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アイスランド独立党と、社会民主連合の2人の国会議員が、マリア・アメリエ(25歳)に、アイスランド市民権を与える提案をした。

アメリエは、1月12日、ノルウェーで不法在住者として逮捕され、ロシアに強制出国を命じられた。彼女は、ノルウェー市民権をもらえないまま大学を卒業し、『違法ノルウェー人』という本を出版。本はベストセラーとなった。彼女の逮捕はノルウェー国中に大きな反響を呼び、国の移民政策をゆるがす事件となった。

アイスランド独立党は、中道左派政党で現在野党。社会民主連合は、現政権を担い、首相を出している左派政党。2人の国会議員は、Árni Johnsen とSigmundur Ernir Rúnarsson。

ジョンソンは、「めずらしいことではありません。長い歴史の中で、さまざまな理由で多くの人がアイスランドの市民権を与えられてきました」

マリア・アメリエ事件について、この数週間、アルシング(アイスランド国会)で議論されており、彼は、25歳の女性に対するノルウェー政府の対応に驚いたという。

「ノルウェー人は温かい心の持ち主だが、今回、彼女が受けた仕打ちはノルウェー人的ではない。だから我々は、彼女に手を差し伸べたのです」と語る。

彼女がアイスランドの市民権を獲得すれば、合法的にノルウェーに行き来できる。ノルウェーに住み働いているアイスランド人はたくさんいる。

「アイスランド国会で議題となり、おそらく2,3週間で結論が出るでしょう」と、ジョンソンは言う。

ところで、アイスランドといえば、社会民主連合のヨハンナ・シグルザルドッティル首相は、日本でも大きく報道されたことがある。アイスランドは、選挙で選出された世界初の女性の大統領の国だが、女性の首相は彼女が同国初。しかも世界で初めて同性愛をオープンにして当選した首相。同性婚をしており、連れ合いは作家。

この、おもしろい国アイスランドを、1990年代半ばに訪問したことがある。ノルウェー取材をしていたころ、首都レイキャビク市長が「女性党」出身の女性になったと聞き、アイスランドに飛んだ。

この旅で、私は上記アイスランド精神と似通った経験をした。アイスランドに出発直前、ノルウェー空港で、パスポートを置き忘れたことに気づいた。空港の職員は「アイスランドですか? パスポートはいりませんよ」と自信ありげに言った。安心した私は機内に。アイスランド空港に降り立った。すると、入国審査官は「パスポートを見せてください」。エーッ!! 私は真っ青になった。正直にすべてを打ち明けた。しばらく考えこんで、1枚の厚手の紙を渡した。「これに必要事項を書いてください。臨時のパスポートとします」

超法規的寛大さのおかげで、私は、首都初の女性市長、同国初の女性大統領だったフィンボガドッティルなどたくさんの女性たちに取材できた。当時の取材記事は、『ママは大臣パパ育児』(明石書店)の1章にまとめた。アイスランドには頭が上がらない。

http://www.nrk.no/nyheter/verden/1.7482585
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by bekokuma321 | 2011-01-29 14:29 | 北欧

EU 貧困女性の顔

c0166264_1755819.jpg1月28日、EU議会の女性の権利委員会は、報告書「EU 貧困女性の顔」を採択した。

それによると、ヨーロッパ女性は、男性に比べて著しく貧しく、低い賃金、貧しい労働環境に置かれている。女性は、男性より平均して14%から17%も賃金が低く、多くは有期の職業についている。EU加盟27カ国の全女性の17%は、貧困状態に置かれている。シングル女性、障がいを持った女性、少数民族の女性は、危機的貧困状態にある。

今後、男女賃金格差を、1年に1%ずつ減らしていく目標を設定した。

ちなみに、日本の女性は、男性に比べて40%から45%も賃金が低く抑えられている。日本の貧困対策も、女性にターゲットを絞った特別施策が必要だと思う。


http://www.europarl.europa.eu/news/public/story_page/014-112307-021-01-04-902-20110121STO12295-2011-21-01-2011/default_en.htm
http://www.europarl.europa.eu/sides/getDoc.do;jsessionid=AE90689551271B837F793ED5FB4C9B0A.node2?pubRef=-//EP//TEXT+IM-PRESS+20110124IPR12364+0+DOC+XML+V0//EN&language=EN
http://www.europarl.europa.eu/meetdocs/2009_2014/documents/femm/pr/837/837399/837399en.pdf

■左上写真は、女性ホームレスが男性に施しを乞うているもの(2011年ドイツ・ケルン)
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by bekokuma321 | 2011-01-29 03:32 | ヨーロッパ

