436dc50390d2445404f4600f91eac21

三井 マリ子

■YouTube豊中市女性センター館長の不当解雇 三井マリ子さん最高裁で勝訴
http://www.youtube.com/watch?v=LBkvy8Wzg-4

                     
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by bekokuma321 | 2012-03-30 13:34 | その他

c0166264_20281823.jpgボビィ・ラッシュ議員の映像がCNNで全世界をかけめぐっている(↓をクリックすると動画が見られる)。

米フロリダ州で2月、17歳の黒人少年トレイボン・マーティンが徒歩で帰宅中、自警団に射殺された。その事件をめぐって、下院議員のボビィ・ラッシュ(民主党)が、国会の議場で、からだをはって「人種差別的プロファイリングをやめよ」、と訴えた。

演説しながら、まず彼は、背広を脱いだ。下に着ていたグレーのジャージが表れた。ジャージのフードをかぶった。次にそれまでの眼鏡をサングラスに変えた。こうして、彼は、トレイボン・マーティンが射殺されたときと同じ格好になったのである。

そのあたりで、議長(共和党)から、「議場において帽子をかぶることは禁止されている」と、制止された。

フードつきジャージにサングラスは、トレイボン・マーティンが射殺された際の服装。自警団のジョージ・ジマーマンは、トレイボン・マーティンを見て、「挙動不審だったから、後をつけた」という。その後、口論になったと主張。彼は正当防衛だとして逮捕されていない。

ボビィ・ラッシュは、黒人市民権運動組織「ブラック・パンサー」設立にも参加した、市民運動家。イリノイ州選出の国会議員。

女性議員も、議場でこのくらいのパワフルな訴えをしないと、多くの人に届かないかもしれない。

■Lawmaker wearing hoodie removed from Housefloor
http://edition.cnn.com/2012/03/28/politics/congressman-hoodie/
(国会で、上着を脱ぎフード付きジャージ姿でサングラスをかけるという抗議スタイルは、一見の価値あり)
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by bekokuma321 | 2012-03-29 20:22 | USA

「ショックです。タリバンが倒れてからすでに10年になるのに、女性や少女たちが、DVや強制結婚から逃れたという理由で、牢獄に入れられているのです」

こう言うのは、世界最大の国際人権NGO、ヒューマン・ライツ・ウォッチの最高責任ケネス・ロス。

3月28日(水)、アフガニスタンのカブールにおいて、ヒューマンライツウオッチ報告が出された。それによると、何百人ものアフガン女性が、いわゆる「道徳的罪状moral crimes」で投獄されている。moral crimesとは、家出、婚姻外性交など、女性としてあってはならない罪をさす。多くの女性は、夫や父親からの暴力や、強姦を耐えきれずに家出をするのが実情だという。

■Hundreds of Afghan women jailed for 'moral crimes'
http://www.bbc.co.uk/news/world-asia-17533816
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by bekokuma321 | 2012-03-29 19:36 | アジア・アフリカ

c0166264_13105771.jpg映画『山川菊栄の思想と活動ーーまずかく疑うことを習え』を見た。3月24日、ウィメンズプラザ。

山上千恵子監督、山川菊栄記念会(代表井上輝子)企画。2011年の作品。映画紹介を兼ねて、印象的な場面を書いてみる。

タイトルは、山川菊栄が1918年に書いた短文「男が決める女の問題」のなかにあることばだ。

当時、文部省の女子教育会議に、女性がひとりもはいっておらず、男性だけだった。それを、彼女はこう怒る。

「私たちはいかなる理由によって、私たち自身の意思を無視して審議し決定せられた彼らのいわゆる教育的方針なるものに従って、生ける傀儡となって果つべき義務を認めねばならぬのか」

そして、こう断じる。

「私たちの姉妹よ、まずかく疑うことを習え。かく疑うことを知った時、そしてこの疑いをあくまで熱心に、あくまで執拗に追及することを学んだ時、そこには私たち婦人の救いの道が開かれることを・・・」

今、私は全国フェミニスト議員連盟の同志たちと、女性議員がひとりもいない地方議会は、地方自治にも民主主義にも背く、として運動をしている。「女性ゼロ議会」を足で歩いて、説得しているが、道は遠い。21世紀なお、この日本に、山川菊栄のこの言葉があてはまる。

山川は、女性の働く権利を学ぶ場「赤瀾会」結成に参加し、運動を続ける。しかし、1900年以来、治安維持法によって女性は政治的無権利となり、活動は困難を極める。

彼女は、べーべル『婦人論』を完訳し、日本の女性解放の思想の発展に貢献する。私が30代のころ読んだ、べーベルの『婦人論』は、山川菊栄が30代のころ、彼女の手で翻訳されて世に出されたのだった。あらためて驚愕した。

