4月7日、グリーデラン外務次官と、DNV社の副社長の講演がノルウェー大使館であった。

2人は、女性が活躍できることがビジネス成功の鍵であり、それは持続可能な社会への道につながると、情熱的に語った。

グリーンデラン外務次官は世界有数の女性労働力率を誇るノルウェーの実態を、こんな数字で示した。
「25-60才女性の80%が働く」
「3才以下の子を持つ女性の75%が働く」
「3-6才の子を持つ女性の84%が働く」

日本は、その正反対だ。つまり出産した女性の70%が職場を去ってゆく。

では、ノルウェーはなぜこうなのか? それには、2つの重要な政策がある。まず、男性の家事育児参加の奨励。男性の90%が育児休業をとって家庭で子育てを分担している。もうひとつは、保育園の充実の推進だ。今や待機児童ゼロにまでなった。

つまり、日本の女性のほとんどが仕事を辞めざるをえないのは、この2つの政策が希薄だからだ。

彼は、仕事と家庭の両立は、何も余暇が増やすということではなく、人間は休暇によって、働く意欲が増し、生産性の向上につながることだという。だからノルウェーの「労働環境法」では、週37.5時間労働、残業時間を年300時間以下という規制がある。さらに公務職場の全ての人が、フレックスタイム制をとることが保障されている。

企業の社会的責任とは、企業が生産をあげている社会の行く末に、企業は責任を有するということだ、と彼は強調する。人権侵害をしない、環境汚染をしない、労働基準を守るというような企業責任は当然であり、今や、どういうふうにそれらの効果を上げるかに移っているという。企業そのものだけでなく、企業に必要な製品やサービスを購買する際、その製品やサービスを提供する会社が社会的責任を回避しているなら買わないということにまで広がっている。

企業の社会的責任。それは、人権重視、労働者の権利の尊重、適正な労働環境、環境保護と温暖化防止、汚職根絶、透明性の確保・・・。女性を差別して女性の人権を軽視しているような会社は、社会的責任を果たしていないといえる。

具体例として「グローバル・ペンション基金Pension Fund Global」をあげた。この基金は、石油の利益を長期的に有効に活用するために創出された。総額457billion USDと、世界最も大きな投資資金のひとつである。

この基金は、社会的責任の観点から、今年1月、タバコ会社17社に対する投資から撤退したという。

日本も、企業の社会的責任という言葉をよく使う。英語ではCooperate Social Responsibility,略してCSR。せいぜい利益の残余をチャリティ団体に寄付するぐらいしか考えていないふしがあるが、どうだろう。


Government Pension Fund
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by bekokuma321 | 2010-04-25 01:54 | ノルウェー

c0166264_11575460.jpg3月30日、大阪高裁、男女共同参画行政のありかたが問われた日本初の司法判断。今日午後2時、文京区の男女平等センターで、その学習会があります。浅倉むつ子教授、紀藤正樹弁護士の講演。

千代田区議の小枝すみ子さんの案内をはりつけます。

分野の違うみなさまにご案内いたします。
男女平等分野で、先頭を走り続けてくれた、三井マリ子さんが、大阪豊中市の男女共同参画センターの館長として活躍していましたが、それに反対する勢力(当時市議)の働きかけによって雇止めをされたことに対して、市を相手取ってたたかってきました。

その結果、地裁では敗訴しましたが、3月30日大阪高裁で、逆転勝訴したのです。本当にこれは画期的なことです。

勝訴のシナリオとなった、意見書を書いて下さった浅倉むつ子さんを迎えての、報告集会が東京であります。どうぞ、分野の違う方もいらっしゃると思いますが、ふるってご参加ください。

         記

日時:2010年4月24日(土) 午後2時~5時

場所:文京区男女平等センター研修室A

講師:浅倉むつ子(早稲田大学大学院教授、三井裁判「意見書」作成)
    紀藤 正樹(弁護士、三井マリ子代理人)
    三井マリ子(原告、豊中市男女共同参画推進センターすてっぷ初代館長)

主催:館長雇止め・バックラッシュ裁判を支援する会@関東
チラシは、http://fightback.fem.jp/10-424kachinukukai-bunkyo.pdf

小枝すみ子(千代田区議)
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by bekokuma321 | 2010-04-24 12:00 | その他

政府は、4月15日の男女共同参画会議(議長・平野博文官房長官)で、「第3次男女共同参画基本計画策定に向けて」と題する中間整理をまとめた。6月に鳩山由紀夫首相に提出する答申案の中間的文書。

「第3次男女共同参画基本計画策定に向けて(中間整理)」の内容はhttp://www.gender.go.jp/danjo-kaigi/kihon/sanjikeikaku/chukanseiri/index.html

5月中に、市民から意見を求め、6月に会議で首相あての答申をまとめ、政府は年内に計画を策定する。

「性別による役割分担意識がまだ根強い」と、男性の意識の低さを指摘している。まず上げられている政治分野への女性の少なさについては、一定割合を女性に割り当てるクオータ制の検討を求めている。同一価値労働同一賃金の実現も挙げている。

全国フェミニスト議員連盟が1992年に提唱したクオータ制。18年かかってやっと政府の文書に盛り込まれたことになる。全部で14分野。

福島瑞穂大臣のコメントはこちら
http://www.gender.go.jp/danjo-kaigi/kihon/sanjikeikaku/chukanseiri/message.pdf

「男女平等の社会になると、私も僕もハッピーになる」のは確実。この中間整理を、市民の声でさらによくしよう。そのためには、市民の声をどんどん出そう!

