4月28日、アメリカの黒人の女性解放運動家サージャナー・トルース像が、キャピタル・ヒルにお目見えした。報道によると、オープニング式に立ち会った、ファーストレディのミッシェル・オバマは、「彼女は、私を誇らしく見てくれると思う。奴隷の子孫でありながら、初めて大統領の妻となった私を」と語った。

サージャナー・トルース(1797-1883)の不屈の闘争人生において、最もよく知られているのは、1851年の女性の権利会議で行った「私は女ではないというのか?"Ain't I A Woman?" 」というスピーチである。女性が大勢の聴衆の前で演説することは非常に珍しかった時代、しかも黒人。「さがれ!」「二ガ‐の出る幕じゃない」などという怒号とヤジの中、発言したとされている。彼女の端的で力強いスピーチは、女性解放運動家の手で残され、女性たちに語り継がれ、アメリカ女性解放史に金字塔を打ち立てた。

サージャナー・トルース像がキャピタル・ヒルに立てられた背景には、黒人女性の地位向上に生涯をかけた政治家Dr. C. Delores Tuckerの長い運動があると、フェミニスト・マジョリティ・ファウンデーションは語っている。タッカー博士は2005年に亡くなる直前まで、トルース像建立の実現に向けて苦慮していたとされる。

http://www.upi.com/Top_News/2009/04/28/First-lady-unveils-statue-of-abolitionist/UPI-14841240972700/
http://www.cbn.com/CBNnews/590868.aspx
http://www.sojournertruth.org/
http://feminist.org/news/newsbyte/uswire.asp
http://www.fordham.edu/halsall/mod/sojtruth-woman.html
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by bekokuma321 | 2009-04-30 14:39 | USA

4月25日、北欧アイスランドの総選挙で、レズビアンを公表している女性が首相に選出された。ヨハンナ・ジグルザルドッティルさん。この1月、世界金融危機の影響で国家経済が破綻し、連立政権が崩壊。前首相が病気で辞任した後、暫定政権の首相をつとめていた。

ヨハンナ・ジグルザルドッティルさんは、連立政権の社会民主同盟所属。政治家の前は、元客室乗務員で労組役員だった。シビル・ユニオンによるパートナーとの間に、2人の子どもを持つ。

BBCによると、社会民主同盟の書記長は、「このたびの内閣が歴史的なのは、ゲイの首相が誕生したことではなく、アイスランド初の男女同数内閣が誕生したことです。同性愛であろうとなかろうと、有権者は気にしていません」という。

アイスランドは、1980年、選挙で世界初の女性の大統領フィンボガドッティルさんを選出した。その背景のひとつに、1975年、アイスランド全土のほとんどの女性が「女性のストライキ」に参加し、国家をマヒ状態にまでもっていったというニュースがある。他の北欧諸国と同様に男女平等と福祉政策が充実している。

また、家の中では靴を脱ぐ習慣や、あちこちにある温泉が社交場となっている点など、日本と似ている点がある。

http://news.bbc.co.uk/2/hi/europe/7862804.stm
http://www.advocate.com/news_detail_ektid80744.asp
http://www.geographia.com/iceland/cultureshe.htm

■アイスランドの男女平等についての日本語の本は
http://www.kanshin.jp/iceland/index.php3?mode=keyword&id=197335
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by bekokuma321 | 2009-04-30 12:33 | 北欧

日本でも、格差解消やワーキングプアがようやく社会問題となったが、政府の具体策はない。イギリスでは、政府が、政治課題として取り組み、法案をつくり、議会に提案し、その解消政策に着手しようとしている。

鍵となるのは、平等法 (Equalities Bill)。

この平等法案は、昨年末イギリスの国会に提出され、現在も審議中だ。提案した平等大臣ハリエット・ハーマンは、「平等法」こそ、公平な経済社会をつくり未来の発展につながる、と成立に意欲を見せる。

平等法は、性や年齢、肌の色による差別を禁止するための包括的法律だ。その特徴は、250人以上の従業員を雇用する会社はすべて、男女別の賃金格差がわかるような報告書を提出させることや、自治体や病院・福祉・教育などの公的機関に、女性やマイノリティを優先的に雇用することを奨励させるなど。

法案提出の理由は、わずか6歳で、優秀な子どもでも貧しい家庭に育つと、金持ちの家の優秀でない子どもに追い越されてしまうという事実や、貧しい地域に育った子どもは病気に苦しむ傾向が高いという事実が、調査によって明らかになったことから、具体的改善は社会の責務だからというものだ。