2月6日午後6時から、豊中市内すてっぷで集会があります。報告者は、寺沢勝子弁護士、島尾恵理弁護士、坂本やす子議員(豊中)、木村真議員(豊中)などです。

最高裁第1小法廷弁護士4人の全員一致で、豊中市の上告が棄却されました。これによって、三井マリ子館長(当時)の勝訴が確定しました。裁判の中身、意義をじっくり話し合います。

             

チラシの上にマウスをあててクリックすると読みやすくなります。

◆会場への行き方http://www.toyonaka-step.jp/guide/access.html

◆最高裁判所の決定書
http://fightback.fem.jp/201101saikosaichosho.html
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by bekokuma321 | 2011-01-28 13:36 | その他

全米女性同盟NOWの代表が、オバマ大統領の一般教書演説を批判した。英語の草稿を要訳する。

◆女性にとってこそスプートニクの時だ◆

一般教書演説で、オバマ大統領は、アメリカは今、スプートニクの時だと強調した。大統領が星に到達しようとするように、全米女性同盟は、この国の女性たちもともに星に到達するようがんばることを誓う。

大統領は、研究開発部門に投資を増やし、エネルギー産業を増強、自然科学インフラストラクチャーを土台に、雇用を創出する、と語った。価値ある目標ではあるが、これらの分野は男性によって占められていることを忘れてはならない。これらの雇用創出を男女平等にするためには、STEM(サイエンスのS、テクノロジーのT、エンジニアリングのE、マスマティックスのM)など、なすべきことが多くある。。

たとえば「緑の仕事」を見よう。WOW(女性への広い機会を)によると、全女性の3分の2は、500の緑の仕事のわずか21種類にしか集まっていない。もしアメリカの未来を勝ちとろうというのなら、女性をその中に増やさずには、未来とは言えない。

経済復興によって、実は女性の仕事がなくなっている現実に気づいていない人が多い。NWLCの調査によれば、2009年から2010年にかけて、女性は、公務分野257000職種の99.6%を失ったのである。そして長期間失業に女性たちはさらに苦しんでいる。

私たち女性は、オバマ大統領が、社会保障制度を強化するといったことに元気づけられた。女性たち、とりわけ黒人女性たちは、社会保障を頼っている。退職後は、唯一の収入源という女性も多い。ビジネスではなく人々を助ける政府の施策に敵対する人ひとに立ち向かい続けてほしい。

「我々は大きなことを成し遂げる」と大統領は言った。アメリカならびに世界中の女性たちに雇用機会と、安心と、平等を保障すること以上に、「大きなこと」などあるというのだろうか。

http://now.org/press/01-11/01-26.html
http://www.wowonline.org/
http://www.nwlc.org/
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by bekokuma321 | 2011-01-27 17:39 | USA

ノルウェーでも、病院の看護士にパートタイム労働者が多い。日本と異なり均等待遇であるものの、収入は低い。中には、フルタイムで働きたいが適当なポストがなく、パートを選んでいる人もいる。

そこで、厚生大臣(直訳は健康大臣Health Minister)は、病院にパート労働者を減らさせる目的で、具体策を実行することを発表した。今年中に、パート労働者を20%減数するという目標を設定。そのために毎月報告書を提出させるというものだ。

早くも難航が予想されている。

http://www.nrk.no/nyheter/norge/1.7477158
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by bekokuma321 | 2011-01-26 16:31 | ノルウェー

c0166264_15104543.jpg

最高裁での決定が、1月25日午前のMBSニュースで放送されました。以下はネット配信です。24時間で更新されてしまいます。

アナウンサー(女性)の声に力がこもっているように感じました。リンク先をクリックしてご視聴ください。

■女性センター館長 不当解雇 最高裁 豊中市の上告を棄却 http://www.mbs.jp/news/kansaiflash_GE110124223700426065.shtml
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by bekokuma321 | 2011-01-25 15:14 | その他

2011年1月24日

最高裁判所は、「豊中市女性センター館長雇い止め事件」について、被告・豊中市ら上告・上告受理申し立てを棄却する決定を下した(1月20日付け)旨、本日、同裁判所から弁護団に連絡がありました。

この裁判の大阪高裁2審判決は、2010年3月30日に下され、翌31日付の朝刊各紙で報道されております。(例「朝日新聞」http://fightback.fem.jp/flyer-10_5_22ura.html

この最高裁の決定によって、以下のような大阪高裁判決が、確定しました。

高裁裁判長は、バックラッシュ(男女平等推進を毛嫌いする流れ)勢力の横暴で陰湿な攻撃の詳しく認定し、攻撃に対して毅然と対峙して男女平等を推進してきた三井マリ子さんを、攻撃に屈して財団から排除したことを、人格権侵害で不法行為にあたるとしました。2審判決の核心部分は以下の通りです。

