アメリカ議会は、公的健康保険関係案を再び否決した。

9月29日開かれた連邦議会上院の予算委員会でのこと。法案は、公的選択案public optionと呼ばれる。オバマ大統領の公約だ。民主党のジョン・ロックフェラー4世、チャールズ・シューマーの両議員が、それぞれ法案を提出し、その利点を発言。しかし、両議院の法案は、最初15対8、次に13対10で否決された。

上院での主な反対意見は;
「政府の公的保険制度は、民間の保険会社をつぶしてしまう」
「結果として健康保険制度を唯一行政に担わせることになり、競争がなくなる」
「公的保険制度をひとつの支払い主(政府)にゆだねることは、大災難を招く」

ノルウェーなど北欧諸国は通院も入院も、ほぼ無料だ。それを日本で話すと、ため息とともに、日本の医療サービスは高く、貧しい人にとっては酷だという声があがる。

しかし、アメリカに比べるとこの日本も極楽に見えてくる。アメリカには、日本で当たり前の国民健康保険制度がないからだ。病気や怪我の不安は誰にもつきまとう。高齢社会に向かって、その不安は高まる。また女性は、何かと病院のせわになりがちだ。子どもや家族の健康管理を担うことも多い。私は、公的健康保険のない国など怖くて住めない、と思ってしまう。

アメリカの健康保険改革への道は実に多難のようだ。しかし、めげずに闘っているアメリカの人たち、とりわけ、女性たちに敬意を表したい。

全米女性連盟NOWの運動
http://www.capwiz.com/now/issues/alert/?alertid=14105021

オバマ大統領の健康保険改革(NY Times)
http://www.nytimes.com/2009/08/16/opinion/16obama.htm?_r=1
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by bekokuma321 | 2009-09-30 10:42 | USA

8月、国連の女性差別撤廃委員会から出された最終見解の和訳が出ました。日本政府が出した「女性差別撤廃条約をこれだけ守っていますよ」という報告に対して、委員会が「いや、そうじゃないでしょう」と、コメントや勧告をしている文書です。

最終見解は60項目にわたっています。いかに日本が女性差別撤廃条約を守っていないか、の国際証明書です。

そ59項には、「フォローアップ」として次のように明言されています。フォローアップとは、厳しく追求調査するという意味です。

【59. 委員会は、上記第18及び第28パラグラフに含まれる勧告の実施に関する書面での詳細な情報を、2年以内に提出するよう締約国に要請する。】

18は、女性を差別している民法の改正。28は、政策決定にもっと女性を増やすための「クオータなど暫定的特別措置」のことです。60項目の中で、とくにこの2つーー①民法改正 ②暫定的特別措置ーーについては、2011年夏までちゃんと報告しなさい、と言ってます。

■日本語
第6回報告に対する女子差別撤廃委員会最終見解 (政府仮訳)http://www.gender.go.jp/teppai/6th/CEDAW6_co_j.pdf

■英語
Concluding observations of the Committee on the Elimination of Discrimination against Women Japan
http://www.gender.go.jp/teppai/6th/CEDAW6_co_e.pdf
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by bekokuma321 | 2009-09-29 23:59 | その他

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9月14日投票日の深夜。ノルウェーの主要政党の党首が、国会に全員集合して記者会見に臨む。NRK(ノルウェー放送協会)が国会から全国に生中継。党首7人中4人が女性だ。


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9月14日投票日夕方のノルウェー国会。169議席に座る議員を待つ。


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9月14日午後8時ごろ。ノルウェー国会前に陣取るTV放送車。深夜までかかる当落結果にそなえて、TV局が数々の番組を組む


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9月14日朝、一番のりの投票者の一人。オスロ市庁舎にもうけられた投票所


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9月14日、朝、投票用紙を待つオスロ市庁舎の投票箱。報道記者が世界中からオスロ市庁舎にやってきて、投票光景を取材する。。投票所によって箱は異なる


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9月14日、投票ブース内におかれた投票用紙。政党ごとに区分けされた棚に、政党候補者リストがならんでいる。その政党候補者リストが投票用紙となる。上のはり紙には、「あなたは、政党の決めた候補者の順番を変えることができます・・・」などと書かれている。


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9月14日、投票時間前。オスロ市庁舎前に立って、候補者リストを配布する女性。環境党のリスト一番目の候補者だという。「ノルウェーでは一議席もありません。でも他のヨーロッパ諸国では強いんですよ」。最後まであきらめず、一人で配布をしていた若い女性の姿に心打たれる。