一方、保守党は、「法的権利があるよと告げたところで、人間の生活がよくなるものではない」と反対している。経済界代表は、「平等法が施行されると、さらに不況脱出が遅れ、会社は、従業員の雇用を控えることになる」と否定的だ。しかし、平等大臣は、「不況を不平等社会の弁解にすることは許されない」と応酬する。

これまで数多くの差別禁止法があったが、この法律にまとめることで、お役所の縦割り解消もめざすという。この法案を提出したのは平等省だ。これは日本の少子化・男女共同参画省にあたる。そう、小渕大臣、あなたです。頑張って!


http://www.idea.gov.uk/idk/core/page.do?pageId=8890195 
http://www.equalities.gov.uk/PDF/FrameworkforaFairerFuture.pdf(男女平等法に関する概要、40ページ)
http://www.ofmdfmni.gov.uk/index/equality/gender-equality/gender-cartoons/gender-cartoons-thirteen.htm (1人親家庭の賃金を、シングルマザーとシングルファーザーにわけるとこんなに格差があるという漫画。一見して男女差別がわかる)
http://www.equalityhumanrights.com/en/Pages/default.aspx
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by bekokuma321 | 2009-04-27 16:20 | ヨーロッパ

島根県松江市議会選挙は議員定数48を34に減らす中で行われた。女性議員数は改選前の6から3に半減した。当選者は田中明子(公明・現)、貴谷まい(保守系無所属・新)、飯塚悌子(共産・現)さん。新人では、貴谷さんが当選したが、渡部みちえさんが落選した。

当選にはまずは立候補しなくてはならないが、そもそも女性候補は46人中5人で、わずか1割。

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 (男性ばかりと言ってもいいポスターに、ため息をつく勝又みずえさん。勝又さんは女性ゼロ議会をなくそうキャンペーン責任者)。

定数削減の動きが進められている中、新人には厳しい選挙が続く。しかし、子育て、介護、DV、食の安全など緊急かつ重要な政治課題は、女性のパワーを絶対に必要としている。女性議員を増やすための新しい戦略が必要だ。

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            団地の前に立って公約を訴える新人の貴谷候補


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            手づくり選挙で2度目の挑戦をした渡部候補

■現地報告や関係者コメントはこちら
「定数減改選の松江市議会で女性議員が半減」(三井マリ子)
http://janjan.voicejapan.org/election/0904/0904201835/1.php

■参考サイト
女性ゼロ議会をなくそうキャンペーン
http://www.afer.jp/report/campaign/index.html
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by bekokuma321 | 2009-04-25 01:59 | アジア・アフリカ

宝塚市長に中川智子さん

19日の兵庫県宝塚市長選で女性市長が誕生した。宝塚市は、2代続いて市長が汚職で逮捕された。市長選は、6人の候補者による大混戦。「唯一の女性候補」、元社民党衆院議員の中川智子さんが当選。宝塚初の女性の市長となった。

c0166264_1503048.jpg中川 ともこ(なかがわ ともこ) 無所属 25,851
いとう 順一(いとう じゅんいち) 無所属 (民主党) 20,060
しば たくや(しば たくや) 無所属 12,228
西田 雅彦(にしだ まさひこ) 無所属 8,277
菊川 みよし(きくかわ みよし) 無所属 (自民党支部長) 6,348
中原 ひとし(なかはら ひとし) 無所属 5,132

市民はこれまでの保守系男性市長の不祥事に愛想を尽かし、クリーンな女性を市長に選んで希望を託したと、インターネット新聞・さとうしゅういち記者が書く。
http://janjan.voicejapan.org/election/0904/0904191811/1.php

【写真はバックラッシュに怒る集いに参加した中川智子さん】
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by bekokuma321 | 2009-04-20 14:24 | アジア・アフリカ

19日、島根県の松江市議会選挙で、女性の当選者は3人だった。全議席34人中、1割以下。これまで6人の女性議員がいたが、3人に半減。歴史の歯車が逆回転してしまった。

女性の立候補も少なく、現職3人、新人2人の5人だった。新人女性候補2人は、貴谷まいが当選、渡部みちえが落選し、当落をわけた。

貴谷まいは、松江市議を7期つとめた後藤カン一氏(自民)の後継者として、さらに、きたにクリニック医院長の妻として、地縁・血縁中心の選挙戦を展開した。加えて、全国フェミ二スト議員連盟会員や他の女性関係団体の支援もとりつけるなど、新人ながら、終始有利に闘った。