1930年代以降、軍国化、言論統制が強まる。彼女の論文の発表の場はほとんどなくなってしまう。そんなとき、夫山川均と、藤沢市に300坪の土地を借りて、うずら飼育をし、うずら卵を売って生計をたてた。

そして敗戦。社会党内閣が誕生し、労働省が新設。山川菊栄は初代労働省婦人少年局長となる。戦前からアメリカの関係資料を研究していた、山川は、希望に燃え、まず人事に着手。それが実にふるっている。

国の婦人少年局の政策を日本全土に広めるため、各県に地方職員室を設置することになっていた。しかし、その主任として、地方から上がってきたのは、男、男、男。男性だけだった。さもありなんと、思う。

山川菊栄は、地方から上がってきた男性だけのリストを無視した。無視しただけに終わらなかった。彼女は主任として働く女性を見つけ出すため、自分の足で全国を歩き回った。そしたら、適任者は、全国にいたのである。そして、全国の「婦人少年局地方職員主任」を、ことごとくすべて女性にした!

こうして、足で全国を回るトップがどこにいようか。そうして決めた「オール女性人事」もまた、当時の現実を超えているどころか、21世紀の現実すら超えている。

私自身の経験を話そう。2000年、私は、全国公募で豊中市の男女共同参画推進センターすてっぷ館長に選ばれ、着任した。その後、「ヌエック」で開かれた全国女性関連施設の代表などの研修会に参加した。受付に向かった。その前まで歩いていったら、「あなたは、あっちです」と私に言うではないか。そこには館長(事務局長だったか?)と職員と書いた2種類の用紙があって、私は、館長のほうに歩いていったからだった。「私は館長です」と言ったら、恐縮していた。

しかし、ホールの、館長という用紙のある場所に座ったのは、私を除いて全員男性だった。受付の人が、「あなたは、あっちです」と私に言ったのは、ごく自然な反応だったのだ。豊中市のすてっぷも、今は男性を館長にすえた。

さて、映画に戻る。

山川菊栄が、リーフレットやポスター制作に知恵と工夫をこらしたかを、元婦人少年局職員の方々が証言する。「イロハからわかりやすく書いてある・・・折り方ひとつにしても関心をひくように・・・」と。山川がいかに、多くの国民に、女性問題をわかってもらうために心血を注いだかが、わかる。

しかし、数年後、山川菊栄局長は解雇される。

ある日突然、人事院の管理職試験に「受からなかったから辞めていただきます」と言われ、山川菊栄は局長職を追われることになった。山川局長の秘書を2年間していた原田冴子さんは、こう証言する。

「それを口実にしてお引き取り願った、と。政策の変更で、切りたくなったのでしょうね、はっきり言えば。他の幹部にしてみれば、ホッとしたんじゃないかと思いますけど。首に鈴をつけるつけ方が大変巧妙だったなと、思ってます」

この場面で、私は、「私とまったく同じだ」と心の中で叫んだ。

館長をしていた私は、「すてっぷ体制を強化するためだ」という名目で、突如、やめさせられた。同時に、設けられた次期館長試験を受験したところ、「不合格です」とされ、完全に豊中から放逐されてしまった。

時代は違い、私は提訴した。そして、最高裁で勝利した。変な試験に不合格だったからと、「退職」させられた山川は、どれだけ無念だったことだろう。察するにあまりある。

この映画を見て、山川菊栄の闘いをさらに大きくしなければならない、と新たに決意した。

社会主義思想家、女性解放理論家として仰ぎ見ていた、山川菊栄。その山川の、働く女性・生活に苦労する女性の側面を描いてくれた山上千恵子監督に心から感謝する。
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by bekokuma321 | 2012-03-26 12:57 | その他

ノルウェーの最北の町が、女性にとって最高に住みやすい。そんな調査結果に心を奪われた私は、ノルウェーまで取材に飛んだ。きっと私の知らない何かがある。

その通りだった。東北大震災復興に最も必要とされている精神が、そこにあった。なぜシングルマザーがこんなにも元気なのだ。なぜ、零下20度にも下がる厳しい気候の土地に、町を離れて都会に出た若い女性たちが戻るのだ――こんな疑問への答えを探した。そして、「世界でもっとも住みやすい町」というルポができた。うれしいことに昨年度「週刊金曜日ルポルタージュ大賞」に入賞した。

それを読んだ、熊本の友人深谷智佳子さんから感想が届いた。

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=== ルポ「世界でもっとも住みやすい町」を読んで ====