「事務職にある立場あるいは中立であるべき公務員の立場を超え、控訴人に説明のないままに常勤館長職体制への移行に向けて動き、控訴人の考えとは異なる事実を新館長候補者に伝えて候補者となることを承諾させたのであるが、これらの動きは控訴人を次期館長には就かせないとの明確な意図をもったものであったとしか評価せざるを得ないことにも鑑みると、これらの行為は現館長の地位にある控訴人の人格を侮辱したものというべきであって、控訴人の人格的利益を侵害するものとして不法行為を構成する。」

2009年8月、国連の女性差別撤廃委員会は、女性差別撤廃条約の実施状況について、日本政府に、「委員会は締約国において男女間の不平等が根 強く存在しているにもかかわらず、女性の人権の認識と促進に対する『バックラッシュ』が報告されていることに懸念を有する。」としています。「条約第5条で要求されている女性と男性の役割や任務に関する文化の変革を推進するよう勧告」しています。

豊中市ならびに財団は、この条約を誠心誠意進めてきた三井さんを、嘘偽りを弄して職場から追い出しました。高裁の判決後も、被告はその違法性を認めず、最高裁に上告していました。

三井マリ子さんは、このたびの最高裁決定に対し次のように述べています。

【豊中市は、男女平等を進めるセンターの館長の私に、職場情報を知らせず、その一方で、『本人は辞めることを承諾している』とデマを流して、私の首を切りました。こんな仕打ちを、高裁は『人格権の侵害』として断罪し、それを最高裁が認めたのです。陰湿で無礼な首切りは犯罪的行為と決まったのです。訴訟に費やした7年間がこれで報われました。今晩から、ぐっすり眠れます】
三井マリ子(とよなか男女共同参画推進センターすてっぷ初代館長、原告)

バックラッシュに屈しなかった原告の勝利を信じて今日のこの日まで伴走してきた私たちも同じ思いです。そして女性の人権が保障される男女平等社会をめざしてなおいっそうがんばります。

館長雇止め・バックラッシュ裁判を支援する会(代表上田美江、副代表木村民子)

問い合わせ先は以下です。

●原告・三井マリ子 bekokuma(a)hotmail.com  (a)は@に変えてください
●支援する会広報担当・和田明子akiwada(a)tcct.zaq.ne.jp  (a)は@に変えてください
●常任弁護団 弁護士
寺 沢 勝 子06-6365-8891(団 長)
島 尾 恵 理06-4706-8539(事務局)
宮 地 光 子06-6947-1201
川 西 渥 子06-6316-0370
大 野 町 子06-6365-5215
石 田 法 子06-4706-8539
長 岡 麻寿惠06-6773-6921
渡 辺 和 恵06-6633-7621
紀 藤 正 樹03-3515-6681
越 尾 邦 仁06-6362-5600
溝 上 絢 子06-6363-2191
中 平   史06-6365-8891
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by bekokuma321 | 2011-01-25 02:47 | その他

c0166264_1222521.jpg「マリア・アメリエは、ノルウェーから出国し、彼女の祖国モスクワに戻りなさい」ーーこれが政府の決定だった(1月21日)。しかし、就業許可を求める申請はできる、とされた。ペーパーレス(不法移民)でも、仕事の申請は可能だというのだ。

マリア・アメリエは、1月13日、オスロ地裁から、違法滞在の容疑で祖国ロシアに戻るまで2週間の収監と判決が下されていた。翌日、彼女は、親(どこかに潜伏中)とは別に亡命申請手続きをし、18日釈放された、と報道されている。

こうしたノルウェー政府の対応を、NOASは厳しく批判する。NOASは、「ノルウェーに亡命を求める人たちの支援協会」。亡命申請者への法的支援、福祉サービスを提供する民間団体で、1984年に創設された。

NOASは、難民移民問題の解決を促すとともに、民族差別・外国人排斥思想と闘う。スタッフ12人が働き、その運営費は、国家補助金と、会員からの会費だ。「亡命問題の番犬」として、社会的に最も弱い立場に置かれている亡命申請者の人権擁護にとりくむ。迫害を受けた祖国に帰還させる厳罰主義的傾向にあるノルウェー政府に、制度改善を求め運動を続ける。とくに亡命家族の子どもの保護を強く求めてきた。

子どもの時、ノルウェーにやってきたマリア・アメリエは、移民申請をしても認可されないまま、ノルウェーに住み続け、数年でノルウェー語を習得し、人一倍の努力を重ねてトロンヘイムのノルウェー工科大学で修士を修了した。この自分の辛い経験を『違法移民Ulovlig norsk』という本に著した(写真)。同じ境遇の大勢の不法滞在者たちのハートをつかんだ。