私たちの意見を出すには
http://www.gender.go.jp/danjo-kaigi/kihon/sanjikeikaku/ikenboshu.html
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by bekokuma321 | 2010-04-22 16:50 | その他

c0166264_1852230.jpg4月12日から1週間の予定で精神病院をなくした国イタリアのトリエステに来ている。

精神病院に入院している人間性を否定された患者の人生をどうしたらとりもどせるのか。悩める日本の精神科医、家族、ソーシャルワーカー、ジャーナリストなど10人。世界で最も効果をあげているといわれるトリエステに1週間滞在し、探訪した。

トリエステでは、当事者、その家族、看護師、臨床心理士、ソーシャルワーカー、精神科医など精神保健に関わるすべて人たちの「連帯」を五感に感じた日々だった。

サン・ジョバンニ精神病院という公立の病院だった場所が、サン・ジョバンニ公園となっている。閉鎖と拘束の環境が、誰でもいつでも気軽に行き来できる環境に変わったのだ。

緑したたる開放的な公園の中に、イチゴ・レストラン、イチゴラジオ放送局、工房、住宅、園芸養成所と広大な庭園、全体をコーディネイトするオフィスなどが点在している。その放送局でも、庭園でも、レストランでも、精神に病をかかえた人たちが自然に働いている。リサイクルの布で作った素敵なバッグを25ユーロで買った。このファッションとアートの国イタリアで、商業ベースに乗せてがんばる心意気に感動してしまう。

私はとくに精神医療・保健変革にどうジェンダーの視点がはいったかに強い関心をもって参加した。この分野に関しては追って・・・。

◆WHO:gender & mental health http://www.who.int/mental_health/resources/gender/en/
◆つれづれなるままのトリエステ日記50%プラス

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by bekokuma321 | 2010-04-19 02:46 | ヨーロッパ

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3月30日、大阪高裁から、大阪府豊中市の男女共同参画推進センターの館長を排斥した行為は、「人格権侵害」である、という画期的判決が出た。

大阪府豊中市の男女共同参画推進施設の館長職を不当に打ち切られたとして、初代館長が、豊中市と運営財団に慰謝料など約1200万円をもとめた損害賠償訴訟の控訴審していた。大阪高裁の塩月秀平裁判長は、一審・大阪地裁判決を変更し、市側に150万円の支払いを命じた。

塩月秀平裁判長は、雇用の打ち切りは「裁量の範囲内」と違法性を認めなかった。しかし、市側が館長に批判的な勢力の圧力に屈して動いたことを認め、その行為は「控訴人の人格を侮辱し、人格権を侵害した」と認定した。

判決は、その勢力による、「陰湿、執拗(しつよう)で組織的な攻撃」があったと指摘。市政に影響力を持っていた当時の市議1人が「すてっぷ」の蔵書廃棄を議会で求め、複数の市民が市に嫌がらせ電話をかけるなどしたと述べた。 市幹部や財団幹部が、組織の最高責任者である初代館長に相談もなく後任選びを進め、後任候補には初代館長に続投の意思がないと勝手に告げていたなどと指摘。こうした行為は一部の勢力の動きに屈したものと認定し、「控訴人は生活に重要な意味を持つ雇用継続の情報から一切排除された」として賠償を認めた。

「人格権侵害」とは、山梨県昭和町の嘱託職員(女性2人)解雇事件で打ち出された法理だ。町長が「合理的理由もなく再任用を拒否し、人格的利益を著しく傷つけた」として、慰謝料を認める判決が最高裁で確定している。

男女平等の推進を踏み倒しては快哉を叫ぶ、いわゆるバックラッシュ勢力の攻撃を認めた画期的な裁判である。判決ではバックラッシュという言葉ではなく「一部勢力」としている。この判決を下した塩月秀平裁判長について少し。

彼は、昨年、夫からの暴力(DV)を受けた結果、住民票と違う場所に暮らす女性による夫の定額給付金請求権仮差し押さえ申請に対し、申請を却下した大阪家裁決定を取り消し、仮差し押さえを認める決定をした。「(離婚慰謝料の)保全の必要がある」としたうえで、「定額給付金を仮差し押さえの対象から除外する根拠はない」との判断だった。対象は夫婦と子供計3人分の給付金4万4千円。DV被害者を司法が救済する道を開いた意義ある判決だった。

MSN産経
朝日コム
静岡新聞
ソウル・ヨガ(イダヒロユキ)
日経新聞
館長雇止め・バックラッシュ裁判を支援する会

写真は、判決後の「弁護士解説つき交流会」でガッツポーズをとる支援者たち(2010.3.30 大阪弁護士会館)
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by bekokuma321 | 2010-04-02 23:48 | その他