渡部みちえは、2度目の挑戦。女性団体、市民団体中心の手作り選挙。前回の惜敗を挽回すべく、亀井あきこ参議院議員と白石恵子島根県議の推薦を得たものの、保守の地盤を切り崩すことはできなかった。

今回から全市一区という「大選挙区」。亀井あきこ参議院議員は、群馬の全国女性議員サミットで、「ポスター掲示板が730所に上り、ポスターを全部はりきれるかどうかで、まず女性議員は試される」と言っていた。

はくいし恵子の風だよりには、先月こんな記事があった。
http://hakuishi-keiko.blog.ocn.ne.jp/
「花冷えの日が続いていますが、お堀の周りの桜が咲き始めました。もうすぐ4月。我が市は市長選、市議選が開幕です。12日告示、19日投票という日程ですので、選挙戦まであと2週間を切りました。今のところ、34の議席を46人で争うことになりそうです。女性は6人いましたが、そのうち3人が勇退。新人女性は2人立候補予定ですので、2人とも当選しても1人減です。残念です。せっかく2人の女性県議が誕生した、と喜んで貰えたのに、市議で減ってはならないのですが、やはり金も時間も、そして何より本人の勇気とパワーが必要な選挙への挑戦は女性にはハードルが高いのでしょうか。ともかく立候補する2人の女性には是が非でも当選を勝ち取って貰いたい!でないと我が市は女性の声が、考えが反映されにくい町になってしまうじゃないですか。どうぞ頑張って!そして松江の女性の皆さん、しっかり女性を応援しましょう!34の議席の半分は私達女性のものなのですから。」
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by bekokuma321 | 2009-04-20 08:43 | アジア・アフリカ

オバマ大統領が新設した、国際女性問題担当の無任所大使にMelanne Verveer が就任した。国際女性問題担当大使は、新設ポストである。女性問題は外務外交問題に不可欠とみなすクリントン国務大臣の下で執務することになる。

Melanne Verveer は、NPO法人「Vital Voices (元気な声)」共同代表として、国際的観点から女性指導者育成を目標に活動してきた経歴の持ち主。クリントン政権で要職にあった。

ホワイト・ハウスは、この前例のない大使の任務は、大統領と政府の全政策に、国際的視野から女性問題の重要性を反映させることになる、と語った。

オバマ大統領は、矢継ぎ早に女性問題を推進するポストを新設している。まず、ホワイト・ハウス内に「女性・少女協議会」、そして、上院外交委員会に「女性問題を扱うサブ委員会」 今度は、「国際女性問題担当大使」である。女性政策への強い意志を感じさせる。

一方、日本は、男女平等が男女共同参画になり、男女共同参画・少子化大臣が生まれたものの、今や、男女共同参画すらどこかに消え、「少子化大臣」となっている。各地の行政広報でも、「男女共同参画」から「男女」(ジェンダー)を削除し、「共同参画」という用語だけにして使っている。こうした政策の変化に、疑問といらだちでいっぱいの女性が多いのは当然だ。

http://www.whitehouse.gov/the_press_office/President-Obama-Announces-Key-State-Department-Appointments/
http://www.vitalvoices.org/desktopdefault.aspx?page_id=734
http://www.vitalvoices.org/desktopdefault.aspx?page_id=978

■女性・少女協議会については
http://frihet.exblog.jp/11094282/

■オバマの男女平等政策については
男女平等主義者オバマ
――初の黒人大統領の陰に4人の女性あり――
http://janjan.voicejapan.org/world/0811/0811070987/1.php
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by bekokuma321 | 2009-04-15 21:34 | USA

4月11日、12日、群馬県高崎市で、「全国女性議員サミット」が開催された。1998年から始まり、今年は第5回目。

11日は、600人近くの参加者を前に、「女性の政治参画を推進するために」という全体会。与野党から7人の女性国会議員が、あまりに少ない日本の女性議員数を増やすために、どうするべきかを話しあった。

パネリストは、糸数慶子(無所属)、小渕優子(自民党)、紙智子(共産党)、亀井亜紀子(国民新党)、古屋範子(公明党)、福島みずほ(社民党)、円より子(民主党)。

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主催は同実行委員会。実行委員長をつとめた山崎紫生さん(高崎商科大教授)は、「上州はかかあ天下に空っ風と評されるとおり、群馬の女性は実に働きものでパワーあふれています」と語った。