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9月12日朝。主要紙アフテンポステンの見開き両面広告、「男女賃金格差是正の公約」を見る読者。


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9月12日朝。主要紙朝刊に載ったノルウェー看護協会の広告。全政党の党首による、「男女賃金格差是正の公約」が、顔写真とともに紹介されている。(写真:ノルウェー看護協会提供。FEM-NEWSが許可を得て転載)


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9月11日夜。NRK(ノルウェー国営放送)の政党討論会。選挙キャンペーンを終えた8党首が登板。党首は、男4人、女4人。キャスターも男女一人ずつ。党首の後ろに座っている人たちは市民代表。早いもの順でくじびきで選ばれたという。


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9月11日、ヘードマルク県のローテン市の選挙テント通り。赤いテントは労働党。横でほほ笑むTシャツの女性は、この市の市長。右の草色のテントは自由党。


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9月11日、最後の選挙運動をしているのは、現職の法務大臣クヌート・ストールベルゲ (赤と白の縞模様のシャツの男性)。自分の政党のシンボルであるバラの花を通行人に配布しながら、「労働党を、よろしく」。選挙テントが政党ごとに後方に並んでいる


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9月11日、朝。ヘードマルク県のレーナ市の選挙テント。左はじの白い小さなテントは中央党。真ん中の赤テントが労働党。右はじが左派社会党。


もう少しノルウェー選挙を知りたいかたは:

■ノルウェー選挙で約束された賃金の男女平等
―「福祉を支えているのは女性たち」との理解ひろがる
http://janjan.voicejapan.org/world/0909/0909230685/1.php

■ノルウェー総選挙女性議員39%でも「少ない」
―移民排斥の進歩党は警戒され、社会民主政権が続投へ
http://janjan.voicejapan.org/world/0909/0909170335/1.php

■ノルウェー総選挙は「男女賃金格差の解消」が最大の争点
―ノルウェー女性の賃金は同国男性の85%、日本女性は66%!
http://janjan.voicejapan.org/world/0908/0908178849/1.php

■投票期間なんと2ヶ月半、ノルウェー国政選挙始まる
―全人口の1割占める移民「新ノルウェー人」の投票率向上へ
http://janjan.voicejapan.org/world/0907/0907106705/1.php
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by bekokuma321 | 2009-09-28 18:47 | ノルウェー

オバマ大統領の目玉のひとつは、健康保険制度改革だ。アメリカには、健康保険に未加入の人が5000万人もいるといわれている。

女たちは、生涯にわたって疾病率が高いうえ、多くの場合、子どもや家族の健康を誰よりも心配している。しかし、女たちの収入は男性より低い。公的健康保険制度がなく、高額の私的な保険制度しかないアメリカの現実は、女たちにとって、より深刻だ。だから、これは女性問題なのだ、という。

公的健康保険制度を待ち望んでいる女性団体の声が活発になってきた。9月18日は、ミッシェル・オバマ(大統領夫人)が、「健康保険改革は女性問題だ。健康保険成立をめざして戦おう」と、スピーチした。

「アメリカの現在の健康保険制度は許しがたい。オバマ大統領が進めている健康保険制度は、女性たちにとって、男性以上に重要だ。女性の命、家族を大切にしたいあなたにとって、この闘いは勝たなければならない」と、いうような趣旨だった。

全文はこちらからhttp://www.whitehouse.gov/the_press_office/Remarks-by-the-First-Lady-on-What-Health-Insurance-Reform-Means-for-Women-and-Families/

女性解放団体フェミニスト・マジョリティ・ファンデーションは、ハンディで読みやすいパンフを作成し、ネットで流しはじめた。「健康保険改革と女性」http://feminist.org/hot_topics/HealthInsuranceReformandWomen.html

「女性と健康改革団体」というHPもできたhttp://www.womenandhealthcarereform.org/

アメリカの女たちの闘いに、心から連帯したい。
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by bekokuma321 | 2009-09-28 15:07 | USA

アメリカのオバマ大統領の国連総会での演説は、ただちに無数のメディアで報道されている。その中から、ほとんど取り上げられていない、女性に関する個所を紹介する。

「国際連合憲章は、われわれ一人一人に次のように約束させています。引用しましょう―『基本的人権と人間の尊厳及び価値と、男女及の同権とに関する信念をあらためて確信する』。