先日は、ノルウェーのルポ「世界で最も住みやすい町」を送信いただき、大変ありがとうございました。

ニューヨークの国連女性の地位委員会のフォーラムに参加して、帰国しました。その勢いで、ルポの感想をメールさせていただきます。

私が一番興味を持ったのは、ノルウェーの「教育休暇の権利」です。

c0166264_1411559.jpg私の若い時のことを振り返ってみても、最初は目的も持てず、ただ、生活費を稼ぐためや、遊ぶお金を稼ぐ目的で、職についても、次第に飽き足りなくなってくるものです。その中で、自分の目的やキャリアアップに目覚めても、日本では、既に遅し・・。仕事を辞めて自分で勉強するしかないと思います。しかし、それに踏み出すには、もっと、たくさんの意識、お金、時間が必要であり、なかなか踏み出せないのが、日本の現実ではないでしょうか。

ノルウェーのような教育権利の休暇制度は、向上心を持って働く人にとっては、とてもありがたいものだと思います。また、後から向上心を持ちえた時にとっても、とても役に立つものになると思います。また、出産などでの職場復帰時にもスキルの遅れを取り戻すために、有効だと思いました。

三井さんのノルウェールポを念頭に、ニューヨークに行って、考えることもたくさんありました。女性に関する問題は、世界共通の問題だと思いました。

とくに、アメリカの移民社会を、ほんの少しだけかいまみての感想ですが、、男女平等の社会を作り上げるということは、本当の民主主義の世界を作り上げることだと認識を新たにしました。

c0166264_1483512.jpgその解決の光が、やはり、北欧諸国が取り入れて来ているクオータ制にあると、今更ながら思いを強くしました。北欧諸国は、これまでの歴史の中から、民主主義の原点を知り、人間の半分を占める女性に政治や経済の発言の場を物理的に確保することの大事さに行き当たったのだと思いました。


熊本県男女共同参画推進員
深谷 智佳子


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ルポ「世界でもっとも住みやすい町」(週刊金曜日ルポルタージュ大賞に入賞)を読みたい方は、bekokuma(a)hotmail.com宛お申込みください。(a)を@に変えてお願いします。pdf書類で送信いたします。

写真上:ノルウェー最北の地セル・バランゲルの市議会。議員25人のうち13人、過半数が女性。こういう場から、女性が住みやすい政策が生まれてくるのだろう。
写真中:極北の地ヴァドソーにそびえるクヴェン人の像。かつてフィンランドから大勢この地に移住してきた。
写真下:イノ―ベイション・ノルウェー社の取締役会議。クオータ制により、役員の4割以上を女性にしなければならない。
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by bekokuma321 | 2012-03-25 00:17 | ノルウェー

EUオブザーバー3月21日のニュース。

ドミニク・ストロスカーンの欧州議会招へい、議員らの猛反対で、中止された。

ストロスカーン。FEM-NEWSの愛読者なら「ああ、あの強姦容疑で騒がれたフランス政治家」と思いだすだろう。

彼は、フランス社会党の重鎮中の重鎮。当時IMFのトップであり、しかもフランス社会党が推す次期大統領候補とされていた。カーンが強姦したとされるホテル・メイドの側の矛盾がつかれ、告訴は取り下げられた。しかし、メイドは民事訴訟をおこしている。さらにカーンから、過去にも性暴力をふるわれたという女性複数が出ている。

そのストロスカーン、欧州議会で国際金融情勢について演説することが決まった。その決定に対して、超党派の欧州議員が抗議をし、キャンセルとなった。

「女性への尊厳への闘いの名のもとに、ストロスカーンの招へいに反対します」とする、要請文が、数人の議員の連名で議長に出された。そうした経緯のなか、ストロスカーン自身が、欧州議会に出席することを中止すると言ってきたとされる。

中止運動を主導したのは、ハンガリーの社会党議員Zita Gurmai(女性)、ベルギーの社会党議員Véronique De Keyser(女性)。ちなみにストロスカーン招へいする企画を出したのは、EU40というグループで、若手の男性議員がメンバーだという。

女性議員の人権感覚とすばやい行動力、女性議員同士の連帯(女性は35%)、そうした女性議員らの動きに同調した男性議員たちの態度に、政治の光を見た。

■MEPs fire angry letters over Strauss-Kahn invitation
http://euobserver.com/18/115647
http://www.vdekeyser.be/2012/03/20/veronique-de-keyser-deputee-europeenne-vous-invite-a-lire-le-courrier-quelle-a-adresse-ce-jour-a-martin-schultz-president-du-parlement-europeen-a-lannonce-de-la-visite-de-dominique-strauss-kahn/
■Percentage of men / women Members of the European Parliament
http://www.europarl.europa.eu/sides/getDoc.do?pubRef=-//EP//TEXT+IM-PRESS+20090629BRI57511+ITEM-003-EN+DOC+XML+V0//EN&language=EN

■ドミニク・カーンについての記事は以下にまとめられている(日本語)
IMF元トップ告訴取り下げ
http://frihet.exblog.jp/16764738/
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by bekokuma321 | 2012-03-24 10:59 | ヨーロッパ