国連から日本政府に勧告された「クオータ(割り当て)制」の推進に対してどういう方向性が出るか注目されていた。しかし、女性議員といえども、強力な推進派は多くなく、合意にはいたらなかった。女性議員の多くが所属する政党の意向に影響されていることと、女性議員自身が、女性差別撤廃と女性の人権確立のため、女性の政治進出を最大の優先課題にしていないからだ、と考えられる。

12日は、6つの分科会に別れ、女性のかかえている諸問題をテーマに討論を続けた。その中から第3分科会「パワーあふれる女性の働き方」を報告する。

新しい時代を切り拓いた女性たちはみな、大胆ともいえる勇気の持ち主。政治、商業、農業の世界で、新機軸を拓いた女性たちの源泉が、語られた。

岩尾光代さんは、サンデー毎日編集者で、『はじめての女性代議士たち』(新風舎、2006年)の著者。戦後の焼け野原の中、日本の女性たちは初の政治参政権を獲得した。選挙資金どころか、ないないづくしの苦難を乗り越えて立候補し当選した女性衆議院議員の挑戦を報告した。

原田節子さんは、原田/ガトーフェスタハラダ 専務取締役。時代の波を受け低迷していた明治創業の和菓子屋を、大成功に転換させた。14人の従業員を500人に増やした女性取締役の秘話をパワーポイントを使って紹介した。 

山崎洋子さんは、福井県三国町において「おけら牧場・ラーバンの森」を運営する傍ら、「田舎のヒロインわくわくネットワーク」代表として活躍。和牛繁殖からジェラート製造まで手がける。さらに、日本の農業に新風を吹かせようと、全国の女性農業者をネットワークする様子を語った。

3時間の後半は、三井マリ子コーディネイターが、「国連のNGO会議や、国際会議でとられている方式で、全員が1分ずつ今日のテーマに関するスピーチをしよう」と提案。70人近い参加者全員が、1分の持ち時間を守って演台でスピーチ。夫をどう教育するか、から、梅干の産業化まで、女性たちの多様な働き方と日常を披露しあった。男性社会を変えつつある全国から集った女性の発言につつまれ、会場は興奮の渦につつまれた。

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なお、第4回女性議員サミット後、立ち消えさせてはならじと、第5回開催に向けて数年前から運動を続けていたのが長野県下諏訪の樽川通子さん。その事実をお知らせし、彼女の陰の功労に心から感謝したい。http://janjan.voicejapan.org/election/0704/0704123633/1.php

[写真上:11日全体会の後半部(退席した議員もいる)、 下:12日第3分科会終了後(全員ではない)]

■■全国女性議員サミット in ぐんまHP■■
http://samitto5.hp.infoseek.co.jp/index.html

■■全国フェミニスト議員連盟■■
http://www.afer.jp/


===
以下は、共同通信を通じて、全国地方紙に報道された記事(2009年4月11日)

群馬で「女性議員サミット」 少子化、共同参画を討議
女性の政治参画推進を目指す「第5回全国女性議員サミット」が11日、群馬県高崎市で開かれ、小渕優子少子化担当相や社民党の福島瑞穂党首ら衆参両院の女性国会議員7人が子育て支援策などをめぐって討議した。会場には地方議員を中心に約530人が集まった。

小渕氏は「少子化問題も男女共同参画も制度、予算ともに不十分。女だけの問題だと思われているうちは前に進まない。世界第2位の経済大国なのに(女性が)やりたいことや結婚をあきらめるのでは豊かな国とは言えない」と述べ、女性が働きやすい環境づくりを進めていく決意を示した。

シンポジウムでは、世界各国と比較して日本で女性の社会進出が立ち遅れている現状が報告され、国会に「クオータ(割当枠)」をつくって女性議員を増やす可能性などを討議。「性別による固定的な役割分担意識や、それに基づく制度や慣行の存在」が女性を政策決定から遠ざけているとして、女性の力で社会を変えようと訴える「サミット宣言」を採択した。(共同)
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by bekokuma321 | 2009-04-14 13:11 | アジア・アフリカ

ノルウェー銀行NORの調査によると、女性のほうが男性よりも貯金額が少ないという。また、投資の仕方も男女で異なり、女性は家の中のことや休暇に投資し、男性は車や不動産に投資する傾向がある。消費経済学者によると、こうしたことによって、長期的には男性に比べ女性は経済力で負けてしまう。ノルウェーの女性の平均貯蓄額は年1万から2万クローネ。つまり円にすると年15万円から30万円となる。

小学校から大学まで教育費、そして医療費はほぼ無料で、老後の年金保障が万全で公的介護もまあまあ心配ない福祉の充実した国だからだと思う。

出典:http://www.norwaypost.no/content/view/21869/26/
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by bekokuma321 | 2009-04-13 12:10 | ノルウェー