これらの権利の中には、己自身の信念と信仰を表現する自由があります。民族間の平等、女性と少女が持てる力を追求できる機会の約束があります。どのような政治を望むか、法による行政に自信を持てる市民の力があります」

全文はこちら(英語)
http://www.nytimes.com/2009/09/24/us/politics/24prexy.text.html?pagewanted=1&_r=1
またはこちら(英語)
http://www.whitehouse.gov/the_press_office/Remarks-by-the-President-to-the-United-Nations-General-Assembly/

参考
■男女平等主義者オバマ ――初の黒人大統領の陰に4人の女性あり――
http://janjan.voicejapan.org/world/0811/0811070987/1.php
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by bekokuma321 | 2009-09-25 01:05 | USA

■ノルウェー総選挙女性議員39%でも「少ない」
移民排斥の進歩党は警戒され、社会民主政権が続投へ

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ノルウェー国民は9月14日の総選挙で、中道左派政権の続投を選んだ。労働党、左派社会党、中央党の3党による連立政権は、2013年まで国民生活のかじ取りを続けることになった。

女性議員は2人増え66人。169議席中39.1%だった。男女平等・差別撤廃オンブッドは、さっそく、「女性は半々であるべき。39.1%ではまだまだ少ない」と声明を発表した。同オンブッドは、女性や移民など人種差別をなくし平等をすすめるオンブズマン。大臣と検察官を足して2で割ったような国家機関。

c0166264_18095.jpg今回の選挙では、破竹の勢いの進歩党(極端な右派)がどこまで票を伸ばすか、それにともなって政権が中道左派から保守に移るのではないか、と騒がれた。隣国スウェーデンやデンマークのように保守中道政権が誕生するのではないかとの憶測も飛び交った。でも、ノルウェー国民が選んだのは社会民主政権だった。

つづきはインターネット新聞JANJANを
【JANJAN編集部からのお知らせ】<世界> ・ノルウェー総選挙女性議員39%でも「少ない」 ノルウェーで先ごろ行われた総選挙では女性議員がさらに増えて39%を超えたが、クオータ制が目標とする40%にはまだ達しないうえ、男女平等オンブッドは「男女は半々であるべきだ」と不満なのだという。やはり総選挙が行われたばかりの我が国は10%台前半でしかないことと比べ、夢のような話だ。こういう国もあると、日本人の狭い視野を広げてくれる優れたルポ2009/09/18
http://janjan.voicejapan.org/world/0909/0909170335/1.php

写真上は、9月14日と15日の間の深夜のノルウェー国会議事堂。大勢が判明した後、主要政党7党首が国会に集まり記者会見に臨む。NRK(NHKにあたる)が全国に生放送中継中。左翼から右翼までそのイデオロギー順に左から右に座っている点がおもしろい。左から左派社会党(財務相)、労働党(首相)、中央党(国土交通相)、自由党、キリスト教民主党、保守党、進歩党。主要7政党のうち4党が女性党首というのもおもしろい。写真下はNRK作成の国会政党別議席。赤(労働党)、濃赤(左派社会党)、緑(中央党)、黄(キリスト教民主党)、黄緑(自由党)、青(保守党)、濃紺(進歩党)、えんじ(他)。
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by bekokuma321 | 2009-09-20 13:42 | ノルウェー

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ノルウェーは、左派中道政権が続投することになった。

国政選挙の結果が決まったのは、深夜。過去4年間、政権を担ってきた労働党、派社会党、中央党の3党が過半数を制した。

世論調査は、スウェーデンやデンマークに足並みをそろえ、ノルウェーも保守政権に交替か、と予想されていた。しかし、ノルウェー国民は、今後4年間、政権のかじ取りを現政権に任せることを選んだ。

左派陣営、右派陣営とも、党首の半数が女性だ。そのため、次期首相と目されていた3人のうち、2人までが女性だった。

今朝、オスロのナショナルセアター駅で聞いた市民の声は:

「私は、オスロ市に勤める公務員です。人間同士の連帯を重んじる労働党が勝利したことを、とてもうれしく思います。進歩党は勢力を伸ばしましたが、労働党の躍進でブレーキがかかったはずです。残念ながら、オスロ市は、進歩党と保守党が大きなパワーを持っていますが、私は、いやですね」(中年の女性)

「IT会社に勤めています。僕はデンマーク人で、オスロに住んではいますが選挙権はありません。でも今日の結果を歓迎しています。デンマークは保守政権に変わりました。僕は、社会福祉サービスの質の低下を危ぶんでいます。サービス低下しないよう、税は少々高くてもかまいません。納税することが社会の責任をあらわすことだと思っています」(若い男性)