NOASは、「政府は体裁を整えただけ。ロシアに戻ってから、ノルウェーでの仕事を探せるというのは無意味だ。ロシアの事務手続きは官僚的でスローすぎる…」と批判した。さらに、彼女の主張を支持し、ノルウェー語パピールースpapirløs「ペーパー(滞在許可証)なし」という呼称のキャンペーンを展開中だ。明日23日(土)、「不法移民はみな人間」というスローガンの大規模デモを予定している。

25歳の一人の女性が国中を動かしている。その様は、私にマーガレット・ミードの言葉を思い出させた。

Never doubt that a small group of thoughtful committed cityzens can change the world. Indeed it's the only thing that ever has.


http://www.noas.org/
http://www.aftenposten.no/nyheter/iriks/article3999122.ece
http://www.nrk.no/nyheter/norge/1.7472299
http://www.regjeringen.no/en/dep/jd/aktuelt/nyheter/2011/regelendringer-for-arbeidsinnvandring.html?id=631130(政府の緊急措置:不法滞在で国外追放となった人は、数年間入国禁止とされていた。今回、祖国から労働申請ができるとなった。不法滞在問題には手をつけず、就職申請条件の緩和で乗り切った形だ)
■ノルウェー移民政策をゆるがすマリア・アメリエ
http://frihet.exblog.jp/15792358/
■投票期間なんと2ヶ月半、ノルウェー国政選挙始まるーー全人口の1割占める移民「新ノルウェー人」の投票率向上へhttp://www.news.janjan.jp/world/0907/0907106705/1.php
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by bekokuma321 | 2011-01-22 03:37 | ノルウェー

イギリス保守中道内閣の閣僚の一人、Baroness Warsi (保守党)は、アジア女性である。両親はパキスタンからの移民だ。

イギリス内閣史上、初のアジア女性であり、初のイスラム女性であるという。

彼女は、弁護士で、離婚経験のあるシングルマザー。歯に衣をきせぬ発言で、議論をまきおこす。最近も、「イスラムへの偏見は、夕食のちょっとした話題」と語り、イギリス社会は、イスラム教信者に対して他の民族に対してより平気で差別する、と警鐘を鳴らした。

イギリスの保守中道政権は、女性の閣僚大臣が少なすぎると、批判があった。それでも22人のうち4人。しかも上述のワルシ大臣のようなマイノリティ女性もいる。

一方、日本。菅内閣の女性大臣はわずかに1人。紅一点内閣となったのは、半世紀以上前の池田内閣時だ。時計の針が大きく逆戻りした。首相がこれでは、「男女共同参画」など進みようがない。怒!

http://www.bbc.co.uk/news/uk-politics-12235237
http://frihet.exblog.jp/15769040/
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by bekokuma321 | 2011-01-21 02:16 | ヨーロッパ

c0166264_10524351.jpgノルウェーは、今、マリア・アメリエMaria Amelie という25歳の女性のニュースでもちきりだ。ノルウェーが抱える最大の政治課題のひとつ移民問題を直撃しているだからだ。

報道によると、2002年、マリア・アメリエは、ロシアのコーカサスからフィンランドを越えて、ノルウェーに逃れてきた。当時、彼女は未成年だった。親も彼女もノルウェーへの亡命申請は認められず、違法状態で暮らした。

彼女は違法のまま就学し、トロンハイムの国立大学で修士号を取得した。さらに2010年には、『違法移民』というタイトルの本を出版しベストセラー作家となった。それだけではない。2010年、左派系新聞「新時代」の“今年の市民”に選ばれた。

今年1月12日、リリハンメルのナンセン・アカデミーで講演をした彼女を待ち受けていた警官に逮捕された。

逮捕後、ただちにノルウェー市民は動いた。翌13日、厳寒のオスロ・法務省前に1000人以上が集まった。彼女の恋人、オスロ教会主教、芸術家、政治家などを含む多くの市民が、彼女の逮捕・国外追放に異議を唱えた。抗議デモは他市にも広がり、彼女への支援デモの勢いは止まらない。

労働党、中央党、左派社会党3党による連立政権は、解決策にあたまを痛める。野党も割れている。キリスト教民主党、自由党は人道的措置を求める。違法移民に厳罰をと唱えてきた極右と称される進歩党は、「現政権の移民政策は完全に混乱している」と、政府の移民政策を強く批判する。

ノルウェーの全メディアに彼女の記事が載らない日はない。彼女のフェイスブックにある「支援を」への数はうなぎ昇りで、90000人になるという。

http://mariamelie.blogspot.com/
http://www.aftenposten.no/nyheter/iriks/article3990432.ece
(上の小さな写真は雪の中の抗議デモ。手に持つ看板は、「ペーパーのない移民にもっと権利を」「マリア・アメリエを釈放せよ」と読める。詳しくはアフテンポステン紙をクリック)
https://www.nansenskolen.no/
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by bekokuma321 | 2011-01-20 04:15 | ノルウェー