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ベリット・オースは、昨年80歳の誕生日を祝った。

「あちこちから取材が舞い込んでくるんですよ。テレビ、ラジオ、出版・・・。学生たちは私の映画を作るという。そのたびに、あーあれは何歳のときだったかしら、えーとあれは何年ごろ・・・と家中を資料を探しまわります。80歳になって、若い人たちと、もう一度、人生を生き直しているような感じですね」

ベリットについての本は・・・。スウェーデンのジャーナリストAmi Lonnrothの手で『私はいつも怒ってる』。同じくスウェーデンの作家Anette Utterbackは、『ヴァイキングの娘』。本国ノルウェーでは、作家Ebba Haslundが『アスケールの炎』。自宅の壁には、Ami Lonnrothの手になる『私はいつも怒ってる』の表紙が掲げていた。Tシャツにたくさんの運動バッジをつけて、元気に怒るベリットだった。

ノルウェーの作家Ebba Haslundについて、ベリット・オースは言う。「私は80歳。エバは90歳よ。保守党シンパなんだけどフェミ二スト。私とは大の仲良し」。90歳の女性が、80歳の女性について本を書く。老後の暮らし方でもなく、介護や癌の本でもなく、いまだ燃え盛る闘う女性の生きかたについて。なんと刺激的なことよ。

そして、今春、ベリット・オースは、NIKK誌最新号の表紙を飾った。同誌によれば、彼女の本『世界の女たちーーー解放のためのハンドブック』の改訂版が発行予定だという。

ベリット・オースは1970年代、ノルウェー初の女性の政党党首となった偉大な政治家である。現左派社会党となったその政党で、党首をチェアマンではなくパーティリーダーと呼ぶようにしたのは彼女だ。ノルウェーの選挙制度を利用して、政党の決めた候補者リストから男性候補を消去して女性候補を当選させる大運動をした。クオータ制を初めて政党で実行し、女性議員を増やした。クオータ制は、その後のノルウェーの政治を変えた。このあたりは、『男を消せ!--ノルウェーを変えた女のクーデター』(毎日新聞社)に詳述されている。

オスロ大学の社会心理学の教授でもあった(現在名誉教授)。さらに平和運動家、EU反対運動家・・・。最も世界で知られているのは、ベリット・オースが生み出した理論「5つの抑圧テクニック」。女性を馬鹿にして自信を奪ってしまう男性のトリックを5つにまとめたものだ。女性たちが、自信をなくさせられている理由に気づくと、そこから力がモリモリついてくる、という。詳しくは、『女たちのパワーブック』(かもがわ出版)で。

2003年、来日して、大阪豊中市、武生市(現越前市)、高知市などで講演をした。講演では、「5つの抑圧テクニック」を英語で伝授し、日本の女性たちに政治進出を促した。日本にも大勢のファンがいる。講演内容は「"ご主人さま"の5大抑圧テクニック」としてまとめたものがHPで読める。講演後にベリット・オースの許可を得て、誰にもわかりやすく、とっつきやすいようにと編集加工に取り組みパネル化した。そのパネルは豊中市の男女共同参画推進センター「すてっぷ」に保存されている。

写真は、自宅の居間で「ノルウェーでも女性差別はまだまだたくさん」と語るベリット・オース。背後の女性像はタペストリー。彼女が創設し学長を務めた「フェミ二スト大学」に掲げられていたもの。数年前、赤字となって廃校に至った際、この1枚だけ持ち帰ったという。ベリットの家はオスロ郊外のアスケール

http://eng.kilden.forskningsradet.no/c52781/publikasjon/vis.html?tid=60650&strukt_tid=52781
http://www.hersketeknikker.no/
http://www.hersketeknikker.no/turneapning.html
http://www.ordfront.se/Bocker/Nyabocker/Forbannadarjagganskaofta.aspx

●ベリット・オース来日講演録「"ご主人さま"の5大抑圧テクニック」http://www009.upp.so-net.ne.jp/mariko-m/nor_030517report.html
●ベリット・オース理論「5つの抑圧テクニック」を基に作った男女平等パネルhttp://www009.upp.so-net.ne.jp/mariko-m/step_panel.html
●ベリット・オース来日を報じる毎日新聞(写真入り)http://www009.upp.so-net.ne.jp/mariko-m/nor_quota-system.html
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by bekokuma321 | 2009-04-10 00:21 | ノルウェー