「私は、17歳なので選挙はできませんでした。でも、労働党が好きですので、選挙の結果には満足しています」(オスロ近郊の高校に通う高校生。写真)
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by bekokuma321 | 2009-09-15 21:22 | ノルウェー

c0166264_13182887.gif9月8日(火)午後8時、ノルウェーのスクール・エレクション結果が公表された。

381校が参加し、投票率は77%だった。トップは労働党だったが、進歩党の獲得した票とほぼ拮抗。進歩党の強さを見せられた。

http://www.nrk.no/nyheter/innenriks/valg/valg_2009/1.6766056
http://www.nrk.no/nyheter/innenriks/valg/valg_2009/1.6764305
http://www.samfunnsveven.no/skolevalg/delta/liste?aar=2009

P.S. 上記データはNRK(ノルウェー放送協会)による。集計管理をしている団体「社会ウエブ」によると、参加校は396となっている。左表は「社会ウエブ」作成のスクール・エレクション政党別得票率
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by bekokuma321 | 2009-09-09 03:36 | ノルウェー

BBCによると、スーダンのルブナ・A・フセインLubna Ahmed al-Husseinさんは、投獄されている。女性の身でズボンをはいたことが、その罪状だ。

フセインさんは、国連機関でも働いたことのある著名なジャーナリスト。ズボンをはいたことが、スーダンの刑法152条による「わいせつな服装をした」罪とされ、逮捕された。

その後、200ドルの罰金刑を課された。しかし、彼女は、審判にはなんら正当な理由がないと、支払いを拒否。投獄されるほうを選んだ。

弁護士によると、「フセインさんは、自分の事件を、スーダン女性の権利のためのテストケースとしたいと語っている」。

http://news.bbc.co.uk/2/hi/africa/8241894.stm
http://news.bbc.co.uk/2/hi/africa/8182658.stm
http://news.bbc.co.uk/2/hi/africa/8147329.stm
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by bekokuma321 | 2009-09-08 04:14 | アジア・アフリカ

c0166264_23172083.jpgノルウェーでは、中学・高校生も、国政選挙のたびに毎回、投票をする。「スクール・エレクション」だ。

各学校の投票結果は全て集計され、インターネットを通じて公表される。今年は、明日9月8日(火)午後8時に結果がわかる。

ノルウェーは、法律で、選挙権は18歳以上、選挙の場所も定められているので、スクール・エレクションはもちろん正式の選挙ではない。「模擬選挙」と呼んだほうが、私たちにはわかりやすいかもしれない。

報道によると、今年は、全国のほぼすべての中学校・高校がスクール・エレクションへの参加を表明しているという。

選挙活動の方法は、学校によってさまざまだ。生徒会(生徒議会と呼ぶ)が企画実行にあたる。支持する政党がはっきりしている生徒の代表が、講堂の演壇に並び、大人顔負けに政治討論会をしたり、学校のある地域の政党幹部または議員候補自身が、学校に招かれ、演説会をする場合もある。先生が生徒に「政党事務所で選挙公約を調査してきて、支持政党を決めること」というようなフィールドワークを課し、それに基づいてクラスで政治討論会をし、生徒の投票に結びつける場合もある。

選挙キャンペーンを経て、生徒たちは、学校ごとに投票をする。以前、スクール・エレクションの取材をしたことがあるが、その時訪問したある学校では、職員室に「投票箱」が設置されていた。

おもしろいのは、中高生の選挙結果を政治評論家やメディアも注目し、大きく報道することだ。1週間後に控える本番の投票行動の参考にされるのである。日本で、子どもや女性による「模擬議会」が開かれることがあるが、社会への影響がまったくなく、スクール・エレクションとは雲泥の差だ。

重要なことは、ノルウェーでは、教育現場の政治活動は、生徒の民主主義養成に役立つと、奨励されてきたことだ。

集計管理を担う「社会ウェブ」は、スクール・エレクションを、「政治的ロールプレイである。生徒たちは、実際の行動を通じて、選挙や、政党、選挙事務局について体得し、この国の政治制度がどのように動いているかを知ることになる」と意義を語る。

「男女平等世界一の国」、「世界で最も住みやすい国」の背景には、こうした教育の力がある。

■参考サイト(ノルウェー語)
http://www.nsd.uib.no/index.html
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by bekokuma321 | 2009-09-07 14:23 | ノルウェー